《記録魔。》
■装飾山イバラ道[206]
「怪盗グルーのミニオン大脱走」に大満足
武田瑛夢
■Scenes Around Me[10]
岡画郎の展示(6:1998年5月-1999年12月)
ビルの中三部作とその他の展示
関根正幸
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■装飾山イバラ道[206]
「怪盗グルーのミニオン大脱走」に大満足
武田瑛夢
https://bn.dgcr.com/archives/20170829110200.html
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デジクリが夏休みに入る前に、「怪盗グルーのミニオン大脱走」を見た。私はミニオンが大好きなので数年に一度の新作を楽しみにしている。
※以下には映画のネタバレを含む可能性があります。
USJにもミニオンのエリアができたそうで羨ましい。新宿の伊勢丹では今は終了してしまったけれど、公開記念のミニオングッズの限定ショップをやっていたので寄ってみた。
・ミニオンズ ドット トーキョー: MINIONS.TOKYO
http://minions.tokyo
私は乳白色のマグカップ二個とクリアファイルを買った。限定ショップはミニオンファンでいっぱいだったけれど、WEBショップでは今でも同じものを購入できる。
・MILKWARE スタッキングマグ
写真のマグに入れたぬいぐるみキーチェーンは、前回のミニオンズのボブ(奥)と、今作の囚人服のメル(手前)で、楽天で購入したもの。
マグカップは「MILKWARE(ミルクウェア)」のミルクガラス製で、軽くてスタッキングできて使いやすい。耐熱性で電子レンジもOK。うちではカステラを食べる時の、牛乳用にちょうどよかった。
映画は大きなスクリーンで見ると、どこまでもクリーンなCG特有のパキっとした色で、なんとも清潔感があって爽快だ。新宿のゴミゴミした歌舞伎町の映画館だったので(笑)、なおさらそう感じたのかもしれない。
映画って、始まると別世界に連れて行ってくれる良さがある。
言葉は何を言ってるのかわからないけれど、ミニオンたちはあいかわらず可愛い。ミニオンたちがやりたい放題にしている様子は、見ているだけでも癒される。でも、それでは猫動画と同じかな? とも思う。
今回のストーリーの軸がグルー兄弟にあるなら、ミニオンが大脱走していたところとの関わりがもっと欲しかった。主人公のおじさんの見た目のグルーには、施設から引き取って育てている子供達がいて、黄色のミニオンたちはグルーの助手というか、悪党の手下的な位置づけだ。
子供達とミニオンとの関わりは、あまり重要視されていないように思われるけれど、ミニオンの表情を見ていると案外優しく見守っているのがわかる。
グルーと子供達のやり取りも愛があって優しいけれど、過去作の(月泥棒等)がもっと心温まる話になっているので、今作はテンポの良い壮大な戦いを楽しんで! ということかもしれない。
発想はくだらないけれど、巨大なロボットが大暴れするシーンなんて、本当に巨大でリアルで、バカバカしくて大好きだ。爆風や町の細部の作り込みの精巧さは素晴らしい。
まるでカートゥーンアニメのトムとジェリーや、トゥイーティーとシルベスターのような追いかけっこを、精彩なグラフィックで見ているような感じだ。
次々に飛び出してくるアイデアに圧倒されて、見ている方が映像に飲み込まれてしまう。
ミニオンたちは大量にいて、集団のシーンでもそれぞれ独自に勝手なことをしているはずなので、いろんな場所をゆっくり見直したくなる。見た目は子供っぽいミニオンも、なぜか割と協調性があって、きちんと持ち場を分けて仕事をこなすのも健気だ。
数がいっぱいいるおかげで、映画のスクリーンのサイズでも見ごたえがある。
80年代に流行したディスコ調の曲や、マイケル・ジャクソンのBADが使われているので、私たちには懐かしい。BADをバックに、生き生きと悪いことするやんちゃなミニオンの魅力は見ていて飽きない。
今回の大脱走の、白黒ボーダーの囚人服のミニオンたちが大量にいる様子は、あの「ウォーリーをさがせ!」みたいにも思える。
目玉と髪型などで個体識別もできるらしいので、静止してゆっくり見られるようになったら、お気に入りのミニオンがどこにいるかを見つけるのも楽しそう。
好きか嫌いかどうでもいいかで別れる系統の映画だと思うけれど、夏休み気分を楽しむにはぴったりで、女子たちは満足そうにしていた。
