[4282] 内なる桜は常に満開でありたい

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《日本にもこういうのがあるんだぜ!》

■ Otaku ワールドへようこそ![250]
 内なる桜は常に満開でありたい
 GrowHair





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■ Otaku ワールドへようこそ![250]
内なる桜は常に満開でありたい

GrowHair
https://bn.dgcr.com/archives/20170210140100.html

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●桜に至る道の始まり

桜に至るこの物語もまた、2011年6月11日(土)に意を決してセーラー服着用でラーメンを食べに行ってなければ、始まりもしなかった。

モデルで歌手である、やのあんなさんのデビュー曲『Shape My Story』のミュージックビデオ(MV)がYouTubeに上がったのは 2013年8月1日(木)のことである。


その中で、添え物として、セーラー服を着たおじさんが出てくる。一番を歌い切るまでは気配もないのだが、二番あたりからちょろっちょろっと出てきて、最後は並んでポーズを決めている。

このMVのことは翌日の「ねとらぼ」で取り上げられ、「もはやどっちのMVなのかよく分からない」とツッコまれている。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1308/02/news127.html


青文字系のモデルのMVとしてはずいぶん破天荒な演出で、物議をかもしてもおかしくないくらいのものだが、現在、MVの再生回数は41万回を超え、「高く評価」が2,414回なのに対して、「低く評価」はわずか40回である。

レーベルは「ポニーキャニオン」、所属事務所は「アソビシステム」である。あのきゃりーぱみゅぱみゅと同じとこ。

MV出演を機会に、自社主催のイベントの案内がアソビシステムからメールで届くようになった。

2016年11月10日(木)に受け取ったメールに『もしもしにっぽんシンポジウム2016』の案内があった。

11月24日(木)、25日(金)、千駄ヶ谷の「東京体育館」で開催され、「あらゆる角度からインバウンド・アウトバウンドについて考える、企業を対象としたシンポジウム」、「世界で成功を収めている経営者をはじめ、文化人からクリエイター・ミュージシャン・タレントまで幅広いジャンルの著名人が集い、様々なテーマのもとに自らの想いを熱く語るトークセッションを繰り広げる」とある。
http://fes16.moshimoshi-nippon.jp/symposium.php


新木場「STUDIO COAST」にてオールナイトで開催される音楽系イベントには無料招待してもらえているのだが、このシンポジウムはその扱いになっていない。

入場料3万円はちと高いと思ったが、「身銭を切ってでも行け」と天から声がした。

今、これを書きながら読み返してみたら、割引料金で入れたらしい。げげげ。3万円、払っちゃったよ。まあ、よいよい。

●タイムアウト東京の授賞式に呼ばれて行ってビビる

話は脇道にそれるが、このシンポジウムの登壇者の中に、知った人がいる。東京新聞の鈴木遍理氏である。私立桐朋高校の2学年上の先輩。

2015年7月5日(日)、日テレ『行列のできる法律相談所』の収録があった日に飲み屋で出会い、2016年11月22日(火)に三人同窓会が実現した流れについては、12月2日(金)配信の『偶然がもたらした三人同窓会』で詳しく書いている。シンポジウムは同窓会の翌々日であった。
https://bn.dgcr.com/archives/20161202140100.html


鈴木氏が登壇したのは、6:00pmから75分間の『東京メディアサミット 2016』においてであり、「東京」と名のつくメディアの代表者5人によるパネルディスカッションであった。

その中には『タイムアウト東京』の代表取締役である伏谷博之氏や、KADOKAWAウォーカー総編集長である玉置泰紀氏がいた。鈴木氏と親交があり、懇親会で紹介してもらい、後に、facebookで「友達」になっている。

12月6日(火)、タイムアウト東京からメールが来た。12月21日(水)に「渋谷ヒカリエ」で授賞式が開催されるので、賞を渡す役で出演してくれませんか、という依頼であった。

