《自己責任でお使いください》
■明日もデザインで食べていこう![22]
HTML5 canvas要素でimg要素をぐにゃぐにゃ曲げるスクリプトを作ってみる
秋葉秀樹
■クリエイター手抜きプロジェクト[290]電子書籍編
電子書籍で販売してみた
古籏一浩
■境界線の歩き方[08]
kawaiiを世界に
出渕亮一朗
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★吉田印刷所が電子書籍販売サイト「印刷の泉」をオープンしました
┃ https://www.ddc.co.jp/estore/
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刷 ●オリジナルの電子書籍・デジタルコンテンツを自由に販売可能
の ●販売価格は50円〜設定可能なので小さなコンテンツでも対応可能
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★デザイン・印刷・製本・DTPなどの印刷関係コンテンツ専門のサイトです
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■明日もデザインで食べていこう![22]
HTML5 canvas要素でimg要素をぐにゃぐにゃ曲げるスクリプトを作ってみる
秋葉秀樹
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■明日もデザインで食べていこう![22]
HTML5 canvas要素でimg要素をぐにゃぐにゃ曲げるスクリプトを作ってみる
秋葉秀樹
< https://bn.dgcr.com/archives/20111003140300.html
>
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以前HTML5案件で作ったもので、canvasで下の図のようなことができるJavaScriptファイルなんですが、これをライブラリ化(っぽく)スクリプトファイルにしてみました。まだ欠陥が多いしAPI仕様もまとまってないのですが、ひとまずこんな表現が可能です。
< >
ソースはここにあげときました。(使い方よくわかんないけど)
< https://github.com/Hidetaro7/trianglerJS
>
ActionScript 3.0には、GraphicsクラスにdrawTriangles() ってメソッドがあります。何をするかって言うと、ビットマップ画像をテクスチャマッピングすることが目的です。
これにより一枚の静止画をユラユラ布のように揺らしたり、3Dでは遠近感をつけたりと、画像を自由に変形することが可能になるコンピュータ・グラフィックスの手法です。
FlashPlayerやActionScript 3.0が素晴らしいと思うのが、こういったマッピング処理の数学的な難しい処理を、すでにAPIとして実装してくれていいるところです。僕達は、頂点座標を指定して、それをどう動かすか? に専念したらいいんです。
ところが、HTML5の新要素、canvasとかでこれを表現し、アプリなどに乗せてしまうようなお仕事が来た時、「iPadだったらHTML5で出来ますよ」なんて言ってしまったらさあ大変! そんな機能はネイティブで搭載されていません。
つまり、「ないものは作る」or「仕様を満たすライブラリを探す」or「出来ません、と謝る」という選択に迫られます。
実は色んなライブラリがもう既に出まわっていますが、いざ案件でHTMLによるテクスチャマッピングを実装するには、可能な限り自分で内容を知っておきたいという気持ちがあったので、これに挑戦してみました。
多分、こういった仕様のアプリ開発となると、今まで見たライブラリではなかなか要件を満たせないと思うし、「どうやったら画像が変形するのか」というロジックという部分を理解しないといけない場合があると思うんです。
案件ベースで仕様どおりに実装できないと話にならないのですが、こういった場合を想定しましょう。ユーザがブラウザ上でお絵かきなどをして作った画像を、例えば円錐状の立体物に貼るステッカーのようなものを作るWebアプリが必要だったとしましょう。
ユーザは長方形に好きにデザインをするわけですが、実際には円錐状の立体物に貼るには、長方形じゃなくて、「扇形」にしないときれいに貼ることができません。
この場合、ユーザが長方形上で描いたデザインを、アプリ側で扇形に変形する必要があるのです。このテクスチャマッピングの技術がここで役に立ちます。
さて、この(まだ不十分ですが)スクリプトファイルを使ったら、ポリゴンの頂点座標のx座標やy座標をずらすと、画像もその頂点にあわせて変形できます。頂点座標の取得はgetMesh()で、頂点オブジェクトが配列で返ってくるので、例えば(一部紹介すると)
