今回は、11月17日に発売された〈MacBook Air〉の使用レポートです。まあ、人身御供とも言えるかもしれませんが、仕事の都合で購入しました。少し遅く注文したので、手元に来たのは11月25日でした。
さっそく開封。うまく開封できるように、色々工夫されていました。最近の日本のメーカーの商品はコスト削減し過ぎて、普通に開封することすら難しいものが結構あります。日本のおもてなしの心は、Appleとかが引き継いだのか? と思ったりするほどです。でも、商品にかけることができる金額が異なるので、ここらへんは仕方ないのかもしれません。
それはさておき、最新版のM1チップを搭載したMacBook Airですが、二か月ほど前に都合でMac miniを買ったため、予算がないので二番目に安いモデル(SSD 512GB)にしました。Mac miniの方が遥かに安いのですが、どうしても持ち運びする必要があったので、MacBook Airを選択したのです。
・MacBook Air
https://www.apple.com/jp/macbook-air/
・M1チップ
https://www.apple.com/jp/mac/m1/
電源スイッチを入れると起動音が鳴ります。重低音で、やや深みのある音といった感じでしょうか。昔は高音で軽かった感じでしたが、ここらへんは歴史を感じさせる部分もあるかもしれません。
電源が入って起動したら、初期設定です。ここらへんは、これまでのmacOSとたいして変わりません(MacBook Airには最新版のBig Surが入っています)。
今回も完全に新規のマシンとして使用するので、アプリケーションやデータなどは引き継ぎません。至ってクリーンな状態です。初期設定はすぐに終わりますが、アップデートがいくつかあったので、ダウンロードしインストールしました。これで使用する前準備が完了です。
まずはSafariを起動して、ページを表示してみます。予想以上に高速です。高速というよりも「瞬速」といったところです。自分のサイトも表示してみましたが、0.5秒くらいで表示されちゃったりと、異様な速さでした(リファレンスページなので、なお速いというのもありますが…)。
二か月前に購入したMac mini(Intel)より格段に高速です。これまで自分のサイトにあるページの表示が遅いのは、サーバーが古くて低速で、自宅の回線も遅いからだと思っていました。でも、M1チップを搭載したMacBook Airでアクセスすると、かなり速い。
さらに、同じネットワーク内にある複数のMacに、画面共有でアクセスしても非常に快適に使えます。そればかりか、インターネット上にあるサーバーの画面を共有しても、普通に使えます。
今までのマシンでは、そこまで高速に表示・処理されませんでした。15年間くらいずっと、遅いのはルーターやネットワークの回線だと思っていましたが、間違ってました。遅かったのは使ってるマシンのせいでした。
結局のところ、Windows 7(Core i5、i7マシン)もWindows 10も、Macも、UNIX(Ubuntu)も、低速だったのです。
せっかくなので、次にGoogle Chromeをダウンロードしました。Google ChromeはM1チップに対応したバージョンが出ているので、それを選択します。特に機能拡張とかは入れていないせいもありますが、高速で便利です。ストレスが溜まりません。
さらに、お試しで8K映像(Galaxy S20で撮影したもの。以下のURLにありますので試したい人はどうぞ)を再生してみましたが、コマ落ちせずに再生されてしまいました。もっとも、1/4に縮小されているわけですが、それでもコマ落ちせずに再生できるというのは、確認する時に便利です。
・8Kフリー映像素材
http://footage3.openspc2.org/HDTV/footage/8K/24f/
映像系だとどうしても必要になるのが、エンコード処理です。Adobe Media Encoderをインストールして、実験してみました。ただ、Adobe Media Encoderを起動すると、ロゼッタ入れる? というダイアログが表示されます。
11/25の時点では、Adobe Media EncoderはM1チップに対応していないということです。
このため、ロゼッタ2を介して、一度M1チップで動くように翻訳する必要があります。一度翻訳してしまえば、二度目からは翻訳しないので2倍くらい速く起動します。
テストとして、パナソニックの業務用4Kカメラで撮影した、4K/60P映像をエンコードさせてみました。MacBook Airでは、4分30秒でエンコードが終了しました。
最初は調子よく進んだのですが、次第に遅くなって行きました。ここらへんは放熱の関係で、CPU温度が上がると処理を遅くする仕組みがあるので、そのせいかもしれません。もしくは、8GBというメモリ容量のせいかもしれません。
エンコード処理はファンがついている、MacBook Proの方がよいのかもしれません。あと、メモリ容量にも依存しそうですし、映像系で使用するなら次か、その次のモデルの方がよさそうです。
多分、次はM1チップ×2かM2チップでiMac(Pro)で、その次はM2チップ×2もしくはM3チップとかで、Mac Proなんじゃないかなあと勝手に推測。
比較のためにMac Pro(2012、2x2.4GHz 6-core Xeon、High Sierra)でも、同じ映像をエンコードさせてみました。結果は2分50秒でした。
Mac ProはHDDなので同じ条件ではありませんが、現状ではエンコード処理は8年前のMac Proの方が格段に高速ということになります。ただし、Adobe Media EncoderがM1チップに対応したら倍速くらいになるのかもしれません。そうなると8年前のMac Proと同等クラスということになります。
最後にバッテリーですが、YouTubeを再生したまま1時間放置しましたが7%減少しただけでした。この状態でも14時間程度は持ちそうです。もっとも、そこまで負荷のかかるようなことをしなければ、もっと持つでしょう。
バッテリー消費しそうなアプリケーション何かないかなと思ったらVRoid Studioがありました。3DCGでリアルタイムに処理・表示するのでGPU使うはずです。
・VRoid Stuido
https://vroid.com/studio
モデルを歩かせ続けてみたところ4分で1%減少しました。40分なら10%なので計算すると400分(6時間半)でバッテリーを使い果たしそうです。
次に大量にインストールする必要があるAdobe関係のアプリケーションです。必要なものだけ入れてみましたが、Photoshopはフィルタまわりが表示されるプレビューが変な場合があったりしました。
Illustratorは、まあまあ良さそうな感じですが、細かくチェックしていないのでなんともです。文字回りは非常に高速に処理される感じで、これならストレス溜まらないかもしれません。Adobe系は怪しいのでAppleシリコンのチップに完全対応するまでは仕事で使うのは控えた方がいいかもしれません。
【古籏一浩】openspc@alpha.ocn.ne.jp
http://www.openspc2.org/
この原稿もMacBook Airで書いていますが静かで快適です。日本語変換は変換が微妙な部分があって、多少ストレス溜まることがありますが、まあ慣れでしょう。
ちなみにIchigoJam Webの動作速度も高速になっていて、まあまあ実機に近い速度が出ます。
・IchigoJam Web
https://fukuno.jig.jp/app/IchigoJam/
・創って学ぼうプログラミング
https://news.mynavi.jp/series/makeprogram
・8K/4K/ハイビジョン映像素材集
http://www.openspc2.org/HDTV/
・クリエイター手抜きプロジェクト
http://www.openspc2.org/projectX/