<なぜこんなにムダにでかいのか>
■デジアナ逆十字固め…[94]
哀しみの高分子ポリマーレンズ
上原ゼンジ
■わが逃走[47]
思い込み再び の巻
齋藤 浩
■デジクリトーク
編集者よ、熱き思いを語れ
柴田忠男
■コンテスト案内
エプソンフォトグランプリ2009
■気になる情報・記事CLIP
■デジアナ逆十字固め…[94]
哀しみの高分子ポリマーレンズ
上原ゼンジ
■わが逃走[47]
思い込み再び の巻
齋藤 浩
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柴田忠男
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■デジアナ逆十字固め…[94]
哀しみの高分子ポリマーレンズ
上原ゼンジ
< https://bn.dgcr.com/archives/20090709140500.html
>
───────────────────────────────────
高分子ポリマー球を撮影レンズとして使ってみる、というのをいろいろとやってきた。高分子ポリマーというのは、消臭ビーズとか、猫砂とか、植物の栽培用などに使う、水を吸ってプルプルに膨らむ透明の物質のことだ。
どうやってレンズ代わりに使ったのかというと、ガラス板の上にそのポリマー球を載せ、ガラスの下に置いた被写体を上から撮影するという方式だ。散りばめた球のひとつひとつに被写体が映り込んで面白い。しかし、このやり方だと被写体が限定されてしまうのが、いまいち不満。できたら外でスナップ写真なんかも撮ってみたいんだよなー、などという話を友人にしてみた。
すると友人は「鏡を使えばいいんじゃない?」というヒントをくれた。カメラを上から覗き込むというスタイルはそのままで、前方の被写体を45度に取り付けた鏡で上の方に反射させたらどうかというアイディアだ。ハッセルとかローライフレックスで撮影しているところを想像してみるといいかもしれない(いや、ちょっと違うか?)。
鏡を切るのは万華鏡の作成で慣れている。「よし、いつかやってみよう」と思いつつ時は流れ、そんなことも忘れてしまっていた。しかし最近、ポリマー球を使った、別の方式のレンズの作り方を思いついた。それは小さな水槽のようなものを作り、ポリマー球を詰めるという方法だ。
一辺をポリマー球よりも少し大きいぐらいの幅にしておけば、ポリマー球を詰めた時に面状に積み重なることになる。それをフィルターの枠に接着しておけば、レンズに装着することもできる。ステップアップリングを使えば、簡単にいろんなレンズに取り付けることができるという画期的なポリマーレンズだ。
その小さな水槽のようなものを作るための素材としては、透明なアクリル板を使うことにした。本当はガラスにしたいところだが、いまいちうまく作る自信がなかったのと、重くなってしまうからだ。アクリル板であれば、専用のカッターを使ってけがき(材料の上に傷をつけて線を描くこと)、ペチッと折れば簡単にカットすることができる。
水槽のように上だけ開いた透明な箱は、ボンドを使って接着した。フィルターの枠も同じようにボンドで接着すれば完成。鏡を使う方式よりは、かなりシンプルな工作となった。あとは高分子ポリマーを水でふやかして詰めればいい。
●今回の敗因は?
撮影は昭和記念公園で行った。こういうレンズを使うとけっこう広い範囲まで映り込むので、あまり邪魔な物がない広い場所が撮影しやすい。昭和記念公園という所は、有料なだけあって、花壇などもきれいに整備されているので、けっこう気持ちのいい空間だ。だだっ広い敷地内を自転車で走り回るのも気分がいい。
公園に着くと、タッパーに入れていたポリマー球をアクリル製アダプターケースに詰め、上の部分はテープでフタをした。いちおう、ポリマー球が上から飛び出さないようにしておいたということだ。撮影を始めると、すぐに問題が発覚した。ポリマー球のサイズというのはバラツキがあり、ある被写体を撮影した場合に、ピントが合っている球と合っていない球が出来てしまうのだ。
当然、チマチマとした球のそれぞれに被写体が映り込んでいるところを想定していたので、ボケてる球があると困るんだよ。どうしてくれるのさ。立川までわざわざやってきたというのに。入園料だってかかったのに。ピントが合わないなんて……。
まあ、多少ピントが合ってなくてもいいか、などと自分を誤魔化しながら撮影を続けていたら、今度はアクリルケースの中が曇ってきてしまった。ポリマー球の中には水分がたくさん含まれている。アクリルにはフタがされている。今日は天気がいい。曇って当たり前。というわけだ。
フタを外して放置しておけば大丈夫かな、と思い、芝生に寝転ぶ。しばらくハンカチ落としをする集団を呆然と眺めていたが、曇りがとれる気配はナシ。しょうがないからトイレに行って、一度ポリマー球を取り出し、ケースの中を洗って詰め直してみた。一瞬曇りはとれるのだが、撮影をしているとすぐに曇ってきてしまう。
ダメだ。失敗だな。天気がいい分、空しさも倍増する。悔しいので、園内で売られていた五浦ハムの備長炭焼きを食べながら、生ビールを飲む。どちらも旨い。五体に旨さとアルコール分が染み渡ってくる。しかし空しい……。
◇これがアクリル製高分子ポリマーアダプターと撮影した写真。描写自体はそんなに悪くないんだけどな。
< http://zenji.jugem.jp/?eid=14
>
【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
◇上原ゼンジの新刊
「ボケ/ブレ不思議写真術 カメラプラス」雷鳥社(1,575円)
< http://www.zenji.info/profile/book/fushigi/fushigi.html
>
◇上原ゼンジのWEBサイト
< http://www.zenji.info/
>
◇上原ゼンジのブログ
< http://zenji.jugem.jp/
>
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■わが逃走[47]
思い込み再び の巻
齋藤 浩
< https://bn.dgcr.com/archives/20090709140400.html
>
───────────────────────────────────
みなさん、こんにちは。私はどうも最初に「こうだ」と思い込んでしまうと、それが誤った情報でもそのまま突き進んでしまう性分のようです。