インスタンス.getMesh()[41].x += 40; // ------------- 頂点座標の移動
インスタンス.draw(); // ------------- 再描画実行
とかにすると、左上の頂点から41頂点目のX座標を40px右にずらします、最後にdraw()メソッドで再描画すると、図のように表示されるというものです。
< >
実際デモを見ましょう。(GitHubそのままDLしたらわかりやすいと思います)このスクリプトを使うときに、はじめに下記のように記述して呼び出すようにします。
【呼び出す方法】
new Triangler("canvasのID名","画像のパス", 画像描画開始のX座標, 画像描画開始のY座標, メッシュ分割数, 画像がロードし終わったときの処理);
【関連ファイル】
・index.html (上記のソースが書いてあるファイル)
・js/triangler.js (このスクリプトファイル)
・img/chibikoro.jpg (読み込む画像ファイル)
のみです。
例えばHTMLファイルでは以下のように書いています。
【head要素内 JavaScript】
<script type="text/javascript" src="js/triangler.js"></script>
<script>
window.onload = function () {
var seg = 20; //--------ポリゴン分割数
var m = new Triangler("cvs","img/chibikoro.jpg", 80, 40, seg, function (e){
//m.stroke(true);/*これをするとメッシュが表示される*/
var r = 30/seg, cr = 0;
for (var i=0, l=m.getMesh().length; i<l; i++) {
var p = m.getMesh()[i]; //--------頂点1つずつ揺らすように移動させる
p.x += parseInt(Math.cos(cr*r*Math.PI/180)*40);
cr++;
}
m.draw(); //--------ここで変形後、描画を実行
});
}
</script>
【HTML】
<body>
<canvas id="cvs" width="800" height="800"></canvas>
</body>
●メッシュの表示、非表示
あくまで、今出ている黒い線(メッシュ)は、制作者が分かりやすいように引いているガイド線のようなものなので、案件で納品するときは消さないといけないケースがあります。以下のようにstroke()メソッドを用意したので、引数にtrue / falseを与えてください。
【JavaScript】
インスタンス.stroke(false);
これで再度draw()すると、メッシュは表示されなくなります。(今回のデモ図版では、わざとtrueに設定しましたが、デフォルトはfalseです。)
GitHubに置いた、今回のサンプルは波のように揺らしてますが、これは三角関数を使って、X座標を行ったり来たりさせてます。メッシュ非表示にするためにstroke(false)にしたときの結果、こんな感じになります。
< >
欠点として、一部、ポリゴンの隙間が出来ることもあるということや、ふちはジャギーが出て汚い、ということです。アニメーションで見せる場合、そこまで気がつかずごまかせることもあるけど、かなりパフォーマンスが低下するので、注意が必要です。
何か案件で使えそうな時は自己責任でお使いください。
【あきば・ひでき】
hidetaro7@gmail.com
< http://www.akibahideki.com/blog/
>
テクニカルディレクター・デザイナー。DTP黎明期からグラフィックデザインを学び、東京都営団地下鉄など交通広告を多数手がける。同時に音楽活動も活発に行い、西日本半全国ツアーなどを展開、某専門学校のテーマソングを作詞作曲、編曲から楽器全てを演奏してレコーディングするなど、マルチなクリエイティブ活動も。最近では東京と大阪の教育施設などで講師業をも務める。HTML CSS JavaScript Flash ActionScript 3DCG Movie DTP GraphicDesign...多種スキルを持つ。Web標準技術だけに執着せず、全てのメディアで説得力のある表現にチカラを注ぎたい、そんな仕事をしたい。
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■クリエイター手抜きプロジェクト[290]電子書籍編
電子書籍で販売してみた
古籏一浩