私も結局大満足だけれど、すべてのミニオンが脱走できたのかが気になってしょうがない気持ちなのは、見た人にはわかっていただけると思う。
【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/
「スプラトゥーン2」を始めて一か月ほど経ち、ゲームにも慣れて楽しんでいる。もしかして、他のゲームよりは向いているかもしれない。
このゲームは撃ち合いの瞬発力も必要だけれど、同時進行で複数の物事をこなす力が大切だ。なんだか、料理をしている時の私と似ていると思った。
電子レンジで野菜の下ごしらえをしつつ鍋で出汁を取り、大根おろしを夫に頼んで、グリルで魚を焼くためのタイマーセットも忘れない。食材ごとの加熱具合に気を配り、ほぼ同じ頃に出来上がるように進める。
案外こんな作業をこなしている人に、スプラトゥーンの適性があるように思う。ボム(爆弾)を投げつつ床を塗り、近づいてきた敵のブキを一瞬見て、射程を考えて回り込んで撃つ。仲間の生き残り数やMAPのチェックも忘れない。
しかし、わかってはいても同時にすることが多すぎて追いつかないなぁ。イカで泳いで逃げるのだけは、だいぶ上達した。
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■Scenes Around Me[10]
岡画郎の展示(6:1998年5月-1999年12月)
ビルの中三部作とその他の展示
関根正幸
https://bn.dgcr.com/archives/20170829110100.html
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この頃から、岡画郎での展示が数か月に一度のペースに落ちて行きますが、これは月替わりに展示内容を決めることをやめて、面白い展示のアイデアが出た時に展示を行う、という方針に切り替わったことによります。
定例会自体は毎週開かれていましたが、個人的にこの頃から、東京大学駒場寮に頻繁に出入りするようになったり、中山道のツーリング旅行を優先させるようになったことから、定例会に顔を出さない時期もありました。
なので、展示が行われていない間の岡画郎や定例会がどうであったか、あまり記憶に残っていません。
・1998年5月31日「フーセンセンコマン」
岡さんが風船を1000個ふくらまし、部屋中を風船でいっぱいにしようとしました。実際には、風船が部屋の8割程度埋まった時点で、風船をふくらますスピードとしぼむスピードが拮抗して、それ以上部屋をいっぱいにできませんでした。企画に参加したアラカワさんの写真が残っています。
・1998年6月6日「ツール・ド・岡画郎II」
連載の第8回の記事に書いたように、私は1998年4月のお見合い展で、岡画郎の部屋の中を自転車で1000周したのですが、この時立ち会ったのがナナ君一人だったので、この日改めて岡画郎の中を2000周しました。
その時、私のカメラでアラカワさんが撮影した写真があるので紹介します。
・1998年8月「予定展」
芳名帳に書かれたものを含め、毎日色々な人の予定を掲示しました。
写真にある通り、鳥の子用紙を細長く切ったものに、各人の予定を書き記して展示しました。
・1998年8月14日-16日「スゴス」
千葉県富津市内にある、岡さんの知人の別荘で夏期合宿を行いました。
私は都内から自転車で富津まで走り、合宿に合流しました。帰りは皆と金谷港から久里浜までフェリーに乗りました。
・1998年11月-12月「夜、光る」
第4回の連載に書いたように、夜間の岡画郎内を発光させる展示で、徐々に照明器具が増えてゆき、まばゆい光の中で光ゲンジなどで踊りながら新年を迎えました。
1999年にはビルの中3部作と呼ぶべき展示が行われました。
・1999年5月-7月「ビルの中アパート」
画郎内に出来た2階建4部屋の超格安アパート。その生活の様子を展示しました。
写真は、1999年6月頃、岡さんの隣室に住んでいた出版社社員のSさん宅に写真家の都築響一さんが取材に来たとき、ビルの中アパートも取材されるという噂があり、着飾っているナナ君。
結局、取材は行われませんでした。
・1999年8月「海の家」
アパートの残骸をリサイクルして作られた海の家 。
写真は高円寺阿波踊りの日に撮影したものです。
・1999年9月-12月「集中中でちゅ」
藤枝岬(奈己絵)さんが、集中台の上で漫画を描くことに集中し続けました。
・1999年9月「劇団 耳だれ?」
これは岡画郎の展示ではないのですが、岡画郎のブレーンの一人だった小川てつオ君が、実兄の小川恭平君と「劇団 耳だれ?」を結成し、三か月くらいの間テント芝居を行いました(生田緑地・鵠沼海岸・熱海・上野公園)。