以前『わが逃走 第7回 思い込んだらの巻』でも描きましたが、例えばモノの名前から物語の内容に至るまで、自分の脳内で一度こうだ! と思った事柄は、わりと自信をもって間違え続けてしまう。
しかも時間の経過とともに誤った情報も増幅していき、しまいには正しいことを言ってる相手を小馬鹿にしてしまったりするのです。ああ、穴があったら入りたい。そして、真実を知った後で激しく反省するのです。
まあ今のところ、これといって他人に危害を与えるような危険な思い込み(参照:実話1)はしてないのですが、油断は禁物です。
実話1◆赤信号
私の知人で、良家の子女・H本さん(仮名)という美女がいる。生まれも育ちも学歴も、そりゃもう超お嬢様。ただ、幸か不幸か特異な美意識とおかしな常識を持ち合わせていたのだ。例えば、某やんごとなき一族も通うという中学に在籍していた頃は、北関東の暴走族のお姫様になることを夢見ていたとかね。
しかし、残念ながらそのような価値観を理解してくれるご学友が皆無だったため、そのまま仕方なくエスカレーター式に大学をご卒業、なぜかコピーライターになったという経歴を持つ。
噂によればずいぶん前に離婚して、現在は年齢を8歳ごまかして若い男とつきあってるらしい。最近会ってないけど、元気にしているだろうか。なんて言ってみたが、奴に限って絶対元気じゃない筈はない。
で、そのH本さん(仮名)が20代前半だった頃か。運転免許を取得すべく自動車学校に通っていて、助手席に教官を乗せてコースに出たときの話だ。
そのとき彼女は、信号が赤になったのにアクセルを踏み、交差点を通過しようとしたのだ。教官が慌ててブレーキをかける。
「何やってんだ! 信号を見なさい」
「え? 見てますよ。ほら、赤ですよ」
「だから赤だろう」
「赤ですね」
……的なやりとりが行われたらしい。
恐ろしいことにH本さん(仮名)は、赤信号の意味を20数年間『すすめ』だと思っていたのだ。厳密にいえば、ちょっと違う。彼女の理屈によれば「歩行者用の信号が赤になると車が走り出すじゃないですか。なので、赤になったらから車を走らせたんです」なのだそうだ。
その話を聞いたとき、どっと疲れたというか、世の中に嫌気がさしたというか、まあそんな気持になったことを、つい昨日のことのように覚えている。よくそれで今まで無事でいられたものだと思ったもんだが、彼女の行動や言動を観察していると、奴は絶対に死なないと確信できる。ほんと、才能なのか霊が守っているのか知らないが、そういう奴なのだ。
ここで具体例を出してもっと彼女について語りたいのだが、とても言えないような内容ばかりなので、文章にはできない。こんど飲み屋で会ったときにでもお話しましょう。
えー、実話1でした。私にも似たような思い込みはなくもない。幼稚園の頃、「道路を渡るときは、右を見て、左を見て、もう一度右を見てから渡りましょう」と教えられた際、右を見て、左を見て、もう一度右を見さえすれば、たとえ信号無視の車がつっこんで来ようと絶対に事故に遭うことはないのだと思っていたのです。
でも、それは4歳とか5歳の頃の話だしなあ。その後、命に関わるような思い込みはそんなになかったと思うのですが、美意識に関するおかしな思い込みはけっこうありました。その一例として、実話2をお送りします。
実話2◆カッペ
物心ついたときから、カッペに憧れていた。カッペとは、喉に絡んだ痰をカーッと口の中にもってきて、ペッと吐き出す一連の動作のことをさす。
私は物心ついたときから、朝はカッペで目覚めていた。向かいのカメヤマさん(仮名)が、毎朝雨戸を開けると同時にカーッ、ペッと道路に痰を吐くのだ。その音が空に響き渡り、S玉県O宮市のこの町にさわやかな朝の訪れを告げる。言うなれば、『天空の城ラピュタ』のパズーのトランペットのような存在であった。
また、父は会社から返って来ると必ずカッペをする。夜の訪れとともに家中に響くカーッ、ペッの音で、ああ、今日も一日が終わるなあ。明日も学校かー。なんて思ってたもんだ。
そういった訳で、カッペこそ大人の男の証なんだと、幼い私は思い込んでいたのだ。「ああ、僕もはやくお父さんみたいにカッペができるようになりたいな」小学1年生の私はカッペ上手なかっこいい大人になるべく独自の訓練を続け、半年後ついにその技を会得したのだ。
祖父の墓参りの帰りだったと記憶している。小学2年生になったある日、私は母に連れられてO宮駅構内の長い通路を歩いていた。チャンスだと思った。こういう雑踏な感じの場所にこそ、あの行為はよく似合う。
私は鼻の奥にたまった鼻水をずずずっと喉にもっていき、一気にカーッ、ペッと吐いたのである。「なんてことするの! きったない!!」それを見た母が凄い剣幕で私の頭をひっぱたいたのだ。
意外だった。私は「ああ、私の息子も、立派にカッペができるようになったんだねえ」と、しみじみと感慨深げに語る母の姿を想像していたので、その真逆の展開にかなり戸惑ったのだ。
また、父が毎日しているカッペには何も言わなかったので、父のカッペはきったなくなくて、私のカッペはきったないのか? 一見同じに見えるカッペでも実はきったなくないカッペができるようになるまでは、ものすごい忍耐と努力が必要なのかもしれない、なんて思ったりもした。
いま思えば、私の周囲が特異な環境であった訳だ。というか、むしろ原因は私自身にあり、普通は無視するようなことに、おかしな執着をもってしまう性分こそ問題だったのかもしれない。以上、実話2。
◆ねつ造された記憶
うーん、無駄な前置きが多いなあ。で、結局何の話をしたかったかといえば、長いこと固有名詞を間違って覚えていたことが、つい最近発覚した、という話なのです。
近所の中華料理屋『珍宝斎』には、たまに行っては定食なんぞ食べたりしているのですが、極親しい間柄の年上の女性Aさん(年齢非公開)はその店のことを「ひんほーさい」と呼ぶのです。
“ちんぽうさい”の「ちんぽう」の部分が気になるのでしょうか。そんな気にするようなことじゃなかろうに、恥ずかしがり屋さんだなあ。なんて思いつつ先日『珍宝斎』に行ってみたところ、看板にはでっかく『品芳斎』の文字が。
腰が抜けるほど驚いた。私が5年以上も『珍宝斎』だと思っていた店が、なんとホントは「ひんほーさい」だったのである。黄色地にスミ文字で、でっかく『珍宝斎』と書かれた看板が今でも目を閉じればリアルに思い出せるのですが、それらはすべて、ねつ造された記憶だったのです。そんな訳で、人の記憶なんて曖昧なもんですね。
というところで、今回はこのへんにしておきましょう。どうにもくだらない話を書いてしまいました。本当は、最近オープンした青山のフレンチレストランで美味しい料理とワインをたのしんだ話を書こうと思ったのに。
