《なにか「埼玉に住むことにした」ってこと自体が》
■羽化の作法[89]現在編
まつむらまきおさんがデジクリ降板してしまった
武 盾一郎
■LIFE is 日々一歩(102)[ウェブ]
いまさらながら、WordPressを調べてみた(2)
森 和恵
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■羽化の作法[89]現在編
まつむらまきおさんがデジクリ降板してしまった
武 盾一郎
https://bn.dgcr.com/archives/20190723110200.html
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●まつむらまきおさんがデジクリ降板!
まつむらまきおさんが、デジクリを降板してしまった。
いつだったか詳しくは思い出せないのですが、「インターネット」が普及し始めた頃、「ピピーッ、ガガガガーッ」という音が鳴ってネットに繋がってた時代です。私は「マッキントッシュ」を持ってる友達の家でいろいろな「ホームページ」を見ながら「正直なんかつまんないなー」って思っていました。
当時はまだ画面で見る「かわら版」のような感じで、インタラクティブもリアルタイム性もあまりなかったのです。それでもなんとなく、インターネットの登場は「革命」であることだけは直感していました。それは誰でも「発信者」になれる革命でした。
今では誰でも複数アカウントを持ち、息を吐くように自分の想いをSNSなどにアップできますが、20世紀まではパブリックに発信するのって結構大変なことだったのです。
家にISDNを引いて「ホームページ」を作ろうと、いろんなサイトのソースコードを眺めながらHTMLを覚えました。そう言えばもう「ソースを表示」なんて、ブラウザのどこにあるのかさえ分かりません。
そんな時に偶然見つけたのが、まつむらまきおさんが主催してる「バカフラ」と言うサイトでした。「バカフラ」とはマクロメディア社の「フラッシュ」というソフトを使って、おバカな作品を投稿するサイトです。
Bak@Fla
http://flash-jp2.heteml.jp/modules/bakafla/
思わず笑い転げてしまうようなおバカな作品もあるのですが、スクリプトを使った美しい作品もあり、レベル問わずいろんな人がいろんな作品を投稿していました。とにかく「自由」だったのです。
そしてどんな作品にも、まつむらさんがひとことコメントを入れて突っ込んでいて、それが100倍以上にも面白くさせていたのです。「これがインターネットの可能性だ!」と思いました。
バカフラ、今もあるようですが稼働はしてないようです。フラッシュ自体が廃れてしまいましたからね。
Adobe Flash
https://ja.wikipedia.org/wiki/Adobe_Flash
なんかいまいちピンと来なかった「インターネット」に、光を見出した。それが「フラッシュ」というソフトだったのです。そして、笠居トシヒロさんが主催してる「フラッシュメーリングリスト」にも参加してひたすらロムりました。
私は「いつかフラッシュを使えるようになって「バカフラ」に投稿しよう!」という夢を抱き、バカフラの投稿作品を楽しみにしながら、フラッシュMLを読んでいました。
そして、いよいよ意を決して「フラッシュ」を買いました。参考書はまつむらまきおさんの「おしえて!!FLASH 4」です。
参照:おしえて!!FLASH 8
https://www.amazon.co.jp/dp/4839919615/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_NSPmDbYPTBVAY
そのあたりで「バカフラのまつむらさん」「フラッシュMLの笠井さん」がメールマガジンに執筆してることを知り、「これは読むしかない!」と、読み始めたのがこの「日刊デジタルクリエイターズ」です。
その頃は、まつむらさんと笠井さんが二人でチャットしている「MKチャット対談」でした。二人のやりとりがとっても愉快なのです。そして私は「デジクリに執筆したい!」と、思い切って柴田編集長にメールを送って、今に至っております。
私は山根康弘氏とのチャットレビューを執筆しますが、それは「MKチャット対談」のような、面白い内容を目指していたからでした。
「MKチャット対談」で特に印象に残ってる回はこれです。
『MKチャット対談 首都圏防衛にレオパルド/笠居トシヒロ&まつむらまきお』
https://bn.dgcr.com/archives/20060816140300.html
