[2640] 開閉ボタンがわからない

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<エレベーターの開閉ボタン、写真撮って送ってネ>

■気になるデザイン[26]
 開閉ボタンがわからない
 津田淳子

■装飾山イバラ道[35]
 人任せは結局お気楽じゃなかった──通販の組み立て家具設置始末
 武田瑛夢

■おかだの光画部トーク[14]
 ちゃんと撮れない感じを楽しむ「トイカメラ」で遊んでみよう
 (フィルムカメラ編)
 おかだよういち

■マガジンガイド&プレゼント
 「Web Designing」2009年6月号 毎日コミュニケーションズ刊


■気になるデザイン[26]
開閉ボタンがわからない

津田淳子
< https://bn.dgcr.com/archives/20090519140400.html
>
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私、右も左もわかりません。

いや、理解・判断する力がない、という慣用句としての意味ではなくて(それもあるが……)、文字通り「右」と「左」の区別がつかないのだ。空間認識力がない、とでも言うんでしょうか。

例えば、車に乗っていて家族に「次はどっち?」と聞かれて、「右、いや左!」と言ったり、場所を説明しろと言われて「まっすぐ行って2つ目の角を左、いや右!」と、こんな始末。

以前は、左右がわからないなんて私だけだろう……と思っていましたが、どうも世の中にはけっこういるらしいですな。私の敬愛するイラストレーターの方、デザイナーの方もそうだと聞いて、逆に「いやぁ、感性が同じなのかも!?」と嬉しくもなったり(違うか・笑)。

といっても日常生活で、左右がわからないままでは困ることもたまにあるので、右左の区別は、お箸を持つ方が右(右利きなので)、お茶碗を持つ方が左と、一瞬考えてから話すようにしている。マンガのような話だが本当です。

これを空間認識力というのかどうかよくわからないが、日常生活の中でこれと同じように間違えて慌てることがよくあるのが、今年始めの当コラムでもひとことだけ触れたことがある、エレベーターの「開」「閉」ボタン。人が向こうから走ってくるのを見て、「開」ボタンを押そうと思っているのに「閉」ボタンを押してしまったことがあるのは、私だけじゃないだろう。

周りの人に聞いてみても「あれ、わかりにくいよねー」という話ばかりで、「あの表示はわかりやすかったよ!」と聞いたことがない。うーむ、エレベーター業界(?)では、この開閉ボタン問題についてどう考えているのだ、と聞いてみようと思ったのだが、その前にまずは世の中にどんな表示があるのかを調べてみてからでないと、いろいろ面白い話が聞けないような気がして、今年の始めから急に思い立って、エレベーターに乗るたびに「開」「閉」ボタンをデジカメで撮っている。

で、5か月も撮っているとかなりの数が集まってくるのだが、残念ながら「これは秀逸!」というものにはまだ出会っていない。私の行動範囲内だけなので、かなり偏った地域だけということもあるので、読者のみなさま、身の回りのエレベーターの開閉ボタン、どんなにわかりにくくても構いませんので、パチリと撮って私まで送っていただけると嬉しいです(tsuda@graphicsha.co.jp)。ちなみにどこで撮ったかも簡単に教えていただけるとなお嬉しいです。

撮り貯めたものを見ていると、大きくわけて3種類に分けられる。▲を90度回転させてドアの開閉方向を図示(?)したもの、「開」「閉」と漢字で書いてあるもの、「ひらく」「とじる」とひらがなで書いてあるもの、また、たまに「OPEN」「CLOSE」というものもあった。そしてそれらの複合技もある。

漢字表示は、うーむ、字面が似すぎていてわかりにくい。▲タイプは落ち着いて見るとちゃんとわかるのだが、焦っているとなぜかパッとわからない。この中では私はひらがなタイプかアルファベットタイプが比較的わかりやすかった。

そういえば、この開閉ボタン。開閉のどちらかが緑、どちらかが黒になっていることが多いのだが、どちらが緑か実物を見ないでわかりますか?