じゃ、それはまた次回ってことで。
【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。
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■デジクリトーク
編集者よ、熱き思いを語れ
柴田忠男
< https://bn.dgcr.com/archives/20090709140300.html
>
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講談社「モーニング特別編集」の豪華フルカラー増刊「MANDALA」を読む。とにかくでかくて重い。加えて高い。A4ワイド、340ページ、厚さ20ミリ、重量1300グラム弱。寝ながら両手で持ち上げて見るのは不可能な体裁だ。本の定価は税別2286円。
誌面は、前から右開きのSideAと、後ろから左開きのSideBに分かれている。収録作家は、日本が6人、イタリアが5人、フランス2人、ドイツが1人、スペインとドイツの合作が1、計15編16人である。「世界の『超』漫画マスター16人競演!」と背表紙にある。高級紙に美麗な印刷の豪華な短編マンガ集だ。
しかし、日本の優れたストーリーマンガに慣れきったわたしには、残念ながらこれらの作品の世界観には入って行けない。一枚絵としても美しいものもあるし、コマ割が新鮮に見えるものもあるが、夢中になってコマを追って行くことはない。
こういうタイプのマンガを忌避するわけではない。よくわからないのだ。わかったのは、器用な日本人作家は外国作品風にも描けるが、欧米の作家は日本作品風には描けないということだ。でも、永井豪作品だけは明らかに浮いている。この本のコンセプトとは違うような気がする。
各作品のトップページに作家のコメントと略歴があるが、なぜ彼らが「超」漫画マスターなのかといった説明はない。そもそもこの本の企画意図が巻頭の挨拶にない。なぜ、この本の意義をぶちあげないのか。なぜ、編集者の熱い思いを語らないのか。デジクリでもおなじみのmidoriさんも参加している、国際的な編集部からのメッセージがまったくないのだ。
年に一回発行されるこの豪華本を初めて手にした読者は、どんな価値判断で編まれた作品集なのか、不思議に思うだろう。わたしはこの本の意義を評価するものだが、なぜこんなにムダにでかいのかという気もする。A4正寸からはみ出た19ミリは、作家名とタイトルとページ掲載用に使われているだけであまり意味がない。紙も印刷も高級だが、そんなぜいたくは必要か。日本国内でさえ、発送にはゆうメールで450円もかかっている。外国に送るのにいったいいくらかかるのか。
もっとライト版にして、もっと頻繁に発行して、編集部もとりすましていないでもっと熱く訴えかけてほしい。そして、値段ももっと安くしてね。マンガ立国ニッポン、がんばれ。
< http://morningmanga.com/news/187
> MANDALA
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4063793613/dgcrcom-22/
>
アマゾンで見る
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■コンテスト案内
エプソンフォトグランプリ2009
< http://www.epson.jp/ec/campaign/contest/gp/
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20090709140200.html
>
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インクジェットプリンターでプリントされた写真作品を対象としたコンテスト「エプソンフォトグランプリ2009」では、7月8日から12月10日まで作品を募集する。このコンテストは2006年から開催し、今年で4回目。昨年度の応募は過去最高の16,898作品に及び、名実ともに国内最大級のデジタルフォトコンテストに成長しつつある。
本年度より、家族やペットなど普段の生活を楽しく撮った写真による「ファミリースナップ部門」を新設した。また、自然風景・動植物などをテーマとした「ネイチャー部門」、人々の生活をテーマとした「ヒューマンライフ部門」それぞれには、A3サイズ以上の優秀な作品を対象とした「ラージエプソン賞」を新設した。
「ネイチャー部門」「ヒューマンライフ部門」のグランプリは各1点、賞金100万円。準グランプリは賞金30万円、ほか各賞。「ファミリースナップ部門」の金賞は10万円。審査員は昨年に引き続き田沼武能氏と中村征夫氏。使用する機材のメーカーや機種は問わない。組写真、単写真のいずれも応募できる。個人のほかグループでの応募も可能で、応募点数に制限はない。
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■気になる情報・記事CLIP (マイコミジャーナル)
< https://bn.dgcr.com/archives/20090709140100.html
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・マイコミ優待登録7月9日まで! -クリエイターイベント「ReMIX Tokyo 09」
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/07/09/018/index.html
>
・マイクロソフト、Webクリエイター必見のイベント「ReMIX Tokyo 09」開催
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/06/01/006/
>
・全クリエイター必見イベント「ReMIX Tokyo 09」に川崎和男氏の登壇決定
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/06/19/038/
>
・【インタビュー】「ReMIX Tokyo 09」 -マイクロソフトがWebクリエイターに伝えたい想いとは
< http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/06/05/remixms/
>
