音喰らう脳髄[27]葉桜の下で歌を思う。/モモヨ

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週末、紀伊半島の根元で震度5以上の地震があった。先日の能登の直後ということもあり、天候も荒れ気味なので、なんとも言えない嫌な気分である。その上、本日の東京はこぬか雨が一日降っている。うつうつである。

昨日は暖かかったのに今日は少し肌寒い。このところの天候不順はかなりきつい。寒暖というのも仏説によれば分別がその種子だという。つまり、名づけることによって不二であったはずの存在が二に分かれる。それを繰り返した果てに、私たちの世界に寒暖という言葉が起こるというのである。前回に続いて言うなら、まさに名は呪術という淵源がここにあろう。

話の元は『おふくろさん』騒動に関する思いであった。私はいま過去の作品の集大成、個人全集を編集中だが、それもあって、詩の本然については繰り返し立ち戻る日が続いている。当然、私の中で『おふくろさん』騒動は生成発展を続けて、桜散り葉桜が雨に打たれる今日になって冒頭に書いた仏説に近いあたりをうろうろしているのである。そして、少年期の私をさぐる旅の過程で、歌詞カードの端に書かれたこんな言葉を発見した。


「音楽においては、なぜ演奏者と作曲家、盗人と盗まれた人とを、おしなべて芸術家と呼ぶのだろう」

というエピグラムである。いや、十代の私がこんな不遜な言葉を吐いていたわけではない。これはルネ・ギィ・カドゥというフランスのマイナーポエットの言葉だ。1951年に31歳で死亡している。十代の私は、この詩人が遺した試論やノートの類をよく手にしていた。どういう理由で書きとったものかは定かではないが、数十年前の私は、このエピグラムにそうとうショックを受けたようである。

いまの私は、この言葉を『おふくろさん』騒動のもとで眺めている。当然、言葉の意味するところは本来のものより具体的であり、直接的に現実を弾劾しているとさえ思えもする。といって、そこまで深刻に『おふくろさん』関係の軋轢を眺めることもなかろう、そう言われるかもしれないが、私は最近思うところがあるのである。

作詞者が原曲をどう考えて作ったものかは、私の想像の域をでない。しかし、かの人物のここ数年を眺めれば、彼がどのような思いで人生を生き、詩や物語を書いてきたものか、判然と見えてくる。その老齢の期に及んで彼は自己の作品を白鳥の歌とすべく世の中の享受のされかたに異議を唱えた。

その果てが今回の騒動であれば、本人、どうにもやりきれぬのではないか、そう思うのだ。かの人物は全ての作品を法=仏のもとに帰納したかったのではないか、そう思うのだ。

四月、桜が散るのも無常であるが、新緑が芽吹くのもまた無常である。その葉桜の元で歌の本然を繰り返し思う私である。

Momoyo The LIZARD
管原保雄
< http://www.babylonic.com/ >


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曲名リスト
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  3. リザード/浅草六区 -SINGLE VERSION-
  4. 一風堂/ブレイクアウト・ジェネレーション(狂育世代)-SINGLE VERSION-
  5. 81/2/踊れない
  6. ゲルニカ/戒厳令-DEMO VERSION-
  7. ヒカシュー/プヨプヨ -LIVE VERSION-
  8. ジューシィ・フルーツ/ジェニーは御機嫌ななめ
  9. ムーンライダーズ/彼女について知っているニ・三の事柄
  10. ビジネス/うわきわきわき
  11. WONDER CITY ORCHESTRA/HIGHWAY CRACKER
  12. GATE BALL/THE MODEL
  13. Shampoo/Tonight
  14. Mio Fou/ミラノの奇蹟
  15. portable rock/アイドル -DEMO VERSION-
  16. MUSCLE BEAT/Bed-Room Queen
  17. HERE IS EDEN/金属バットとスペースシャトルの唄
  18. 有頂天/べにくじら
  19. GROOPY/かさをさしてライトで照らして
  20. DIE OWAN/さびた組曲
  21. 原マスミ/トラキアの女
  22. EP-4/5・21

by G-Tools , 2007/04/17