何の授賞式なのかよく分からないまま行ってみると、受賞者対象者が
・椎名林檎氏(シンガーソングライター)
・新海 誠氏(映画監督)
・村上 隆氏(現代美術家)
ほかで、軽くビビる。椎名氏と新海氏は欠席で、ご拝顔の栄には浴せなかった
けど。
http://www.timeout.jp/tokyo/ja/blog/photo-of-the-day-love-tokyo-awards-2016-%E6%8E%88%E8%B3%9E%E5%BC%8F-122616


こんな経験ができたことだけでも、アソビシステムのシンポジウムには行っておいてよかったなぁ、と思えるのである。

写真:
https://goo.gl/photos/q6Zei7KUzBJ3HPTA6


●明治座の興行との運命の出会い

話を『もしもしにっぽんシンポジウム 2016』に戻すと、3:00pmから45分間は『コンテンツ業界インバウンド・トークセッション』があり、二人のパネリストが登壇した。

一人は、KADOKAWAインバウンド推進部の部長である柿澤史行氏。柿澤氏は、2016年9月より一般社団法人アニメツーリズム協会事務局次長を兼務している。

いわゆる「聖地巡礼」を官民連携で組織的に推進していこうと企てており、「アニメ聖地88ヶ所」を選定しようと動いている。
http://shadan.animetourism88.com/


もう一人は、株式会社明治座業務管理室IT戦略室の室長である赤(せき)俊哉氏。東京日本橋浜町にある「明治座」で2016年9月から興行している『SAKURA ─ Japan in the Box』のチーフプロデューサーを務めている赤氏は、この公演についてプレゼンした。
http://sakura-meijiza.com/


プロモーション映像を見た私は、ここ数年来ずっと追い求めていたものに、やっと出会えた思いがした。

前にも書いたけど、中国などで開催される漫画・アニメ系のイベントに呼ばれて行くと、いつも思うことがある。その種のイベントでよく催されるコスプレコンテストで、現地のコスプレイヤーたちの見せるパフォーマンスのレベルがおそろしく高いのである。

漫画やアニメのキャラクターに扮した演者たちが、3分なり10分なりの制限時間の中で、作品のシーンを演じるのであるが、そこに各種武道や伝統芸能の要素を盛り込んで、超絶美しいパフォーマンスを見せてくれるのである。

例えば、2014年5月に中国杭州に行ったとき、『中国国際動漫節』という巨大なイベントにおいて、私はコスプレコンテストの審査員を務め、一般来場者と隔てられた区域の最前列で鑑賞させてもらえた。そのとき自分で撮った写真が下記のアルバムに置いてある。
https://goo.gl/photos/AV5nnWRrsWwC3Tps9


中国だけでない。ロシアはまた、演劇の伝統に厚みがあり、そっちはそっちでコスプレイヤーたちのパフォーマンスがすごい。見かけのすごさではなく、お芝居としての面白さをもって、物語の世界へ観客をぐいぐい引き込むのである。

日本のコスプレ文化においては、この種の演劇形式は根づいておらず、スチル写真を美しく撮るほうに力点が置かれている。作品の世界観を体現するのに使えそうな背景を求めて景勝地やスタジオへ遠征し、技術的にもハイレベルなロケ写真を撮ってくることについては、多くのコスプレイヤーたちが非常に意欲的に実践している。

しかし、ステージ上で演劇のようなパフォーマンスを演じることについては、ごく一部のグループに限られ、文化としての裾野の広がりがあんまり大したことになっていないのである。

私は、海外のイベントにちょくちょく呼ばれるけれど、歌えるでなし、踊れるでなし、特に見せるものが何もない。で、しょうがないから、通訳を介して、軽くトークなどをする。

現地に来た感想を述べ、その国や土地のいいところを見つけて褒め、友好のメッセージを述べ、自己紹介し、セーラー服を着始めた経緯などを説明し、これまでに起きた面白い出来事などのエピソードを紹介する。

あるいは、来場者を巻き込んで、じゃんけん大会やハンカチ落としなどの簡単なゲームに興じる。

インターネットに国境があるわけでなく、サイバー空間に出回っている私の写真は、当然のごとく海外でも拡散しており、自慢することでもないけど、私の存在は海外でもそれなりに知られている。

