《できれば半日ほど眺めていたかった》
■わが逃走[218]
瀬戸内ロケハン の巻
齋藤 浩
■もじもじトーク[86]
欧文を考える(その1)
関口浩之
■わが逃走[218]
瀬戸内ロケハン の巻
齋藤 浩
■もじもじトーク[86]
欧文を考える(その1)
関口浩之
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■わが逃走[218]
瀬戸内ロケハン の巻
齋藤 浩
https://bn.dgcr.com/archives/20180607110200.html
───────────────────────────────────
わけあって高齢者(両親)を連れ、広島・愛媛・高知を旅してきた。
二人とも足腰丈夫なのは良いことだが、想像の斜め上を行くようなことを言ったりやらかしたりするので、肉体的にも精神的にも疲れたわけです。
そのことを綴ると愚痴だらけになりそうなので、今回は旅の合間にみつけた構造美をいくつかご紹介します。
年に何度か上る階段なのだが、何度見ても面白い。
地形と建築にあわせて現場合わせでつくられたものなのだろうか。
見る角度、季節、時間帯によってさまざまな表情をみせる絶妙な立体構成は芸術以上の存在といえましょう(と思うのだが)。尾道にて。
ここも、何年通い続けたことだろう。
階段の手すりを支える柱とその基部なのだが、
全ての中心線がずれている。そのリズミカルで現場合わせな機能美は何度見ても美しい(と思うのだが)。尾道にて。
滑り止めの××と、金網の影の××。
虚と実の対比を愛でる。
おかしな奴とお思いだろうが、私にとって何時間でも眺めていられる愉しい階段である。向島にて。
短い直線を繋ぎ合わせた水路を中心に、それを縁取るラインの法則が興味深い。
外側に膨らむ部分が曲線であるのに対し、内側にえぐれる部分は直線でV字に削られている。
手前の曲線を強調するかのように高低差を演出する曲面の存在も秀逸。
大三島にて。
小さな橋の向こうは急坂。近年落成したカッコいい建築の脇には、素朴な山村の路地がかろうじて残っていた。
同じ橋を別角度から。
平行して水道橋があり、その一部は滝となって川と合流する。
とても興味深い構造で、できれば半日ほど眺めていたかった。梼原にて。
メインストリートに繋がる並列階段。
この町の「あたらしいアートディレクション」も素晴らしいと思うが、
こういった「これまでの日常を想起させる構造物」を目にすると、とても安心する。これらの対比が町のリズムを作っているように思えた。梼原にて。
境界。空間も時間も、このあたりを境に変化しているように見え、妙な統一感があったりして、ホントこの町は奥が深い。尾道にて。
今回の旅は、まあ、いろいろと気を使うことが多く(笑)、興味をそそられる物件を素通りせざるを得ない状況が続いた。
なので、あくまでもロケハンと位置づけ、次回はゆっくり穏やかに、気になった物件を観察できればと思う。
とくに車の運転中に見かけた沈下橋や美しい岸壁など、この辺りは構造美の宝庫だ。
というわけで、再訪を誓い瀬戸内を後にするのだった。
【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
http://tongpoographics.jp/
1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられ
ないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィ
ックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。
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■もじもじトーク[86]
欧文を考える(その1)
関口浩之
https://bn.dgcr.com/archives/20180607110100.html
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もじもじトークの関口浩之です。
今日のテーマは「欧文」です。結構、マニアックなテーマじゃん、と感じた方が多いのではないでしょうか……。
がぁ、しかし。欧文を見ない日はないですよね?
