[3928] 定額制Apple Musicで考えたこと

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《昼間は会社、夜はダンボールの組み立て》

■挑んで死にたい、ダンボールアーティストとして[05]
 テレビ局から舞い込んだダンボールアートの制作依頼
 いわい ともひさ

■グラフィック薄氷大魔王[436]
 定額制Apple Musicで考えたこと
 吉井 宏




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■挑んで死にたい、ダンボールアーティストとして[05]
テレビ局から舞い込んだダンボールアートの制作依頼

いわい ともひさ
< https://bn.dgcr.com/archives/20150617140200.html
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●ブログを書きながら考えたセルフブランティングの中身

将来的に「自分専用のメディア」として活用するために開始したブログですが、最初はどのように個性を持たせれば良いかはわかりませんでした。

ファッションに興味があって、その業界で働きたい人が、自分自身でコーディネートした服を掲載したり、音楽に興味があってミュージシャンになりたい人が、演奏する様子を動画に撮って掲載するというのは、最初から目的も明確でわかりやすい。

しかし、私は将来独立したいという漠然としたものしかなく、明確にこれをやっていくという具体的な目標は定まっていませんでした。

そのブログを、自身の情報を多くの人に伝えられるようなメディアにまで成長させるには時間がかかります。

有名人がTwitterを開始すると、一夜にして数万人がフォローするということが起こりますが、知名度のない人にはそのようなことはあり得ません。地道に情報を発信し続けることで、少しずつ読者が増えるのです。

何か事業を始めることになってから、情報発信のためにブログを開始しても、最初はメディアとしては機能しません。情報を発信しても受け止めてくれる人がわずかしかいないのです。

また、事業の開始時は、これまで会社の仲間が担ってくれていた業務もすべて自分自身で行う必要があるため、ブログにまで気を遣うのは困難となり、優先順位も下がることでしょう。

このように、ブログがメディアとして成長するまでには多くの時間を要します。一年も経たずして大きな影響力を持つようなメディアに成長させられる人もいれば、三年経っても鳴かず飛ばずということもあり得ます。

最初から明確な目標を持ってブログを始めるのが理想的ではありますが、思いたったときにすぐに活用したいのであれば、まずは始めることが重要です。

そのような考えから、会社員として働く傍ら、将来のことを考えながら、毎日ブログを更新し続けました。

●ブログ開始から約一年でテレビ局からの問い合わせ

2013年にブログを開始してから一年と二か月が経過した2014年2月の末日に、テレビ局の制作部の方から、問い合わせのメールをいただきました。

なんでも、4月からご当地アイドルの初めてとなる冠番組が始まる予定で、その番組用にダンボールロボットを作りたいので、相談に乗ってもらえるかという内容。ダンボールロボットは、番組MC(司会者)になるというのです。

ご当地アイドルは若い男子10数名のグループで、最初はメンバー全員がロボットのアイデアを考え、それぞれの図案から少しずつ部品を組み合わせて、ひとつの形にしたいというお話でした。

メールで問い合わせをいただいた後、電話でやり取りを行い、その後一か月程、待ちの状態が続きました。

その間、やり取りがなかったため、お話がなくなったのかと思っていましたが、3月の後半になって再び連絡があり、お会いすることになりました。

テレビ局のご担当の方にお会いしたのは、3月の最終週。当初聞いていた全員がアイデアを出し合うという案は流れ、用意された図案にしたがってダンボールロボットを作って欲しいという依頼に内容が変わりました。