ステージに上がったときに起きる拍手と歓声は、けっこう大きい。なので、イベント主催者としては、私をゲストとして呼ぶことにより、集客につながるであろうという目論見で、声を掛けてくる。

たいていの場合、飛行機代、宿泊費、食事代は主催者持ちである。宿泊や食事に関しては、もし自費による個人旅行だったら、ぜったいに手が出せないような、いいところを用意してもらえることが多い。うらやましいと思った人は、今すぐ、奇抜な格好をして外へ出よう。

まあ、それで全体としてペイしているのであろうから、イベント主催者としては、それでよいのであろう。いちおう場は盛り上がるから、来場者としても、それでよいのであろう。よくないだろ、と思っているのはわたしである。

現地の人たちがステージ上で見せるパフォーマンスのすごさに比べて、何の芸もない私にできることが、いかにもショボすぎる。日本からのゲストとしては、私なんぞよりも、あれに対抗できる何かすごい芸を持った人が行くべきだ。

「日本にも、こういうのがあるんだぜ!」っていうのを見せつけることはできないもんだろうか。

●これだ! 行きます、行きます!

そういうもやもやをずっと抱え続けてきたので、明治座の興行の紹介を見たとき、「これだ!」と思ったのである。

日本舞踊や和楽器などの伝統芸能に、アニメーション、ゲームなどのポップカルチャーを組み合わせた、実験色ある意欲的な公演。様々に表情を変える鮮やかな映像、および、目の前で繰り広げられるパフォーマンスやダンサーとの掛け合いによって、日本の美しさ、強さ、そして四季の移ろいを表現する。

海外から日本へ観光旅行に来た人たちを、主たるターゲットとしている。家族や仲間どうしで楽しめる、夜のエンターテインメントがあまりなかった。なので、あえて遅めの時間に興行する。毎日やっている。

能や狂言や人形浄瑠璃や歌舞伎など、ちゃんとした伝統芸能を鑑賞するには、ある程度、前提知識をもって臨まないと、時代背景や状況設定やストーリー進行が分からなくて、楽しめないんじゃないか、という心配がある。それで、けっこうハードルが高いように感じられてしまう。

そこに配慮し、パフォーマンスには伝統芸能を取り入れつつも、前提知識はまったく要らない作りになっている。

プロモーション映像は何種類かYouTubeに上がっているが、下記の4分26秒のバージョンでは、赤氏も登場して、意気込みを述べている。


講演終了後、ご挨拶させていただいた。赤氏によると、主たる狙いはインバウンドだけども、今後、アウトバウンド方向でも何かできないかと考えてる、とのことで、私の思いもそんなに方向違いなものではなさそうだ。

その後、メールをやりとりする中で、赤氏は次のように言ってくれた。

「年明け16日よりSAKURAの公演を再開します。小林さんのお仲間でしたら、何人でも構いませんのでご招待させていただきます。お気軽にご都合の良い日時、人数をご連絡いただければ幸いです。」

おおおおお! 行きます、行きます!

「何人でも」と言ってくれているとは言え、通常は入場料6,000 円もする興行にご招待いただけるって話であるから、仲間内のお遊びツアーにしてしまっては、悪ノリが過ぎる。

映像制作する人、ネット上のメディア運営につながりのある人、文化に造詣の深い人などを厳選して声をかけた。

けど、全員の都合の合う日がなく、結果として、1月28日(土)、29日(日)の二日間、見に行くことになった。

●すばらしいパフォーマンスに感動と複雑な思い

予想を遥かに上回る、すばらしい公演だった。ほんっとに、いいものを観させていただいたという余韻に浸れた。

映画にせよお芝居にせよ、いいものというのは、自分がデン! と居座ったまま、殿様視点で鑑賞して「あっぱれ、あっぱれ」などと言ってられるようなものではない。

見る前と見た後とで、自分が別人のように変わっちゃっている。完全に打ちのめされたぜ、昨日までの自分はなんだったんだろう、って感覚。

そうだ、これからはどんなことがあっても、心の中は桜が満開の状態に保って生きていこう。

あのハイレベルなパフォーマンスは、おそらく鬼のような練習の賜物で、脇道に逸れた感想だけど、人体って美しいんだな〜、と思っちゃった。大太鼓を叩く腕は、関節がいっぱいあるんじゃなかろうか、ってぐらい、しなってみえた。衣装、装飾、小道具等々もすべて見応えがあった。