最近、見かけた欧文のみなさんをご紹介します。じゃーん!
http://bit.ly/2JAsFun
駅構内や街中の案内板では、外国人向けに日本語と英語の併記は必須ですよね。一方、ポスターや商品パッケージにも欧文がよく使われています。そして、スマホやテレビ画面にも欧文が、たくさん表示されます。
日本語は、漢字・ひらがな・カタカナ以外にアルファベットやアラビア数字などを併用する、世界でも珍しい言語なのです。
街中に存在する欧文は、外国人向けに行き先を案内をするサインシステムとしての機能がメインだと思いますが、デザイン性の観点で欧文を使うことも結構あるようです。
ネイティブの外国人が読むことを前提として使用される欧文においては、心地よい欧文組版になっているのが重要になります。
心地よい、つまり歩幅がちょうど良い欧文組版は、来日するネイティブな人に対して、大切なおもてなしになると思います。
●日本語の約物
日本語には括弧や句読点など、約物といわれる記号類があります。
過去のもじもじトークで、日本語の約物について、詳しく解説したことがあります。興味のある方、復習を兼ねて、ぜひ、ご一読くださいねーー。
もじもじトーク[31]「点と丸」について考える(2015年11月26日号)
https://bn.dgcr.com/archives/20151126140100.html
もじもじトーク[32]「括弧」について考える(2015年12月10日号)
https://bn.dgcr.com/archives/20151210140100.html
もじもじトーク[33]「促音・撥音・拗音・長音」について考える
(2016年01月14日号)
https://bn.dgcr.com/archives/20160114140100.html
おおぉ、2年以上前に書いた記事ですが、我ながら「結構、頑張ってるじゃん」と思いました(笑)
みなさん、ビジネス文書やメールを書くとき、文中に丸括弧、鉤括弧や二重括弧を意識的、もしくは無意識に使用してますよね。
僕も、メルマガの中で、結構、約物を使用してます。補足や引用するときだけでなく、ある言葉を強調するときにも鉤括弧を意識的に使っています。
でも、こんなことで、悩んだことありませんか?
・括弧は、半角がいいのか全角がいいのか
・時間を表す「時」と「分」の間のコロンは、全角と半角どっちを使うべきか
・時間帯を表現する際、波ダッシュを使うべきか、ダッシュを使うべきか、ハイフンでもいいのか?
DTPにおける組版ルールは標準化されていますが、通常のビジネス文章(ワードやパワーポイント)やメールテキストにおいて、どこまで厳密に適用すればいいのか、その案配がむずかしいですね。
●欧文の約物
欧文にも約物がたくさんあります。コロンやセミコロン、一重引用符(シングルクォーテーションマーク)や、二重引用符(ダブルクォーテーション)などです。
次回のもじもじトークで、欧文の約物について詳しく書こうと思ってます。
日本語の文章の中で欧文を使用する際には、日本人が読むことを前提とすることが多いので、日本語約物を使用することもあれば、欧文約物を使うこともあると思います。
ただし、欧文だけの文章やポスターの場合、ネイティブの外国人が読むことが前提になるので、欧文約物ルールに従うこと、信頼できる欧文書体を使用すること、欧文圏のマナー(英語、米語)を知ること、読みやすい欧文組版をすることが重要になってきます。
海外旅行中に、日本語の案内板やポスターで、おかしな日本語表現を発見したり、改行位置が明らかにおかしい日本語を見かけたこと、ありますよね。
その逆のことは、避けなければいけません。
欧文組版ルールブックはたくさん出ているので、いつか、ビジネスパーソンとして、『これだけは押さえておきたい日本語、和欧混在、欧文における約物表現ガイドブック』みたいな記事を書きたいと思ってます。
自分の勉強にもなるので、2年かけて完成させたいなぁ……。なんで2年かというと、今週末は、自分の誕生日なのです。58歳になります。おっさんです。パチパチパチーー
2年後は人生の節目なので頑張ろうかなって感じの、軽いノリですけどね。
それまで「もじもじトーク」の連載、がんばろう!