・【コラム】世界中のクリエイターが敬愛する良質の文具やアイテムたち-4
17世紀鉛筆職人のスピリッツを受け継ぐ「STAEDTLER(ステッドラー)」の鉛筆
< http://journal.mycom.co.jp/column/creatorsitems/004/index.html
>
・【コラム】Flashアニメ作家・青池良輔の「創作番長クリエイタ」-9
ショートコンテンツ(短編作品)の物語作法について、さらに深く考える
< http://journal.mycom.co.jp/column/kurieita/009/index.html
>
・様々なジャンルの優秀なデザインが集結 -「グッドデザインエキスポ2009」
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/07/06/025/index.html
>
・『つみきのいえ』に続け! -「第13回文化庁メディア芸術祭」作品募集開始
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/06/26/038/index.html
>
・エコをテーマとした映像や音楽などの作品募集開始 -「eco japan cup 2009」
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/07/06/012/index.html
>
・「ニッサン童話と絵本のグランプリ」作品募集開始、大賞受賞作品出版決定
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/07/02/028/index.html
>
・プロクリエイターを目指す学生のための「学生CGコンテスト」作品募集開始
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/06/30/070/index.html
>
・クリエイターを刺激する2000種類のデザインアイテムを紹介するサイト登場
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/07/01/038/index.html
>
・500円でデジカメ画像からオリジナルフィギュアが作れる「ペラモデル」
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/07/02/077/index.html
>
・HDR合成を行い、カメラの能力を超える美しい画像を作成する「Hydra」
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/07/06/038/
>
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■編集後記(7/9)
・「今回は特にくだらなくてスミマセン」と齋藤さん。たしかに。笑いながら脱力。本誌の編集方針は「クリエイターの生活と意見、なんでもあり」ですからいいんですけどね。ノーギャラだし……。そういえば、文章のプロからデジクリに書きたいとアタックあったのだが、ノーギャラなんですと返事したら以後連絡なし(笑)。/姉妹紙「写真を楽しむ生活」のできるまでについて書く。とにかく、毎月始めまでに「全国写真展カレンダー」を作る。この一覧表がすべての基本で、A4の紙にプリントして束ねる。毎晩、翌日から始まる写真展をチェックし、データベースに入力し、メールマガジンを自動生成する。掲載する写真展は、カレンダーの当該スペースを蛍光の黄色いマーカーで塗りつぶす。前もってデータベースに入れてある写真展は、マーカーでスペースの上半分だけ塗っておき、掲載前日にメールマガジン誌面を確認しながら下半分も塗りつぶす。こういうふうにカレンダーを黄色く塗りつぶしていくと、掲載し忘れを防止でき、また達成感があって気持ちがいい。また、会期の長い写真展は適当なタイミングで再掲載、再再掲載するから、その日付にマークを入れておく。なんでもコンピュータの画面上で処理してしまうのではなく、紙に出したものを併用している。各ギャラリーの写真展情報は、時間や休みの日の情報がサイトから得られないこともある。この確認がいつも一番時間がかかり、めんどうくさい。そのほかの写真関連情報は、見回るサイトを決めているからかなり楽だ。そのとき、写真とは関係のない自転車、本、文房具、健康、旅行、家電新製品、ネット事情、玩具などのニュースやコラムを拾って来て、その他の情報として掲載している。ここはわたしの興味ある分野だが、読者がどう思っているかは知らない(笑)。「全国写真展カレンダー」は日本で唯一のもの、日本最強。「写真を楽しむ生活」もどうぞよろしく。(柴田)
< http://dgcr.com/photo/regist.html#on
> 登録はこちら
・続き。MacBook Pro 13インチの購入手続きを済ませた。預かっているデジカムを壊してはとすぐにでも返却したいのだ。昨日あれからMac miniにするかMacBook Proにするか迷った挙げ句、今後の予定などを加味してMacBook Proに。自宅ではクラムシェルモード(リッドクローズモード)で使って、外にも持ち運べるようにと。ディスプレイの大きさより軽さを重視した。Appleの製品は割引がきかないからと思いつつも、大手家電量販店のサイトを覗いてみたら、ヤマダが安い。定価から5,000円割引した上でポイントが13%。一番期待していたマック専門店のカスタマイズモデルには、MacBook Proは見当たらず。Appleストアでのメモリ増設・HDD換装は高いイメージがあって自分でするつもりなのだが、今回割高感はなくなっていたので、どちらで買うか迷う。どちらにしても一度実物を見てからと出かけたが、近場の「テック」とつく大型店にすら13インチしか並んでいない。その上在庫切れ。売れているらしい。仕方がないので都心の大型店に移動。製品全部が並んでいたけれど、13インチ、15インチともに売り切れ。取り寄せに一週間かかるという。がっかりしていたら、迷っていると思ったのかマシンガン商品PR。ありがとう。良さは知ってるよ、店員さん。店頭だとポイント15%になっていたが、もっと勉強してくれるようなことを言ってくれた。ネットだとポイントは少ないが、24時間出荷可能となっていたので、せっかく安くしてくれるのにごめんなさいと断って帰宅。なんとなく悪い気がして「Mini DisplayPort to DVI Adapter」は購入。LABI1なんばの店員さん、いい感じでしたよ〜!/店頭で見た限りだと、グレアが気になる。ディスプレイ自体もあんまり良くない気が……。メインがクラムシェルモードだからいいけど。(hammer.mule)