筋書きを全部追うとネタバレになっちゃうので、冒頭の1分間ぐらいについてだけ。舞台にはまだ誰も登場してなく、背景の壁全体に映し出される映像をもって始まる。

東京の都会的な風景の断片断片を、早回しでぱっぱと切り替えてカッコよく見せる手法は、リオオリンピックの閉会式の映像を彷彿させるものだったけど、たぶん、あれとはまるっきり意味合いが異なるんじゃないかな、と後になって思いなおした。

カッコよく見せたいだけなら、人のいない長いエスカレータとか、車のいない高速道路のトンネル内とかのカットは要らないんじゃないかとふと思い。

もしかして、人がいっぱいいる割には、あまりに無機質で、心の通い合いに乏しい大都会で生きるうちに、かえって孤独感がつのり、漠然とした何かに脅え、心が疲弊しかかっているサクラの内面を象徴した映像だったのかな、と。

2月28日(土)の写真:
https://goo.gl/photos/xiESLc2ogWVEZ62RA


2月29日(日)の写真:
https://goo.gl/photos/7uaKNrTd3aYJ5C3t6


29日(日)は、関係者以外立ち入り禁止のエリアに案内され、主演の星守(ほしもり)紗凪(さな)さんと一緒に写真を撮っていただけた。写真は、公式や星守さんのfacebookやtwitterに上がっている。

一緒に見にいった人たちもみんな、いいものを見させてもらえた、と大絶賛の感想を述べている。

しかし、複雑な思いが残る。去年、映画『セーラー服と機関銃 ─ 卒業』が公開されたときにも思ったんだけど。

見ると、ものすごく感動するのである。なのに、なのに、ここにこんなすばらしい作品がありますよ、すばらしいパフォーマンスが繰り広げられてますよ、って情報は、なっかなか世に浸透していかないんだよなぁ。

どっかの芸能人が不倫しただの、首相が漢字を読み間違えただの、テレビのコマーシャルに不適切な表現があっただの、リンゴとパイナップルとペンとを合体させただの、そういう情報はすごい勢いで拡散していくのになぁ。

この公演、もっと大きく宣伝する方策はないものか。それと、海外で評判を取るって私の勝手な妄想も、現実に引き寄せる道筋はないものか。

そんなことにちょっとやきもきしつつも、満開に咲かせてもらった、わが内なる桜もぜったい枯らすべからず、と思うのである。


【GrowHair】GrowHair@yahoo.co.jp
セーラー服仙人カメコ。アイデンティティ拡散。
http://www.growhair-jk.com/



◆VRアーティストとしてブレイク前夜? せきぐちあいみさん◆

「もとはと言えば、ネットで有名になった人」ってくくりだと、私と同じ袋に入っちゃうのかもしれないけど、せきぐちあいみさんの違うところは、ちゃんと実力を伴っていたということ。しかも、なんと特殊な!

仮想現実(Virtual Reality、以下 VR)空間に立体造形作品を生み出すアーティストとして。いままさに、ブレイク前夜の予感。

「前夜」は比喩でもあるけど、字義通りでもあって、明日から初個展が開催される。

名称:VRアート個展
日程:2月11日(土)、12日(日)、13日(月)0:00pm〜8:00pm
会場:VRパラダイス(ドスパラ秋葉原本店 5F)

ただし、入場資格があるのは、クラウドファンディングで支援した人だけに限られるのでご注意!

