今回は、電子書籍の制作に使った自動処理の仕組み(仕掛け)について説明します。スクリプトを使って自動レイアウト処理を行っている、と書くと、知らない人からすれば、さぞかし凄いことをやってると思われそうです。しかし、こういう仕組みの部分のタネをあかすと、ガッカリされたり「な〜んだ」と言われることもあります。ここらへんは手品師のトリックと同じで、タネが分かってしまえば非常にくだらない部分かもしれません。
自動レイアウトしているといっても、用意されたテキストや図版を自動認識して、いきなりInDesignに割り付けるわけではありません。基本的には従来の書籍と同じ手順で作成していきます。前回も書いたように、従来の書籍であれば以下の手順で進みます。
(1)執筆作業
(2)レイアウト作業/前処理も含む
(3)校正作業
(4)印刷〜配本
一般的な書籍の場合、(1)が終われば(2)〜(3)の繰り返しです。ただ後から原稿を追加したりすると(1)〜(3)の繰り返しになります。一般的な書籍のように分業されていれば、ライターは校正して編集者に返すだけですが、自分で全部処理する場合には結構な量になります。特に自動レイアウトされたものを手作業で修正する、というのは好ましくありません。これだと、自動的に流し込みを行い手作業でレイアウトするのと、たいして変わらない作業になってしまうからです。
自動レイアウトしているといっても、用意されたテキストや図版を自動認識して、いきなりInDesignに割り付けるわけではありません。基本的には従来の書籍と同じ手順で作成していきます。前回も書いたように、従来の書籍であれば以下の手順で進みます。
(1)執筆作業
(2)レイアウト作業/前処理も含む
(3)校正作業
(4)印刷〜配本
一般的な書籍の場合、(1)が終われば(2)〜(3)の繰り返しです。ただ後から原稿を追加したりすると(1)〜(3)の繰り返しになります。一般的な書籍のように分業されていれば、ライターは校正して編集者に返すだけですが、自分で全部処理する場合には結構な量になります。特に自動レイアウトされたものを手作業で修正する、というのは好ましくありません。これだと、自動的に流し込みを行い手作業でレイアウトするのと、たいして変わらない作業になってしまうからです。
そこで、手順を以下のように変更して、レイアウト前に校正を行うようにしました。
(1)執筆作業
(2)校正作業
(3)レイアウト作業/前処理も含む
(4)印刷〜配本
この校正も、人間のチェックはなるべく避けて、校正ソフトで行うようにしました。今回使用したのは、ジャストシステムから発売されている校正ソフトJust Right! 2です(昔買ったので古いバージョンのまま)。
Just Right!
< http://www.justsystems.com/jp/services/abs/product/justright/
>
これで完璧に校正できるわけではありませんが、かなりの確率で誤字脱字、ミスなどを防ぐことができます(最新版なら、もうちょっとミスを軽減できるかもしれません)。
この校正作業のため、スクリプトが2つに分かれているわけです。この段階でのスクリプトは、フォルダ内にある原稿のテキストファイルを収集して、ひとつのファイルにまとめあげることです。ひとつのファイルにすると、校正ソフトでのチェックが簡単/高速になるためです。また、この時点で後々のレイアウト作業がしやすいように「タグ付け」を行っておきます。ただし、ここでのタグはInDesignタグではなく独自のものです。
執筆する際の負荷を軽減するため、元となる原稿にはタグがありません。実際の原稿は以下のようになっています(これで1ファイル)。
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■アプリケーション名を求める
アプリケーション名を求めるにはアプリケーションオブジェクトのnameプロパティを参照します。Adobe Illustratorの場合、バージョン名などは含まれず「Adobe Illustrator」の文字になります。スクリプトが必ずIllustrator上で動作するようにしたい場合や、他のAdobeアプリケーションと共通で処理し、一部だけIllustrator独自の処理を行うような場合に利用します。
サンプル1ではアプリケーション名をアラートダイアログに表示します。
●サンプル1
// アプリケーション名を表示
var aName = app.name;
alert(aName);
【図】
1.psd
---------------------------------------------------------------------
元原稿にタグを付けないのには理由があります。過去に出版した書籍のうちいくつかは、タグを付けて原稿を書いています。そのひとつが、技術評論社から出版された「JavaScriptポケットリファレンス(第二版)」です。
JavaScriptポケットリファレンス(改訂第二版)
< http://www.amazon.co.jp/dp/4774107794/
>
これは、元の原稿に独自のタグをつけて執筆したものを編集者に提出し、編集側で段階を経てQuarkXpressのタグに変換して、一気に流し込んでレイアウトする、という方式でした。編集側は非常に楽になりますが、書く側としてはタグを付けて書かないといけないので執筆速度が落ちます。また、タグ付けでミスがあるとレイアウト全体が崩れてしまうというデメリットもあります。他にもタグ名を忘れるというオチもあります。
そこで、基本的にタグを付けて執筆するのはやめました。これにより、ごく普通に原稿を書いていくだけになり、非常に楽に進めることができました。
ということで、続きは次回。
〈発売中/販売目標まで、あと2冊〉
・Adobe Illustrator CS3 + JavaScript 自動化サンプル集
< http://www.openspc2.org/book/PDF/Adobe_Illustrator_CS3_JavaScript_Book/
>
【古籏一浩】openspc@po.shiojiri.ne.jp
< http://www.openspc2.org/
>
ちなみに、テキストエディタやワープロで書く以外に、データベースを使って書くという方法もあります。技術評論社の分厚い書籍で(確か)Microsoft Accessを使って書かれたものがありました。
知らぬ間にKindle for PCなんてのが出てました。
Kindle for PC
< http://www.amazon.com/gp/feature.html/?docId=1000426311
>
iPadの次は、もっと薄くなって電子ペーパーになって名前がiPaper。iPaperあるかと思って検索したら、iPapersというアプリケーションがありました。
< http://www.apple.com/jp/downloads/macosx/science/ipapers.html
>
これも電子書籍の端末として使える?
< http://www.amazon.co.jp/dp/B00312M05C
>
こつこつと4K素材撮影してます。Nikon D1Xは58,000枚くらいで壊れたけどEOS5D mark IIは7万枚以上撮影していますが全然壊れません。結構頑丈にできているようです。
・4K フリー映像素材
< http://footage2.openspc2.org/HDTV/footage/HD/4k/
>
毎度おなじみASCII.jpの連載もよろしく。
・Adobe BridgeのJavaScriptでXMLを操作しよう
< http://ascii.jp/elem/000/000/491/491567/
>
- 改訂第4版 JavaScript ポケットリファレンス
- 技術評論社 2006-10-18
- おすすめ平均
- 実用的で分かり易い
- JavaScriptを使ったプロジェクトのお供に是非
- JavaScript仮免者以上の方へ
- バランスの良いバイブル
- 中級者向けです。