[5172] 機器がどんどん安くなってきて次々と導入

投稿:  著者:



《人生初のMac mini》

■ネタを訪ねて三万歩[197]
 機器がどんどん安くなってきて次々と導入
 海津ヨシノリ




━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ネタを訪ねて三万歩[197]
機器が本当に安くなって次々と導入

海津ヨシノリ
https://bn.dgcr.com/archives/20210219110100.html

─────────────────

この前、原稿を入れたときに編集長から、「次々とモノを買っている、、、いいなあ」とリアクションされたのですが、自分としてはそれほどでもないと思っていました。たまたま機材関連の買い物が集中しただけだったのです。ということで、またまた今回も買い物ネタです。

この前Phone12 mini購入の話をしましたが、実は同時にMac miniも購入していました。新しいM1のMacのパフォーマンスが半端ないという盛り上がりに、魔が差してしまいました。クリックしたのは、「メモリー 16GB SSD 1TB」という、人生初のMac miniです。

本当はMacBook Pro 13インチにするつもりでしたが、一年ほど前に最後のIntel版を購入していたので、ノートPCがこれ以上増えてもスペース的に困るのでパスしました。

もっとも、このMacBook Pro 13インチは特殊用途なので、通常用にあってもよかったのですが、緊急時は前にネタにしたXP-Penの12インチ液晶タブレットと、キーボードがあれば、持ち運ぶことも一応可能という利点を重視しました。

でも、初のmini購入という点にテンションが上がったのかもしれません。もっとも、これは後付けのこじつけです。現実問題としてそんな人はいないと思いますけど、ネタ的にはやってみてもいいかもですね。

さて、自宅では現在使用しているMacProのモニターとキーボードを、切換機により共有することで、スペースを稼げるメリットがあります。しかし、下取りに出したいと思っていた古いMacBook Pro2台のことをすっかり忘れてしまい、またまた部屋の置物として継続中です。

同時に、6TBのHDD×2基、24インチモニターも発注しました。ちなみに、到着はこの方が先でした。

MacPro用の2モニターのうちひとつの調子が悪いので、新たに追加したというわけです。2モニターを一度使ってしまうと、もう戻れないですからね。解像度が高くエリアの大きいモニターも考えましたが、タブレットの操作面積が増えると操作性が落ちるので、適度な解像度のモニターを2基という流れに決めています。

ハードディスクはデータ用とTime Machine用です。6TBにした理由は、たまたま特売期間で4TBの価格で6TBが買えたからです。

メインは1TBと6TBで7TBとなりますが、フルに容量を使うわけではないのと、バックアップの必要がない素材データ(オリジナルのCDなどが存在するので)などを、Time Machineの対象外とできるからです。今までも使用DISKは2TBを4基でしたが、Time Machineは4TBでした。

今までのそんな環境をTime Machineで引き継いでもいいのですが、色々と思うところがあって、一部のデータを手動でコピーしただけで、基本的には新規作成しました。それにしても、機器は本当に安くなりましたね。

問題は前記したように、モニターとキーボード。つまり、2台のMacでモニター2基とキーボード、そしてタブレットを共有することで、スペースを稼ごうというわけです。

わざわざそんなことをする必要はないのかもしれませんが、アップデートが止まってしまい、古い環境でしか動作しない愛用のソフトもあり、苦渋の選択(誇張しすぎ)といったところです。

ただし、問題はキーボード。純正のキーボードがすべて無線となってしまったので、ガッカリしています。純正のフルキーでブラックタイプの無線キーボードはすでに持っていますが、ときどき認識しなくなったりするので信頼感が薄れています。

なにより、切り替えて2台のマシンで共有するなんて処理が出来ないですよね〜。互換キーボードは、キー配列が完全一致ではないので興味なし。配列が同じだと問題なのかもですね。林檎社怖いですから。

で、取り敢えずUSB切換機でキーボードとタブレット(XP-Pen Deco 01v2)、そして緊急時用のマウスは問題なく利用可能となりました。いや本当に切換機は便利です。カードリーダーのような小物類は、複数のマシンで共有できるメリットは絶大です。キーボードとタブレットではなく、たまにしか使わないカードリーダーの類いは、切換機がオススメです。

あとはモニターの切換ですが、まだ情報収集が整理できていないので、製品は購入していません。取り敢えずそれぞれにモニター1基で試運転中です。

16GBのメモリーで、Photoshop、Illustrator、InDesign、Bridge、Chrome、そしていくつかのツールが起動していても問題なしです。まっ、今までのシステムとメモリーの使い方が違うので、16GBで問題ないのですが、やっぱり不思議ですね。

いろいろな方の報告を読むと、8GBでも問題ないようです。次に買う時は、メモリー64GBのマシンを想定していたので、正直ビックリです。これじゃIntelが焦るのもうなずけます。

ちなみに、いろいろな方がM1のMacはブッチギリのスピードと言っています。確かに速いのですが、少し言い過ぎかもですね。問題はAdobeのCCが完全対応してから、真価が発揮されるといったところでしょう。その時はM1じゃなくてM2かな?