せきぐちさんが、個展開催の資金として50万円を目標額として、クラウドファンディングで支援を募ったところ、目標額の3倍以上となる173万9000円が集まり、開催できることになったものだ。

私は、2015年4月25日(土)に幕張メッセで開催された『ニコニコ超会議』にて、ゲーム『戦国炎舞』のブースでせきぐちさんと一緒にステージに上がっている。

支援募集の情報を目にしたとき、「あ、あのときの!」と思い出し、些少ながら支援していたため、個展を見に行く資格を獲得している。ところが、その週末は、まとまった予定が入っていて、どの日にも見に行けないのである。

会社の同僚に、代理で行ってくれと頼んである。ちゃんとセーラー服、着てけよ。「コスメイトプラス」で一式調達できるからな。うまくすれば、有名になって、テレビに出れるかもよ。

せきぐちあいみさん、女性専用車両のインタビューで、「私は特に、どこでもいいです」って答えてたコ、と言ったらピンとくるだろうか。

テレビ画面からのキャプチャ画像で4コマ漫画みたくなってる画像。最初の3コマでは、割とごつい感じの女性が、女性専用車両賛成の意見を述べている。最後のコマで、若くてかわいいコが「どこでもいいです」と述べるオチ。

「ねとらぼ」が、その画像を掲載しつつ、本人にインタビューしている。

2013年7月30日(火)9時00分 更新
ねとらぼ
伝説のネタ画像「女性専用車両インタビューの女」は今、
女性専用車両についてどう思っているのか?
現在の彼女は女性専用車両について何を語るのか?
セブ山
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1307/30/news029.html


せきぐちさん「たまに“仕込みだったんだろう”って言われるんですが、それなら化粧して出るわって言いたいですよね。あれ、スッピンだし! 顔もパンパンだし!」

18歳ぐらいのときのことで、ダンスやお芝居を本格的に習い始めてはいたけど、あの画像がきっかけで芸能界入りしたってわけではない。

たまたま知り合いに誘われて舞台に上がる機会があり、自分の価値を認識できて幸せな気分になれたことから、ダンスや、グラビア、歌など、みんなに楽しんでもらえるなら何でもやっていきたいと、活動するようになったという。

その活動の一環として、たまたまニコニコ超会議でご一緒できたというわけだ。その後はユーチューバーとしても活動していたらしい。

まったく音信はなく、いつの間にか、VRアーティストになっていて、つい最近そのことを知った。個展開催が決まったことは、アスキーが記事にしている。

2017年1月26日(木)13時36分更新
ASCII.jp
クラウドファンディングで目標金額の3倍を集めてサクセス!
美人VRアーティストのせきぐちあいみ、2月に東京で個展を開催!
文:たかヰトモき/Mogura VR
http://ascii.jp/elem/000/001/424/1424208/


2月4日(土)、六本木で『ホリエモン祭(まつり)』が開催された。「Zepp ブルーシアター六本木」をメイン会場とし、周辺に設けられた11か所のサテライト会場でも同時進行した。

その中のひとつとして、「hitomedia "the P@ark"」においては、『VR体験』が開催され、ホリエモン氏、GOROman 氏、せきぐちさんの鼎談が行われた。

その模様は、VRに特化したウェブメディア「PANORA」が、その日のうちにレポートを上げている。オチは任せろ!

2017年2月04日(土)
PANORA
ユニティちゃんの香りをスーハースーハー!
匂いを出せる VR 向け装置「VAQSO VR」を体験
Minoru Hirota (@kawauso3)
http://panora.tokyo/20054/


写真:
https://goo.gl/photos/BUWpA8ydZhArWGhi9


髪の色がすごいことになってるなーと思ったら、かぶりもので、GOROman氏と三人で写真撮ったときには、普通に戻ってた。

ここ数日も、せきぐちさんはそうとう多忙なようで、ブレーク前夜の予感、かなり当たってる気がしてならないのである。


◆ワンマンライブが前売り完売! 地下アイドルの姫乃たまさん◆

2月7日(火)、渋谷のライブハウス「WWW」にて、地下アイドルである姫乃たまさんのワンマンライブ『アイドルになりたい』が開催された。400人入る箱でのワンマンライブのチケットが前売り完売って、地下アイドルらしからぬ異常事態なんではないかい?

