[3382] 野郎3人カメラ旅の巻

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《オレはフィルムカメラが好きだ》

■わが逃走[116]
 野郎3人カメラ旅の巻
 齋藤 浩

■ローマでMANGA[58]
 ユーリ、軌道に乗る
 midori

■展覧会案内
 メディア/アイドルミュージアム




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■わが逃走[116]
野郎3人カメラ旅の巻

齋藤 浩
< https://bn.dgcr.com/archives/20121129140300.html
>
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オレはフィルムカメラが好きだ。

デジカメはラクしてキレイに撮れて、しかもやり直しがきくので便利なのだが、ともすればカメラと人間のどっちがエライのかがわからなくなる。

つまり、デジカメ様のご命令どおりボタンを押してる感覚なのだ。カーナビの言う通りに車を運転するような、屈辱感に近いともいえる。

これはひとえにオレがひねくれた性格なのかもしれないが、とはいえ露出もピントもオートってだけでも相当なものなのに、感度も構図も仕上がりもってことになると、これはもうカメラが撮ったのか人間が撮ったのかわからなくなっちまう。

昔はいかに人と違った表現をするか、ということでいろいろと小細工に走ったこともあるが、ひょっとして今いちばん個性的な写真を撮る方法は、手動で普通に撮ることなのではなかろうか。

で、手動で普通に撮るために最も適したカメラこそ、ごく普通のマニュアルカメラなのだ! などと酒を飲む度に熱く語る40過ぎの男、それがわたし...。

10月のある日、親切にもそんなオレの語りをヘベレケになりながらもきちんと聞いてくれるふたりの男がいた。すでに孫もいる某社プロデューサー片岡氏と、ドイツ出身の3DCGアーティストのマニュエル君である。

私は20年ほど前に、片岡氏の下でCGアーティストとして働いていたことがあった。つまり彼は元上司なのである。

当時何度かぶん殴ってやろうかと思ったし、首を絞めて殺してやろうかと思ったこともあったが、そうする前に会社を辞めたおかげでその後は穏やかな関係が続いている。人にはそれぞれ適した距離というものがあるのだ。

マニュエルは現在片岡氏の下で働いており、来年春には祖国に帰り事務所を立ち上げることが決まっている。小津安二郎を愛し、日本文化を心から理解してくれる好青年である。

で、酔った勢いで広島県は尾道市で撮影した写真をいくつか見せびらかしたところ異常に盛り上がってしまい、こんどこのメンツで尾道に行こうじゃないかってことになった。ちなみに尾道は小津監督の『東京物語』のロケ地でもある。

「あ、でも僕フィルムカメラ持ってないデス」。マニュエルが言うと片岡氏が「よし、俺が昔使っていたニコンFをプレゼントしようじゃないか」。

なんか景気よくなってきたぞ、ってことですぐに切符と宿を手配し、あっというまに当日となった。

新幹線の中ではマニュエルがニコンFの裏蓋を外し、フィルム装填の練習をしている。彼はフィルム一眼レフを使ってはいたが、さすがにマニュアル世代ではなかった。

片岡氏は愛用のツァイス・イコンをなでくりまわしているし、オレはオレで手に入れたばかりのハッセルブラッドにほおずりしている。実に怪しい3人組である。

福山で在来線に乗り換えて、午後1時ちょっと前に尾道着。ホテルに荷物を預け、尾道ラーメンで腹ごしらえをすませたら早速坂道路地散歩だ。この日の天気は曇り。光がほどよく全体にまわって美しい。

今回は案内役に徹しようと思ったオレだったが、ふたりとも気合い入れてじっくり撮るもんだから、オレも実に良いリズムで撮影することができた。

『転校生』の階段で有名な御袖天満宮から福善寺へ抜けた後、尾道東高校方面へ回ろうと思ったが、日も短いので計画変更。山の手の細い路地を尾道駅方面へと向かう。おかしな3人組がおかしなポーズでファインダーをのぞきつつ。

< https://bn.dgcr.com/archives/2012/11/29/images/001 >
天満宮にて、マニュエルとオレ。片岡氏撮影。

< https://bn.dgcr.com/archives/2012/11/29/images/002 >
オレ、どこぞの路地にて。片岡氏撮影。

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山の手の名店「猫の手パン工場」付近の大好きな階段。何度も撮ってるが、魅力を表現しきれない。今回こそ! と力んだからなのか、フィルムの巻き上げに失敗。

< https://bn.dgcr.com/archives/2012/11/29/images/004 >
猫の手パン工場入口脇のコーラのケースを激写する男。片岡氏撮影。