対談の前半を「■」で埋めるという表現に衝撃を受けました。
私にとってデジクリとは、言ってみれば「まつむらまきお」さんなワケなんです。そのまつむらさんがデジクリから去ってしまわれます。
ユーレカの日々[73]さよならデジクリ/まつむらまきお
https://bn.dgcr.com/archives/20190717110200.html
まつむらさんのテキストに対しては、本当に隅から隅まで淀みなく同意します。本当におっしゃる通りだと思います。
まつむらさんは降板してしまうばかりでなく「ユーレカ以降のものはバックナンバーも、削除していただこうと思う」と書いておられます。
私の気持ちはツラく、引き裂かれております。なぜなら、まつむらさんの『ユーレカの日々[73]さよならデジクリ』には、心底共感するにも関わらず、まつむらさんと同じ行動にならない自分がいるからです。今もこうしてデジクリで書いていますし。
それは隔週で文章を書くことが、今の自分にとって良い「場」だと捉えてるからです。そしてもうひとつは、柴田編集長から「武さんその左翼的な原稿はやめてくれませんかね」みたいな思想の牽制は一度もなかったからです。文章のクオリティに対するダメ出しはあっても。原稿が遅いと叱られますが。しかし「これぞ編集長の仕事」と私は思っております。
私は現状のまま続行しようと思います。
●参議院選挙について
参議院選挙、終わりましたね。私は「投票済証」を貰ったのでツイートしました。「選挙に行った証書みたいなのください」と言えば貰えます。
《期日前投票行って来ました。
投票所は混んでました。少し希望を感じました。》
https://twitter.com/Take_J/status/1152505883496079360
なんてツイートしたのですが、
《21日に行われた参院選埼玉選挙区の投票率は46.49%(男47.18%、女45.80%)で、2016年の前回(51.94%)を5.45ポイント下回った。1992年7月の37.94%、95年7月の38.92%に次いで、過去3番目に低い投票率となった。》
ですって。とほほ。
http://www.saitama-np.co.jp/news/2019/07/22/11_.html
上尾市を調べてみると投票率46.95%。ほんの少しでも高くて良かった(苦笑)
http://www.pref.saitama.lg.jp/e1701/documents/ah_tohyo_k.pdf
もっとも埼玉県は過去30年の投票率は全国ワースト2位みたいなんですわ。
https://twitter.com/ulaken/status/1152765864468332544
全体では戦後2番目に低い投票率になってるみたいです。《今回の参議院選挙の投票率が48.80%で確定となりました。投票率が5割を切ったのは戦後2回目で、1995年の44.52%に次ぐ低さとなっています。》
https://johosokuhou.com/2019/07/22/16428/
投票率低いですね。投票をしてない人たちは悪い人・ダメな人呼ばわりされています。確かにまあ権利を行使しないのだから「ダメな人」ではあるでしょう。投票率が低い理由について、マス・メディアが悪いとか教育が悪いと言ってる人が多い感じがしますが、私はそういう啓蒙の問題ではなくて、何か根本的な、システムそのものの問題のような気がしています。
とりあえず、当選でだるまに目を入れてみんなでバンザーイ! って禁止にしませんか?
というのは半分本気の冗談ですが、でも、ひょっとしたらすでに現在では「投票における政治機能性」って、大部分が消えている可能性ってないだろうか? また或いは選挙という方法が効力を発揮する、ヒットポイントがずれてしまっているのではないだろうか? とか思うのです。
例えば、首都圏の投票率がやたら低いのは(上記参照:ワースト1位から千葉、埼玉、茨城、神奈川)、地元の行政よりも東京を中心とした経済の方が、圧倒的に暮らしを支えている実感があるからだったりしませんかね? 地元行政が何してるかって意識に上らない、というか。
ひょっとして「埼玉に住むことにした」ってこと自体が、「政治判断の全て」に成り得てるとかってないでしょうかね?
なにかそういった「政治」の次元からして違うというか、選挙という枠組みとは、シュールなレベルで違ってきてしまっている「政治の事実」ってないですかね。
でも、埼玉だって行政がなければ困りますよね? その行政の駆動の仕方って、選挙ではない民主制の在り方、例えば前に書いた「糞尿民主制」みたいな違うシステムに移行した方が良かったりしませんかね?