当初、ロボットはダンボール箱を組み合わせた程度の単純な造形で良いと聞いていましたが、いただいた図案はもっと複雑なものになっていました。

お会いした日は3月29日(土)で、希望納期は一週間後の4月6日(日)でした。依頼をいただいた当時は会社員だったので、平日は仕事です。

ただ、とても良い経験になるし、セルフブランティングとしては最高の機会だっためお受けしました。

もちろん、超短納期であることはわかっていましたが、やれるかどうかという不安よりも、何が何でもやるしかないという気持ちが勝っていました。

●徹夜作業でロボットをデザインし翌日はダンボールの切り出し作業

打ち合わせ後、帰宅して今から色々と準備しようと考えたときに、担当さんから電話が入りました。顔のデザインを変更して欲しいというのです。

最初にいただいたデザイン画は、モヒカンにサングラスぐらいしか特徴のないものでしたが、変更後は「ダフト・パンクの左のようにして欲しい」とのこと。

ダフト・パンクはフランス出身の二人組のミュージシャンで、ロボットのようなヘルメットをかぶっているのが特徴です。

ダフト・パンク風とはいえ、そのまま真似してはいけないので、その雰囲気を持たせつつ、違うものを考えました。

担当さんには、翌日できるだけ早く返事をもらえないと、納期に間に合わなくなることを伝えました。

夕食後、早速デザインに取り掛かりました。ロボットは上半身の背面が一番多く映される予定と聞いていましたが、いただいた図案は正面しかなく、また、立体をあまり考慮できていない平面的なものでした。

背面が映るのなら、そこの見栄えをもっとも良くする必要があるので、そんなことを考えながらデザインしました。顔の部分は図案がないので、こちらも一から考えました。

デザインが終わったのは朝の4時。担当さんにCG画をメールして返事を待ち、ゴーサインが出たのは、その日の午後2時ぐらい。

ダンボールアートを作るときは、CGデータを作った後、レーザーカッターで切断を行っています。最初の二作品までは普通のカッターで手切りしていましたが、レーザーカッターの存在を知ってからは欠かせないものになりました。

レーザーカッターは非常に賢い機械で、図面データどおりに様々な素材を切ってくれます。おかげでかなり細かな細工も、正確かつ簡単に行えるようになりました。

ダンボールロボットのデザインを承認してもらった後、夕方6時ぐらいまでかかって展開図を作成し、急いでレーザーカッターのある工房にデータを持ち込みました。

実際にレーザーカッターにデータを流し込むときは、もう一手間かけてデータを最適化する必要がありますが、当時はまだレーザーカッターを使い慣れておらず、この作業を工房の方にお願いしていました。

結局、レーザーカッターの作業が終わったときには深夜12時を過ぎていました。普通ならお付き合いいただけるものではありませんが、工房のご主人が気前の良い方で、笑顔でお手伝いいただきました。もう一生頭が上がりません(笑)

●昼間は会社、夜はダンボールの組み立て

土曜日は徹夜、日曜日も深夜までかかってダンボールをカット。そして、月曜日からは会社です。

連日の長時間作業で日中は業務に集中できなかったかと言われると、実はその逆で、いつにも増して高い集中力を持って仕事ができました。

理由の一つは、本業に身が入っていないと言われたくなかったため。もう一つは、短納期に対応するため、一分たりとも時間を無駄にできないという緊張感があったためです。

会社での業務をダラダラとやって、無駄に残業するような暇などないのです。そう思うと日中はまったく眠くなりませんでした。

仕事を終えて帰宅してからは、ひたすらダンボールの組み立て作業。幸いその週の金曜日は祝日だったので、いつもより一日多く時間が取れました。

ダンボールロボットよりも前に作ったダンボールアートは、アイアンマンやその他のキャラクターのヘルメットだけ。全身という大きさで、しかも人が着用するものは作ったことがありませんでした。

ダンボールは伸縮性がないため、着ぐるみのような柔軟性はありません。設計段階で中に入る人の身長や体格をお伺いし、写真もいただいていたので、目安はありましたが、試着は避けられません。

となると、祝日である金曜日までに組み上げてテレビ局に持ち込み、試着してもらわなくてはいけません。月曜から木曜までは徹夜作業になりました。

金曜日はテレビ局で試着してもらい、改善点を把握。その日のうちに修正を行ったり、足りない部品を付け足したりして、最終作業となる塗装を始めました。

土曜日も塗装作業の続きを行い、夜までかかってようやく完成! 翌日曜日に無事納品を終えました。非常に濃密な一週間でした。

次回はダンボールロボットが登場した番組についてお伝えします。


【いわい ともひさ/ダンボールアーティスト】
Blog < http://iwaimotors.com/blog/
>
Twitter < https://twitter.com/iwai
>
Behance < https://www.behance.net/iwai
>