まさか全員元彼じゃあるまいな? たまファン、みな兄弟、みたいな。

このライブに向けて、ファンたちの手によって、本人にも内緒の企画が進行していた。『ねえ、王子』の振付をみんなで演じ、その映像をライブ中に上映しようというものだ。

ところが、ライブが始まってみると、地下アイドルなんてもんじゃない、本格的な構成で、素人くさい演出の入り込めそうな余地がぜんぜんない。ぐいぐい引き込まれていき、どんどん盛り上がっていく。ファンの勝手企画、さては運営に却下されてボツったか。「今度のはちゃんとやるので」みたいな感じ?

あー、上映されないまま、とうとう終わっちゃったよ。

姫乃さんの姿を初めて拝見したのは、2015年10月17日(土)、新宿の「ロフトプラスワン」で開催された『第一回新宿サブカルチャー祭り』においてである。新宿ジゴロ、こと伏見直樹氏が主催し、姫乃さんが司会を務めていた。

しゃしゃり出ず、しかし適所適所でジゴロに鋭くツッコミを入れる、絶妙な司会ぶりであった。

物販コーナーで購入した著書が面白かったので、Amazonにレビューを書いておいた。
https://goo.gl/WYROh9


姫乃たま
『潜行〜地下アイドルの人に言えない生活』
サイゾー(2015/9/22)

2016年12月17日(土)、渋谷で『東京キララ社15周年祭り』が開催された。この出版社は、写真集『インディーズ・アイドル名鑑』を出していて、姫乃さんは、写真が掲載されているだけでなく、企画に深く関わっている。その関係で、この日、トーク & ライブに出演している。

写真:
https://goo.gl/photos/UeV8Wfjv7Q6Dhy5Q9


一緒に写っているのは、写真家・都築響一氏、特殊漫画家・根本敬氏、ロックミュージシャン・山崎春夫氏、漫画家・森園みるくさんなど。

姫乃さんの歌う『ねえ、王子』に、来場者たちも振りを合わせていた。私の踊る姿が映像に撮られていて、終演後にファンの人から持ちかけられた。「今の映像、今度のライブで流していいですか」。

いやいや、よくないでしょ。その場で覚えた振りなんて、間違えまくりで、お見せできるもんじゃありません。やるならちゃんとやりましょう。

活動形態が地下っぽい人たちにも声をかけてみた。たわしおじさんとか。11月に行った中国厦門(アモイ)でご一緒した飲茶娘(やむちゃむすめ)さんとか。彼女は巫女姿のアイドルユニット「ミコーズ」のボーカルを務めている。中野にある「みこ Bar」の巫女さんでもある。

収録場所についてお店のオーナーのY本氏に相談してみた。そしたら、ご厚意により、池袋にある「エントリーライブハウス」をタダで使わせてもらえる話になった。そこもオーナーはY本氏であり、ミコーズのライブ会場にもなっている。

12月30日(金)、コミケ後に収録。集まったのは、たわしおじさん、たわしおじさん2号、アヒル武士さん、飲茶娘さん。

うろ覚えでやっぱり間違えまくりの私。ちゃんと覚えてきたのにカメラが回ったら緊張して間違えたたわしさん。それに引きかえ、余裕で完璧に踊りこなす飲茶娘さん。さすが現役アイドル!

まあねー、ボツならボツで、別にいーんだけどさー。どうせ大してがんばったわけじゃないしー。ライブはほんっとすばらしくて、素人映像の出る幕なかったのも、よーく分かる。

地下アイドルがなに本気出してんだよー、ってくらいプロフェッショナルだったよ。それで『アイドルになりたい』ってタイトルなんだね。

二度のお色直しで披露された白ワンピはアイドルらしくキュートだったし、真っ赤なカクテルドレスは美しかったし。歌や振りが別人かいな、ってくらい進化してるし。動きが軽快で、十代に若返ったかと見えたぞ。

けどよぉー、事前に一言ぐらい、なんか連絡あってもよかったんじゃないのー?なーんて思ってたら……。

アンコールに応えて再登場したと思ったら、バンドのメンバーたちの態度がなんか冷たい。戸惑う姫乃さん。「なぁに、なぁに、どうしたの?」

機材トラブルで音が出ない(ふり)。アドリブトークで間をつなごうとしたその瞬間、丸テーブルが運び込まれ、赤ワインと牛ステーキが用意され、後方スクリーンを向いて座らされる姫乃さん。『ねえ、王子』のイントロがかかる。ここでか! 最高の盛り上げ場じゃん!