羽化の作法[86]現在編:政治観の今昔
https://bn.dgcr.com/archives/20190611110200.html
それから、選挙が効力を発揮するヒットポイントに、もう「政党政治」が含まれてない感じすらしてます。
例えば、自民党の山田太郎氏は、圧倒的な得票で当選しています。彼がやってることは「表現規制反対」というプロジェクトなんですよね。でも政党、自民党から立候補してます。これはプロジェクト実行を最優先するためですよね。
この「プロジェクト駆動型」に、選挙という方法がちゃんとハマった感じします。クラウド・ファウンディング的な意味合いを持つ投票です。
山田太郎氏の勝利から、政治のひとつのフォーマットが見えるような気がします。与党政権はこれらの「プロジェクト」の受け皿になることが最大の機能で、党としての主義をまったく持たないプラットフォームになる、という。
そう考えると、与党を支持する意味も変わってきます。なので、若者の自民党支持傾向は、本当に単なる保守化なのだろうか? と思ったりもするのです。
『30代以下支持、増す自民 60代以上と逆転 出口分析』
https://www.asahi.com/articles/ASM7M64PJM7MUZPS00N.html
投票率は低かったけど、選挙結果はとても絶妙なバランスだと私は感じました。まず、れいわ新選組が2議席獲得しました。これは本当にすごいことだと思います。
今までの政治家たちの視線には入らない人たちに目を向けた「革命指向」の政党ですよね。山本太郎氏のカリスマ性にかなり支えられてますが、「特定枠」の作戦も素晴らしいと思いました。
それにしてもここまでハンサムな政治家が今までいたでしょうか? 多分、チェ・ゲバラの次にTシャツのステンシル・プリントが似合う人だと思うのです。
ただ、彼を思いっきり嫌う人やメディアがありそうで、そういう軋轢で失速しそうな危なさもあり、ちゃんと仕事内容でジャッジされて欲しいなあと思ってます。その他野党では立憲民主党は倍増、社民党は議席をなんとか確保しましたよね。
それから与党は過半数を獲得しましたが、憲法改正の発議に必要な2/3には行きませんでした。
「野党もいろいろ取り揃えて、でもとりあえず自・公でいいかな、でも改憲はちょっとね……」という民意ですよねこれ。悪く言えば「すべてが中途半端な感じ」がするのですが、良く言えば「健康体が保てそうな腸内フローラの多様性が維持されてる感じ」でしょうかね。
私は割と希望が持てると思いましたよ。
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星野智幸コレクションIV フロウ
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b278897.html
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■LIFE is 日々一歩(102)[ウェブ]
いまさらながら、WordPressを調べてみた(2)
森 和恵
https://bn.dgcr.com/archives/20190723110100.html
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こんにちは、森和恵です。先週は凄惨なできごとがありましたね。京都アニメーションさんの放火殺人事件のことは、テレビニュースで知りました。
https://twitter.com/CR360STUDIO/status/1151766855029125125
当日のツイートです。スタッフの方々の無念を思うと、くやしくて泣けてたまりませんでした。あまりにも理不尽すぎるできごとでした。
わたしでもなにかできることはないのかと、大好きな作品をたくさん生み出してくれてありがとうという気持ちを込めて、アニメイトに行ってわずかばかりですが、募金活動に応じました。
心中を思えば、とてもエールの言葉など口にできませんが、もしもいつか再開されたら、全力で作品を推し、応援しますね。
全国のアニメイト店頭(レジ横)で、京都アニメーション支援募金を受け付けているそうです。
▼全国のアニメイトで京アニ募金箱が設置され…… - Togetter
https://togetter.com/li/1378290
さて。冒頭挨拶が長くなりましたが、前回に引き続き「いまさらWordPress」のYouTubeライブ配信に向け、放送準備のときに調べた内容からご紹介します。
● Gutenbergについて
WordPress5.0 を語るときに、Gutenberg(グーテンベルグ)は欠かせません。Gutenbergは、WordPressの新機能『ブロックエディター』のことを指します。
▼新しい Gutenberg 編集エクスペリエンス
https://ja.wordpress.org/gutenberg/
『エディター』はWordPressの記事を書くための機能ですが、その機能が一新されました。