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で、その結果がこちら

スローなペースで"歩いちゃ撮り"を繰り返しつつ、ISO400でも手持ちがキビシくなったのは5時半頃だった。

それにしても尾道は切り取り甲斐のある町である。年に何回か通うオレですら行く度に発見があり、シャッターを切る度に興奮しちゃう訳だが、尾道初体験のふたりも激しく気に入ってくれたようで実に嬉しい。

「スゴイねえ。絵になるねえ!」
「僕の知ってる日本じゃないみたいデス。スバラシイ!!」

こんなこと言われた日にゃあもう、尾道伝道者冥利に尽きると言えましょう。興奮冷めやらぬ3人は駅前の居酒屋へ直行。瀬戸内の旨い魚と広島の旨い酒でヘベレケになりつつ、カメラ談義に花咲かせたのでした。


翌朝は雨だった。朝食後しばらく待ってはみたものの、一向にやむ気配はなし。それも風情があっていいだろうということで、午前10時から撮影スタート。尾道駅を山側に入り、驚愕の木造三階建て住宅(通称ガウディハウス)付近から路地に入る。

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傘をさしつつ、急な階段をひたすら上る。さすがにハッセル手持ちはキビシイので、予備機のCONTAX T3が活躍した。

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ついタテ構図にしたくなるが、あえてヨコに構えてみたら不思議感がアップした(ような気がする)。

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傘をさしつつカメラを構えるオレ。片岡氏撮影

こんな天気に板塀や瓦屋根を眺めるというのもイイかもしれない。はじめは生憎の雨、と思っていたものの、こうして濡れた瓦の表情や階段を伝う雨水を見ていると、こいつあ恵みの雨かも、なんて思うのだった。

< https://bn.dgcr.com/archives/2012/11/29/images/009 >
そうこうしていたら、雨が上がって晴れ間も出た。ハッセルの出番だ!

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光る屋根瓦と尾道水道を狙うマニュエルとオレ。怪しい。片岡氏撮影。

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絶妙な壁のシミを最高のアングルで狙う片岡氏とマニュエル。怪しい。オレ撮影。

その後ロープウェイで千光寺まで登った後、細い路地をひたすら歩き回り、海っぺりを撮り歩き、土産の海産物などを購入しつつ日が傾いた頃、帰途についたのだった。

海からの西陽を浴びながらマニュエルが言った。

「きっとドイツにも尾道のような町があるので、僕はドイツに帰ったらその町を探します。そしたら是非写真を撮りにきてください。そしてその町で尾道の写真展をして、尾道でドイツの写真展を開けたらサイコーですネ。」

まったくそのとおりだぜ、素晴らしいぜマニュエル。たとえ片岡さんがくたばっても、オレ達でその写真展を成功させようじゃないか。

さて、思い返せば今回の旅は晴れ、雨、曇りとすべての表情を見ることができた。なんとも得した気分である。

そして価値観を共有できる友、というと美しすぎるが、尾道の光の下、崩れかけた土塀とか錆び付いた看板とか傾いた階段などを心から美しいと感じ、それを如何にしてフィルムに焼き付けるかという競技を、心から面白がってくれた片岡氏とマニュエル君に感謝の辞を述べたいオレなのである。

さて、次にこのメンツで集まるのはいつにしようか。現像があがって自信作を持ち寄っての写真対決が今からとてもたのしみだ。


後日談。
3日後、片岡氏から電話があった。マニュエルの分とあわせて現像を引き上げてきた帰りだという。いい写真撮れてましたか、と尋ねると、「それが...」。

なんとマニュエルが撮った36枚撮り13本のうち、7枚しか写ってなかったというのだ! どうやら片岡氏が贈ったニコンFのシャッターが壊れていたらしい。

「アホか! なんじゃそりゃ!?」

壊れたカメラをプレゼントするあんたもあんたなら、テスト撮影もせずに撮影したマニュエルもマニュエルだ。ふたりとも大マヌケである。

「マニュエルにはまだ知らせてないんだ。俺はもうあいつに合わせる顔がない...」
片岡氏、半分泣いている。

フィルムで撮っていれば必ず一度はそういうことあるしね。まあ、良い思い出ってことで諦めるしかないよね。やれやれ。その夜マニュエルからもメールがきた。

「全然撮れてませんでしたー。悲しいです。でもテスト撮影しなかった僕が悪いんです。齋藤さん、よかったらまた一緒に尾道に行ってくださーい」

うーむ、マニュエルってばなんていいヤツ。よし、付き合おうじゃないか。という訳で、師走の半ば、我々3人は再度尾道撮影ツアーに出かけることとなったのである。マニュエルのニコンFは、目下Tカメラサービスにてレストア中だ。つづく。