答えはこちら。
< https://bn.dgcr.com/archives/2009/05/19/images/01 >

これはどのエレベーターでも同じように「開」方が緑になっていたので、業界規格とかで決まっているんでしょうね。でも、私はどちらが緑なのか覚えていないので、これも全然役立ってません……。

これはわかりやすいとかいう問題とは外れてしまうが、いろいろ見ている中で驚いた表示のひとつがこれ。
< https://bn.dgcr.com/archives/2009/05/19/images/02 >

「閉」と「呼」って! これはある製本会社さんの工場内にあるエレベーターで撮影したものなのだが、「呼」は初めて見たなぁ。社長さんに聞いてみたが、「乗るときに自分の階にエレベーターがいなければ『呼ぶ』でしょ」とのこと。うーむ、確かに。でも、エレベーターの外側のボタンだけならわかるが、内側もこのボタンでしたよ、社長! 中にいて「呼ぶ」って、どうしたら……。

エレベーターの開閉ボタンは、いつかどなたかに、決定版をデザインしてほしいと常々思っている。

最後に、わかりにくい表示で私が真っ先に思いつくものをご紹介しよう。
< https://bn.dgcr.com/archives/2009/05/19/images/03 >

これは、実家近くの第三京浜下にある道路標識なのだが、車で走っている最中、こんな表示がいきなり出て来たって、どの道には入って大丈夫なのか、わからないでしょ(苦笑)! 間違ってないけど用を成さないので、意味がない……。もうちょっと考えて取り付けませんか、国交省!

【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp
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< http://www.graphicsha.co.jp/
>

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■装飾山イバラ道[35]
人任せは結局お気楽じゃなかった──通販の組み立て家具設置始末

武田瑛夢
< https://bn.dgcr.com/archives/20090519140300.html
>
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仕事部屋に書棚が欲しくて、通販のカタログで探していた。私の部屋は天井高が2m50cm以上あるので、「転倒防止の突っ張り式の板」のついている家具でもなかなかあてはまるものがない。それ以下か、それ以上ならあるのに、ちょうど対象外ゾーンになってしまうようで、探してもなかなか見つからなかった。

既製のものでは、書棚に上置き棚をプラスして高さを出すものがほとんどらしい。寝室の衣類用たんすは、上置き棚をオーダーしたのでジャストサイズに作ってもらえたが、やはりオーダーは高くついてしまう。書棚くらいはありもので十分だと思ったのだ。

書棚と上置きの棚の組み合わせでちょうど良いものを探すと、唯一と言っていい商品があったのでさっそくオーダーした。ただひとつだけ心配だったのは、うちの天井高が「高さ2m〜2m50cm」などで表示される高さの、「上限ぴったり」だったこと。棚の上にねじでもう一枚の板を突っ張って、天井で押さえる仕組み。下はカーペットだし、上限ぎりぎりではたして突っ張り機能が生かせるのだろうか。でも、設置してみなければわからない。

●組み立ても依頼

通販の組み立て家具の場合、組み立て加工も有料で頼めるものがある。以前、私は机やテレビ台を自分で組み立ててみたけれど、良い結果になったことがあまりない。好きなものを作るのには熱中するのに、既成の完成品に近づけるのは苦手なのだ。

どこか納得のいかない箇所が必ず出てしまうし、ズレにズレが重なって最後の板は削らないと入らない! なんてこともあった。その削った傷が、使う時に見えるといちいち悲しい。それ以来、組み立て加工も依頼するようにしたら、そのお気楽さやありがたさを覚えてしまった。

冷蔵庫の上置き棚は、だんなさんに組み立ててもらった(だんなさんなら無料だし)。全部任せてもいいかなとも思うが、手伝う相棒が私では支えた時のバランスも悪い。上下で分かれると言っても高さと重さを考えると、業者に組み立ててもらった方が安心だと思った。

当日は業者の男性が二人掛かりだったので、すぐに済むかと思ったら案外時間がかかった。通販カタログに書いてある、組み立て時間の目安をはるかに越えていたと思う。自分たちならもっとかかっただろう。

棚が出来ていよいよ設置。書棚の上に上置き棚を重ねる。上置き棚の上部には突っ張りねじの板をつけていて、そのねじを全部下げた状態で重ねてしまった。棚の高さが最大で天井高と合うはずなので、ねじを上げた状態の方が良いのでは? と一瞬思ったけれど、余裕を考えてそうしている可能性もある。でも、やっぱりあとで板を上げるのが大変になっていた。手の届きにくい高さで、ねじを回し続ける作業が延々と続く。