ところで、今までだらだらと使っていたATOKを、新たにATOK Passportプレミアムとしてサブスクリプション契約しました。一人10台までインストール可能なのは魅力ですね。といっても、古い環境だと使えないのでWindowsとmacOSの2台だけですが……。

しかし、実際に使ってみると、変換のことはさておきインターフェイスというかメニューの配置がまったく違うので、別のソフトを使っている感覚でかなり混乱しています。まっ、仕方がないことだと理解していますが、もう少し整理できないものかと、企業努力に期待しています。


■えこひいきミュージックと映画
------------------------------------------------------------
"Al final del tunel" on Directed by Rodrigo Grande in 2016(AR、ES)

邦題「エンド・オブ・トンネル」。アルゼンチン・スペイン合作映画で、完全犯罪に挑む車椅子の中年男性の戦いを描くクライムサスペンス。主演のレオナルド・スバラーリャが病的にたばこを吸う、人生に疲れた男を好演しています。

愛犬を安楽死させるために用意したクッキーが、結末で意外な小道具になったりと、細かい部分を見逃さないようにしないともったいない作品です。そんなストーリーは、最後の最後にどんでん返しが複雑に絡んでいて、意外とおもしろい作品でした。ラスト30分は本当に瞬き禁止です。

「エンド・オブ・トンネル」予告篇


"Mr. Sandman" by The Chordettes 1954(USA)

女性4人のカルテットであるザ・コーデッツ(1946〜1961)の最初のヒット曲。メンバーは4人ですが、実際には入れ替わりがあったので正しくは7名だそうです。メンバーのうち唯一生存しているのは、キャロル・ブッシュマンさんのようです。

ちなみに、彼女たちといえば日本ではとくに1958年の「ロリポップ」が有名ですが、私はこの曲の方が好きです。とくに出だしの歌詞 "Mr. Sandman, bring me a dream" がいいですね〜。

でも、はじめて聞いた中学生の時は "Mr. Summer, bring me a dream" だと思っていました。とにかく、いかにも50年代といった雰囲気がいいですね。なにより、アカペラのグループとしてスタートしたザ・コーデッツの本領発揮的な曲ですね。

ところで、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のマーティが1955年にタイムスリップして町をさまようシーンで、ザ・フォーエイセズによるカバーが使われていました。このシーンではオリジナルよりもアクセントの強いこの方が雰囲気に合っていますね。

さすがの選曲です。ほんの一瞬ですが、レコード店のウインドウにはザ・コーデッツのLPジャケットも確認できます。ところでザ・フォーエイセズ版は2種類あるのですが、私は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で使われたバージョンが好きです。

Mr. Sandman - The Chordettes, 1954


The Four Aces - Mr Sandman (1954)



【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/お菓子研究家

先日、コロナ禍真っ最中の2021年に入って初のインタビューを受けました。もちろんオンラインですが、部屋の中を晒すのはさすがにグチャグチャなのでパス。

ということで、グリーンバックによる粗隠しをしたのはよかったのですが、ダミーの背景を設定するのを忘れてそのままインタビューは始まってしまいました。かなり間抜けですが、まっ、グリーンバックをめくった状態ではないことだけでもラッキーだったかもですね。

一応いつでも瞬時にグリーンバックで隠せるようにはしてありますが、そのために四六時中グリーンバックをポールに固定しているわけで、なんとなく暑っ苦しいのは我慢ですかね〜。思い出せば昨年の夏場は、エアコン使っていても地獄でした。

ところでカメラ目線というのが本当に難しいですね。モニターに付いているwebカメラを使う場合はまだいいのですが、一眼レフを使用してモニターと少し位置が離れていると、どうしてもモニターに映る相手の顔を見ながら話してしまいます。相手の方から見ると、私は下を向いて話している格好。なんとかしないとダメですね。

yoshinori@kaizu.com
http://www.kaizu.com

http://kaizu-blog.blogspot.com

https://www.facebook.com/yoshinori.kaizu

https://twitter.com/Yoshinori_Kaizu


編集部注:連載番号が誤っていたことが発覚しました。海津さんによる調査のおかげです。5163号で195は間違い、196が正しい。したがって今回が197になります。


━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集後記(02/19)