【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
< http://tongpoographics.jp/
>

1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。


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■ローマでMANGA[58]
ユーリ、軌道に乗る

midori
< https://bn.dgcr.com/archives/20121129140200.html
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●連載頭と単行本頭の直接対決

軌道に乗る前に対立があった。前回話をした、日本の編集者の連載頭とヨーロッパの作家の単行本頭の対立だ。

イゴルトは、将来単行本になるのだから、単行本として構成ができていればいいではないか......としか考えられない。編集者は、どうしても週刊誌の中で掲載ごとにインパクトのあるものを載せたい。

担当の堤さんが、他のヨーロッパの作家とのミーティングをしにパリへ赴くというので、イゴルトは「直接対決」を望んだ。

対決するに至る前、私とイゴルトの間でこんな電話のやり取りがあった。

Midori「掲載ごとに読者がサスペンスを覚えるような......」
イゴルト(むきになる)「サスペンス?! この話で8ページでサスペンスなんて無理だよ!」
Midori(焦る)「い、いや、つまり、サスペンスという言葉が悪ければ......えーと、好奇心。そう、読者が好奇心を覚えるような終わり方を......」
イゴルト「ふむ......」

メンタリティと仕事の進め方の違いに加えて、通訳とファックスを通してのイタリアと日本のやりとりは確かにツーカー感がない。

加えて時差もある。例えば、イゴルトが担当編集に宛てたファックスを、私が今朝の10時に受け取る。すぐに翻訳にとりかかれるとして、ワープロで打ち込み、一時間後に日本へ送信したとする。

日本では同日の午後7時だ。午後7時なら、編集さんはまだ編集部にいる確率が高いけれど、直ぐに返事が書ける状況にあるとは限らない。で、翌朝へ持ち越すとする。

翌朝の11時に、ローマの私宛にファックスを送信する。その時ローマでは午前3時。当然、私がファックスを読んで翻訳をするのは、少なくもその5時間後。つまり、行って帰ってで、ヘタすると24時間かかってしまう。

1993年の4月にボローニャで「ユーリ」の企画を出して、この「対決」に至ったのが翌年の1月。

今、ネットで3人チャットなどでミーティングを進めていたら、もっと早く進んだろうと思う。早く進んでいれば、その後の週刊誌掲載や単行本編集なども日本の作家並みのスピードで進行し、読者の反応も違ってきたかもしれない。

この「外国の作家さんにマンガ言語で描き下ろしてもらう」企画、もう10年繰り下がっていたら、少し違う結果になったのではないかと考えると残念だけれど、運命の神様がそう決めたのだから仕方がない。

パリでの話し合いは、1才児を抱えていた私を交えずに行われ、その結果をファックスで知ることになる。

担当の堤さんは、イゴルト以外にもフランスとスペインの作家を抱えていて、イゴルトだけにパリ滞在期間全部を当てたわけではない。

つまり、その後私が立ち会ったミーティング状況からしても、2時間から、長くても3時間のミーティングだったと想像する。

その場で互いの反応が返ってくるミーティングの3時間は、ファックスでのやり取り1年分に相当する......と実感できる、イゴルトからのファックス通信だった。

パリでの「対決」の約20日後のそのファックスでは、ミーティングで確認を取ったネーム32ページ分を送りました、とある。

さらに、主人公「ユーリ」のキャラをさらに深めて、「この主人公の魅力はその可愛らしさ、無防備さにある。これを表現できる世界中に共通する赤ん坊のシンボルってなんだろうと考えてみました」と続く。考えの進め方が、とても「MANGA家」だ。

その答えはミルク。ユーリは哺乳瓶をいつも抱え、こぼれたミルクで遊んだりする状況をネームに盛り込んだ。ユーリの小ささを強調するために、母船のグリーンカンガルーは巨大な宇宙船という設定にした。

さらにサブキャラも付け加えた。ママを探す旅のお供のロボット。ユーリの兄弟分として作られたロボット。

パリに赴いた時、イゴルトは始めの二話分の原稿をほぼ完成させていた。このミーティングで物語を構成しなおし、描いた原稿は順番を遅らせて組み替えた。

●イゴルト、日本へ行く

この頃、モーニング誌は大ヒットだった小林まこと氏の「What's Michael?」(ホワッツ マイケル?)の連載が終わって間もなくの頃で、
< http://bit.ly/SgCjjV
>
かわぐちかいじ氏の「沈黙の艦隊」
< http://bit.ly/SgConR
>
弘兼賢史の「島耕作」シリーズがヒットし、
< http://bit.ly/SgCtrH
>
毎号百万部の売上を記録していた。