< https://bn.dgcr.com/archives/20111003140200.html
>
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9月29日(木)にBOOKPUBで「iPhone/iPad × HTML5アプリ制作」が発売になりました。
●iPhone/iPad × HTML5アプリ制作
< http://bookpub.jp/books/bp/196
>
(アマゾンにもリンクされているので紙の方も購入できる)
この本は今年3月に発売されたものです。これで紙と電子書籍の両方が用意できたことにはなります。電子書籍の方はPDFです。EPUBとかにするとコストがかかるので、やはり既存の紙本はPDFがベスト。
小説など一部を除けば、多分EPUB3にするためのお金が出てこないし、やっても無駄と思われます。検索エンジンは以前からPDF内のテキストも検索できますから、無理にEPUBにする必要もないでしょう。
書籍フォーマットよりも商品点数の方が問題です。現在、BOOKPUBは商品点数が少なく、すべて合計しても127点しかありません。IT・コンピューター関係に至っては、私の本もあわせてやっと3冊という状況です。
ここまで少ないと逆に目立っていいのですが、BOOKPUB自体が目立ってないので何とも。ここらへんは、アマゾンにはかなわないでしょう。
最終的にはアマゾンかGoogle Booksかになってしまう感じはあります。まあ、米国ではAmazonの新Kindleで、電子書籍は決着がついたかもしれません。日本では印刷/DTPの経緯、出版社の事情、契約関係などもありスルーされてしまう可能性もあります。
●コンピュータ・ITカテゴリの本
< http://bookpub.jp/books/category/9
>
紙の本を電子書籍にしたわけですが、作者側としては基本的に契約書にサインするだけです。内容は紙の本と同じですので、特に書き換えはありません(もちろん修正は可能です)。
せっかく登録されたので、自分で自分の方を購入してみました。まずは会員登録です。登録後、確認メールが送られてくるのですが、なぜか迷惑メール扱いに......。
ログインしたら、購入したい本のページに移動して「電子書籍で購入する」ボタンをクリックします。やたらとでかい「レジに進む」ボタンをクリック。決済画面になります。PlayPalかクレジットカードで支払える様子。とりあえず、「PayPalで支払う」ボタンをクリック。クレジットカードでも同じボタンをクリックするみたいです。
ボタンをクリックするとクレジットカード番号の入力画面になります。で、必要な情報を入力。「続行」ボタンをクリック。そして、本当に購入するか確認画面が出るので、ここでも「続行」をクリック。すると「購入しました。」となって、画面が切り替わります。本の右側にある[PDFでダウンロード]のリンクをクリックすると、PDFがダウンロードされます。
ダウンロードしたPDFは、AcrobatでもMacOS Xのプレビュー.appでも表示できます。ちなみに、印刷はできないようになってます。
紙の本と違って便利なのは、やはり検索です。検索キーワードを入力すると、すぐに該当ページがリストアップされるところ。こういうところは電子書籍の利点のひとつです。
ここ数年で出版される本ならPDF化できるのでいいのですが、1990年代あたりではDTPの都合もあって、権利関係をクリアしても電子書籍にするのは難しいかと思います。
現在でもIllustrator ver 8で作図というのも言われますし、出先で使っているIllustratorはver 10。Quark Xpressが動くマシンも、少なく壊れて動かず。もっとも、最初の頃はAldus Page Maker(現Adobe)でしたので、もうどうしようもありません。Google Booksのようにスキャンして電子化する以外に方法がないというところです。
この後も、続きがあるみたいなので、また年末か来年初頭に電子書籍ネタで書こうと思います。
【古籏一浩】openspc@alpha.ocn.ne.jp
< http://www.openspc2.org/
>
空想ネタ:日本以外すべての国で、出版物が電子書籍となり日本は完全に取り残された。すべての電子書籍はクラウドコンピューターに存在し、いつでもどこでも読める便利な世界がやってきた。ところが、突如天変地異が起きてクラウドコンピュータがすべて破壊され、電子データはすべて消滅。幸い日本だけが紙の本を出し続けていたため、すべての国の出版物は日本で制作販売することに。ところが、数年後日本も天変地異に巻き込まれ消滅。数万年後、新たな生物が過去の遺物である本を大量に発掘。特に日本付近では同人誌がたくさん発掘されたという。素晴らしいクオリティに新生物は涙した。