記事を段落単位でブロックに分けて管理します。積み木を並べていろんな形を作るように、ブロックをならべていろんな記事を作成します。
ブロック単位で編集・削除・移動ができ、以前の方式に比べて記事のレイアウトに自由がきくようになりました。
ブロックタイプのエディターは、WordPressで初めて生まれた方式ではなく、最近のCMS(コンテンツ管理システム)の主流となっていました。
Jimdo、Movable Type、a-blog cmsなど、日本でよく使われるCMSはこぞってブロックタイプになっていて、WordPressもその流れに乗ったというところでしょうか。
余談ですが、活版印刷技術の発明者ヨハネス・グーテンベルグが、WordPressのGutenbergの由来です。
ヨハネス・グーテンベルグの活版印刷技術で印刷物が普及して、世の中にたくさんの情報か伝達されたように、WordPressのGutenbergも使われることを期待した名付けなのだと思います。
さて。新しい技術には、慣れが必要です。いままで培ってきた環境に入れてしまうと、不都合がでることもあると思います。
そんな「ブロックエディター(Gutenberg)をまだ使いたくない」という環境のために、従来のエディターが『Classic Editor』プラグインとして提供されています。
『Classic Editor』プラグインを有効化すれば、ページ毎にブロックエディターから従来のエディターに切り替えられます。
▼Classic Editor - WordPress プラグイン
https://ja.wordpress.org/plugins/classic-editor/
ただし、2022年を目処にClassic Editorのサポートが終了する予定なので、これから立ち上げるサイトはもちろん、長く運営するサイトの場合は、どこかのタイミングでブロックエディターに切り替えていく必要がありそうです。
今後のWordPressは、記事だけではなくヘッダー・メニュー・フッターなど、あらゆる所をブロック管理するようにシステムを変更する方針だそうです。
難解なテンプレートを触らなくても、自由にコンテンツの管理ができるようになりそうで、今後がますます期待されますね。
●ローカルサーバー環境に最適な local by flywheel
WordPressでサイトを構築するときに欠かせないのが、ローカルサーバー環境です。自分が使用しているパソコン内でウェブサーバーを動かし、それをテストサーバーとして用います。
いきなり本番のウェブサーバーで構築してしまうと、不具合があったときに本番環境にも影響してしまったり、ネット回線を使ってサーバーへデータを頻繁に送ので、構築作業に時間がかかったりします。
ローカルにウェブサーバーを立ち上げて構築した後に、本番サーバーに引っ越すほうが効率よく作業を進められます。
昔からローカル環境を作るためのツールはいろいろあり、WindowsならXAMP、MacならMAMP、ちょっと通向けにUbuntuなどがあげられます。
いずれも、インストールからサーバーを立ち上げるまでの設定がむずかしく、また、マシン環境によって特殊な設定をしなくてはならないなど、ハードルの高いものばかりでした。
今回、YouTubeライブ配信で授業をするにあたって、WindowsでもMacでも動くローカルサーバー環境を、できるだけ簡単に作れるツールを探しました。
いろいろ試したところ、『local by flywheel(ローカル バイ フライホイール)』というツールがよさそうだというところにたどり着きました。これは、WordPressのローカルサーバー環境を作成するための専用ツールです。
▼local by flywheel
https://localbyflywheel.com/
・WindowsとMacの両方のツールがある
・WordPressをインストールまでの手順が簡単
・起動した後ならローカルサーバーの動きが軽い
・フォルダーごとにいくつも環境を立ち上げられる
など、利用者側にたくさんのメリットがありそうです。
また、いま流行の『Docker(ドッカー)』という技術を用いているので、今後WordPress以外の開発環境でローカルサーバー環境を立ち上げたいという時に、知識のスライドがしやすいのでは? と思います。
● YouTubeライブ配信では、こう進める
『local by flywheel』の環境でWordPressサイトの構築を学べるように、環境設定から入っていこうと思います。
また、WordPressテーマのコーディングでは、Gutenberg関連のカスタマイズをできるだけ紹介していこうかなと思います。
ということで、今回はここまで。
YouTubeライブ配信の新シリーズは、7月中(7/31)スタートを目指してます。引き続き、チャンネル登録お待ちしています。
https://www.youtube.com/r360studio
ではまた、次回!