●再来年2020年はオリンピック
僕は東京都江東区に住んでいます。なので、オリンピック会場がわりと近くに点在するエリアに住んでいるんです。
東京オリンピックって、まだまだ、先のことかなと思っていたら、再来年なんですね。開会式は2020年7月24日(金)午後8時からだそうです。
五輪期間中の来場者数は延べ約1,000万人らしい。外国から数百万人も来日することになると思います。
来日する観光客が、電車やバスなどの交通機関、そして、東京都内を観光する際、迷子にならないよう、心地よい環境になるといいですね。
デザイン性が優れ、きちんと情報設計された美しいサインシステムが東京都内に完備されることを期待しています。
では、二週間後に、またお会いしましょう。
【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com
Webフォント エバンジェリスト
http://fontplus.jp/
1960年生まれ。群馬県桐生市出身。電子機器メーカーにて日本語DTPシステムやプリンタ、プロッタの仕事に10年間従事した後、1995年にインターネット関連企業へ転じる。1996年、大手インターネット検索サービスの立ち上げプロジェクトのコンテンツプロデューサを担当。
その後、ECサイトのシステム構築やコンサルタント、インターネット決済事業の立ち上げプロジェクトなどに従事。現在は、日本語Webフォントサービス「FONTPLUS(フォントプラス)」の普及のため、日本全国を飛び回っている。
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編集後記(06/07)
●高橋洋一「なぜこの国ではおかしな議論がまかり通るのか メディアのウソに騙されるな、これが日本の真の実力だ」を読んだ。長いタイトルが表紙を埋めている(KADOKAWA/2018)。官僚時代にメディア担当を務めたこともある筆者の文章は、実に分かりやすい。当然のことを当然に分析しているからだ。この本ではデータに基づく正しい議論の作法とは何か、筆者の方法論を紹介する。
この国には他国からしたら信じられないような、おかしな議論が幅を利かせている。有名なのは「財政が破綻する」である。間違った前提からは予測が外れるのは当然である。正しい結論を導くためには、「正しい前提」から始めればよい。筆者の思考は、その一点にある。だからウソはすぐに見破れるし、予測も当たる。この国の未来を正確に見通すのは、じつはそれほど難しくはない。
日本の「政」「官」「民」はジャンケンの関係にあるといわれる。政は官に強く、官は民に強く、民は政に強い、という三すくみ構図だ。民間企業であるメディアは政には楯突くが、官には太刀打ちできない。忙しい記者たちは、ニュースソースを提供してくれる役所と役人のいいなりだ。メディアと官の思惑と利害が一致してできたのが、日本独特の記者クラブという制度である。
新聞社の政治、経済、社会部の記者の大半が文系出身だ。彼らはデータで経済を理解するような、体系的な教育を受けていない。マクロ経済へのリテラシーが身についていない。だから、役人は情報源であり、経済を教えてくれる先生でもある。しかし、役所にとって都合のいいものしか教えてくれない。このシステムでは、役人の振り付けがないと、記者は記事が書けなくなってしまう。
自ら情報を掘り起こしたり、統計データから真実を読み解く能力が鍛えられない。大手新聞社の幹部には、財務省や日銀の意向に沿った人が少なくないから、社説でそれが端的に表れてしまう。財務省の省是である増税、財政再建に疑いを抱かずに同調して「このままでは日本の財政は破綻する」「財政再建待ったなし」のスローガンが紙面に登場する。殆どノストラダムスの予言と大差ない。
筆者は新聞を読まない。テレビも見ない。正しい情報を求めるのであれば、メディアには頼るなという。ネットには何の加工もされていない一次情報が必ずある。それを読んで正しい前提となる定義を構築する。筆者の情報収集も基本はネットである。ただし、ドメインは日本の政府機関による情報を公開した〈go.jp〉か、大学・研究機関による情報掲載の〈ac.jp〉に限定している。
企業のHPなどに使われる〈co.jp〉の情報は、99%が正しい前提には使いにくいjunkだ。海外のサイトも同様である。民間のサイトで公開されているデータは使わない。筆者が分析に用いる情報は、誰でも簡単に閲覧できるものだけだ。ニュースは読まない方がいいが、ネットにアップされるヘッドラインだけは見る。情報取得ではなく、半分は趣味でやっている間違い探しのようなものだ。
筆者はシンギュラリティという予言は信じていない。「プログラムをしている人を、そのプログラムの成果であるAIは超えられない可能性が高い。AIが暴走したら、と心配する人は多いが、電源を落とすのがいちばん簡単な暴走停止手段である」。わはは、そんなこと書く人に初めてあったよ。つづく。(柴田)
高橋洋一「なぜこの国ではおかしな議論がまかり通るのか」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046022949/dgcrcom-22/
●関口さん、今週末お誕生日おめでとうございます! 連載よろしくお願いいたします!