哀しみの高分子ポリマーレンズ
上原ゼンジ
< https://bn.dgcr.com/archives/20090709140500.html
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高分子ポリマー球を撮影レンズとして使ってみる、というのをいろいろとやってきた。高分子ポリマーというのは、消臭ビーズとか、猫砂とか、植物の栽培用などに使う、水を吸ってプルプルに膨らむ透明の物質のことだ。
どうやってレンズ代わりに使ったのかというと、ガラス板の上にそのポリマー球を載せ、ガラスの下に置いた被写体を上から撮影するという方式だ。散りばめた球のひとつひとつに被写体が映り込んで面白い。しかし、このやり方だと被写体が限定されてしまうのが、いまいち不満。できたら外でスナップ写真なんかも撮ってみたいんだよなー、などという話を友人にしてみた。
すると友人は「鏡を使えばいいんじゃない?」というヒントをくれた。カメラを上から覗き込むというスタイルはそのままで、前方の被写体を45度に取り付けた鏡で上の方に反射させたらどうかというアイディアだ。ハッセルとかローライフレックスで撮影しているところを想像してみるといいかもしれない(いや、ちょっと違うか?)。
鏡を切るのは万華鏡の作成で慣れている。「よし、いつかやってみよう」と思いつつ時は流れ、そんなことも忘れてしまっていた。しかし最近、ポリマー球を使った、別の方式のレンズの作り方を思いついた。それは小さな水槽のようなものを作り、ポリマー球を詰めるという方法だ。
一辺をポリマー球よりも少し大きいぐらいの幅にしておけば、ポリマー球を詰めた時に面状に積み重なることになる。それをフィルターの枠に接着しておけば、レンズに装着することもできる。ステップアップリングを使えば、簡単にいろんなレンズに取り付けることができるという画期的なポリマーレンズだ。
その小さな水槽のようなものを作るための素材としては、透明なアクリル板を使うことにした。本当はガラスにしたいところだが、いまいちうまく作る自信がなかったのと、重くなってしまうからだ。アクリル板であれば、専用のカッターを使ってけがき(材料の上に傷をつけて線を描くこと)、ペチッと折れば簡単にカットすることができる。
水槽のように上だけ開いた透明な箱は、ボンドを使って接着した。フィルターの枠も同じようにボンドで接着すれば完成。鏡を使う方式よりは、かなりシンプルな工作となった。あとは高分子ポリマーを水でふやかして詰めればいい。
●今回の敗因は?
撮影は昭和記念公園で行った。こういうレンズを使うとけっこう広い範囲まで映り込むので、あまり邪魔な物がない広い場所が撮影しやすい。昭和記念公園という所は、有料なだけあって、花壇などもきれいに整備されているので、けっこう気持ちのいい空間だ。だだっ広い敷地内を自転車で走り回るのも気分がいい。
公園に着くと、タッパーに入れていたポリマー球をアクリル製アダプターケースに詰め、上の部分はテープでフタをした。いちおう、ポリマー球が上から飛び出さないようにしておいたということだ。撮影を始めると、すぐに問題が発覚した。ポリマー球のサイズというのはバラツキがあり、ある被写体を撮影した場合に、ピントが合っている球と合っていない球が出来てしまうのだ。
当然、チマチマとした球のそれぞれに被写体が映り込んでいるところを想定していたので、ボケてる球があると困るんだよ。どうしてくれるのさ。立川までわざわざやってきたというのに。入園料だってかかったのに。ピントが合わないなんて……。
まあ、多少ピントが合ってなくてもいいか、などと自分を誤魔化しながら撮影を続けていたら、今度はアクリルケースの中が曇ってきてしまった。ポリマー球の中には水分がたくさん含まれている。アクリルにはフタがされている。今日は天気がいい。曇って当たり前。というわけだ。
フタを外して放置しておけば大丈夫かな、と思い、芝生に寝転ぶ。しばらくハンカチ落としをする集団を呆然と眺めていたが、曇りがとれる気配はナシ。しょうがないからトイレに行って、一度ポリマー球を取り出し、ケースの中を洗って詰め直してみた。一瞬曇りはとれるのだが、撮影をしているとすぐに曇ってきてしまう。
ダメだ。失敗だな。天気がいい分、空しさも倍増する。悔しいので、園内で売られていた五浦ハムの備長炭焼きを食べながら、生ビールを飲む。どちらも旨い。五体に旨さとアルコール分が染み渡ってくる。しかし空しい……。
◇これがアクリル製高分子ポリマーアダプターと撮影した写真。描写自体はそんなに悪くないんだけどな。
< http://zenji.jugem.jp/?eid=14
>
【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
◇上原ゼンジの新刊
「ボケ/ブレ不思議写真術 カメラプラス」雷鳥社(1,575円)
< http://www.zenji.info/profile/book/fushigi/fushigi.html
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◇上原ゼンジのWEBサイト
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◇上原ゼンジのブログ
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■わが逃走[47]
思い込み再び の巻
齋藤 浩
< https://bn.dgcr.com/archives/20090709140400.html
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みなさん、こんにちは。私はどうも最初に「こうだ」と思い込んでしまうと、それが誤った情報でもそのまま突き進んでしまう性分のようです。
以前『わが逃走 第7回 思い込んだらの巻』でも描きましたが、例えばモノの名前から物語の内容に至るまで、自分の脳内で一度こうだ! と思った事柄は、わりと自信をもって間違え続けてしまう。
しかも時間の経過とともに誤った情報も増幅していき、しまいには正しいことを言ってる相手を小馬鹿にしてしまったりするのです。ああ、穴があったら入りたい。そして、真実を知った後で激しく反省するのです。