ということ、でとりあえず勉強がてらCSS3例文辞典を作成してみました。
●CSS3(スタイルシート Level 3)例文辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/CSS3/
>
ついでにLua言語も。これも自分の勉強用。
●Lua言語 例文辞典 (MacOS X)
< http://www.openspc2.org/reibun/Lua/
>
・改訂5版JavaScriptポケットリファレンス【発売中!!】
< http://www.amazon.co.jp/dp/4774148199
>
・10日で覚えるHTML5入門教室【発売中!!】
< http://www.amazon.co.jp/dp/4798124184
>
< http://www.shoeisha.com/book/hp/10days/down/index.html#9784798124186
>
(補習講義。Z80エミュとか1980年代のレトロゲームのサンプルと解説あり)
・毎度おなじみASCII.jpの連載
「第7回 iPhoneがPhoneGapで簡易電子書籍リーダーに」
< http://ascii.jp/elem/000/000/634/634982/
>
・Google API Expertが解説する HTML5逆引きリファレンス
< http://www.amazon.co.jp/dp/4844330349
>
・iPhone/iPad × HTML5アプリ制作
< http://www.amazon.co.jp/dp/4797362618
>
< http://bookpub.jp/books/bp/196
>(電子書籍版)
・ハイビジョン映像素材集
< http://www.openspc2.org/HDTV/
>
・Adobe Illustrator CS3 + JavaScript 自動化サンプル集
< http://www.openspc2.org/book/PDF/Adobe_Illustrator_CS3_JavaScript_Book/
>
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■境界線の歩き方[08]
kawaiiを世界に
出渕亮一朗
< https://bn.dgcr.com/archives/20111003140100.html
>
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今回もまたまた「踊ってみた」ネタです。
ニコニコ動画を紹介している、ある英語サイトのチャンネル登録者を調査してみた。2011/9/26 23:46現在、登録者数10,008人だが、一日50人以上のペースで増え続け、見ているうちにもどんどん増えている急成長サイトだ。
調査方法は、チャンネル登録者のマイチャンネルを初めから、自己紹介写真がある人を100名選んで調べてみた。写真は自身でも絵でもなんでもよいのだが、これがない人は情報があまりない傾向にあるのではずした。人数は%にあたり、実際はその100倍いると考えられる。
まず年齢は、
10〜14(6人)15〜19(40人)20〜24(13人)30〜39(2人)40〜49(3人)不明(32人)、12〜24歳の間で17歳をピークに正規分布を描いた。最年少はアキバアイドルになりたいという12歳のアメリカの女の子。
性別は、男性(16人)女性(51人)不明(33人)、性別を表示する欄はないのだが、写真を載せている、自身の写っているムービーをアップしている、自己紹介文で述べているで判断した。その他、英語でも女性特有の書き方があり、(顔文字XDを多用とか)チャンネルの雰囲気で女性と判断されるものは女性にした。
次に国籍を多い順に、
アメリカ合衆国(23人)カナダ(9人)ドイツ(9人)日本(7人)イギリス(6人)スペイン(4人)メキシコ(4人)スウェーデン(3人)イタリア(3人)フィリピン(3人)不明(7人)その他。
1〜2人の国は、台湾、ベトナム、サウジアラビア、シンガポール、韓国、マレーシア、ロシア、オランダ、オーストラリア、ポルトガル、アイルランド、アルゼンチン、チリ、ブラジル、ベネズエラとなっている。
趣味は複数チェックありで多い順に、
ANIME(39人)ダンス(28人)J-POP(20人)VOCALOID(17人)MANGA(11人)K-POP(10人)コスプレ(7人)ゲーム(7人)楽器一般(6人)日本語(3人)だ。最後のものは日本語を勉強していたり、日本語のvlog(video log)をアップしている人だ。
そして、自分自身の「踊ってみた」映像をアップしている人は14人だった。全員女性、カウントしていなかったが、たぶんイギリスが一番多かったと思う。
