[2651] 1982〜多摩蘭坂〜スローバラード

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<ああ、歌にはかなわないな>

■MKチャット対談 特別編
 1982〜多摩蘭坂〜スローバラード
 まつむらまきお

■グラフィック薄氷大魔王[181]
 ありったけScanSnap
 吉井 宏

■デジクリトーク
 「難解」が評価された「混沌の時代」が甦る──「『芸術』の予言」
 十河 進

■展覧会案内
 PARCO 40th anniversary「TOKYO 1969」


■MKチャット対談 特別編
1982〜多摩蘭坂〜スローバラード

まつむらまきお
< https://bn.dgcr.com/archives/20090603140400.html
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RCサクセションが流行ったのはちょうど浪人生〜大学の頃だった。弟が買ったアルバム「PLEASE」を聞いたのが最初だったと思う。

当時、サディスティックミカバンドやムーンライダーズを聞いていたぼくにとって、RCの第一印象は「かっこわるいな」だった。けばけばしいビジュアルと奇妙な声。面白いとは思ったけれど決して好きではなかった。「トランジスタ・ラジオ」や「Sweet Soul Music」はいい曲だとは思ったけれど、「体操しようよ」の奇妙さは気に入ったけれど、他の曲は好きにはなれなかった。

大学一年の時、なぜかその好きではなかったRCのライブカセットを買った。たぶん、当時好きだった女の子が、RCが好きとか、そんな理由だったように思う。その子が住んでいた国分寺出身のアーティスト、ということもあったのかもしれない。

LPではなくカセットテープを買ったのは、下宿にカセットウォークマンしかなかったからだ。「Yeahhhhhh...」という、武道館のライブを納めたそのカセットは、白ご飯のジャケット写真で、カセット本体はラメ入りのピンク。なぜか安っぽいピンクのイヤリングがオマケに付いていた。「かっこわるいな」と、やはりその時も思ったのを憶えている。

下宿に帰ってさっそくウォークマンにカセットをセットした。「ロックンロールショー」「Sweet Soul Music」「ダーリン・ミシン」とまさにドカドカうるさいナンバーが続く。下品だ。やはり好きになれない。当時はまだレンタルレコードもなかった時代。試聴なんてできなかった時代。音楽を買うのはいつだって賭だった。なけなしのお金で買ったのに失敗だったかな、と思った。うるささ最高潮の「ガ・ガ・ガ・ガ・ガ」の後、それは訪れた。

「多摩蘭坂」だった。

たった2音のギターのイントロからいきなり始まるその歌は、それまで知っていたRCとは全く違った。一人暮らしをはじめて、ようやく慣れてきた大学二年生の春。たった4室しかない小さな木造アパートの、六畳一間の部屋。窓に腰掛けて、タバコを吸いながら雑木林越しの月を見上げていたその気持ちが、不器用な恋愛をしていたその時の気持ちがそのまま、歌になっていた。

そして「スローバラード」

完全にやられた。せつないピアノソロのイントロから、振り絞るように歌い上げる清志郎の声。当時、市営グラウンドのそばに下宿していたというシンクロニシティも大きかった。クルマは持っていなかったけど、その歌詞は、下宿のある武蔵野の雑木林の、徹夜明けの白々と明けつつある風景と、不思議なほど重なった。歌の中の彼女の寝顔と、好きだった女の子の顔がぴったりとシンクロした。

当時下宿していた小平と、清志郎の出身地である国分寺は自転車で行ける距離。思いこみかもしれないけれど、自分の見ている風景、体験がそのまま、美しい歌詞とメロディで完璧なまでに表現されていた。

女の子が「多摩蘭坂はすぐ近くにあるのよ」と教えてくれた。ふたりで自転車で多摩蘭坂まで行ってみた。そこは特別な場所でもなんでもなく、どこにでもあるような、住宅地の中をつっきる自動車道だった。「多摩蘭坂」と書かれたバス停で記念写真を撮った。

その後買った中古のラジカセで、ふたりですり切れるほどカセットを聴いた。月を見るたびに多摩蘭坂を、グラウンドの横を通るたびにスローバラードを、彼女の顔を思い浮かべながら、口ずさんで歩いた。