今週の一言:周りに自分のことを気にかけてくれている人がいて、本当に幸せ。そんな人達に恩返しできるように頑張ります。


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■グラフィック薄氷大魔王[436]
定額制Apple Musicで考えたこと

吉井 宏
< https://bn.dgcr.com/archives/20150617140100.html
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Apple Music、僕的には大歓迎! でも、いろいろ考えた。

●「ガマンして聴いてたら大好きになった」がなくなる?

定額制になると「少ない小遣いでようやく手に入れたアルバムが気に入らないけど、もったいないので何度も聴いてるうちに良さがわかってきた!」っていう入門の形が消滅する。

最初から聴ける耳当たりのいい音楽しか聴いてもらえない。他の音楽を聴くのに別料金が必要なわけじゃないなら、好きでもない音楽をガマンして何十回も聴くなんてあり得ない。

定額制って、「今までいろんな音楽を情報としては知ってたけど、アルバムを買うには至らなかった人」にはありがたいサービスだと思うけど、情報ゼロの人には単にBGMの有線放送くらいのありがたみしかないんじゃないか? とか。

えええ!! ダウンロードも可能なんだって! それじゃ、ストリーミングサービスってより、iTunesストアを定額で全解放ってことか! アメリカでは三千万曲、日本では数百万曲(?)が聴き放題な上にダウンロードも可能……。

っていうか、ネットに接続できない所で聴く目的にしか、ダウンロードしたり集めたりする意味すらなくなっちゃうわけだがw

今でもクレジットカードの締切日間際に「今月はiTunesで買ってないから何か買わなきゃ」ってけっこう買ってた。「お金を払って音楽を購入する」は、聴き込むことですごく好きになれたらいいなあ! っていう覚悟みたいなもんで、僕は昔からそんな買い方。

だから、定額だったり無料だったりすると、覚悟を決めなくていいからつまんない。僕だけかもしれんけど。

音楽マニアを育てる的にはどうなんだろう? 音楽マニアが育たないと、新しい音楽をやる人がいなくなる? まあ、聴ききれないくらい音楽たくさんあるから誰も困らないかw レコードになってるものでも鑑賞に堪えるものが100年分くらいあるわけだし。今でもYouTube等で聴き放題に近くなってるから、そんなに変わらないのかもね。

ところで、良さがわかるまで時間がかかった僕的に代表的なものはザ・ビーチボーイズの「ペットサウンズ」だった。「ポピュラー音楽史上最高のアルバム」とのことで聴いてみたところ、一曲目以外はビーチボーイズっぽくない地味な曲ばかりで、なんだこれ? と。

それでも何かいいところがあるんだろうって繰り返して聴いてるうちに、やはり史上最高って納得、僕の「無人島一枚」になった。

もっともっと以前、小学生4年くらいのとき、「教養ある大人はクラシックを聴くもんだ」と思って、家にあったベートーベン「運命」をぜんぜんわからないくせに何十回も繰り返して聴いた末に、めちゃくちゃ好きになったのでした。

なので、どんな音楽も聴き込めば魅力がわかるはず、と信じてる。坂本龍一がレゲエを理解するまで二年聴き込んだって話も。

定額制で聴き込まなくなるとしたら、やっぱちょっと心配。まあしかし、定額制でつまみ食い的な聴き方をする若い人の中から、自由自在に過去と現在を行き来しながらものすごい音楽知識を持つ人も出てくるんだろうな。

●個人所有ライブラリが無意味に

アルバムや曲を「購入」がなくなっちゃうと、アルバムや曲単位で愛でる感覚の時代は終わっちゃう。数百万曲を聴き放題なんだから、最小単位は「アーティスト」か、いや「ジャンル」かな。