うちには大きな脚立があるので出しておけば良かったけれど、片付けの時に奥にしまっていたので、セノ・ビーぐらいの簡易なものしかなかった。セノ・ビーは一瞬で折り畳めて便利な踏み台。

・セノ・ビー
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0020RMX7O/
>

業者も大きな脚立を車へ取りに行くほどでもないと思ったらしく、時間はかかるけれどそのまま手をのばして作業してもらった。後で考えると、大きな脚立を出して来た方がずっとスムーズだったし、その後の問題も少なかったかも。結局、なんとか突っ張り板もついて設置が完了。書類と予備部品を受け取って、お疲れさまでしたと言うやいなや、彼らは慌てて帰っていった。

●こんなはずでは……な結果に

しかし、後になって夫婦で確認すると、突っ張り板は前後逆についていて裏面の塗装のない部分が丸見えだし、上置き棚の前面の化粧扉部分は、ねじ留めを強く締めすぎているのか、表がでこぼこしてしまっている。ショックだ。

おまけに、予備部品じゃない部品がなぜか余っている。この部品なんだろうねと確認しようと思ったら、組み立て設計図がないことに気づいた。たぶん、業者が梱包材と一緒に持って帰ったのであろう。せっかく新しい家具を置き終えたのに、なんだかいろいろとがっかりだった。

いつもはチェックポイントに厳しいはずの自分が、後になってこれだけ気づいてしまうとは情けなかった。相手がいるうちに確認しておけば済むことなので、こちらのミスでもある。でも予想外に時間がかかっていたし(早く終えたいようだったし)、強く言えないムードもあった。

背の高い家具で突っ張り式なのに、残っていた部品はどうやら背面の連結金具らしい。通販会社にメールして設計図を送ってもらったのだけれど、メール担当から電話担当へ回されて手元に届くまではかなりの時間を要した。

結局、部品はやはり背面で上下の棚を連結するための金具で、自分たちで取り付けることに。業者も再度来てくれるとのことだったれど、またスケジュールを合わせたりで時間がかかりそうだったので。背面の作業なので、書棚本体を回転させて取り付けて、突っ張り板の向きも直した。人に頼みっぱなしでは終えられないものだなぁ。

完成度に関しては、通販の組み立て家具ってどんなにうまい人が組んでも、どこか合わない箇所が出るのはしょうがないことなんだと思う。板の断裁の誤差もあるし、穴の誤差もある。家具を組み立てる職人ならば、叩きながら全体を引き締めて問題が見えなくなるように組み上げられそう。家具における「組み立て」と「仕上げ」工程の重要さを改めて感じた。

自分が作った傷は悲しいけれど納得できるのに、料金を払って依頼したものにミスがあるとモヤモヤする。言うべきことと許すべきこと。組み立てを依頼すれば、自分で組むよりお気楽だと思っていたけれど、良いか悪いかの「判断」は必ず自分でしなきゃならないことだ。現場の物や人で判断する内容は変わるので、決してお気楽ではないことがわかった。

しかしながら肝心の棚の使い心地はなかなか良く、幅や奥行きはこの場所にはこれしかないだろうと思うほど見事にジャストサイズだった。壁のコンセントも照明のスイッチも隠れない。天井までの大容量で物が整理できる。このお値段なら上出来だ。

家具は出来上がり完成品の状態を自分で見て買うというのが一番だけれど、モノの買い方が変わってきた今では自分も変化しないといけない。お値段で得したぶん、おおらか心を持たないと気持ちよくお買い物できないのかも。

【武田瑛夢/たけだえいむ】 eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト“デコラティブマウンテン”
< http://www.eimu.com/
>

書棚の中にヘアアクセサリーばかりを並べたコーナーを作ってみたら、ボックスショップのマイブースのようになって楽しい。値段の札がついてたら小さなお店のよう。だんなさんとしては、仕事部屋の書棚にそんな遊び要素が出来ていて不満みたい。

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■おかだの光画部トーク[14]
ちゃんと撮れない感じを楽しむ「トイカメラ」で遊んでみよう
(フィルムカメラ編)

おかだよういち
< https://bn.dgcr.com/archives/20090519140200.html
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今回はちょっとデジカメの事を脱線して、ちゃんと撮れない感じを楽しむことができる「トイカメラ」の話をしてみましょう。