この二曲はとても特別な歌になった。

その後はRCをあまり聞くことはなかったけれど、この二曲だけは口ずさみ続けてきた。卒業し、その女の子とは別れ、いつのまにか大人になっていったけれど、深夜、寝静まった街を一人歩くと知らず知らずのうちに多摩蘭坂が自然と口から出てくる。

夜の湿気を感じると、スローバラードをうたっている。
気持ちはあの頃となにも変わっていない。

そして、先月、清志郎が亡くなった。

清志郎が亡くなったと知った時、おどろいたし、残念だと思ったけれど、それほどショックではなかった。でも、ふと気が付くと、スローバラードを、多摩蘭坂を、歩きながら口ずさんでいた。

そして「ああ、歌にはかなわないな」と思った。

人間はいろんなものを作り、表現してゆく。ぼく自身は絵やマンガという手段を選んだけれど、演劇や建築をやっていたこともあるけど、でも、歌にはかなわないのだ。

絵でも映画でも建築でも、ふとそれを見たときの感覚を思い出すことはある。気に入った作品やレプリカを飾っておくこともある。何度も見たいと思ってDVDを買ったり、キャラクターグッズを買ったりする。

でも歌はそんなメディアを必要とせず、多くの人の中に歌そのものが、存在し続ける。作者が亡くなっても、原盤がなくなっても、何十年もたっても、ネットも紙もなくても、歌詞とメロディは残っていく。それをよく聞いていた頃の記憶を鮮明に蘇らせる。

こんなことは他の表現にはできない。なんだって歌にはかなわないのだと思い知らされた。

そういえば自分で作品をつくるとき、歌のような作品を作りたいと漠然と思ってきた。そうか、そういうことだったんだ。歌に少しでも近づきたかったんだ。

多摩蘭坂のように、スローバラードのように、だれかの気持ちにひっかかって、特別で忘れられない何かを作り出せることができたら、そんなうれしいことはないだろう。自分がいなくなっても、自分が作ったことなんて誰も知らなくても、それがいつか、知らないだれかの気持ちに重なって、寄り添ってくれれば、それだけで生まれてきた意味があるだろう。

いや、だれかに聞かせたり、見せたりするために作るのではだめな気がする。その時の気持ちをそのまま、定着させることができれば、それが一番いい作品になる。この歌もきっとそうやって生まれてきたように思える。

そういったものは作りだそうとして作れるものではないのかもしれない。でも、作り続けることだけが、唯一の可能性であることはわかっている。

ならば、その時の気持ちを、見ているものを、印象を、そのまま描き止めてゆこう。そうすれば少しでも、歌に近づくことができるかもしれない。

清志郎はいなくなってしまったけれど、歌は残る。
くちびるにくっついたまま、そのまま。

【まつむら まきお/まんが家、イラストレーター・成安造形大学准教授・TSUTAYA会員】
< http://www.makion.net/
> < mailto:makio@makion.net >

今回、笠居さんが忙しいということで、めちゃくちゃ久しぶりに一人で書くことに。えらくプライベートな文章で申し訳ない。
インプレスのムック、「EOS kiss X3マスターガイド」にイラストを描きました。X3買った人、購入検討の人はぜひ〜。

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■グラフィック薄氷大魔王[181]
ありったけScanSnap

吉井 宏
< https://bn.dgcr.com/archives/20090603140300.html
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ScanSnapを新調しました。基本的にMac以外でスキャン作業はしないと思われるので、Mac専用の「ScanSnap S300M」です。ドライバをダウンロードすればWindows用モデルもMacで使えるそうなので、Mac専用モデルでなきゃいけないこともないんだけど、白いボディに惹かれました。
< http://scansnap.fujitsu.com/jp/product/s300m/
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「S1500M」の「A3サイズ対応」も魅力的だったけど、「S300M」の「USBバスパワー対応」が決め手になりました。ところが、この「USBバスパワー対応」にがっかり。スペック詳細を良く読めばよかった〜。確かにACアダプタでコンセントに繋がなくてもいいんだけど、読み取ったデータを転送するためのUSBの他に、二本目のUSBをパソコンに繋いで電力を供給する仕様でした。一本で済むのがイイのに〜。

とはいえ、上部の紙フィーダーをたためばスッキリ超コンパクトになるS300M、気に入ってます。必要なとき、電源スイッチを兼ねた上部のフタを開け、パカパカッとフィーダーを伸ばしてササッとスキャン。スキャン速度や画質もスペック上は上位機種と変わらない。少なくとも、以前使っていた初代ScanSnapより明らかにきれいにスキャンできる。紙詰まりの頻度も少ない気がする。ドライバの機能がWindows版より多少劣るようですが、普通に使う分にはほとんど支障ないです。