僕が三十何年間せっせと買い集めた2万曲160GBの容量も意味なくなる。所有CDがクラウドから聴けるiTunes Matchも意味なくなる。

壁一面をレコード・CD棚にしてる人の、その枚数の意味がなくなっちゃうのは悔しいだろうな〜。CDショップ全体よりもっと多い曲を所有してるのと同じだもん。まあ、iTunesにないCDやレコードを持ってる人は勝ちw

●定額制のすごい点

以前書いた、「日本の各家庭がどれだけ本や雑誌を買うかの統計によれば、10家族の40人のうち本代に13,830円使う人がたった一人いたら、他の39人は一冊も買ってないという計算」。

音楽も似たようなもんでしょう。クラスに一人くらいしかいないマニアが極端にたくさん買う一方、普通の人はそんなに買わない。

仮に、iTunesストアで年に四枚のアルバムを買って6,000円払う人がいたとする。定額制で年12,000円払うようになれば、Appleに入る金額は二倍になる。音楽にお金をまったく払わないできた人の何割かでも定額制に入ったら……すごいね! ミュージシャンにきっちり還元されたら、以前より状況は良くなっちゃったりして。

電子書籍の定額制も来るね。すでに定額制が始まってる雑誌サイトもあったりする。電子書籍になってない本のほうが多い現状ではありがたみ薄いけど、いずれそうなるだろうな。考えてみりゃ、HuluやTSUTAYAではすでに映画の定額制になってるわけだし。

●ストリーミングの転送量

蛇足だけど、モバイルで聴き放題すると、どのくらいの転送量になるんだろ? 聞き続けてキャリアの7GB制限をオーバーするのにどのくらいかかるか? ストリーミングが売ってるのと同じような音質だとすると、たとえば僕のiTunesに登録されてる同一アーチストで最も多い44枚が登録されてる、ザ・ビーチボーイズが1.5日分で4.09GB。ってことは丸二日ちょっと聞き続けたらオーバーw

●ライブが苦手です

仮にApple Musicが何かの終わりを意味するものだったとしても、それは録音をひとまとまりにして販売する方法の終わりであって、ライブは終わらない。

ただ……僕はライブの同調圧力がキライでキライで。ミュージシャンや他の観客との「一体感」を楽しむものなんだろうけど、総立ちや手拍子の強制さえ僕はまったくダメ。今はもう「生演奏より録音芸術が好き」って断言できる。その意味で、ライブの映像は嫌いじゃなかったりする。

デーモン小暮閣下が「最前列の関係者が腕組みして見てるのが許せん」と言ってるの聞いて、あー、僕はライブに行ってはいけない人だ、と思った。

CDで聴き込んだ曲をライブでどう演奏するのか、本格PAでどう聞こえるのか、じっくり腕組みして聴きたいんだよ〜。なのに、周囲は総立ちしたりぴょんぴょん跳びはねてるから立ち上がらないと見えないw

立ち上がったら突っ立ってるわけにもいかない。あと、ツアーとかでMCでしゃべることやハプニングとかも、全部練り上げた仕込みって知ったときはガッカリしたw

究極の録音芸術であるYMOなんかも、なんでライブやるんだろ? ってずっと思ってた。ライブはライブを見たいファン層がいるんだよね。僕はちがう層だと思う。目の前で生で演奏するのを聴ける、っていう楽しみがあると思い込んでたけど、PA通しちゃうと生の意味がなくなるw

クラシックで言えば、グレン・グールドが演奏会をやめて録音のみにしたとい
うのも、すごくわかる。失敗できないプレッシャーや演奏の粗探しをする客に
神経をすり減らすのをやめ、レコーディングに専念。テープを切り貼りして完
璧な演奏を作り上げるっていうアレ。

音楽を作るっていうことと、コンサートでパフォーマンスすることは、別のジャンルだと思う。

たった一回の演奏のために死ぬほど練習するわけじゃん? やはりそれって、ほとんどフィギュアスケートや体操競技に近い。僕は絵を描いたりCG作ったりする仕事してるわけだけど、広い会場で失敗の許されないライブペインティングが半ば業務上の義務みたいになってるとしたら……この仕事やめるかもしれないw

自分が思うとおりの演奏や、譜面の作曲家の意図とかを100%に近づけて表現するタイプの音楽芸術があっていいと思う。パソコンを使って0.01秒のタイミングを調整したり、音量や音質を変えたりすることで表現できるわけで。

楽器を使って表現したい人がやるべきことは練習じゃなく、上記のように一曲を満足いくまでいじり倒すことかもしれない、と。有名な演奏家でそういうことやってる人いるのかな?