トイカメラとは読んで字の如く、おもちゃのカメラですが、よくファミレスのレジのあたりにあって、小さい子供にカメラ気分を味わせるために買い与える、本当のおもちゃカメラとは違います。トイカメラはちゃんと写真が写せます。でも、その写真はレンズも精度が悪くピントの具合も微妙。おまけに周辺の光量が暗くなってたりするので、仕事で使うようなかっちりした写真を撮ることはできません。

でも、マニアの間ではこの「ちゃんと写らない感じ」がウケています。狙って撮れない、偶然性を楽しむと言うか、とにかく適当に撮った写真でも出来上がった絵はちょっとしたアートっぽい感じになっちゃうところが楽しいのかもしれません。

トイカメラブームの火付け役となったのは、LOMO LC-Aではないでしょうか。LOMO LC-Aは1980年代にソ連で作られた、35mmフィルムを使うコンパクトカメラです。当時の生産ラインでは品質が安定しなかったため、一台一台微妙に写り具合が違うので、当たり外れもあるとてもアナログなカメラです。

現像するまでどんな風に写っているのかわからないというアートな描写に、ロシア以外の国で愛好者が多く、特にウィーンでは活発な芸術家達ファンによって、Lomography(ロモグラフィー)という芸術活動が始まり、熱烈なファンの支援でソ連崩壊後もロシアで生産が続けられ、2005年4月末まで販売されていました。

わたしも、2000年12月にLC-Aを手に入れたのですが、届いた梱包を解く段階からワクワクさせる楽しいカメラでした(当時、梱包を解く様子を写真に残していましたので、アップしてみました)。
< http://www.flickr.com/photos/okadayoichi/3543303082/in/set-72157615670331003/
>
< http://www.flickr.com/photos/okadayoichi/3543303442/in/set-72157615670331003/
>
< http://www.flickr.com/photos/okadayoichi/3542495397/in/set-72157615670331003/
>
< http://www.flickr.com/photos/okadayoichi/3542495781/in/set-72157615670331003/
>
< http://www.flickr.com/photos/okadayoichi/3542496171/in/set-72157615670331003/
>

中にはカメラ本体以外に、Lomographyのミニ写真集やフィルムなどが可愛くパッケージされていました。

最近話題のアニメ“けいおん”の中にも出てくる女の子の一人がこのLOMO LC-Aを使うシーンがありますので、また新たなブームがくるかもしれませんね。
http://www.tbs.co.jp/anime/k-on/

http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_ss_gw?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Daps&field-keywords=%82%AF%82%A2%82%A8%82%F1&x=10&y=18


今ではロシア製の完全未開封モノはなかなか購入できないようですが、2006年に多重露光機能や高感度フィルム使用可などの機能を追加したLC-A+が中国で生産再開されたので、新しい中国製のものは購入できます。

最近では、カラーフラッシュやリングフラッシュなど、様々なオプションパーツも充実していて、楽しく遊べそうです。
< http://www.lomography.jp/microsite/lca+jp/
>

LOMOで撮った写真がどんな風に素敵なのかは、flickrの多くのGroupに投稿されている作品を参考にしてみるとよくわかると思います。
< http://www.flickr.com/search/groups/?q=lomo
>

最近では、昨年秋に一風変わったトイカメラが誕生しています。
名前は“blackbird, fly”。LOMOと同じく35mmフィルムを使いますが、ボディはちょっと大きくレンズがふたつ付いた二眼レフカメラです。デジカメ全盛の時代にこういうアナログなアプローチは、巷で流行っているスローライフやスローフードのような、のんびりゆったりした時間を写すのにはいいツールかもしれません。
< http://www.superheadz.com/bbf/
>

このカメラが変わっているのは、35mmフィルムを3通りのサイズに使えるところです。中判のブローニーフィルムを6×4.5、6×6、6×7など違うフォーマットで使うのと似ていて、このカメラは24×24ミリ、24×36ミリ、36×36ミリの3サイズで撮れます。特に36×36だと、フィルムいっぱいのパーフォレーション(フィルムを巻上げる上下の穴)までイメージが写し込まれます。35mmフィルムで、真四角のスクエアフォーマットが撮れるなんてちょっと素敵じゃないですか?