まあ今のところ、これといって他人に危害を与えるような危険な思い込み(参照:実話1)はしてないのですが、油断は禁物です。
実話1◆赤信号
私の知人で、良家の子女・H本さん(仮名)という美女がいる。生まれも育ちも学歴も、そりゃもう超お嬢様。ただ、幸か不幸か特異な美意識とおかしな常識を持ち合わせていたのだ。例えば、某やんごとなき一族も通うという中学に在籍していた頃は、北関東の暴走族のお姫様になることを夢見ていたとかね。
しかし、残念ながらそのような価値観を理解してくれるご学友が皆無だったため、そのまま仕方なくエスカレーター式に大学をご卒業、なぜかコピーライターになったという経歴を持つ。
噂によればずいぶん前に離婚して、現在は年齢を8歳ごまかして若い男とつきあってるらしい。最近会ってないけど、元気にしているだろうか。なんて言ってみたが、奴に限って絶対元気じゃない筈はない。
で、そのH本さん(仮名)が20代前半だった頃か。運転免許を取得すべく自動車学校に通っていて、助手席に教官を乗せてコースに出たときの話だ。
そのとき彼女は、信号が赤になったのにアクセルを踏み、交差点を通過しようとしたのだ。教官が慌ててブレーキをかける。
「何やってんだ! 信号を見なさい」
「え? 見てますよ。ほら、赤ですよ」
「だから赤だろう」
「赤ですね」
……的なやりとりが行われたらしい。
恐ろしいことにH本さん(仮名)は、赤信号の意味を20数年間『すすめ』だと思っていたのだ。厳密にいえば、ちょっと違う。彼女の理屈によれば「歩行者用の信号が赤になると車が走り出すじゃないですか。なので、赤になったらから車を走らせたんです」なのだそうだ。
その話を聞いたとき、どっと疲れたというか、世の中に嫌気がさしたというか、まあそんな気持になったことを、つい昨日のことのように覚えている。よくそれで今まで無事でいられたものだと思ったもんだが、彼女の行動や言動を観察していると、奴は絶対に死なないと確信できる。ほんと、才能なのか霊が守っているのか知らないが、そういう奴なのだ。
ここで具体例を出してもっと彼女について語りたいのだが、とても言えないような内容ばかりなので、文章にはできない。こんど飲み屋で会ったときにでもお話しましょう。
えー、実話1でした。私にも似たような思い込みはなくもない。幼稚園の頃、「道路を渡るときは、右を見て、左を見て、もう一度右を見てから渡りましょう」と教えられた際、右を見て、左を見て、もう一度右を見さえすれば、たとえ信号無視の車がつっこんで来ようと絶対に事故に遭うことはないのだと思っていたのです。
でも、それは4歳とか5歳の頃の話だしなあ。その後、命に関わるような思い込みはそんなになかったと思うのですが、美意識に関するおかしな思い込みはけっこうありました。その一例として、実話2をお送りします。
実話2◆カッペ
物心ついたときから、カッペに憧れていた。カッペとは、喉に絡んだ痰をカーッと口の中にもってきて、ペッと吐き出す一連の動作のことをさす。
私は物心ついたときから、朝はカッペで目覚めていた。向かいのカメヤマさん(仮名)が、毎朝雨戸を開けると同時にカーッ、ペッと道路に痰を吐くのだ。その音が空に響き渡り、S玉県O宮市のこの町にさわやかな朝の訪れを告げる。言うなれば、『天空の城ラピュタ』のパズーのトランペットのような存在であった。
また、父は会社から返って来ると必ずカッペをする。夜の訪れとともに家中に響くカーッ、ペッの音で、ああ、今日も一日が終わるなあ。明日も学校かー。なんて思ってたもんだ。
そういった訳で、カッペこそ大人の男の証なんだと、幼い私は思い込んでいたのだ。「ああ、僕もはやくお父さんみたいにカッペができるようになりたいな」小学1年生の私はカッペ上手なかっこいい大人になるべく独自の訓練を続け、半年後ついにその技を会得したのだ。
祖父の墓参りの帰りだったと記憶している。小学2年生になったある日、私は母に連れられてO宮駅構内の長い通路を歩いていた。チャンスだと思った。こういう雑踏な感じの場所にこそ、あの行為はよく似合う。
私は鼻の奥にたまった鼻水をずずずっと喉にもっていき、一気にカーッ、ペッと吐いたのである。「なんてことするの! きったない!!」それを見た母が凄い剣幕で私の頭をひっぱたいたのだ。
意外だった。私は「ああ、私の息子も、立派にカッペができるようになったんだねえ」と、しみじみと感慨深げに語る母の姿を想像していたので、その真逆の展開にかなり戸惑ったのだ。
また、父が毎日しているカッペには何も言わなかったので、父のカッペはきったなくなくて、私のカッペはきったないのか? 一見同じに見えるカッペでも実はきったなくないカッペができるようになるまでは、ものすごい忍耐と努力が必要なのかもしれない、なんて思ったりもした。
いま思えば、私の周囲が特異な環境であった訳だ。というか、むしろ原因は私自身にあり、普通は無視するようなことに、おかしな執着をもってしまう性分こそ問題だったのかもしれない。以上、実話2。
◆ねつ造された記憶
うーん、無駄な前置きが多いなあ。で、結局何の話をしたかったかといえば、長いこと固有名詞を間違って覚えていたことが、つい最近発覚した、という話なのです。
近所の中華料理屋『珍宝斎』には、たまに行っては定食なんぞ食べたりしているのですが、極親しい間柄の年上の女性Aさん(年齢非公開)はその店のことを「ひんほーさい」と呼ぶのです。
“ちんぽうさい”の「ちんぽう」の部分が気になるのでしょうか。そんな気にするようなことじゃなかろうに、恥ずかしがり屋さんだなあ。なんて思いつつ先日『珍宝斎』に行ってみたところ、看板にはでっかく『品芳斎』の文字が。
腰が抜けるほど驚いた。私が5年以上も『珍宝斎』だと思っていた店が、なんとホントは「ひんほーさい」だったのである。黄色地にスミ文字で、でっかく『珍宝斎』と書かれた看板が今でも目を閉じればリアルに思い出せるのですが、それらはすべて、ねつ造された記憶だったのです。そんな訳で、人の記憶なんて曖昧なもんですね。
というところで、今回はこのへんにしておきましょう。どうにもくだらない話を書いてしまいました。本当は、最近オープンした青山のフレンチレストランで美味しい料理とワインをたのしんだ話を書こうと思ったのに。
じゃ、それはまた次回ってことで。
【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。
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■デジクリトーク
