[3454] 愛しのソニー

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《パズルのピースがうまくはまらない感じ》

■ユーレカの日々[21]
 愛しのソニー
 まつむらまきお

■グラフィック薄氷大魔王[340]
 「知らないモノはおもしろくない?」「3Dプリンタ、すでに陳腐化?」
 吉井 宏



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■ユーレカの日々[21]
愛しのソニー

まつむらまきお
< https://bn.dgcr.com/archives/20130403140200.html
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<著者のご意向により削除いたしました>


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■グラフィック薄氷大魔王[340]
「知らないモノはおもしろくない?」「3Dプリンタ、すでに陳腐化?」

吉井 宏
< https://bn.dgcr.com/archives/20130403140100.html
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●知らないモノはおもしろくない?

何にも似ていなく、何も連想させないようなモノってつまらないよね。何かを想起させたり、知ってるモノとの微妙な距離が「おもしろさ」の正体じゃないかなと。だから、自分に関係なく興味の手がかりもない知らないモノっておもしろくない。ってことは、他人が感じる面白さって推測不能じゃん!

「すごい大傑作ができた! これは深いぞ! オレが積み重ねてきた美意識の結晶!」な作品がスルーされ、「数合わせのテキトー作品」ばかりがなぜか絶賛される現象の謎がそれで解けたわ。僕が何かで体験した「深くてマニアックな感動」を他人は経験したことないわけで、単に知らないモノになっちゃうわけだw

つまり、僕と作品を見る人との間に共有できてない多くのものがあるってこと。あまり意識したことないけど、やはり、興味を引くためのフックっていうか手がかりっぽいモノを組み込んでやる必要があるわけね。興味を持ってもらえなくては意味がない娯楽作品・商業作品では特に。自然に受け入れてもらえる部分と、見慣れない新しさとのバランス。

以前、町山智浩氏のポッドキャストで「自分に関係ない話や現実から離れすぎた話は映画としておもしろくなりにくいので、脚本家は『テクニック』として現実の事件や人生に起きる様々なことを入れ込んで、『この話、なんかわかるぞ共感できるぞ』って感じてもらうようにする」って聞いて、イラストやキャラクターとかでも同じなんだろうなあと思ってたのでした。

●3Dプリンタのニュースがすでに陳腐化?

このニュース。「日本に数台しかないソリューションで制作した3Dフィギュア"栗原類"が完成」
< http://news.mynavi.jp/news/2013/03/28/094/index.html
>

ショック! なんちゅうか、「話題/ニュース」的に、すでにフルカラー3Dプリンタが陳腐化しちゃってる〜〜! こんなの一般人だって喜ばないだろう。人やモノを3Dスキャンして、3Dプリントしてミニチュア化フィギュア化するってこと自体、元々おもしろいわけじゃないもんね。もうみんな飽きてると思う。テレビや雑誌でもたくさん特集されたし。

類くんが登場したのは、3Dプリンタを駆使した人形アニメ映画「パラノーマン ブライス・ホローの謎」の宣伝イベント。なので、類くんをフィギュア化して3Dプリンタの威力を見せる意味はちゃんとある。

しかし、類くんフィギュアを見て「へー! すごーーい!」って言い終わったら、もうそれ以上何の反応も示しようがないもんね。江戸時代に写真を初めて見て「へー! すごーーい!」って言ってた段階と同じ。

で、この「へー! すごーい!」以外に反応のしようがない状態ってのは、3D/2Dプリンタ出力物に限らず、ディスプレイ上で3Dモデルをぐるぐる回せるライブ3D表示にしたり立体視にしたりってのにも共通する「どん詰まり感」がある。その状態以上に動かず、進展しないことがわかってるからだろう。

(余談。よく、「大丈夫だよ。3Dでキャラクターをぐるぐる回して見れるだけでも十分おもしろいよ!」って言う人もいます。僕はさんざんやってみたのですが、ものすごく、激しく、つまらんです!! つまらんどころではなく、回して見たその3Dキャラクター自体に興味がなくなってしまうという、怖ろしい弊害すらあるのです! 360度見てしまうと、もう知りたい部分がなくなってしまう)。

3Dデータそのものに利用価値があるのであって、3Dプリンタ出力物は、プロジェクターで壁に投影された静止画と同じくらいの価値しかないと思う。そのへん、昔、大きくプリントされた写真やデジタル絵にぜんぜん価値を感じないけど、その理由は? と考えたことと同じだろう(表参道3D写真館の場合は、家族写真/記念写真というはっきりした目的があるためか違和感はない)。

この記事では、3Dプリンタ等の機器が2000万円で類くんのフィギュアは7万円などと書いてあるから、投影物でしかないものとのギャップをどう心が埋めようか悩んでしまうのが、僕の違和感だと思う。

なんでこう粘着的に書いてるかというと、先週書いたように、「3Dプリンタ出力物は作品になり得るか」ってのをまだまだ悩んでるのです。投影物にすぎない3Dプリントをどうしたら価値が伴う「作品」にできるのかって。

類くんフィギュアや表参道3D写真館みたいな現物のミニチュア化ではなく、自作のフィギュアやオブジェの実体化なら、もうちょっと面白みがあるというか造形そのものを鑑賞する姿勢にはなると思うけど。それ以上の何かないのか? ジブリやピクサーの3Dゾーエトロープはうまいこと価値を見出したよなあ。