/外国の方に、大文字だらけだと読みづらいと聞いたことがある。一部目立たせるために使うのはアリだけど、読ませる時は大文字を乱用しないでねとのこと。読み上げブラウザでは単語扱いにならなくて、アルファベットとして読み上げられていたことも。今は違うのかな。
/セイコーGGP続き。400m走だって速い。100mの世界記録が9秒58で、400mはと見ると43秒08。400mの人は、100mを平均11秒かかっていないのだ。ゴール前でもほとんどスピードが落ちないのだ。どれだけスタミナがあるんですかい。
800mの世界記録は1分40秒91。駅までこのスピードで走れたら、電車に乗り遅れることはないだろう。とかいろいろ考えながら楽しんでいたが、体調が悪くなり会場を後に。
テレビ録画しているからいいや、会場の雰囲気はわかったから、録画もその雰囲気で見られるだろうと帰宅してレコーダーをつけたら、なぜか10分ほどしか録画できていなかった……。リレーとか見たかったのに〜。
会場で印象的だったのは、子供たちが走り回っていたこと。広い場所で子供たちが走るのは当たり前なんだけど、ちゃんとクラウチングスタートしていたり、ストレッチしていたり。触発されたんだと思うわ。(hammer.mule)
陸上競技の世界記録一覧
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%B8%E4%B8%8A%E7%AB%B6%E6%8A%80%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C%E8%A8%98%E9%8C%B2%E4%B8%80%E8%A6%A7
■わが逃走[218]
瀬戸内ロケハン の巻
齋藤 浩
https://bn.dgcr.com/archives/20180607110200.html
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わけあって高齢者(両親)を連れ、広島・愛媛・高知を旅してきた。
二人とも足腰丈夫なのは良いことだが、想像の斜め上を行くようなことを言ったりやらかしたりするので、肉体的にも精神的にも疲れたわけです。
そのことを綴ると愚痴だらけになりそうなので、今回は旅の合間にみつけた構造美をいくつかご紹介します。
年に何度か上る階段なのだが、何度見ても面白い。
地形と建築にあわせて現場合わせでつくられたものなのだろうか。
見る角度、季節、時間帯によってさまざまな表情をみせる絶妙な立体構成は芸術以上の存在といえましょう(と思うのだが)。尾道にて。
ここも、何年通い続けたことだろう。
階段の手すりを支える柱とその基部なのだが、
全ての中心線がずれている。そのリズミカルで現場合わせな機能美は何度見ても美しい(と思うのだが)。尾道にて。
滑り止めの××と、金網の影の××。
虚と実の対比を愛でる。
おかしな奴とお思いだろうが、私にとって何時間でも眺めていられる愉しい階段である。向島にて。
短い直線を繋ぎ合わせた水路を中心に、それを縁取るラインの法則が興味深い。
外側に膨らむ部分が曲線であるのに対し、内側にえぐれる部分は直線でV字に削られている。
手前の曲線を強調するかのように高低差を演出する曲面の存在も秀逸。
大三島にて。
小さな橋の向こうは急坂。近年落成したカッコいい建築の脇には、素朴な山村の路地がかろうじて残っていた。
同じ橋を別角度から。
平行して水道橋があり、その一部は滝となって川と合流する。
とても興味深い構造で、できれば半日ほど眺めていたかった。梼原にて。
メインストリートに繋がる並列階段。
この町の「あたらしいアートディレクション」も素晴らしいと思うが、
こういった「これまでの日常を想起させる構造物」を目にすると、とても安心する。これらの対比が町のリズムを作っているように思えた。梼原にて。
境界。空間も時間も、このあたりを境に変化しているように見え、妙な統一感があったりして、ホントこの町は奥が深い。尾道にて。