・参考「7年ぶりに発掘された初代ScanSnap」
< https://bn.dgcr.com/archives/20080618140100.html
>

ここ数週間、究極の大整理大会をやってました。以前ScanSnapについて書いたときは「もうスキャンする紙がない〜」などと甘っちょろいことをほざいてましたが、今回の整理ではScanSnapが大活躍。テーマは「紙のままとっておく必然性がない紙はすべてデータ化して捨てる」です。以前の決意、「ノートや手帳は金輪際使わない。スケッチもメモもペラの紙に書いてスキャンし、特に必要がない限りスキャンした紙は捨てることにしよう」を過去に遡って完全実践しようってわけです。

昔、「A4革命」って本にかぶれたおかげで、僕の場合、ノートやスケッチブックのほとんどがA4サイズってところが都合いい。捨てられず、たまりにたまっていたノートやスケッチブックやペラ紙のスケッチ、書類、20年以上前からのノートやシステムバインダーの紙、雑誌の切り抜きや特集記事を切り出しておいたもの、などなど。A4より大きなスケッチブックはデジカメを併用してデジタル化。っていうかPDF化及びJPEG化。保存容量もノート一冊で数MB〜20MB程度と軽い。

一応、昔のノートやスケッチブックで大切だったりするものもあるのだが、PDFになってしまえばバックアップもできるし、iDisk等に保存しておくこともできる。紙のままで置いておくより安心なのだ。

以前、「イラストレーターMさんが何十年分のスケッチブックの山をあっさり処分したという話」をmixiで読みましたが、とてもじゃないけどそこまでの境地には至ってません。未練タラタラのPDF化であります。でも、大昔のメモ書きスケッチを見ると、その当時は料理方法がわからなかったアイディアも、今なら面白い仕上がりを思い描けるわけで、完全に捨てちゃうには惜しすぎる。

【吉井 宏/イラストレーター】  hiroshi@yoshii.com
HP < http://www.yoshii.com
>
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
>

「国営マンガ喫茶」と呼ばれている、「(仮称)国立メディア芸術総合センター」の計画。箱モノに税金をつぎ込んで天下り先を大量に確保するやり方が良くないのは当たり前だし、なぜこの時期にという疑問もわかる。でもアレ、「国営マンガ喫茶」じゃないよ。マンガ図書館でもない。美術館でメディアセンターだよ。国民が制作したマンガやアニメなどを含むメディア芸術の成果を、散逸しないように国がきちんと収集・保存・管理・展示するのは必要なことだと思う。どういう仕組みになるのか知らないけど、出版したら必ず一部を納める国会図書館みたいに、国内で作られたすべての作品が必ずそこにある、という施設になるなら非常に意味が大きいはずで、全人類の財産になる。入場料収益が赤字だ黒字だなんて関係ない次元で、国の重要な施設になるだろう。
「国営マンガ喫茶」とは、ニュースを聞きかじった人が反射的に反感を覚える、わかりやすいレッテル貼りだ。センセーショナルな見出しでこの計画を知った人がほとんどだろう。僕も、それはひどい! と思いましたもん。でもそれは誰かのイメージ操作だということをわかった上で、是非を考えたいものであります。
もちろん117億はお金かけすぎかなとは思うけど、国立の施設、それも現代日本の顔の一つになる可能性のある施設としては、そう悪い計画じゃないと思う。ただし、「国がコントロールに乗り出した業界は必ず衰退する」らしいです。国に無視され続けてきたからこそ、雑草のように強くなったんだから。管理するのは成果物だけにしておいてほしい。

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■デジクリトーク
「難解」が評価された「混沌の時代」が甦る──「『芸術』の予言」

十河 進
< https://bn.dgcr.com/archives/20090603140200.html
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昨年、葛井欣士郎さんにインタビューをしてまとめた「遺書──アートシアター新宿文化」(河出書房新社)を読んだ。帯には「60/70年代の伝説=葛井欣士郎 アートシアター新宿文化・ATGのプロデューサーがすべてを語る」とある。十代末の僕が通った映画館の支配人が、当時のことを詳細に語った本だ。あの時代を表現するひとつの言葉は「アンダーグラウンド=アングラ」だろう。様々なサブカルチャーが花開いた時代だった。