写真は、高円寺岡画郎を出発した小川兄弟を、桜上水まで見送ったときのものです。
【せきね・まさゆき】
sekinema@hotmail.com
http://www.geocities.jp/sekinemajp/photos
1965年生まれ。非常勤で数学を教えるかたわら、中山道、庚申塔の様な自転車で移動中に気になったものや、ライブ、美術展、パフォーマンスなどの写真を雑多に撮影しています。記録魔。
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編集後記(08/29)
●旧盆に、あらためて佐藤愛子「冥途のお客」を読んだ。なぜか2004年の単行本(光文社)と2007年の文春文庫がある。時々こういうことがある。30年にわたって愛子さんが苦しみつつ学んだことを、80歳になってようやく整理、理解できたのだという。それは、肉体は滅びても魂は永遠に存在するということだ。
普通の人の殆どが「死ねばなにもかも無に帰す」と考えている。死後など語ると、人の不信や嘲笑を買うのが普通だろう。ところがわたしは若い頃の一時期、その方面の研究に没頭し、類書を読み漁り、もしかしたら危ない領域に触れかけたかもしれない。幸い何かをきっかけにリアル世界に完全に戻ってこられた。
いまはたぶん健全な精神である。さらに年齢とともに、読書においての理解力が増したような気がしているが、たぶん気のせいだろう。神から霊能力を与えられた、霊能者という人がいる。彼らは我々の「見えない世界」を見ている。しかしすべてが見えるわけでなく、ほんの一部分だけが見えている、らしい。
霊能者によって見える景色は違うらしい。見える範囲が違うらしい。見えた光景、受信した情報をどう理解し解釈するかは、その霊能力者の力量、教養、人格に関わってくる。愛子さんは自らに降りかかった怪現象の正体を探るため、多くの霊能者に学び、人間の死後についての考え方に自信を抱くようになった。
死んだらすべて無になる、何もかも終わる、と誰もが思っている。愛子さんは死後の世界があると断言する。「学んだ先達のどの人からも、私は四次元には暗黒界(地獄)があると教えられている。幽界、霊界にも階層があるように、暗黒界にも階層がある」。そのシステムも解説されており、信じても信じなくてもかまわないが、「自殺者は間違いなく地獄に行く」という一言は重大だ。
霊能者の江原啓之と電話で話していたら、彼が急に「遠藤周作先生が今、佐藤さんの部屋に来ておられます」と言い、その様子を詳細にレポートし始めた。彼は遠藤の発言を伝える。リアル遠藤をまったく知らぬ江原の描写する霊の遠藤は、まさしく愛子さんの知る遠藤周作であった。また、芝木好子、有吉佐和子、開高健も一緒に、楽しそうにしている様子も実況放送されて興味深かった。
彼らがいる階層は幽界の最上位で「天国」といわれているところで、その上に霊界がある、らしい。愛子さんは理解した。死後の世界は確かにある。死んでも尚、魂がしなければならぬ使命がある。向こうからはこちらのことがすべて見えているらしい。愛子さんは死を怖れ悲しむ気持ちがなくなったという。
「生きている間に卑しい情念や欲望を克服し、何も思い遺すことがないように十分に生き抜くことだ。それは過去30年間の心霊体験の結果、私が得た最も大切なことである」と愛子さん。人生は修行である。それが死後の安楽につながる。信じようと信じまいと。わたしはまだ生臭い。修行が足らない。(柴田)
佐藤愛子「冥途のお客」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167450135/dgcrcom-22/
●まにまにフェスティバル(まにフェス)は今週土曜日! 今朝の毎日新聞大阪版に載ったらしい。
/淡路島続き。旅館は洲本バスターミナルから徒歩5分程度。海が目の前。部屋から見えるのも海だけ。露天風呂では波の音を聞きながら入れる。格子の隙間から見ることもできた。
子連れや若いカップルがいて盛況で、そのせいか逆に大浴場は空いていた。部屋のお風呂に入るのかもしれない。ひとりずつ入れるジャグジーに浸かってゆったり過ごす。
夜になると子供たちは旅館ロビーで、ヨーヨーすくい、射的、輪投げ、スーパーボール釣り、うちわ作りなどを楽しんでいた。こういう企画をしてくれる旅館っていいなぁと思ったよ。 (hammer.mule)
まにフェス
http://m2college.net/fes5/