[4308] CSS Nite LP51「Reboot Dreamweaver」レポート

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《自分は映画鑑賞者ではなくて被疑者だった》

■羽化の作法[35]
 拘留生活・その3 勾留理由開示裁判
 武 盾一郎

■LIFE is 日々一歩(48)[Web]
 CSS Nite LP51「Reboot Dreamweaver」レポート
 森 和恵



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■羽化の作法[35]
拘留生活・その3 勾留理由開示裁判

武 盾一郎
https://bn.dgcr.com/archives/20170321140200.html

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●1996年9月4日(水)拘留されてから16日目の日記より抜粋

ところでさっき「点検」があった。午後の3時だ。ボールペンを借りて一時間になる。あと小一時間で文章書きは中断だ。

「点検」とは、当番のお巡りが5〜6人で全留置室の点呼を行うことだ。こういう感じ。

「第三室!
 二番! (ハイ:返事)
 五番! (ハイ:返事)
 七番! (ハイ:返事)
 押送二名、現在三名!」

この時、檻の中では一列にあぐら又は正座で待機し、自分の番号を呼ばれたら大きな声で「ハイッ!」と返事をしなければいけない。

●押送・新検・勾留質問・勾留理由開示裁判………

ここに「押送」という言葉が出てくる。受刑者・刑事被告人・被疑者を、ある場所から他の場所へ移すことであるが、この場合、東京中の警察署からいったん東京地検に集められることを指す。

各々が検事の取り調べを受けるのだ。だいたい毎日120〜200人超の逮捕者が、ここに集められてるようだった。

逮捕された翌日か翌々日に、必ず一回検事調べがある。これを「新検」と呼ぶ。ここで大方の逮捕者は10日間の勾留を請求される。

そして次の日、「勾留質問」なるものがある。検事による10日間の勾留請求が妥当かどうかを裁判官が決めるものだ。

逮捕された者は、いったん全員が地検に集められる。調べの人は地検に、勾留質問と裁判の人はそこからさらにバスで東京地裁に行く。

ほとんどの逮捕者は10日間の勾留となる。でなければ、警察官が逮捕した意味がない。裁判官が勾留を却下することもまずないので、なんとなくシステム上の形式的な流れのようでもあった。