梅雨もようやく明けそうですが、健康に注意しつつ夏を満喫しちゃいましょう。
(^^)
【森 和恵 r360studio ウェブ系インストラクター】
mail:r360studio@gmail.com
サイト:http://r360studio.com/
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編集後記(07/23)
●偏屈読書案内:鎌田浩毅「富士山噴火と南海トラフ 海がゆさぶる陸のマグマ」
2011年東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)は、日本の観測史上最大規模のマグニチュード9.0で、世界的には歴代4位ともいえる超弩級の巨大地震だった。関東大震災を起こした関東大地震の約50倍、阪神淡路大震災を起こした兵庫県南部地震の約1400倍にもなる。次に来るのは「南海トラフ巨大地震」である。
東海地方から近畿・四国にかけての今後の海溝型地震発生の可能性(2019年時点での今後30年以内の発生確率)は、東南海地震が70%、南海地震が70〜80%と予測されている。わかりやすくいうと、西暦2030年代には発生する。2030年プラスマイナス5年に起きるという予測だが、いずれにせよ2040年までにはマグニチュード9クラスの大地震が、この海域で発生するのはほぼ間違いない。
それは東海地震・東南海地震・南海地震の三つが同時発生する超巨大地震、いわゆる「南海トラフ巨大地震」になる可能性がきわめて高い。「予測される被害の大きさは、『3.11』の比ではない。日本列島に住むすべての人々の生命と安全を脅かし、いまこのときも日本人の将来設計に影響を及ぼす甚大災害といっても過言ではないだろう」。しかも、活火山の噴火を誘発する恐れもある。
3.11以後、浅間山、草津白根山、箱根山、焼岳など20個ほどの火山の地下では地震が急増した。2014年9月に、御嶽山で60名以上の犠牲者を出す戦後最大の噴火が発生した。3.11以降の富士山にも変化が現れている。富士山は1707年の宝永噴火以来300年以上沈黙しているが、もはや富士山は「いずれは噴火するであろう火山」から「近い将来必ず噴火する火山」へと歩を進めているのだ。
富士山は日本で最も観測網が充実している活火山のひとつである。常時、地震計や傾斜計などの監視下にあるので、噴火が起こるときは、数週間〜1か月ほど前から前兆となる地震や地殻変動が観測され、気象庁から各メディアやネットを通じて国民に伝えられることになっているが、大震災後に対応できるのか。
南海トラフ巨大地震の想定される規模はM9.1、九州から関東までの広大な範囲に震度6以上の大揺れをもたらす。震度の最大値である震度7に達する地域は10県、151市町村に達する。犠牲者層総数は最大32万人、全壊建物は239万棟、津波で浸水する面積は約1000km3に及ぶ。産業や経済の中心地域が被災するから、東日本大震災よりも様々な数値が1桁大きくなる。経済的被害総額は220兆円超。
人口の半分近い6000万人が深刻な影響を受ける。この巨大地震と連動して富士山噴火が起こったら……。日本では約50の活火山に観測網を展開し、そこで得られたデータは気象庁により24時間監視されている。そうした観測結果をもとに、筆者ら地球科学の研究者は「火山学的に富士山は100%噴火する」という。
しかし、最初の噴火予兆である低周波地震がいつ始まるかの予告は不可能である。噴火予知は地震予知に比べ、実用化に近い段階までは進歩してきたが「何月何日に噴火するか」に答えることはできない。筆者は「何月何日に富士山が噴火する」といった風評がメディアにやネットに流れても、科学的根拠は全くないので信用するなと言う。いずれにしろ近未来は危険がいっぱい。(柴田)
鎌田浩毅「富士山噴火と南海トラフ 海がゆさぶる陸のマグマ」
2019 講談社ブルーバックス
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/406516043X/dgcrcom-22/
●「local by flywheel」使ってみたいな。今はMAMP。a-blog cmsも入れているから乗換はすぐにできないけど試してみたい。
MAMPでは/Applications/MAMP/conf/apache/httpd.confの「Include /Applications/MAMP/conf/apache/extra/httpd-vhosts.conf」のコメントアウトを取って、httpd-vhosts.confでポートを増やしまくってる。
並行して仕事をするし、一度作ったものを触ることはあるし、お客様に見せたところまでと、それより先に試しているもの・変更しているものがあったりして数が欲しい。「local by flywheel」だとデフォルトで複数管理できるのね。
技術もそうだけど、ちよっと油断してたら、良い・便利なプラグインやツールが出てるよね。知らないだけでいろいろあるんだろうなぁ。(hammer.mule)