こういった動画をチェックしているのは、日本ではおたくな男性と思われているフシがあるが、海外では17歳位を中心とした女の子が圧倒的に多いという事実を確認できた。
何度も書いてきたように、今現在、踊ってみたダンス映像やVOCALOID、J-POP、Manga、Animeといったサブカルチャーが海外のティーンエイジャーに浸透しつつあるようだ。ちょうど30年以上前、イギリスのパンクムーブメントや、アメリカのブラックカルチャーが世界中の若者に浸透していったように。
あるヨーロッパの女の子の書き込み:「外でダンスの練習していたら、オバチャンに『なんでそんな中国の音楽聞いてるの』って言われた。大人はアジアっていったらみんな中国だと思っているんだから!」
その時の大人がちょっと眉をしかめる、あるいは理解に苦しむものは、とんがった若者が飛びつくサブカルチャーの必要条件である。
こうした女の子の間でkawaiiという言葉が飛び交う。ちなみに、「かわいい」の英訳はcuteが浮かぶところだが、一番近いものは「adorable」のようだ。こういったサイトの書き込みで学んだ。
一般的に欧米で目指される女性像は「beautiful」なのだろうと思う。ミスユニバースのような感じだ。記憶に新しいところによると、世界陸上の棒高跳びのあの女王や、走り幅跳びのあの女性選手みたいな感じだろう。
しかし、もちろん誰もかれもそういう訳ではない。そこにkawaiiという別の価値観が現れた。ある種の女の子たちに、「そうか、私はbeautifulじゃないかもしれないけれど、kawaiiだったんだ!」と賛同を得ているのかもしれない。実際、「踊ってみた」映像を投稿している女の子はかわいい感じの人が多いようだ。
かわいいとは身も蓋もなくいうと、哺乳動物において親が子供を守り育てるように起こさせる感覚で、大きな目や大きな頭、つたない動きとかにかわいさを感じるのだ。
しかし踊ってみたを見ていて、ダンスにおいては意外というかあたりまえの法則を見つけた。それは、かわいい≒笑顔である。
この30年間、ダンスといえばHip Hopかそれを基本としたものを指していた。笑顔で楽しく踊るという基本をみんな忘れていたようだ。マイケルジャクソンが笑顔で踊るところは想像できない。そもそも、これらはバトルというブラックカルチャーから生まれたものであり、つまり踊ることは戦いだったからだ。だから皆、挑戦的かすました顔とかで踊ってきた。
にゃんたろというダンサーは、ポッピングやアニメーションの即興ダンスを笑顔で踊る。これはかなりのインパクトである。男性で彼以外にこのジャンルを笑顔で踊る人を見たことがない。ダンスは練習すればうまくなる。しかし笑顔で踊れるというのはまさに天性のものだ。できる人にはなんでもないことだが、なかなかできない人には練習しても難しいと感じる。
kawaii男の子は今のところ日本特有のもののようだ。踊ってみた動画を海外に紹介するサイトで、例えば、海辺で一人でずぶぬれになりながら踊っている男の子を見て、「なんでここオランダには彼みたいな男の子がいないのかしら」みたいなつぶやきがある。おお日本男子モテてるねと思うけど、言われた本人はだぶん気づいていないだろう。
内輪で盛り上がっているつもりが、実はガラス張りで外から見られていていろいろ言われているけど、その言葉は相手に届いていないという構図だ。だいたい、20歳前後では自分を思い出してみても、英語はなんか小難しいもので、英語サイトの書き込みを読む人もそういないだろうし。
まあ、海外から注目されているよとか言われるとええっと恐縮してしまうか、逆に天狗になりすぎるかのどっちかの人も多いので、この微妙な関係性がちょうどよいのかもしれない。
あるデパートの食器売り場にて、女の子たちが「かわいー」と黄色い声をあげていた。そこには猫とか動物を模したカラフルな食器が並んでいた。周りを見回すと95%は普通の無機質な食器だ。かわいい食器の値段は倍以上。彼女たちはそれを買うことはないだろう。
考えてみると、人類の半分は女性でたぶんかわいいもの好き、男性にも隠れかわいい好きが多いはずなので、世界の少なくとも半分の人はかわいいもの好きなはずである。だとしたら、ニーズに答えてかわいいデザインのものがもっと世界に溢れていていいのではないか? そうならないのは彼女たちがサイレントマジョリティだからであろう。
ニーズは確実にあるのだから、例えば大学で「kawaiiデザイン学科」みたいなのを設立して、かわいいデザインとはなにか? みたいなのを研究してもいいのではと思う。
そうしたら、世界はもっと、きゃりーぱみゅぱみゅみたいになっていくのかな? まあ、そうはならないだろう。なぜならkawaiiは永遠のサブカルチャーだから。
参考:
【にゃんたろ】A Song I'd Like To Sing うたうたいのうた踊ってみた【第十
弾】
< >
アニメーションダンスを笑顔で踊るのは、他には名前は忘れたけど、あの「軟体少女」がいますね。