そして、さらに10日間勾留を延長するかどうかを決める「中間調べ」というのが、10日勾留の満期直前に行われる。場所は同じく東京地検。

僕の場合、ここで更に10日間の勾留が決まる。

そこで「勾留理由開示裁判」を行うことになった。

これは裁判所に対して、なぜ被疑者を勾留したのか理由を明らかにするよう要求する手続きで、この裁判は傍聴できる。いわゆるドラマや映画で観たことある裁判所シーンだ。

映画と違うところは、自分は鑑賞者ではなくて被疑者だったところだ。

実際のところ、当時、自分はなぜこんなに長く勾留されてるのか、そしてなぜ勾留理由開示裁判なるものが行われてるのか、理解できてなかった。

勾留理由開示裁判では、最後の方に被疑者の意見陳述がある。

その時に何を言ったのか、自分ではもう思い出せないが、僕が述べてたことを記録して媒体に載せてた人がいた。それが稲葉剛さんである。


稲葉剛公式サイト いのち・すまい・けんり─貧困の現場から社会を変える
http://inabatsuyoshi.net/


◎ピースネットニュース1996年9月10日発行第102号
〈連載〉TOKYO路上日記 〈5〉ダンボールアート・セッションより

〈勾留理由開示裁判におけるJさんの意見陳述〉

道はもっと自由であるべきだと僕は考えます。

路上にピエロがいたっていいし、物売りがいたっていい。寝ころぶ人がいてもいいし、絵があってもいい。

A地点からB地点まで運輸するためだけに存在するのではなく、そこには本来ならば、もっとワクワクするようなハプニングだとかが存在していいと思います。

いつもあるものは引き締めと締め出し。

そこから出てくるのは反発。

反発はあまりいいものは生み出さない。

僕はすべてが合理に埋め尽くされていくのに寒気を感じます。

今ある形とかルールとか、そこから一歩でもはみ出せば、即座に叩きのめされて、なきものにされ、破棄される。

それは道だけじゃない。

そういう風潮に寒気を感じます。

道はもっと自由であっていい。その許容が(あまり好きな言い方じゃないけど)、芸術だとか文化であるとか、そういうものを支えるいちばん下の土壌であると思います。

外国の話を出すのはきらいだけど、ニューヨークだとかドイツだとか、ストリートがおもしろい。ストリートに対する寛容さ、アバウトさがある。

そこを歩く警察官や検事や裁判官も、ストリートのパフォーマンスや絵を楽しんでいます。

道はもっと自由なものでなくちゃいけないと僕は思います。

(つづく)


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■LIFE is 日々一歩(48)[Web]
CSS Nite LP51「Reboot Dreamweaver」レポート

森 和恵
https://bn.dgcr.com/archives/20170321140100.html

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こんにちは!森和恵です。先日が誕生日でして、46歳になりました。去年は、自分の年齢を一歳多く勘違いしていたのが発覚し、なんだか得をした気分でいます(今年、47歳になったと思ってた)。

誕生日は、朝早く飛び起きてコミケに行き、おいしいパンでランチをして、夜はちょっと良いお肉を頂きました。

前半はひとりで趣味を満喫して、夜は夫婦でいつもの場所でのんびり過ごしました。仕事にも追われず、のんびりした休暇がとれて幸せです。

今年一年、またボチボチと頑張っていこうかなと思います。新しいことにも、チャレンジしたいなぁ。

さてさて。今回は、デジクリでずっと紹介してきました、Dreamweaverの20周年イベントの登壇の感想をお届けします。

先日、東京で行われたイベントは、好評の中、無事に開催することができました。ご参加いただいた方、スタッフ、登壇されたみなさま、お疲れさまでした。

現在は、5月13日に開催される大阪版に向けて、再スタートをしております。

【CSS Nite LP51「Reboot Dreamweaver」】
東京版 http://cssnite.jp/lp/lp51/

     ※終了
大阪版 http://cssnite.jp/osaka/vol43/

     ※受付中

●時間が……足りませんでした。

わたしは、四番目に登壇しました。お話したタイトルは、『忘れがち、実は使えていないDreamweaverの便利機能』です。
http://r360studio.com/dgcr/dgcr-lifeis48s1

古参ユーザーとして、新旧のバージョンを使ってきた立場から、Dreamweaverらしい機能を紹介しようと考えて、セッション内容を組み立てました。いろんな立場の方に、「Dreamweaverって、こんな機能があったんだ!」ということを知ってもらい、もっとDreamweaverを使って欲しいという思いからでした。

かつてDreamweaverを使っていて、いま新しいバージョンを使っていないという方には、「イマドキの新しいコードを使っていても、ビジュアルエディターとして使えますよ」ということをお話ししました。

これからDreamweaverを使ってみようという方には、「FTP機能を含めたファイル管理、コードの共有管理機能なんかもありますよ」ということをお話ししました。

冒頭に、↓このスライドを一枚挟んだのも、「いろんな立場の方に利用して欲しい」という思いからです。
http://r360studio.com/dgcr/dgcr-lifeis48s2

とにかく、たくさんの機能を紹介して、ひとつでもよいところを知ってもらえたらなと思いました。

今回お話したポイントは、三つです。

「ワークスペース」(Dreamweaverの画面紹介をしながら、さまざまな機能の概要紹介)、「CSSを調べる、組む」(CSSデザイナーパネルとDOMパネルの組み合わせで、コードを見なくてもページ組ができる)、「複数ページを管理する」(テンプレートやライブラリ、スニペットなどのコード管理機能)です。

http://r360studio.com/dgcr/dgcr-lifeis48s3
http://r360studio.com/dgcr/dgcr-lifeis48s4
http://r360studio.com/dgcr/dgcr-lifeis48s5