ポピュラー音楽のミュージシャンの演奏は、そこまでシビアじゃないかもしれないけど、たとえば本番で歌詞を間違えないように必死で覚えることが、それほど意味があるように思われないとかなんとか。

……ライブやコンサートが苦手な大きな理由思い出した。PAの音量っていくらなんでも大きすぎない? 耳がつぶれそう。会場出るとしばらく耳がキーーンっていってるもん。

●告知:NYのClutterギャラリーのCutepocalypse展に参加してます

「Cutepocalypse」とは「カワイイ黙示録」とでも言うのか……とにかくカワイイ作品なら何でもいい、だそうで。僕の作品「Kichu」は「過剰なかわいさが醸し出す怖さ」的なものがテーマ。制作は昨年に続いて織田隆治さんにお願いしました。
< https://shop.cluttermagazine.com/gallery
>
< https://shop.cluttermagazine.com/gallery/609
>
< https://shop.cluttermagazine.com/art-toys/kichu
>

【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com
>
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
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どんな音楽でも聴き込めば好きになる……例外もいっぱいあるなあ。ギターギャンギャンなロックがまったくダメ。いや、まだ聴き込みが足りないだけかなw

フォー・シーズンズを「ジャージー・ボーイズ」でミュージカル→映画化、おもしろかった! じゃあ、ザ・ビーチボーイズも見たい〜! っていうか、ブライアン・ウィルソンの「ペット・サウンズ」〜「スマイル」の七転八倒と気が変になっていく様を見たい! って思ってたら、やっぱ見たいと思ってる人多いのね。早く観たい!
< http://loveandmercy-movie.jp
>

・パリの老舗百貨店Printemps 150周年記念マスコット「ROSEちゃん」
< http://departmentstoreparis.printemps.com/news/w/150ans-41500
>

・rinkakの3Dプリント作品ショップ
< https://www.rinkak.com/jp/shop/hiroshiyoshii
>

・rinkakインタビュー記事
『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』吉井宏さん
< https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii
>

・ハイウェイ島の大冒険
< http://kids.e-nexco.co.jp
>

・App Store「REAL STEELPAN」
< https://itunes.apple.com/jp/app/real-steelpan/id398902899?mt=8
>


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編集後記(06/17)

●「林明輝[ドローン]写真集 空飛ぶ写真機 大地から見てきた風景を上空から再発見」を鑑賞した(平凡社、2015、A4変 112ページ)。空撮の写真はいままでも見てきたが、この写真集に収録された作品はだいぶ印象が違う。まさに鳥や昆虫の目線といっていい。セスナやヘリは航空法の制限で150メートル以下に下りられない。ドローンはそれに縛られず自由な撮影ができる。作品集では60余点の臨場感あふれる美しい風景が展開する。画角は35ミリフルサイズ機で16.35ミリ相当だという。望遠の切り取りではない。日本の自然風景を再発見、再認識するという観点からの撮影は、すべて「空飛ぶ写真機」による。

林明輝さんは2013年からドローンを使い始めて、2年間での撮影日数は450日以上、日本全国100か所以上に及ぶ。撮り尽くされたと思われる有名な景勝地であっても、ドローンからは新鮮な風景が見えてきたという。今年5月にソニーイメージングギャラリー銀座で写真展「空飛ぶ写真機 〜ドローンで見た日本の絶景〜」を開催した。ドローンにソニーのα7シリーズを搭載しているからだ。高精細な画像が撮影できるローパスフィルターレスのα7Rがメインで、気象条件や撮影時間帯などによりブレに強いα7IIで撮影という使い分けをしている。軽量ミラーレスのおかげで、一回の飛行時間が20分以上確保できる。