ただ、これ一般のサイズとは異なり、かなり特殊なので普通に街の写真屋さんに現像を出してしまうとちょっと困ったことになるかもしれません。普通の自動現像機だとフィルムをカットする間隔とかも決まっているので、スクエアで撮ったものだと途中で切れちゃったりするかもしれないからです。

でも、大丈夫。blackbird,fly専門で、インターネットで現像・プリントを注文できるお店がちゃんとあります。
< http://www.cpp-royal.com/analog/bbf.html
>
< http://calamel.jp/Blackbird%20Fly%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%88/item/9947252
>

blackbird,flyのグループも、flickrにありますので参考にしてみてください。
< http://www.flickr.com/groups/842894@N24/
>

これら、トイカメラのキッチュなアナログ感を楽しむのは、パソコンのモニタ上ではなく、プリントして部屋の壁一面を埋め尽くすとか、アルバムに貼って文字などとコラージュするなど、実際に手に取って見られる方が向いているかもしれませんね。

上手く撮る必要がなく、感じたまま純粋にシャッターを押すだけ。そういう行為をただ楽しむというのも、また贅沢な写真の楽しみ方かもしれません。

フィルムのカメラはちょっと面倒。もうちょっと気楽にトイカメラしたいという人に、次回はデジタルのトイカメラをご紹介してみますね。

【おかだよういち/WEBクリエイター・デザイナー+フォトグラファー】
< http://s-style-arts.info/
> < mailto:okada@s-style-arts.com >

OFFTIMEという自転車買いました! 自転車に乗って見る"流れる景色"がとても新鮮です。

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■マガジンガイド&プレゼント
「Web Designing」2009年6月号 毎日コミュニケーションズ刊
< http://book.mycom.co.jp/wd/
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20090519140100.html
>
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《編集部より》

こんにちは、「Web Designing』編集部の西田です。現在、自転車のイタリア一周レースの「ジロ・デ・イタリア」が開催されています。
< http://www.gazzetta.it/Speciali/Giroditalia/2009/it/
>

Webサイトは、リーダージャージの「マリア・ローザ」(薄いピンク色)を基調としたものですね。日本ではCSチャンネルのJ SPORTSで生中継されていますが、ちょうど帰宅した時間くらいからの放送なので、かぶりつきで観てます。ちなみに、サイクルロードレースで使われているのは「ロードバイク」というドロップハンドルの自転車ですが、舗装された道を高速で進むことのみを考えて作られていて、軽量で走りに不必要なものは排除されています。かたや、山の悪路を走るための「マウンテンバイク」という自転車もあります。こちらは、頑丈なフレームにサスペンションが付いていて、重さはあるけれどドコでも走ることができます。同じ「スポーツバイク」といえども、まったく好対照で、ロードバイクで山道に行ってもまともに走れないし、マウンテンバイクで舗装道路を走っても全然スピードがでないのです。でも……、自転車乗りとしては、どちらもとっても楽しいのです!

さて、今月号の『Web Designing』は、特集1ではFlashの表現技法、特集2では文章術と、同じ「Webコンテンツ」でも、まったく対照的な特集の2本立てです。特集1では、Flashによるコンテンツ制作の裏側を10組のクリエイターが自ら解説しています。設計思想から実際の構成まで、話題を呼んだFlashコンテンツの裏側を完全公開! 必見です。特集2では、その対極ともいえる「テキストを読ませる」技術を解説しています。文章そのものだけではなく、その「見せ方」や「校正」なども含めた文章術を紹介しています。ビジュアル的なユーザーインターフェイスと詳細を伝えるテキスト。両極ともいえるこの2つの要素は、Webサイトにはどちらも欠かすことができないものであり、相互補完するものです。どちらの「技術」も、要チェックです。

●特集1:Flash最新表現の設計図
「あのFlashサイトはどうやって作られたのだろう」と考えてみても、その仕組みや狙いはなかなか想像しづらいものです。この特集では、現在のFlash表現を見渡した時に目立った「10の表現」を取り上げて、それぞれの代表的なWebサイトの仕組みを、制作者自身が解説します。解説してくれたのは有名なクリエイターばかり。あなたのFlash制作のヒントになることでしょう。