よし! これでバッチリだ! という内容を組めたと思ったのですが……。

実際にお話をしてみると、すべてを時間に納めることができなかったのがくやまれます。結局、最後の「複数ページを管理する」の部分をきちんとお伝えできませんでした。

登壇者の目の前には、残り時間を表す時計が表示されているのですが、途中で時間が足りないことがわかりました。

過去の経験から、時間が足りないからといって、慌てて乱暴に紹介してしまうよりは、途中で終わってもいいから、いま話している内容を十分に伝えた方がよいと考えて進めました。

最後の三つめに関しては、「時間切れとなったので、フォローアップの動画をだしますね」としてしまいました。後日、三本のフォローアップ動画を参加者の方に配信しました。

●イベントの登壇こぼれ話

反省文のような感想が続きましたので、少し余談などを最後にしておきます。

撮影してもらった(撮影:飯田昌之)登壇中の写真と、自分で撮影したスナップからいくつか紹介します。

会場は、すごく広いホールでした。300人近くの方の前でお話するのは、いつもと規模感が違いました。
http://r360studio.com/dgcr/dgcr-lifeis48p1

写真は、演台下から撮影されます。前三日ぐらい、まともに寝られていなかったのもあり、顔がぱんぱんです……・。あと、ダイエットを決意するぐらいには、体もぱんぱんで泣けました。トホホ。
http://r360studio.com/dgcr/dgcr-lifeis48p2

スライドには、はざくみさん(@hazakumi)にイラストを描いていただきました。終わってからも、「カワイイイラストですね」と声をかけていただきました。ありがとう。
http://r360studio.com/dgcr/dgcr-lifeis48p3

当日使ったマシン。普段Windows派なので、Macでの登壇は初めてのことでした。よく使うキーにマスキングテープで印をしたり、注意事項をメモで貼ったり……と涙ぐましい感じのマシンです。でも、登壇中に間違うよりましですよね。恥ずかしいけど。
http://r360studio.com/dgcr/dgcr-lifeis48p4

うまく行くことを願って、前日に食べたカツサンド。おみくじが「吉」と出て、安心していたのですが。。
http://r360studio.com/dgcr/dgcr-lifeis48p5

●大阪版に向けて練り直し中

時間内にきちんと納めることができないというのは、昔からの課題です。いくらよい内容であっても、時間に収まらないようでは、評価は最悪ですよね。

理由はわかってるのです。与えられた時間に対して、内容を盛り込みすぎてしまうこと。悪い方向にサービス精神が働いてしまい、どうがんばっても間に合わないようなスケジュールを組んでしまうのです。

大阪版では、いいところを残して、全面的に見直します。時間きっちりに納めることができるように、意地でもがんばります。

そうしないと、どれだけ頑張っても失格ですよね。頑張ります。

ということで、今回は登壇してきた感想をお伝えしました。これから、登壇する方に、失敗談としての参考になれば幸いです。

ではまた、次回お目にかかりましょう! (^^)


【 森和恵 r360studio 〜 Web系インストラクター 〜 】
site:http://r360studio.com

mail:r360studio@gmail.com
Twitter:http://twitter.com/r360studio


〈近況報告〉
大阪で担当している講座、今年度も無事に。
4月以降のスケジュールも、今日の夕方には発表の予定です。
http://r360studio.com/seminar/



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編集後記(03/21)

●2012年に87歳で没した丸谷才一を追悼する書「別れの挨拶」を読んだ(2013/集英社 2017/文庫化)。2010年から2012年までに書かれた、批評、エッセイ、書評、挨拶をまとめている。てっきりご自分の追悼文を用意してあると思ったがなかった。エッセイ集を読んで面白かったから、ちょっと舐めていた。まるで歯が立たぬ難しい批評が少なくない。そのうち心を入れ替えて再挑戦する。

とりあえず、やさしく読めて面白いエッセイから。「タヒラナリ」とはなんぞや。丸谷は迷信嫌いだが、「一つだけ、ちらりと気にしてゐることがある」という。それが平成という年号だ。平という字をつけた年号は凶で「それゆゑ平治ひとつあるだけ」。その平治のときも反対論がしきりだったが、敢えて押し切って名付けると「果然、平治の乱が起こったといふのだった」。