編集長栗原さんの発案で、利益を読者に還元したいと毎号オリジナルグッズを作って、読者プレゼントにしていた。

陳腐なグッズはなくて、Tシャツやフード付きジャケットの大物、腕時計、目覚まし時計、高級ボールペン、バンダナ、アウトドアグッズ、など多伎に渡り、しかも実際に使用したり身につけたりして、まったく恥ずかしくないものばかりだった。

読者に還元のほかに、世界のマンガ界にも貢献したい、日本以外の編集者、漫画家で日本の仕事の仕方を見たい人、単純に日本を見たい人に奨学金を出すことにした。

この奨学金でかなりの数のヨーロッパ、アジアの編集者と漫画家がモーニングを訪れた。この時のモーニング編集部、特に海外担当の編集者は通常の編集業務の他に、旅行代理店のような業務もこなすことになった。

イゴルトは、この機会を利用して日本に1994年の3月から5ヶ月滞在することになる。

日本にいるから編集者と直でミーティングができる。直接会話は編集者の多少の英語と、当時編集部にいた日本語が達者なフランス人編集者か、この企画のために国際部から異動になっていた英語ペラペラの編集者が間に立った。

イゴルトは日本滞在で様々なインスピレーションを受けて、それは「ユーリ」にも反映された。例えば、兄弟ロボットは乳母ロボットになった。しかも「第五世代の木製ロボット」だ。

当時の東京では、まだたまに木製の床の都電やバスや山手線が走っていた。40歳以上の人は、木製の床の公共交通機関を覚えていると思う。
< http://suishi.img.jugem.jp/20120428_1066108 >
< http://www.jnr-photo.com/ECkyugata/kabesen/kabesen-h >

イゴルトはこれにいたく感激したのだそうだ。東京のような、テクノロジーが発達した街で、公共交通機関に木材が使われている!!!で、「第五世代の木製ロボット」。しかも名前が「UBA」。

哺乳瓶の中身はお醤油! と言い出すほど日本に強いインパクトを得たイゴルトだった。私はお醤油を飲むなんて気持ちが悪いと感想を言った。編集者は気持ちが悪いけど、まぁいいかなとお許しを出したけれど、幸いイゴルトはミルクにしておいてくれた。

世界初の子供宇宙飛行士「ユーリ」の骨格が決まった。

◯オールカラー各話8ページで週刊誌モーニング掲載。
◯全92ページを描き終わってから一気に週刊連載。
◯各話片起こし
◯従来のMANGAのコマ割りを外し、大コマや見開きを使って絵本のような構成にする。
◯必ず母船グリーンカンガルー搭載のコンピュータ「ボゾ」の航海日記で始まる。日本での話し合いで、各話のサブタイトルも決定し、いよいよ連載頭と単行本頭が融和して作業が始まった。


【みどり】midorigo@mac.com

◎やっほー! 衆議院解散!!!! 日本の外では在外選挙が告知の翌日12月5日から、大使館では10日まで、領事館では9日まで行われる。

私がどこに誰に投票するかはもう決まっている。

新憲法
人権擁護法案反対
外国人参政権反対
TPP反対
国旗国歌尊重
を公約に掲げるところ。

◎私が書いたMANGAの構築法を解説した本が出た! 画像を沢山駆使したビジュアルで一巻80ページ。お値段は10ユーロ。講師をしているMANGA学校に併設された出版部から出た。でも学校のサイトにも、出版社のサイトにも本のことを記事にしてない。もっと宣伝してよ。

ただいま、二巻目のリライト(みどり風イタリア語から純正イタリア語へ)が終えたところ。12月のクリスマス前には出すという出版部の意向。

Facebookのページ
< http://www.facebook.com/crearemanga
>
10月のロミックスで
< http://bit.ly/TlL9KP
>

主に料理の写真を載せたブログを書いてます。
< http://midoroma.blog87.fc2.com/
>


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■展覧会案内
メディア/アイドルミュージアム
< http://mediaidol.net/
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< https://bn.dgcr.com/archives/20121129140100.html
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この企画展では、独特な進化を遂げたアイドル文化をメディアの進化とともにたどり、そこから現代日本のメディアや映像技術、コミュニケーションの変化を読み解きます。

会期:2012年11月21日(水)〜2013年4月7日(日)9:30〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)12/29〜1/3
会場:SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ 映像ミュージアム(埼玉県川口市)
入場料:大人500円、小中学生250円 常設展示も見られる
企画:株式会社デジタルSKIPステーション
アドバイザー:岡島紳士、岡田康宏