今回の旅は、まあ、いろいろと気を使うことが多く(笑)、興味をそそられる物件を素通りせざるを得ない状況が続いた。
なので、あくまでもロケハンと位置づけ、次回はゆっくり穏やかに、気になった物件を観察できればと思う。
とくに車の運転中に見かけた沈下橋や美しい岸壁など、この辺りは構造美の宝庫だ。
というわけで、再訪を誓い瀬戸内を後にするのだった。
【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
http://tongpoographics.jp/
1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられ
ないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィ
ックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。
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■もじもじトーク[86]
欧文を考える(その1)
関口浩之
https://bn.dgcr.com/archives/20180607110100.html
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もじもじトークの関口浩之です。
今日のテーマは「欧文」です。結構、マニアックなテーマじゃん、と感じた方が多いのではないでしょうか……。
がぁ、しかし。欧文を見ない日はないですよね?
最近、見かけた欧文のみなさんをご紹介します。じゃーん!
http://bit.ly/2JAsFun
駅構内や街中の案内板では、外国人向けに日本語と英語の併記は必須ですよね。一方、ポスターや商品パッケージにも欧文がよく使われています。そして、スマホやテレビ画面にも欧文が、たくさん表示されます。
日本語は、漢字・ひらがな・カタカナ以外にアルファベットやアラビア数字などを併用する、世界でも珍しい言語なのです。
街中に存在する欧文は、外国人向けに行き先を案内をするサインシステムとしての機能がメインだと思いますが、デザイン性の観点で欧文を使うことも結構あるようです。
ネイティブの外国人が読むことを前提として使用される欧文においては、心地よい欧文組版になっているのが重要になります。
心地よい、つまり歩幅がちょうど良い欧文組版は、来日するネイティブな人に対して、大切なおもてなしになると思います。
●日本語の約物
日本語には括弧や句読点など、約物といわれる記号類があります。
過去のもじもじトークで、日本語の約物について、詳しく解説したことがあります。興味のある方、復習を兼ねて、ぜひ、ご一読くださいねーー。
もじもじトーク[31]「点と丸」について考える(2015年11月26日号)
https://bn.dgcr.com/archives/20151126140100.html
もじもじトーク[32]「括弧」について考える(2015年12月10日号)
https://bn.dgcr.com/archives/20151210140100.html
もじもじトーク[33]「促音・撥音・拗音・長音」について考える
(2016年01月14日号)
https://bn.dgcr.com/archives/20160114140100.html
おおぉ、2年以上前に書いた記事ですが、我ながら「結構、頑張ってるじゃん」と思いました(笑)
みなさん、ビジネス文書やメールを書くとき、文中に丸括弧、鉤括弧や二重括弧を意識的、もしくは無意識に使用してますよね。
僕も、メルマガの中で、結構、約物を使用してます。補足や引用するときだけでなく、ある言葉を強調するときにも鉤括弧を意識的に使っています。
でも、こんなことで、悩んだことありませんか?
・括弧は、半角がいいのか全角がいいのか
・時間を表す「時」と「分」の間のコロンは、全角と半角どっちを使うべきか
・時間帯を表現する際、波ダッシュを使うべきか、ダッシュを使うべきか、ハイフンでもいいのか?