ドローンがあれば誰でも空撮できる、とはいえない。オート機能だけでは、気流の乱高下など自然現象には十分に対応できない。上空から送られてくる映像をモニターで確認しながらフレーミングし撮影するが、機体を安定させるには非常に高度な操作技術が必要だ。露出はマニュアルで固定してあるので、設定の変更はドローンを一旦着陸させて再設定しなければならない。ドローンからの空撮には手間と時間と技術が必要なのだ。最も重要なのは、地上で素晴らしい作品が撮れる感性や技術がなければ、空撮で感動的な作品を撮ることはできないということだ。素人がドローンで作品を撮るのは絶望的にハードルが高い。

ドローンを使った空撮の場合は、基本的には撮影許可が前提となり、その点が一番神経を使ったところだと林さんは言う。ドローンを飛ばせる場所は、道路交通法、航空法そして各自治体の条例などで規制されている。各法令を遵守した上で、ドローンを飛ばすエリアを管理している役所などに注意事項を確認して、撮影許可を取る必要がある。ドローンで撮影された日本列島は美しい。だが、ドローンは使い方によっては非常に危険な代物である。もともと軍事用に開発されたものだ。今さらなる規制が検討されているようだが、それは当然だ。厳重な規制を早急に策定せよ。ドローン・テロを抑え込め。 (柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4582278191/dgcrcom-22/
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「林明輝[ドローン]写真集 空飛ぶ写真機 大地から見てきた風景を上空か
ら再発見」


●デーモン閣下のは、さほど好きでもない人が、立場を利用して最前列に来ないでって意味に受け止めようっと。ファンに譲ってあげて欲しいわ。ライブ大好き! 音を全身で受け止められて楽しい。でも総立ちや手拍子の強制はイヤ。振り付けなんてもっとイヤ。やりたい時しかやらない。でもベビーメタルだと自らやっちゃうかもしれない……。さんの次は、うー、よん、フォー!

マラソン続き。結局預けられたのは8時15分ぐらい。人が大勢いて整列場所へ走ることもできず。誘導に従って歩いているとドームの中に。スタンド観客席には、ウェアを着たたくさんの男性がいて、スクリーンにうつるインストラクターの指導のもと、ストレッチをしていた。ハーフの待機場所だったようだ。

ドームを出ると、女性だらけ。1万人以上の人が、舞台とスクリーンを見ながら一斉にするストレッチって壮観。整列ブロックを通りすぎ、最後尾覚悟で320基並ぶ一番大きなトイレへ。行列行列行列。

大阪マラソンと違って、トイレ内に手洗いはなく、外に簡易手洗いが並んでおり、そこにはなんと鏡までついていたわ! 鏡の前で髪の毛チェックをする人たちがいて、どうせ走ったらぐしゃぐしゃになるのに……と思ってしまったぐーたらな私であった。

もちろん男性が女性のところに並ぶことはなく(大阪マラソンの時はあった。集合場所の関係でショートカットしたかったんだろうと思う。名古屋は女性だけだもんね)、ボランティアの人たちは空いた場所にすぐに誘導。その際にトイレットペーパーの残量チェックまで。

ひとりひとりの個室占有時間は手洗い分のこともあって短いけれど、30分は並んだと思う。焦っているのはたぶん私ぐらいで、みんなゆったりのんびり。おしゃべりしたり、電話で「いまトイレ並んでる〜」などと会話したり、再会を喜んでいたり。続く。 (hammer.mule)

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4の歌。今年こそ紅白〜。

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スリップノットとのマッシュアップ

< http://www.sanspo.com/geino/news/20150617/geo15061705050012-n1.html
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柚希礼音さんがアミューズに。ベビーメタルやPerfumeとの共演はある?

< http://rocketnews24.com/2015/06/16/596682/
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宝塚でるろうに剣心。ルパン三世やった雪組です。

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サムシング・ロッテンが見たい〜。「台詞の途中で歌になる? そんなの変〜」「なんで踊るの?」「派手だから」日本に来ないかな。