その頃、フィルムアート社という気になる出版社が「季刊フィルム」という雑誌を出していた。後にフィルムアート社には敬愛する詩人の稲川方人さんが社員で在籍しているらしいと知り、僕のあこがれの出版社になった。しかし、小ロットのクオリティの高い雑誌故に一冊当たりの単価が高くて、買いたいと思いつつ立ち読みですまさせてもらうことも多かった。数年後、僕自身が映像関係の専門出版社に入社するとは予想もしていなかった。

その「季刊フィルム」と「芸術倶楽部」に掲載された記事を抜粋してまとめた本が出たというので、さっそく手に取った。「『芸術』の予言」(フィルムアート社・本体2700円)である。帯には「60年代ラディカル・カルチャアの軌跡」とある。そうか、「サブ・カルチャア」は「宝島」や「ポパイ」が創刊された頃に出てきた言葉だったかな、と改めて思った。今年、70年代前半に「宝島」を創刊した津野海太郎さんの「おかしな時代」(本の雑誌社)を面白く読んだが、その本にも60年代末から70年代初めの文化的混沌が活写されていた。

60年代のラディカル・カルチャアの特徴は、文学、映画、アート、写真、デザイン、広告、ミュージック、建築、演劇、舞踏、テレビドラマ、ドキュメンタリー、マンガなどがジャンルを超えて混ざり合い、様々な芸術の試みがなされていたことだろう。そういう意味では「『芸術』の予言」というタイトルはぴったりである。登場する人たちも寺山修司、横尾忠則、森山大道、中平卓馬、杉浦康平、大島渚、磯崎新、武満徹、今野勉、飯村隆彦など、多岐にわたっている。

あれは四方田犬彦さんの「ハイスクール1968」(現在は新潮文庫)だったと思うが、「あの頃のキーワードは『難解』だった」という意味の文章が出てきた。そう言えば、60年代後半のカルチャアを担った月刊誌「ガロ」か「COM」に掲載されたマンガで、主人公が「ナンカイよ〜ん」とつぶやいたコマを僕は未だに憶えている。作者は佐々木マキか、伝説の岡田史子か、少なくとも宮谷一彦ではなかった。

「『芸術』の予言」を読み返していて、僕が思い出したのはその「難解」という言葉だった。あの頃は、難解であればあるほど珍重され評価されたのだ。訳がわからなければ「凄い」と言われた。今でも僕は新宿文化や蠍座で見た難解な映画群を思い出す。「空、見たか?」「修羅」「薔薇の葬列」「絞死刑」「新宿泥棒日記」「エロス+虐殺」などなど。横尾忠則風のサイケデリックなポスターが、新宿の酒場にはいっぱい貼られていた。路上で、突然、難解な詩のようなものを叫び出す若者がいた。新宿駅前では紅テントの役者たちがハプニングを繰り広げた。ジャズ喫茶ではフリージャズが咆吼した。「『芸術』の予言」を読むと、そんな時代の空気がよもがえる。資料としても貴重だが、「混沌」とした時代を体験できる本としておすすめしたい。

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■「芸術」の予言!! 60年代ラディカル・カルチュアの軌跡
< http://www.filmart.co.jp/cat138/60_1.php
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1968年から1974年にかけてフィルムアート社より刊行されていた、知る人ぞ知る幻の雑誌、『季刊フィルム』『芸術倶楽部』がいま、甦ります! 混沌と崩壊の先が見えない時代である今こそ響く、60年代・70年代という時代を読み解くバイブルです。

執筆陣:松本俊夫(映画監督)、粟津潔(デザイナー)、武満徹(音楽家)、赤瀬川原平(芸術家/作家)、荒木経惟(写真家)、寺山修司(演出家)、森山大道(写真家)、中平卓馬(写真家)、横尾忠則(アーティスト)、高橋悠治(音楽家)、篠田正浩(映画監督)、大島渚(映画監督)、足立正生(映画監督)、磯崎新(建築家)、桑原甲子雄(写真家)、杉浦康平(デザイナー)、高松次郎(アーティスト)、飯村隆彦(映像作家)、中原佑介(美術批評)…他

