[5201] 「オンライン授業発信基地」完成

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《 授業は対面1+オンライン2 》

■ネタを訪ねて三万歩(200)
 「オンライン授業発信基地」完成
 海津ヨシノリ
 



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■ネタを訪ねて三万歩[200]
「オンライン授業発信基地」完成

海津ヨシノリ
https://bn.dgcr.com/archives/20210402110100.html

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さて、今回は何をテーマにしようか〜と考えていたら、これが連載、いや駄文200回目でした。いつもお付き合いいただき、本当にありがとうございます。そして、これからもダラダラと続けていきたいと思います。

さて、3月の段階で、大学の授業はオンラインの可能性が極めて高いという情報を得ていたので、昨年度の環境をさらにパワーアップしました。

昨年度はWindowsマシンをメインに、一眼レフをWebカメラとし、コンデンサーマイクも設定して、授業を展開していました。もちろん、すべての授業でオンラインがバリバリ、ではありませんでした。

課題方式といって、課題の説明と、課題の提出の繰り返しみたいな授業の方が多かったのです。それでも、一定の割合でTeamsやZoom、Webexで対応はしていました。

今期は、さらにMacでも同一の環境を揃え、Windowsを使っているときに、後ろを向けばMac環境という狭い仕事部屋を、効率よく工夫した秘密基地的な「オンライン授業発信基地」を完成させました。

当然、一眼レフをWebカメラとして、コンデンサーマイクは追加設定です。一眼レフは複数台あるのでとくに困りませんが、今回はオートフォーカスレンズがなかったので、マニュアルレンズです。

ただし、私自身が動き回るわけではないので、大きな問題ではありません。問題は仕事部屋のカオス状態(断捨離できると楽ですが)を見せないことを最重要課題として、ほぼ全面にグリーンバック設定している点ですね。

正しくは、Windowsに向かった場合の、後ろと右側のL字型に設定。しかし、この影響で、正直好きな色だった緑が大嫌いになってきました。

ところで、昨年1.5×2mで買ったグリーバックが、2/3の価格で、しかも2×3mのサイズがゲットできてしまったのには驚きです。材質は悪くありません。過剰在庫で価格崩壊なのかもですね。

そういえば、昨年オンライン授業で、ボーッとしていて緑色のTシャツ着て透明人間になってしまったことがありました(^o^)。間抜けな体験です。でも笑いをとったという意味では、雰囲気が和んで結果オーライでした。

と、セッティングまではよかったのですが、Mac側の環境でトラブル発生。小型のオーディオ・インターフェイスを経由すると、コンデンサーマイクが機能しません。

マイクが不良品かと思い、手持ちの小型マイクでテストすると、これも無反応。マイクが壊れていないことは、ICレコーダーに直結して確証済みなので、オーディオ・インターフェイスに問題がありそうです。

実はこのオーディオ・インターフェイスは、Windowsで使う場合、プラグ類をインストールしなくてはならず、説明も不親切と評判がよくないのですが、私はMacで使おうとしているのでトラブルはないはず……。オーディオ関係でのこんなトラブルは初体験なので、かなり困惑してしまいました。

ちなみに、手持ちのギターは問題なく音が出ます。さらに深みにはまりそうなので、もっとも一般的な二股オーディオジャックに繋げてみると、ノイズのオンパレード。

やっぱりマイクが原因かと、Windows側で使用していたマイクを使っても、状況は同じで振り出しに戻る。ただし、この接続方法で小型マイクを使うと、クリアな音が拾えます。やっぱり、マイクロフォンのせいなのか……。

ちなみに、オーディオ・インターフェイスのコネクター部分は、ステレオ標準プラグ変換で、マイクロフォンなどはステレオミニプラグなので、変換プラグを利用しています。

結局、コネクター類を色々使っていることに問題があるのかもしれないと、類似品で信用度の高い国産品を買い直してみましたが、結果は変わりませんでした。

とりあえず、二股コネクターのUSB接続アダプターを新たに購入して、マイクは使えるようになったのですが、Macではマイクの入力をシステム環境設定で最大にしても、口をつけるぐらい近づかないと音が拾えません。

マイクアンプを買わないとダメかもですね〜と、ガッカリしてしまいました。ちなみにWindowsではライブプロダクションスイッチャーですが、同じことをすると音が大きすぎて60%ぐらいでちょうどいい感じでした。

なにせ使っていなかった私が悪いのですが、購入して8か月も経過しています。届くのが遅かったので、代替え処置でそのまま8か月経ってしまった、というのが言い訳です。

一応ダメ元で販売店に問い合わせしたところ、とても丁寧に対応していただき、以下のことが分かりました。

・コンデンサーマイクでないと使えない(最初からクリア)
・プラグインパワーマイクは非対応(知らなかった)
・XLRケーブルで接続(標準プラグにも対応している構造なので、気がつかなかった。でもなんで?)