姫乃さんのお知り合いが次々に映る。アーバンギャルドの松永天馬氏が会場に来てたのも、そういうわけだったのか。

われわれが映ったのは、最後のほうで、4人全員のシーンが5秒くらい。ビシッと揃ってて一番いいとこ。映像制作って、そんなもんだ。2時間かけて収録し、使うのはたったの5秒。全体を作るのに、どんだけ手間かかってるんだ?

ステージ上から姫乃さん「セーラー服おじさん、入って来るの見ましたよー」。よっしゃあ!

ツイッターにはこんなつぶやきも。

・姫乃さんをセーラー服おじさん越しに見ていて、一生懸命振付を踊る後姿がキラキラしてて、アイドルに憧れるJCに見えてきました…

翌日、姫乃さんのつぶやき。

・打ち上げで関係者が「ツイッターで姫乃たま検索すると幸せになる!!なる!!!!ヒャヒャヒャ!!!!!!!」と笑っていたので、二万年ぶりにエゴサーチしたら幸せになりました。たくさんのお祝い、感想のリプライやお写真もありがとうございます。

そのあとは、リツイート、リツイート。来場者たちも表現から知性がにじみ出てる!

・姫乃たまさんは、己の外側から己でない己を作品的に創っている感じがし、それにとてもインテリジェンスとエロティシズムを感じ、はっとさせられました。

・姫乃さんご自身の可愛らしいさと聡明さ、そして優しさが感じられて、本当に素敵な空間だったと思います。「生きるのが苦手な人へ向けて活動している」と言うコピーがとても好きです。

・僕の涙を溢れさせたのは、スペシャルゲストであるアリガヨウコさん。今の姫乃たまならば、色んなゲストを呼べたのにも関わらず、今日の大事なステージにお祖母様をブッキングした、その愛。

・地下だけど地下じゃなかったけどやっぱり地下だった。見れて良かったなー

・姫乃たまっていう宇宙空間に放り込まれてわけわかんない安心感に包まれた。

・お客さんも最高だった。子供から高齢の方まで、目を瞑って身を揺らす人もいれば、激しく踊る人もいる。一色に染まらないバラバラな一体感が心地よかった。

・何て言うか、次の日の朝起きた時に前日見たライブが本当に良いものだったか分かる感あるんだけど、今日の朝起きた時に昨日は本当に良いライブだったんだなぁと思った、姫乃たまちゃんすごい。

写真:
https://goo.gl/photos/bD4ENKMNqT1Z7Veo7



◆空、飛んでます◆

これが配信される 2月10日(金)、私は機上の人になります。マドリードへ。『Japan Weekend』。このイベントには2014年9月に参加しているけど、規模が3倍くらいになってるらしい。
http://japanweekend.com/madrid/


この国のコスプレも、情熱的でよいなぁ。


あ。ヨーロッパへは冬に行ったことなかったぞ。寒いのか?


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編集後記(02/10)

●松原惇子「老後ひとりぼっち」を読んだ(SB新書、2016)。白い表紙に墨文字だけというシンプルで寒々しいデザイン。老後の一人暮らしもいいもんだと語る本かと思っていたが、まさかの真逆であった。筆者はシングルライフを謳歌してきた。家族という煩わしさと喜びがない代わり、自由があった。しかし、その「ひとりの自由」は、突然「ひとりの不自由さ」となって襲いかかってきた。老後の「おひとりさま」を深刻な困難に陥らせる、大きな社会問題にぶち当たったのだ。老人の貧困化はよく知られている。見落とされていたのが、「保証人」問題である。老後で初めて気がついた、とんでもない事態であった。