●偏屈BOOK案内:奥本大三郎「本と虫は家の邪魔 奥本大三郎対談集」青土社 2018
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4791771125/dgcrcom-22/


筆者はフランス文学者、エッセイスト、埼玉大学名誉教授、NPO日本アンリ・ファーブル会理事長、虫の詩人の館(ファーブル昆虫館)館長。昆虫関係の著書が山のようにある。

博覧強記の見本みたいな人で、養老孟司、茂木健一郎、ビートたけし、阿川佐和子、田辺聖子、長谷川眞理子、阿川弘之、北杜夫、山極寿一、アーサー・ビナード、鹿島茂、内田洋子らを相手に本と虫談義。

奥本によれば、センター試験が始まって以降、学生の学力がガタンと落ちてきた。言葉を書かせない、文章を作らせないから。答えを塗りつぶしてコンピュータ様が採点する問題で、英作文も国語の作文も出せない。

ありとあらゆる問題をねじまげ、ひっかけ問題、クイズ問題になっている。非常に断片的な知識だけが必要で、つまらないものだから、大学に入ったら全部忘れる。

ファーブルと同じフランス人が、実は虫音痴なのだ。アメリカ人もそうらしい。カブトムシとゴキブリの区別がつかない。フランス人にセミの鳴き声はどんなふうに聞こえるかと聞くと、「うるさいだけだ」と。

最初は質問の意味が分からず、ずーっと考えてから「そんなの言葉で表せない」と困っていたそうだ。欧州人は昆虫に関心がなく、そのぶん家畜のことなんかに詳しい。

奥本は自宅を壊して「ファーブル昆虫館」を建てた。日本には団塊の世代が強かった円を使って買い集めたり、採集してきた標本が、大型美麗種に限ると、大英博物館のコレクションを凌ぐほどある。

これから彼らが老化し、自宅で標本の管理ができなくなる。それを記念館で引き取ってあげようと考えたからだ。大抵のマニアは狭い家に住んでいて、もはや標本は女房こどもの怨嗟の的らしい。

昆虫館の建築中はそれら標本を倉庫に預けたのだが、3トントラック2台が三往復しても運びきれなかった。記念館のオープンは2006年3月。延々と訳し続けてきた「ファーブル昆虫記」の完訳版の第一回配本と同時であった。

本はその後、隔月で全10巻が出た。偉業である。ツッコミのうまい阿川との対談は、2004年の「週刊文春」9/16号。行動生態学者・長谷川眞理子との対談は、2002年の「穹no.7」から。学生が本を買わなくなったと両者が嘆く。いくら推薦しても買わない。読まない。

学生が「その本、レポートになるんですか」「宿題になるんですか」と聞く。奥本が「レポートにします」というと「先生、貸して下さい。コピーします」と言うんだからいい度胸してる。「教科書だって買わないんだから」と、長谷川は驚かない。

著書「博物学の巨人アンリ・ファーブル」(集英社新書/amazonで836円)を学生に買わせたら、「わーっ、こんな字ばかりの高い本買ったことはない」と騒がれ、殺意を覚えたという奥本。

「本なんて親の仇みたなものなんですね。新しい今どきのマンションは、きれいで片付いているでしょう。本はないし、虫なんかいたら大騒ぎでしょう。そういう時代になったんですよ。虫が出たらマンションの値段が下がりますよ。だから、本と虫は家の邪魔(笑)」。嗚呼……(柴田)


●マンション住み。ゴキブリを見たのは、引っ越してすぐの時だけで、その後10年経ったが一度も見ていない。生まれた時からここに住んでいる子たちは、いつ遭遇するんだろう。学校かな、飲食店かな。びっくりするだろうなぁ。

/airCloset続き。着回しコーデには、アクセサリーは載っているんだけど、それはレンタル外とか、それはまた別料金でのレンタルとか。服を貸して、小物を売るビジネス。

クリーニング代は? レンタルばかりで商品が売れなくなったら? でもairClosetは商売になっているんだよね。

新しい服を着てみたいと思っても、断捨離めんどくさいし、今の服って丈夫で、なかなかへたらないし、破れないしで捨てられない。場所も取るし、季節ごとのクリーニング代もかかる。だからフリマアプリが盛況なんだろうなぁ。人の手に渡ると思うと、使えるものを捨てる時の罪悪感がなくなる。

とかとか考えながら、airClosetはお店が近くにない地域に住む人には、とてもいいサービスなんだなぁと改めて思ったさ。(hammer.mule)

airCloset
https://www.air-closet.com

紹介コード「Wudsu」で3,500円OFF