DTPにおける組版ルールは標準化されていますが、通常のビジネス文章(ワードやパワーポイント)やメールテキストにおいて、どこまで厳密に適用すればいいのか、その案配がむずかしいですね。
●欧文の約物
欧文にも約物がたくさんあります。コロンやセミコロン、一重引用符(シングルクォーテーションマーク)や、二重引用符(ダブルクォーテーション)などです。
次回のもじもじトークで、欧文の約物について詳しく書こうと思ってます。
日本語の文章の中で欧文を使用する際には、日本人が読むことを前提とすることが多いので、日本語約物を使用することもあれば、欧文約物を使うこともあると思います。
ただし、欧文だけの文章やポスターの場合、ネイティブの外国人が読むことが前提になるので、欧文約物ルールに従うこと、信頼できる欧文書体を使用すること、欧文圏のマナー(英語、米語)を知ること、読みやすい欧文組版をすることが重要になってきます。
海外旅行中に、日本語の案内板やポスターで、おかしな日本語表現を発見したり、改行位置が明らかにおかしい日本語を見かけたこと、ありますよね。
その逆のことは、避けなければいけません。
欧文組版ルールブックはたくさん出ているので、いつか、ビジネスパーソンとして、『これだけは押さえておきたい日本語、和欧混在、欧文における約物表現ガイドブック』みたいな記事を書きたいと思ってます。
自分の勉強にもなるので、2年かけて完成させたいなぁ……。なんで2年かというと、今週末は、自分の誕生日なのです。58歳になります。おっさんです。パチパチパチーー
2年後は人生の節目なので頑張ろうかなって感じの、軽いノリですけどね。
それまで「もじもじトーク」の連載、がんばろう!
●再来年2020年はオリンピック
僕は東京都江東区に住んでいます。なので、オリンピック会場がわりと近くに点在するエリアに住んでいるんです。
東京オリンピックって、まだまだ、先のことかなと思っていたら、再来年なんですね。開会式は2020年7月24日(金)午後8時からだそうです。
五輪期間中の来場者数は延べ約1,000万人らしい。外国から数百万人も来日することになると思います。
来日する観光客が、電車やバスなどの交通機関、そして、東京都内を観光する際、迷子にならないよう、心地よい環境になるといいですね。
デザイン性が優れ、きちんと情報設計された美しいサインシステムが東京都内に完備されることを期待しています。
では、二週間後に、またお会いしましょう。
【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com
Webフォント エバンジェリスト
http://fontplus.jp/
1960年生まれ。群馬県桐生市出身。電子機器メーカーにて日本語DTPシステムやプリンタ、プロッタの仕事に10年間従事した後、1995年にインターネット関連企業へ転じる。1996年、大手インターネット検索サービスの立ち上げプロジェクトのコンテンツプロデューサを担当。
その後、ECサイトのシステム構築やコンサルタント、インターネット決済事業の立ち上げプロジェクトなどに従事。現在は、日本語Webフォントサービス「FONTPLUS(フォントプラス)」の普及のため、日本全国を飛び回っている。
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編集後記(06/07)
●高橋洋一「なぜこの国ではおかしな議論がまかり通るのか メディアのウソに騙されるな、これが日本の真の実力だ」を読んだ。長いタイトルが表紙を埋めている(KADOKAWA/2018)。官僚時代にメディア担当を務めたこともある筆者の文章は、実に分かりやすい。当然のことを当然に分析しているからだ。この本ではデータに基づく正しい議論の作法とは何か、筆者の方法論を紹介する。
この国には他国からしたら信じられないような、おかしな議論が幅を利かせている。有名なのは「財政が破綻する」である。間違った前提からは予測が外れるのは当然である。正しい結論を導くためには、「正しい前提」から始めればよい。筆者の思考は、その一点にある。だからウソはすぐに見破れるし、予測も当たる。この国の未来を正確に見通すのは、じつはそれほど難しくはない。