◎メディア/アイドル進化年表
1950年代から今日までのアイドルの進化を、映像メディアの変遷とリンクさせ解き明かす。

◎メディア革命時代のアイドルミュージックビデオ
激変した映像メディア環境を反映し、新しい表現で制作された、アイドルミュージックビデオ作品群を上映。各作品の注目すべき点もわかりやすく解説。また、関連衣装や小道具も展示。

◎Be the Idol!
人気アイドル本人の指導に従って、振り付けをコピーして踊る。アイドルと競演する映像がクロマキー合成により完成する。

◎IDOLS EYES
ステージ上のアイドルからは何が見えているのか? この展示はそんな疑問に答えるべく制作された。

◎メディア/アイドルはどこに向かうのか
最新のアイドルシーンでは、何が起こっているのか? アイドルはどこへ向かうのか? 全国各地で次々と誕生するご当地アイドル=「ロコドル」から、究極のバーチャルアイドル「初音ミク」、そして現実の存在から架空の未来世界へと発展して行くメディアプロジェクト「AKB0048」まで、様々なかたちでメディアを活用し、進化し続けているアイドルのあり方を、映像資料とパネル展示を通して紹介し、そこから垣間見えるアイドルとメディアの未来像について探る。

◎MikuMikuDanceシステム展示
◎メディア/アイドル トークイベントシリーズ


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編集後記(11/29)

●久しぶりに面白いルポルタージュを読んだ。森達也「オカルト」である(角川書店、2012)。見えない世界「オカルト」「スピリチュアル」に関わる専門家達へのルポルタージュとして、雑誌「本の旅人」で連載されていた短編コラム「職業欄はエスパー2」を大幅に加筆してまとめた本だ。著者は、超常現象やオカルトがあるかないかの二元論に埋没することができず、結局はその狭間〈わからない〉をほぼ定位置にしている。

筆者は、エスパー、心霊研究家、超心理学者、スピリチュアルワーカー、怪異蒐集家、陰陽師、UFO観測家、臨死体験者、メンタリストなど多くの人に会い、実際に不思議な現象を見ることもあるが、結局いつも肯定も否定もできずに煩悶する。前に進めない。後ろにも下がれない。結局はぐるぐる回るばかり。煮え切らない。どっちつかずに曖昧なのだ。かえってそこに、筆者の対象に向かい合う真摯な態度と誠実さを感じる。

筆者が重ねて言うのは、オカルトはジャンルそのものが意思を持つのか、大きな意思が人から隠そうとするのか、現象が観察者に迎合する、媚びようとする、あるいは拒絶する、ということである。オカルトは人目を避ける。でも同時に媚びる。いわゆる羊・山羊効果や見え隠れ現象について、この視点はじつに興味深い。

「説明できないことや不思議なことはいくらでもある。確かにそのほとんどは、錯誤かトリックか統計の誤りだ。でも絶対にすべてではない。淡い領域がある。曖昧な部分がある。そこから目を逸らしたくない。見つめ続けたい」という結論は好ましい。若い頃にオカルトにはまって、これ以上深入りするとヤバイと気がついて引き返したわたしだ。以来、怪しいものには近づかないのが信条になった。むちゃくちゃ怪しい第3極とやら、魑魅魍魎だらけだ。(柴田)

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●続き。予定ベースのカレンダーに実態が入るのって大きい。比較できるし、Foursquareと組み合わせれば、経費計算のためのトリガーにもなったり。

最近は仕事ジャグリングのため自宅に籠りっぱなしで、当日のカレンダーは白いまま。執筆者予定と、仕事の期間や締め切りやリマインダーなものばかり。で、ここにQuickLogでのログが自動的に入るんですよ。タグによっての色分けはできないので枠とタグ、そして説明欄にメモが入るだけだが、見慣れたカレンダーに枠ができていくので、自分がその日、何にどう使ったのかがわかりやすい。

もちろんタグやメモで検索もできる。クライアント名で検索したり、仕事内容で検索したり。同じような仕事が来た時に、あれはいつやったっけ? あの時はどれぐらいかかったっけ? というのが一発でリストアップされる。カレンダーの検索では、どのカレンダーを検索するか、含めないキーワードや期間指定もできるので、ログだけの検索が簡単。続く。(hammer.mule)

< https://ja.foursquare.com/
>  Foursquare
< http://quicklog.polygon-house.com/ja/
>  QuickLog公式
< https://itunes.apple.com/jp/app/quicklog-v1.2.1-lite/id377388734?mt=8
>
まずは無料のLite版から