編集者よ、熱き思いを語れ
柴田忠男
< https://bn.dgcr.com/archives/20090709140300.html
>
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講談社「モーニング特別編集」の豪華フルカラー増刊「MANDALA」を読む。とにかくでかくて重い。加えて高い。A4ワイド、340ページ、厚さ20ミリ、重量1300グラム弱。寝ながら両手で持ち上げて見るのは不可能な体裁だ。本の定価は税別2286円。
誌面は、前から右開きのSideAと、後ろから左開きのSideBに分かれている。収録作家は、日本が6人、イタリアが5人、フランス2人、ドイツが1人、スペインとドイツの合作が1、計15編16人である。「世界の『超』漫画マスター16人競演!」と背表紙にある。高級紙に美麗な印刷の豪華な短編マンガ集だ。
しかし、日本の優れたストーリーマンガに慣れきったわたしには、残念ながらこれらの作品の世界観には入って行けない。一枚絵としても美しいものもあるし、コマ割が新鮮に見えるものもあるが、夢中になってコマを追って行くことはない。
こういうタイプのマンガを忌避するわけではない。よくわからないのだ。わかったのは、器用な日本人作家は外国作品風にも描けるが、欧米の作家は日本作品風には描けないということだ。でも、永井豪作品だけは明らかに浮いている。この本のコンセプトとは違うような気がする。
各作品のトップページに作家のコメントと略歴があるが、なぜ彼らが「超」漫画マスターなのかといった説明はない。そもそもこの本の企画意図が巻頭の挨拶にない。なぜ、この本の意義をぶちあげないのか。なぜ、編集者の熱い思いを語らないのか。デジクリでもおなじみのmidoriさんも参加している、国際的な編集部からのメッセージがまったくないのだ。
年に一回発行されるこの豪華本を初めて手にした読者は、どんな価値判断で編まれた作品集なのか、不思議に思うだろう。わたしはこの本の意義を評価するものだが、なぜこんなにムダにでかいのかという気もする。A4正寸からはみ出た19ミリは、作家名とタイトルとページ掲載用に使われているだけであまり意味がない。紙も印刷も高級だが、そんなぜいたくは必要か。日本国内でさえ、発送にはゆうメールで450円もかかっている。外国に送るのにいったいいくらかかるのか。
もっとライト版にして、もっと頻繁に発行して、編集部もとりすましていないでもっと熱く訴えかけてほしい。そして、値段ももっと安くしてね。マンガ立国ニッポン、がんばれ。
< http://morningmanga.com/news/187
> MANDALA
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4063793613/dgcrcom-22/
>
アマゾンで見る
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■コンテスト案内
エプソンフォトグランプリ2009
< http://www.epson.jp/ec/campaign/contest/gp/
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20090709140200.html
>
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インクジェットプリンターでプリントされた写真作品を対象としたコンテスト「エプソンフォトグランプリ2009」では、7月8日から12月10日まで作品を募集する。このコンテストは2006年から開催し、今年で4回目。昨年度の応募は過去最高の16,898作品に及び、名実ともに国内最大級のデジタルフォトコンテストに成長しつつある。
本年度より、家族やペットなど普段の生活を楽しく撮った写真による「ファミリースナップ部門」を新設した。また、自然風景・動植物などをテーマとした「ネイチャー部門」、人々の生活をテーマとした「ヒューマンライフ部門」それぞれには、A3サイズ以上の優秀な作品を対象とした「ラージエプソン賞」を新設した。
「ネイチャー部門」「ヒューマンライフ部門」のグランプリは各1点、賞金100万円。準グランプリは賞金30万円、ほか各賞。「ファミリースナップ部門」の金賞は10万円。審査員は昨年に引き続き田沼武能氏と中村征夫氏。使用する機材のメーカーや機種は問わない。組写真、単写真のいずれも応募できる。個人のほかグループでの応募も可能で、応募点数に制限はない。
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■気になる情報・記事CLIP (マイコミジャーナル)
< https://bn.dgcr.com/archives/20090709140100.html
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・マイコミ優待登録7月9日まで! -クリエイターイベント「ReMIX Tokyo 09」
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/07/09/018/index.html
>
・マイクロソフト、Webクリエイター必見のイベント「ReMIX Tokyo 09」開催
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/06/01/006/
>
・全クリエイター必見イベント「ReMIX Tokyo 09」に川崎和男氏の登壇決定
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/06/19/038/
>
・【インタビュー】「ReMIX Tokyo 09」 -マイクロソフトがWebクリエイターに伝えたい想いとは
< http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/06/05/remixms/
>
・【コラム】世界中のクリエイターが敬愛する良質の文具やアイテムたち-4
17世紀鉛筆職人のスピリッツを受け継ぐ「STAEDTLER(ステッドラー)」の鉛筆
< http://journal.mycom.co.jp/column/creatorsitems/004/index.html
>
・【コラム】Flashアニメ作家・青池良輔の「創作番長クリエイタ」-9