日本の「政」「官」「民」はジャンケンの関係にあるといわれる。政は官に強く、官は民に強く、民は政に強い、という三すくみ構図だ。民間企業であるメディアは政には楯突くが、官には太刀打ちできない。忙しい記者たちは、ニュースソースを提供してくれる役所と役人のいいなりだ。メディアと官の思惑と利害が一致してできたのが、日本独特の記者クラブという制度である。
新聞社の政治、経済、社会部の記者の大半が文系出身だ。彼らはデータで経済を理解するような、体系的な教育を受けていない。マクロ経済へのリテラシーが身についていない。だから、役人は情報源であり、経済を教えてくれる先生でもある。しかし、役所にとって都合のいいものしか教えてくれない。このシステムでは、役人の振り付けがないと、記者は記事が書けなくなってしまう。
自ら情報を掘り起こしたり、統計データから真実を読み解く能力が鍛えられない。大手新聞社の幹部には、財務省や日銀の意向に沿った人が少なくないから、社説でそれが端的に表れてしまう。財務省の省是である増税、財政再建に疑いを抱かずに同調して「このままでは日本の財政は破綻する」「財政再建待ったなし」のスローガンが紙面に登場する。殆どノストラダムスの予言と大差ない。
筆者は新聞を読まない。テレビも見ない。正しい情報を求めるのであれば、メディアには頼るなという。ネットには何の加工もされていない一次情報が必ずある。それを読んで正しい前提となる定義を構築する。筆者の情報収集も基本はネットである。ただし、ドメインは日本の政府機関による情報を公開した〈go.jp〉か、大学・研究機関による情報掲載の〈ac.jp〉に限定している。
企業のHPなどに使われる〈co.jp〉の情報は、99%が正しい前提には使いにくいjunkだ。海外のサイトも同様である。民間のサイトで公開されているデータは使わない。筆者が分析に用いる情報は、誰でも簡単に閲覧できるものだけだ。ニュースは読まない方がいいが、ネットにアップされるヘッドラインだけは見る。情報取得ではなく、半分は趣味でやっている間違い探しのようなものだ。
筆者はシンギュラリティという予言は信じていない。「プログラムをしている人を、そのプログラムの成果であるAIは超えられない可能性が高い。AIが暴走したら、と心配する人は多いが、電源を落とすのがいちばん簡単な暴走停止手段である」。わはは、そんなこと書く人に初めてあったよ。つづく。(柴田)
高橋洋一「なぜこの国ではおかしな議論がまかり通るのか」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046022949/dgcrcom-22/
●関口さん、今週末お誕生日おめでとうございます! 連載よろしくお願いいたします!
/外国の方に、大文字だらけだと読みづらいと聞いたことがある。一部目立たせるために使うのはアリだけど、読ませる時は大文字を乱用しないでねとのこと。読み上げブラウザでは単語扱いにならなくて、アルファベットとして読み上げられていたことも。今は違うのかな。
/セイコーGGP続き。400m走だって速い。100mの世界記録が9秒58で、400mはと見ると43秒08。400mの人は、100mを平均11秒かかっていないのだ。ゴール前でもほとんどスピードが落ちないのだ。どれだけスタミナがあるんですかい。
800mの世界記録は1分40秒91。駅までこのスピードで走れたら、電車に乗り遅れることはないだろう。とかいろいろ考えながら楽しんでいたが、体調が悪くなり会場を後に。
テレビ録画しているからいいや、会場の雰囲気はわかったから、録画もその雰囲気で見られるだろうと帰宅してレコーダーをつけたら、なぜか10分ほどしか録画できていなかった……。リレーとか見たかったのに〜。
会場で印象的だったのは、子供たちが走り回っていたこと。広い場所で子供たちが走るのは当たり前なんだけど、ちゃんとクラウチングスタートしていたり、ストレッチしていたり。触発されたんだと思うわ。(hammer.mule)
陸上競技の世界記録一覧
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%B8%E4%B8%8A%E7%AB%B6%E6%8A%80%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C%E8%A8%98%E9%8C%B2%E4%B8%80%E8%A6%A7