●特集2:読ませるための技術50
Web制作の現場で求められる文章力とは、何よりも、ユーザーに「伝わる」文章を書くことです。しかし、「Web」という場には独特なルールがあり、紙面と比べて読みにくく、読み疲れしやすいWebでは相応の工夫も必要になるのです。本特集では、その2つに焦点をあてて、「見やすく」「わかりやすい」文章を書くためのテクニックを徹底的に紹介します。その数なんと50。これをマスターすれば、あなたの文章は、グラフィックやデザインと同様に、サイトのクオリティを高める「武器」になるはずです。

今月からは、ケータイサイトのコンテンツ制作環境を俯瞰する「モバイルコンテンツ最前線」がはじまりました。また、集中連載の「ActionScriptライブラリではじめるFlash 3D」では、Papervision3Dを使った実践的なサンプルを紹介しています。そのほかにも、ドイツ発のWebオーサリングサービス「Jimdo(ジンドゥー)」やIE 8の新機能である「Webスライス」活用法の紹介など、今月も充実の内容です。定価1,280円で発売中です。

●本誌を毎日コミュニケーションズよりデジクリ読者2名様にプレゼント。
応募フォームをつかってください。締切は5月27日(水)14時。
当選者(都道府県、姓)はサイト上に6月上旬掲載予定です。
< http://www.dgcr.com/present/list.html
>

・アマゾンで見る
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0028GDHUY/dgcrcom-22/
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■編集後記(5/19)

・万城目学「プリンセス・トヨトミ」(文藝春秋、1009)を読む。500ページを超える長編である。「鴨川ホルモー」のようなオニは出ない。「鹿男あをによし」のような人語をしゃべる鹿も出ない。今回は普通の人間ばかりである。もっとも、女の子になりたいとセーラー服を着て(気の毒なくらい似合わない)通学し問題になる男子中学生がいて、彼がちょっと普通ではないかもしれない。「5月末日午後4時、大阪が全停止した。長く閉ざされた扉を開ける鍵となるのは、東京からやってきた3人の調査官、大阪で生まれ育った2人の少年少女。その10日前から物語が始まる」。まずイントロで、このような意味不明ながら、期待をもたせる前置きがある。その3人と2人の行動は3章の中盤までパラレルに語られ、いささか退屈な進行である。この作家のことだから、どう展開するのか予想がつかないところがいい味なので、我慢して読み進めたが……。長く閉ざされた扉とやらの正体は、もちろん荒唐無稽なものだが、いささか期待はずれのヘタなホラ話である。そう来るか、じゃあ気持ちよくだまされてみようか、その世界にひたろうかという気にならない(大阪人はのるかもしれない)。ホルモーや鹿男のように、絶対ありえないウソのおもしろさ楽しさにくらべ、むりやりこじつけたような中途半端な設定で、説明のくどさはいただけない。いろいろ材料を放りこんだものの、うまく料理できないうちに時間切れで生煮えといったかんじ。女の子になりたいセーラー服男子中学生の意味がよくわからないし、プリンセス・トヨトミのそれらしい見せ場もない。福田紀一、小松左京らの大阪テーマの上等なホラ話に比べると、この作品は長いだけであまりおもしろくない。映像化狙い見え見えなのもちょっとなー。(柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/416327880X/dgcrcom-22/
>
アマゾンで見る(レビュー37件)

・新型インフルのおかげ(?)で、しばらく連絡をとっていなかった遠方の友人からメールが届いて嬉しい。甥ら園児、小学生は外出できずに退屈していて、親御さんたちは子供たちの面倒を見るためにパートに出られない。うちはというと、毎日一人程度だった預かりが、四人になることも。四人バージョンは毎週末だけだったのだが、連日だと結構大変。仕事が……。子育てしながらSOHOしている人たちを改めて凄いと思ったよ。/「渡航歴のない人も今日から遺伝子検査実施」って今までしてなかったのね、関東……。近畿ばかりで発見されると思ったら、そういうカラクリだったとは。通常のインフルエンザは今の時期に流行らないので、流行っていたら新型インフルの可能性大きいよ。一週間分の食料とポカリの備蓄をおすすめ。かかったら買い物もままならないよ〜。(hammer.mule)
< http://www.ntv.co.jp/news/135622.html
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