ショートコンテンツ(短編作品)の物語作法について、さらに深く考える
< http://journal.mycom.co.jp/column/kurieita/009/index.html
>
・様々なジャンルの優秀なデザインが集結 -「グッドデザインエキスポ2009」
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/07/06/025/index.html
>
・『つみきのいえ』に続け! -「第13回文化庁メディア芸術祭」作品募集開始
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/06/26/038/index.html
>
・エコをテーマとした映像や音楽などの作品募集開始 -「eco japan cup 2009」
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/07/06/012/index.html
>
・「ニッサン童話と絵本のグランプリ」作品募集開始、大賞受賞作品出版決定
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/07/02/028/index.html
>
・プロクリエイターを目指す学生のための「学生CGコンテスト」作品募集開始
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/06/30/070/index.html
>
・クリエイターを刺激する2000種類のデザインアイテムを紹介するサイト登場
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/07/01/038/index.html
>
・500円でデジカメ画像からオリジナルフィギュアが作れる「ペラモデル」
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/07/02/077/index.html
>
・HDR合成を行い、カメラの能力を超える美しい画像を作成する「Hydra」
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/07/06/038/
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■編集後記(7/9)
・「今回は特にくだらなくてスミマセン」と齋藤さん。たしかに。笑いながら脱力。本誌の編集方針は「クリエイターの生活と意見、なんでもあり」ですからいいんですけどね。ノーギャラだし……。そういえば、文章のプロからデジクリに書きたいとアタックあったのだが、ノーギャラなんですと返事したら以後連絡なし(笑)。/姉妹紙「写真を楽しむ生活」のできるまでについて書く。とにかく、毎月始めまでに「全国写真展カレンダー」を作る。この一覧表がすべての基本で、A4の紙にプリントして束ねる。毎晩、翌日から始まる写真展をチェックし、データベースに入力し、メールマガジンを自動生成する。掲載する写真展は、カレンダーの当該スペースを蛍光の黄色いマーカーで塗りつぶす。前もってデータベースに入れてある写真展は、マーカーでスペースの上半分だけ塗っておき、掲載前日にメールマガジン誌面を確認しながら下半分も塗りつぶす。こういうふうにカレンダーを黄色く塗りつぶしていくと、掲載し忘れを防止でき、また達成感があって気持ちがいい。また、会期の長い写真展は適当なタイミングで再掲載、再再掲載するから、その日付にマークを入れておく。なんでもコンピュータの画面上で処理してしまうのではなく、紙に出したものを併用している。各ギャラリーの写真展情報は、時間や休みの日の情報がサイトから得られないこともある。この確認がいつも一番時間がかかり、めんどうくさい。そのほかの写真関連情報は、見回るサイトを決めているからかなり楽だ。そのとき、写真とは関係のない自転車、本、文房具、健康、旅行、家電新製品、ネット事情、玩具などのニュースやコラムを拾って来て、その他の情報として掲載している。ここはわたしの興味ある分野だが、読者がどう思っているかは知らない(笑)。「全国写真展カレンダー」は日本で唯一のもの、日本最強。「写真を楽しむ生活」もどうぞよろしく。(柴田)
< http://dgcr.com/photo/regist.html#on
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・続き。MacBook Pro 13インチの購入手続きを済ませた。預かっているデジカムを壊してはとすぐにでも返却したいのだ。昨日あれからMac miniにするかMacBook Proにするか迷った挙げ句、今後の予定などを加味してMacBook Proに。自宅ではクラムシェルモード(リッドクローズモード)で使って、外にも持ち運べるようにと。ディスプレイの大きさより軽さを重視した。Appleの製品は割引がきかないからと思いつつも、大手家電量販店のサイトを覗いてみたら、ヤマダが安い。定価から5,000円割引した上でポイントが13%。一番期待していたマック専門店のカスタマイズモデルには、MacBook Proは見当たらず。Appleストアでのメモリ増設・HDD換装は高いイメージがあって自分でするつもりなのだが、今回割高感はなくなっていたので、どちらで買うか迷う。どちらにしても一度実物を見てからと出かけたが、近場の「テック」とつく大型店にすら13インチしか並んでいない。その上在庫切れ。売れているらしい。仕方がないので都心の大型店に移動。製品全部が並んでいたけれど、13インチ、15インチともに売り切れ。取り寄せに一週間かかるという。がっかりしていたら、迷っていると思ったのかマシンガン商品PR。ありがとう。良さは知ってるよ、店員さん。店頭だとポイント15%になっていたが、もっと勉強してくれるようなことを言ってくれた。ネットだとポイントは少ないが、24時間出荷可能となっていたので、せっかく安くしてくれるのにごめんなさいと断って帰宅。なんとなく悪い気がして「Mini DisplayPort to DVI Adapter」は購入。LABI1なんばの店員さん、いい感じでしたよ〜!/店頭で見た限りだと、グレアが気になる。ディスプレイ自体もあんまり良くない気が……。メインがクラムシェルモードだからいいけど。(hammer.mule)