この「パズルのピースがうまくはまらない感じ」ってのは、工業製品の試作等に普通に大活躍している3Dプリンタが一般に知られてきて、娯楽方面に使えるかどうか、しっくり来る使い方はないか、模索してる状態なんだろうな。

●告知! 銀座と日本橋の三越ショーウインドウに吉井作品

銀座三越と日本橋三越本店のショーウインドウに吉井作品登場〜! 各4か所計8か所のショーウインドウと、館内のあちこちにもマネキンとともに展示されてます。来月後半まで。ショーウインドウとしての構成やデザインは、ヤマトマネキンや三越のプロの人がやってます。

< http://yoshii-blog.blogspot.jp/2013/03/blog-post.html
>

マネキンは昨年末にエコプロダクツ2012で発表されたものです。
< http://yoshii-blog.blogspot.jp/2012/12/tdw.html
>

●告知2! Toy Art GalleryにYoshii作品

ロサンゼルスの有名Toyショップ&ギャラリーに、ひょんな事から以前作ったフィギュアが展示販売されることになりました。

< http://yoshii-blog.blogspot.jp/2013/03/toy-art-galleryyoshii.html
>

【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com
>
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
>

新年度が始まった。1月新年に出遅れても今からがんばれば大丈夫! 4月始まり手帳みたいに。僕的には、昨年からじっくりと腰を据えていろんなことやろうと思ってたのに、周囲が予想外にどんどん動き出してしまい、あたふたしてる最中〜。

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編集後記(04/03)

●高橋克彦の新作「ツリー」を読む(双葉社、2013)。上下巻で約850ページもの長編だ。しかし、ほとんど会話で話が展開するスタイルって、文芸の品格からいってどうなの? って気もするが、ともかくスイスイ先に進み、3日間であっけなく読了した。プロローグからは、東北の「かくれ里」の超能力がらみの話かと思う。結果として、その予感は合っていたのだが、荒唐無稽さは想定をはるかに超えて、UFOや終末論をまじめに論ずる高橋克彦ワールド全開という感じだ。

この小説は結末をばらしてしまうと、これから読む人は興味半減、というか読む気がうせるかもしれないので、「BOOK」データベースの商品解説の引用(一部編集した)でとどめるのがマナーであろう。

[ある新人賞に驚異的な小説が応募されたことから物語は始まる。書評家の私は、編集者から頼まれて、連絡のつかない作者・風森大樹を捜しに本籍地の青森に行くが、杳として行方が知れない。捜索の手伝いをしてくれた若者が不審な死を遂げ、事態は急転する。風森の一族は特殊な能力、技術を隠し、ひっそりと暮らしてきた。その力の獲得を目論む組織が介入し、戦いが始まる。情勢は混沌としてまったく予断を許さない。行動をともにする謎の女、名美。彼女の恐るべき能力が明らかになり、予想もつかないフィナーレへと導かれていく]

終わってみればわずか10数日間の出来事だが、事態はどんどんエスカレートしていき、先が読めない。やはりそうくるか、とはならずに、なんでそうなるの、という方向へ進むのだから、もう物語に身を任せるしかない。面白いことは面白い。でも、最初の不審死は風森側の早とちりだとか、寛容すぎる風森の一族とか、ちょっとおかしな設定が気にはなる。ツリーとは樹木ではなく系統図の意味らしい。ジャンルでいえば伝奇かSFか。高橋克彦おなじみトンデモ世界。壮大というか、無責任というか、苦笑のエンディングであった。  (柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575238015/dgcrcom-22/
>
高橋克彦「ツリー」


●ソニーの囲い込み戦法でもPCだけは対抗したわ。MD不便だった〜。/ショーウィンドウを生で見たい〜。「4月始まり手帳」でがんばろ。

続き。で、この放送局のことが気になり、翌日昼からラジオをつけた。日曜日のようなクリアな音ではないものの、雑音は気にならない程度。また延々と音楽を流している。13時半になって、音楽が中途半端に途切れ、違う音楽がかかる。あれ?

と、関西弁が聞こえてきた。何やら番組が始まっていた。注意して聞いていたわけはないので、どこの放送局かわからないまま。曲の説明やら、ライブ開催日のことやらが聞こえる。と、放送局の名前をDJが口にした。やはり10km先のところだ! ここのサイトには番組表がなく情報もほとんどなかった。3年前から開局しているらしい。

番組は1時間で終了。終わるとまた音楽。サイトに情報はなく、DJもいないもんだから、曲名やアーティスト名なんてわからない。気になってiOSアプリ『Shazam』起動。10秒ほど聞き取って、曲名を表示してくれる。これがなかったら、歌詞を聞き取っての検索になってたわ。 (hammer.mule)

< http://www.shazam.com/
>
Shazam。AndroidやWindows Phone、BlackBerry対応アプリあり
< http://ja.wikipedia.org/wiki/エフエムさかい
>
地域の様々な活動や意見を発信するため、柔軟な対応が必要であり、詳しい番組表を作成することが難しい
< http://blog.livedoor.jp/thp_cfm/archives/51674084.html
>
放送時間は平日の9:30-10:30、11:30-12:00、13:30-14:30で、ホールの休館日となる水曜日は放送もお休み(終日ミュージックバードの再送信)
< http://www.egoistjam.net/index1.html
>
この番組はサイトもってるわ「EGOISTJAM」