今の年号に改まったとき、丸谷は縁起を担ぐよりもむしろ「ヘーセーとエ列音が二つ続くのは厭だ」と思った。「日本語ではエ列音は一般に位が低い。エセ、ケチ、セコイ、デレデレ、ネトネト、レロレロ、みなマイナス方向の言葉だ。殊にいけないのはヘで、ヘイコラ、ヘタクソ、ヘタバル、ヘドモド、ヘツポコ、ヘラヘラと、ろくなことはない」とまあ、よく並べたな。えヘヘヘ。

「それなのにヘーセーだなんて、きつといまに国が乱れるぞなんて冗談を言ってゐたら、予言は的中してしまった」。昔ならさっそく改元するところだが、今は一世一元だから変えられない。「困つたぞと思ってゐると、いい手があつた。音読みはやめて、訓読みするのである。今後はタヒラナリと呼ぶことにしよう」。新仮名遣いで「タイラナリ29年」いいじゃないか。収まりもいいな。

これは日本文化の伝統に基づくもので、由緒正しい方式。飛鳥時代の朱鳥(しゅちょう)は日本書紀ではアカミドリとも読む。丸谷才一は「歴史的かなづかひ」を用いる。大和ことば(本来の日本語)の表記を本来の表記のままで行う。このほうが理論的で、頭に入りやすいという。わたしも好きだ。用いないけど。

丸谷才一のエッセイ傑作選「腹を抱える」(文春文庫、2015)の中で「不文律についての一考察」という、主にアメリカ野球をテーマにしたエッセイが面白かった。2年前にこの欄で紹介したが、もう一度。かの野球界の不文律とは、たとえば。終盤にバントをしてノーヒットノーランの記録を阻んではならない。

大きくリードして勝っているときに盗塁をしてはならない。本塁打を打ったあと投手に対してこれ見よがしな態度をとってはならない。勝負がついた試合でカウント3-0から思い切りスウィングしてはならない。等々。なぜ本日、これを持ち出したかというと、昨日のセンバツで報徳学園が21-0で多治見に大勝したからだ。7回までに16得点差で完全に勝負あったのに、最終回でさらに5点。

武士の情けはないのか。実力に大差のある相手校を、必要以上に翻弄し苦しめるなど、あまりにおもいやりがなさ過ぎる。ほとんど弱い者いじめだ。報徳の監督は今大会で勇退を表明しているが、「選手たちがこんなに打ってくれて感謝している。先制点をとることができたのが大きく、足を使った機動力のある本来の野球をすることができた」とは、いい歳したただの野球バカだ。

文部科学省、批判が集中して「聖徳太子」「鎖国」復活へ。指導要領改訂案を修正。愚かだ。日本国に仇なす文部科学省と外務省はいらない。 (柴田)

丸谷才一「別れの挨拶」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087455602/dgcrcom-22/


丸谷才一「腹を抱える」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167902869/dgcrcom-22/



●GrowHairさんも!/おめでとうございます! 歳の勘違い、あるあるです〜(笑)。子供の時は、歳がわからないという大人の話を眉唾だと思ってましたわ〜。/延長すると得した気分になる私。その日は他の予定を入れないからなんだろうなぁ。

/まぁわかる。名前の最後に「エ」がつくのだが、ピリッパシッとした感じはないんだよなぁ、流れる感じと書いていて、森さんも同じ名前だったことを思い出す。でも、平成は「エィ」! 「タイラナリ」はいいな。略され、口頭ではタイラ29年と使われる気がしないこともない。

/消防点検続き。今回の人は玄関外に出るよう促してきた。初めてだ。メーターボックスを開け「火災報知器が鳴るかチェックします」と言った。仕組みがわからないことは気になって、つい質問してしまう。

「今から水を流します。しばらくすると火災報知器が鳴ります。水が流れると火災報知器が鳴り、部屋番号がセンターに通知されるようになっています。」

スプリンクラー用の水流があって、今回の点検ではそこを手動で流すんだろう。スプリンクラーが作動した=火災→火災報知器が鳴る→管理事務所やALSOKに連絡が行く→通報や駆けつけってことか。続く。 (hammer.mule)