ISBN:978-4-8459-0929-2
定価:2,835円(本体2,700円+税)
仕様:四六変型/400ページ
発売:2009年5月18日
編集:「季刊フィルム」コレクション・編集部
発行:フィルムアート社

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4845909294/dgcrcom-22/
>
アマゾンで見る

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■展覧会案内
PARCO 40th anniversary「TOKYO 1969」
< http://www.parco-art.com/web/factory/tokyo19690905/index.php
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20090603140100.html
>
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会期:5月29日(金)〜6月15日(月)10:00〜21:00 最終日18時
会場:PARCO FACTORY(東京都渋谷区宇田川町15-1 パルコ パート1 6F TEL.03-3477-5873)
料金:一般300円、学生200円、小学生以下無料
内容:1969年のカルチャーを体感できる、読める! 聞ける! そして訊ける!聴ける! 空間を目指し、当時のレコードの展示に加え、レコードコンサートやトークイベントなどイベントを各週末に開催。貴重な当時の広告、イベントポスター、森山大道氏の写真作品などを展示、ウッドストック・フェスティバルの映像上映も。(サイトより)

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■編集後記(6/3)

日本鉄道旅行地図帳 12号 九州沖縄―全線・全駅・全廃線 (12) (新潮「旅」ムック)・新潮社の「日本鉄道旅行地図帳」が12巻で完結し、こういうシリーズものでわたしも初めて全巻を揃えた。累計135万部突破というから、いまどきたいした売れ行きだ。正確な縮尺の地形図上に鉄道路線と駅を忠実に配置し、既存の路線図のように歪んでいないからじつに見やすく美しい。しかし、その鉄道旅行地図は、各巻ともわずか6ページくらいで、他の情報はマニア向けといっていい。わたしに必要なのは、鉄道旅行地図だけをまとめたものだ。そんな一冊が、増刊ならぬ増結として発行された。「乗りつぶしノート」といい、全線全駅全廃線が掲載されている。シリーズと同サイズで、用紙はすこし厚い96ページ。いわゆる白地図で、自分が乗車した路線をマーカーで塗りつぶすことができる。ただし、4色ではなく黒と青の2色の印刷、黒の路線がJR、青の路線が私鉄などだ。地図は5つの地域に分けられ、各地域の冒頭ページには、その地域の特急、寝台列車、私鉄有料特急の系統図がある。列車の塗りつぶし用だ。鉄ちゃん向けに行き届いた企画だと感心する。廃線鉄道地図をもとにしているそうで、地図上には現行路線と廃線が同時に表示される。廃線は薄く印刷されているが、とても複雑で見にくい。現行路線だけで充分と思うが、マニアにとってはかつて乗車した、いまはなき路線も塗りつぶせるので「鉄道趣味人生の集大成」になるようだ。でも、やっぱり、あのきれいな鉄道旅行地図だけをまとめた一冊が欲しい。若い頃、自転車で走破したルートを武揚堂の道路地図上に赤鉛筆でなぞり、達成感を味わっていたことをなつかしく思い出す。(柴田)
< http://www.shinchosha.co.jp/railmap/
>  特設サイト
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4107900304/dgcrcom-22/
>
アマゾンで「日本鉄道旅行地図帳」を見る
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4107900312/dgcrcom-22/
>
アマゾンで「日本鉄道旅行地図帳増結乗りつぶしノート」を見る

・歌にはかなわない、か……。じーんときました。/Mac専用モデルいいなぁ。「CardMinder」が気になる〜。S510は買ったもののMacでしか使っていない…。スキャンしなきゃなぁとScanSnap熱ふたたび。紙(本や雑誌含む)さえなければ、シンプルな部屋になるんだけどなぁ。/地下鉄のプラットフォームに短いスカート(それもフレア!)、生足な女性が男性と歩いていた。少し後方にいた私。階段にさしかかり、ふと見上げるとスカートの中が見える。ちょ、ちょっとー! と焦ったのだが、私とその女性の間にいた男性陣ら(他人)は、その女性のすぐ後ろにはつかず、モーゼの十戒状態。男性陣らの視線は下。不注意な私だけが目撃することに。見せ用の下着を着ているだろうとは思うけれど、みんな困ってはったで〜!(hammer.mule)
< http://www.pfu.fujitsu.com/cardminder/
>  Mac版単体販売なし?