【わた】Gravity=Reality踊ってみたた。【夏】 ニコ動
< >
笑顔のかわいい女性ダンサーはたくさんいますが、今回はわたさんを代表で選んでみました。
きゃりーぱみゅぱみゅ - PONPONPON
< >
おなじみの動画。海外で非常に評判がよい。
World is mine Miku Hatsune 39's Giving Day live concert HD with
English/ Japanese sub
< >
USAでのトヨタのCMに使われた初音ミクのライブ。ちょっと目を離しているうちにこんなに進んでいたんだって、初めて見たとき正直感動した。
Kawaii Computer Animations vol.1
< >
私が以前担当したある美大のVGの授業での課題作品集。作者は全員女性です。課題の評価は普通に完成度、技術力、アイデア・オリジナリティで採点していたのだが、数年後に見直した時に、彼女たちは別の基準で作っていたのではないかと気づいた。それは「かわいい」だ。試しにその基準で選んでみてちょっとまとめてみたものです。
【出渕亮一朗】ryoichiro.debuchi(a)gmail.com
コンピューターグラフィックス、インタラクティブアート分野のアーティストグラフィックス分野のプログラマー
< http://www.debuchi.com
>
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■編集後記(10/03)
・牧野修「晩年計画がはじまりました」を読む(角川ホラー文庫、2011、書きおろし)。ケースワーカーとして働く茜に「晩年計画が始まりました」という妙なメールが届く。悪質なストーカー行為に悩む友人・千晶にも同じメールが送られる。ふたりの周囲で自殺や殺人が続発する。晩年を迎えた人間が、その生命と引き換えに怨みをもった相手に復讐してくれるという組織「晩年計画協会」の仕業なのか。筆者はこの小説を書いている最中に3.11を迎えた。典型的ホラーを書く気でプロットやオチまで練ってあったのに、あの日以来、悲惨なことがまったく書けなくなった。締切が迫り、書き直しを重ね、悩んだあげくハッピーエンドに変えてなんとか仕上げた。しかし、担当編集者から、本来はどういうふうにしようと思っていたのかと聞かれ、憑き物が落ちた。「何か危機的状況にあった時、最悪の場合はどうなるのかを知りたい、という欲求に応えるのがホラーだ。こうなったら厭だなあ。こうなって欲しくないなあ。読者がそう思うことを、作中人物は次々に経験していく。(略)ホラーにはホラーの要求する文脈があり救済がある。それを無視してもおかしくなるだけだ」(このホラーの定義はじつに正しい)と、ラスト1/3を徹底して書き換えたそうだ。だから不幸な結末で後味はよくないが、辻褄はあっているので納得できる。おもしろいから一気読みだ。(柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4043522150/dgcrcom-22/
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→アマゾンで見る(レビュー2件)
・古籏さんの一週間を覗いてみたい。ライフハック的なネタがごろごろしていそうな気がする。しかし、真似できそうにない気もする......。/「kawaiiデザイン学科」に入ったら落第しそう。子どもの頃から苦手。一時期サンリオのいちご新聞を読んでいた時があったけど身に付かなかったようだ。自分が思う「可愛い」と人の考える「可愛い」は違う。もともとシンプルで実用的なものが好き。最近やっとデコったものをいいと思えるようになってきた。色や要素が多くてもまとまる、そういうのはとても難しい。さらにkawaiiは難しい。確立されていなくて、どんどん変わる。stylishなら、皆で結構近い感覚を共有できると思うのだが。/iPhoneアプリの「アルク ボキャブラキング Power-Words」を試してみた。単語のスペル勉強。iPhoneだとベッドの中でできるのがいい。日本語と4つのアルファベットが出てくるので、順番にアルファベットをタップ。当たっていれば他のアルファベットに入れ替わり、長い単語でも綴れる。ミスをした時点で得点が出て、サーバに得点データをアップロードし他人と順位を争える仕組み。数度試してみて、自己ベストが出たのでアップロード。と、「1位」の文字。嬉しい! が、そんなに良かったのか? 表示をよく見ると、「あなたの順位は 10月:1人中 1位」。送信したのが10月1日に変わった瞬間だったようだ。(hammer.mule)
< http://itunes.apple.com/jp/app/id345698704?mt=8
> ボキャブラキング