前回の「IoT ラズベリーパイ編」では、定期的に撮影を行う方法について説明しました。ラズパイで撮影した画像をMac/PCに持ってくるようにしたため、設定に手間がかかったりと、面倒に感じた人の方が多かったかもしれません。
そこで、今回はもっと手軽にインターバル撮影や、動体検知して撮影する方法について説明します。使用するのは監視カメラ専用のOSであるmotionEyeです。
・motionEye
https://github.com/ccrisan/motioneyeos/wiki
まず用意するものは、ラズパイ3BとPiカメラとmicroSDカードです。また、SDカードに保存したくない場合は、USBメモリを用意しましょう。USBメモリはFAT32形式でフォーマットしておきます。そして、ラズパイの電源を入れる前に差し込んでおきます。
次に、以下のページからイメージ
(motioneyeos-raspberrypi3-dev●●●.img.xz)をダウンロードします。
●は日付になります。
ダウンロードしたら解凍します。xz形式を解凍できるアプリケーションを使ってください。
https://github.com/ccrisan/motioneyeos/releases
解凍したら「motioneyeos-raspberrypi3-dev●●●.img」というファイルになります。次にSDカードに書き込みますが、無線接続の場合や固定IPアドレスにしたい場合は、以下のシェルスクリプトを使う必要があります。
ダウンロードして、ホームフォルダやデスクトップなど、自分が分かるところに保存してください。デフォルトのダウンロードフォルダでも構いません。
https://raw.githubusercontent.com/ccrisan/motioneyeos/master/writeimage.sh
保存したら、シェルスクリプトを実行できるように、実行権限を付加します。ターミナルを起動し、writeimage.shがあるフォルダに移動します。フォルダの移動はcdコマンドです。
cdと入力してスペースキーを押した後に、writeimage.shがあるフォルダをタ
ーミナルにドラッグドロップし、returnキーまたはenterキーを押します。すると、writeimage.shがあるフォルダに移動します。次に以下のように入力します。これでwriteimage.shが実行できるようになります。
chmod 755 ./writeimage.sh
このシェルスクリプトは、MacまたはLinuxで動作します。Windowsの場合は、テストしていないので分かりませんが、Windows 10であればLinuxのディストリビューションのひとつであるUbuntuがWindows上で動くので、そこで実行してみるという手もありかもしれません(試してないので動かないかも)。
motionEyeOSのページでは、無線設定なしでSDカードに書き込むには、以下のようにターミナルでコマンドを入力してください、となっています。
sudo ./writeimage.sh -d /dev/mmcblk0 -i "/path/to/motioneyeos.img"
しかし、単純にこのまま入力しても動きません。まず/dev/mmcblk0部分ですが、SDカードのパスを指定しなければいけません。Macの場合はターミナルから
diskutil list
と入力すると、SDカードのあるパスがわかります。/dev/disk2のようになります。この後、SDカードをアンマウントします。アンマウントしておかないとSDカードに書き込めません。
diskutil unmountDisk /dev/disk2
次に、/path/to/motioneyeos.imgですが、これは先ほど解凍したmotioneyeOSのimgファイルのパスになります。パスは入力しなくてもimgファイルをターミナルにドラッグ&ドロップすれば、自動的にパスが入力されます。
無線接続する場合は以下のようになります。
sudo ./writeimage.sh -d /dev/mmcblk0 -i "/path/to/motioneyeos.img" -n 'yournet:yourkey'
yournetが無線のSSIDになります。yourkeyが無線に接続するためのキー/パスワードになります。固定IPの割り当てもできますが、これについてはWebブラウザから簡単に設定できるので、その方がよいでしょう。
無事にSDカードにmotioneEyeOSが書き込めたら、ラズパイに差し込んで、起動させてみましょう。SDカードの速度にもよりますが、30秒〜1分ほどで起動します。
なお、起動後再起動を繰り返してしまう場合は、IPアドレスを設定しないといけません。writeimage.shで無線のSSID、キーを設定し書き込むか、IPアドレスを指定して書き込んでください。
それでもだめな場合は、motionEysOSの新しいバージョンなど、異なるバージョンで試してみてください。
無事に起動したら準備完了です。長くなったので続きは次回。
【古籏一浩】openspc@alpha.ocn.ne.jp
http://www.openspc2.org/
motionEyeOSに関してはFacebookのページもあるようですが、ほとんど更新されていないようです。
https://www.facebook.com/motioneyeos/
3月末からマイナビでIoT絡みの連載をしています。しばらくはマイクロビットのネタです。
・創って学ぼうプログラミング
https://news.mynavi.jp/series/makeprogram/
で、せっかくなのでバーチャルユーチューバーみたく、宣伝動画作ってみましたが……作らない方がよかったかも。
・創って学ぼうプログラミング第5回 「マイクロビットでゲームを創ろう」
・みんなのIchigoLatte入門 JavaScriptで楽しむゲーム作りと電子工作
https://www.amazon.co.jp/dp/4865940936/
[正誤表]
http://www.openspc2.org/book/error/ichigoLatte/
・After Effects自動化サンプルプログラム 上巻、下巻
https://www.amazon.co.jp/dp/4844397591/
https://www.amazon.co.jp/dp/4844397605/
・IchigoLatteでIoT体験
https://www.amazon.co.jp/dp/B06X3X1CHP/
http://digiconcart.com/dccartstore/cart/info/2561/218591/
・みんなのIchigoJam入門 BASICで楽しむゲーム作りと電子工作
http://www.amazon.co.jp/dp/4865940332/
・Photoshop自動化基本編
http://www.amazon.co.jp/dp/B00W952JQW/
・Illustrator自動化基本編
http://www.amazon.co.jp/dp/B00R5MZ1PA/
・4K/ハイビジョン映像素材集
http://www.openspc2.org/HDTV/
・クリエイター手抜きプロジェクト
http://www.openspc2.org/projectX/