住宅を借りるとき、不動産屋は身元保証人を要求する。高齢者に貸すと、死んだら困る、火事を出されたら困るなど、不都合なことが起こりそうなので貸したがらない。病院、有料老人ホーム・介護施設などでも、身元保証人を要求する。「成年後見センター・リーガルサポート」が2014年に全国603か所の施設(病院、介護施設)を対象に実施した「身元保証」に関するアンケートによると、「身元保証を求めますか」の質問に対して「求める」と答えたところは、病院では95.9%、介護施設では91.3%、「身元保証人が立てられない時は、利用を認めない」と答えたところが病院22.6%、介護施設30.7%であった。

保証人が見つからないときはどうすればいいか、との質問に約6割の病院・介護施設が「成年後見人に保証を求める」と回答してきた。成年後見人とは認知症などにより本人の判断能力が落ちてきたときからの仕事である。本人が100歳超であろうとも、認知症が始まらないと後見人の仕事は始まらない。意味ないではないか。保証人がいないときはお断りということだろう。法律上は、病院や施設に入る際に保証人がいなくても問題はないのだが、実際には保証人要求があたりまえになっている。人質をとらないと事が進まないこんな悪習慣はどこからみてもおかしいが、これが罷り通っている。どうすればいいのか。

男は「老後ひとりぼっち」は関係ないと思っている。「俺は女房より先に死ぬから」と思い込んでいるからである。頭の中には女房に先に死なれる発想はまったくない。男のひとり老後の知識と心構えがないと、多くは取り残され症候群に陥り、孤立してつらいことになる。男が「老後ひとりぼっち」を自分のこととして捉えて、保証人習慣をはじめとする、日本の福祉の問題点に声をあげないと何も変わらない。「男ひとりぼっち」と「女ひとりぼっち」は大きく違う。未亡人はいきいきとしている。妻を失った男からは、なにやら孤独死を思い浮かべてしまう。女性は経済力さえあれば、怖いものは何もないらしい。

18年後の2035年には、65歳以上のひとり暮らしは約770万人にふくれあがるという推計がある。「老後ひとりぼっち」は、男こそが真剣に自分のこととして考えなければならないテーマなのだ。次世代の人が生きやすいように、他者を頼らないでも生きられる社会に改革していく義務が、男にはあるとわたしは思う。この本の最終章は、「悲惨な『老後ひとりぼっち』にならないために─今から押さえておくべき20のこと」がある。ごく当たり前だったが。 (柴田)

松原惇子「老後ひとりぼっち」
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/479738820X/dgcrcom-22/



●そうそう、なぜ男性専用車両を作らないのかしら。差別差別と言われるのにうんざりであります。利用者が少ない? 一度設けて(既に実現済?)、利用者が少ないからと撤去するのはアリ。でもきっと一定数の利用者はいるよ。車内広告も取りやすいでしょ。ターゲットが絞れるんだから。

何度も痴漢に遭ったことのある身としては、女性専用車両のありがたみはわかる。この人と同じで、自分で撃退できるし、作ったから痴漢がなくなるとは思わないけど、撃退できない人だっているわけで。

特に思春期の人たちには堂々と利用してもらいたい。自意識過剰と勝手に思わせておけばいい。というより、他の車両が混んで迷惑だから、女性はなるべく女性専用車両使った方がいいよ(笑)。妊婦さんへの理解がある先輩方もいますよ。

って書かなくていいぐらい、今の世の中、女性専用車両はフツーになっている気もする。そして「わかってるけどわざと」(ポリシーはなし)乗っている男性がいることも。そしてそして、「この人、女の人だったのか〜」と皆が思う瞬間があることも。

/保証人や後見人問題は、それをビジネスとしているところがあるから大丈夫。結局は「地獄の沙汰も金次第」ですわね。 (hammer.mule)

地獄の沙汰も金しだい???
http://kamikotokai-b.jugem.jp/?eid=24

辞書に載っている意味で書きました