その他、今回の件であらためて以下のことを学びました。

・ミニプラグはモノラル、3極、4極が2種類、そして5極の計5種類ある。
・マイクにはダイレクトマイクというモノがある。
・ギターのプラグってモノラルだった。

で、XLRケーブルをゲットして接続したら、あっけなく問題はクリアしてしまいました。いや〜疲れましたが、とてもよい勉強になりました。販売店の方の親切な対応には、本当に感謝です。

ということで、オンライン授業2年目に突入です。もっともすべての大学が完全オンライン授業というわけではなく、一部の大学ではクラスを半分または1/3に分け、分割数ごとに通学し、授業はすべて対面授業と遠隔授業を組み合わせた形式で行っています。

これは教員側も学生側も負担増で、ストレスたまります。たとえば、1/3に分けた場合、15回の授業のうち5回だけ通学し、残りはオンライン授業です。

対面授業を行っているという方便だけのような気もしますが、とりあえず大学の指示に従うのみです。問題は授業内容をどう整理するかですが、本当に頭が痛くなります。

昨年度の秋学期に一部の大学でこれを行なった際、登校が強制ではなかったので、学生は誰も登校せずに私はひとり教室で待機という、間抜けな展開を味わいました。

もう勘弁してほしいものです。教員側は確実に2倍の労力が必要になります。シラバス内容の変更と同時に、授業構成を根本的に変更しなくてはなりません。

なんとなく耳に入った噂話の類いですが、PCに不慣れな先生方が一番困惑されているのだとか。メールも使えない方がいるそうです。

いまどき、大学の研究者であれば(そうではなくても)PCぐらいもっていて当たり前ですからね。持っていなくてキレた先生が、いたとかいないとか。正直、どこまでが本当の話なのか分かりませんし、盛っているのかもしれませんが、ちょっと笑えない話ですね。

■えこひいきミュージックと映画

〈 "Mr. Holland's Opus" on Directed by Stephen Robert Herek in 1995/USA 〉

日本での公開は1996年。邦題は「陽の当たる教室」ですが、直訳して「ホランド先生の作品」の方がしっくりきます。

生活のために高校の音楽教師となったものの、作曲家になる夢を諦められずにいる、主人公のホランド。

彼は音楽家よりも下に見ていた音楽教師となり、そこで出会った学生たちや先天性の聴覚障害である息子との関わりの中で、少しずつ教師という仕事に誇りを持つようになる。

時は流れ、公立高校への予算カットが政府から命じられ、多くの人に惜しまれる中、ホランドは30年という音楽教師生活を定年退職するのだが……。ラストは号泣コースですね。

ホランド役は「グッバイガール」でアカデミー主演男優賞を受賞した、リチャード・ドレイファスが演じています。実はこの作品でも、アカデミー主演男優賞にノミネートされていました。若い世代の方にはとくに観てほしい作品です。

YouTubeに、「日曜洋画劇場」で作品を語る淀川長治さんの映像がありました。夢を求めるのも正しい選択、しかし、与えられたチャンスをクリアしたときに、本当に自分が求めていた夢があった、なんてことが現実社会のような気がします。

Mr. Holland's Opus(1996)Official Trailer


日曜洋画劇場 / 陽のあたる教室


〈 Sugar, Sugar" by The Archies 1969(USA) 〉

1968年にCBSで放送開始したアニメ「アーチーでなくちゃ!(The Archie Show)」に登場する、架空バンドの演奏する曲。後述する「スターズ・オン45」でのイメージが強いのですが、架空バンドだったとは知りませんでした。でも、おもしろいですね。

1981年にオランダで企画された、有名アーティストの曲をそっくりの声質の歌手が歌う「スターズ・オン45」のビートルズ版でも使われていますね。他にもABBA、スティーヴィー・ワンダー、ローリング・ストーンズ版などがありましたが、私は入手していませんでした。

The Archies - Sugar, Sugar (Original 1969 Music Video)


スターズ・オン ショッキング・ビートルズ 45 1981 / Stars On 45

48秒あたりから1分28秒まで流れます。


【海津ヨシノリ】
グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/お菓子研究家

Mac miniやiPhone12 miniのmini兄弟を購入したので、Apple TVが一年間無料ですよ〜、手続き期限が迫っていますよ〜、という案内が頻繁に届くようになっていました。

一年間無料はおいしい話だと少し思案したのですが、多分使わない……いや、そんなヒマないし〜で、権利を放棄しました。Disney+やTSUTAYA DISCASもやってるし、Amazon Primeの権利もあるし……。

もちろん、Appleオリジナルは魅力があるげど、やっぱり視聴する時間を短くすることは出来ないですからね。今だって、ヒイヒイいいながら視聴しているぐらいですから。

なにせ、時間が捻出できなくて、まだAmazon Primeで映画観たことないくらいですから。そういえば、TSUTAYA DISCASはそろそろ潮時かな? とは思っているのですが、最新作が借りられるのはやぱり魅力です。まっ、観るのはもっぱら欧米、ロシア、台湾の映画です。邦画はほとんど観ないです。最後に観たのは「シン・ゴジラ」(2016)かな。

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編集後記(04/02)

●偏屈BOOK案内:青柳武彦「マッカーサーの呪い 永久革命の種 今なおアメリカの罠に嵌まったままの日本」ハート出版 2017
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4802400497/dgcrcom-22/


マッカーサーは非常に頭脳明晰だったが、毀誉褒貶の激しい傲慢な人物でもあった。上司の軍上層部や大統領に対してさえ、忠誠心を持つことはなかった。そのため、マッカーサーに対する歴代大統領や軍上層部の人物評は芳しいものではなかった。

ルーズベルト(第32代大統領)は、「マッカーサーは使うべきではあったが、信頼すべきではなかった」とまで言った。マッカーサーが政治への野心を抱いているのを見抜き、「ダグラス、君は最高の将軍だが、政治家になったら我が国最悪の政治家になると思うよ」と釘を刺したという。

トルーマン(第33代大統領)の評価はもっと辛辣で、1945年にまだ会ったこともないマッカーサーを「あのうぬぼれ屋を、あのような地位につけておかなければならないとは! なぜルーズベルトはマッカーサーを、みすみす救国のヒーローに仕立て上げたのか、私にはわからない」とまで言っている。

朝鮮戦争においてマッカーサーの後任として国連軍を率いたリッジウェイ中将も、「自分がやったことでないことで名誉をうけたがる、明らかに自分の誤りに対しても責任を否認する、強情で論理的な思考を無視して何かに固執する」などと、マッカーサーを散々こきおろしている。

もちろん、高い評価や称賛の声もあったが、マッカーサーは部下と手柄を分かち合おうという意識はなかった。後に大統領になったアイゼンハワー(第34代大統領)は、マッカーサーに7年間も副官として仕えた経験があり、「マッカーサーは下に仕える者として働き甲斐のある人物である」と一応は能力を認めた。

しかし、1938年にマッカーサーが独断でフィリピン軍による大規模なマニラ軍事パレードを計画したことが、ケソン比大統領の怒りを買った折りに、マッカーサーはアイゼンハワーら副官に責任転嫁したので、アイゼンハワーは怒り狂った。

この事件を機にして「決して再び、我々はこれまでと同じ温かい、心からの友人関係にはならなかった」と回想している。

日米戦争の終戦直前、米国主導の連合国は本土侵攻による壊滅作戦を検討していた。この作戦の本質は、連合国による「日本民族ホロコースト」作戦に他ならない。

連合国が単に大戦を勝利で終了することを目的としたのであれば、日本に降伏を勧告しさえすればよかった。すでに日本がそれを模索中であることを、彼らは十分に知っていた。しかしトルーマン大統領は、原爆の威力を世界に、特にソ連に見せつける前に日本に降伏してもらいたくなかった。

既に勝敗の目処がついているのだから、これ以上のリスクと犠牲が大きい大規模の作戦は不要であると、統合参謀本部、海軍作戦本部、陸軍作戦本部の元帥たちは「日本本土上陸壊滅作戦」に反対した。

しかし、米陸軍のマッカーサー元帥らは、執拗に本土侵攻による日本壊滅を主張した。マッカーサーは、日本人を皆殺しにしてでも、再び立ち上がることができないように日本を徹底的に全滅させる、つまり「日本民族ホロコースト」を実行すべきとを主張したのだ。

終戦前月の1945年7月、連合国側は既にレイムダック状態の日本に対して、国際法違反の原爆投下をして、20万人もの非戦闘員の命を奪う必要はまったくなかった。そこで、原爆の威力を国際的に(特にソ連に)知らしめることが、最大の目標になったのだ。

トルーマンがあえて和平の早期実現を行わなかったのは、米国が原爆を使用して日本占領後のソ連に対する優越性を確保するまでは、日本に降伏してもらいたくなかったからに他ならない。トルーマンもルーズベルトに負けず劣らずの、人命を軽視した(人種偏見がある)大虐殺者であったのだ。(柴田)


●いつも記事ありがとうございます!! 海津さんオススメの映画で、タイトルすら知らなかったのを見たことがあります。泣きました。

/「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」続き。以前とあるイベントで、とある男性政治家さんと男性漫画家さんがトークされて、収拾つかなくなってきたところで、司会の女性若手政治家さんが、バッサーーーーッ、と忖度なしに切り替えてしまったことがあった。

シリアスな話、お互いの思いを話し、あまり噛み合ってない状況であった。グダつきはじめ、時間内に終わらないと思っただろう彼女は、それまでの話を拾わず、「じゃ、ま、次行きましょう、次、時間もないことですし」的な感じで見事にバッサーーーッ。

私ならオドオドして、先生方の機嫌を損ねてはとか、どういう割り込み方をしたらいいだろうとか考えているうちに、グダグダになって、見かねた別の人が割り込む事態になったかもしれない。

国会でも長い前置きすっ飛ばして、要点だけ話してもらい、バッサーーーッと切り替えてくれる人がいたらいいのに。「はい、では誰々さんは、それについてどう思います?」というテレビ番組の司会者みたいな。

何が言いたいかといいますと、会議の長さは、司会者の力量も関係するのではと。彼女のサッパリした切り替えは後を引かず、先生方はすんなり次の話題にうつってはりました。(hammer.mule)