音喰らう脳髄[103]彼らはネットを恐れている
── モモヨ ──

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先週、少しだけふれたエジプトの騒乱。その騒乱の発火点は去年12月のチュニジアのデモだった。チュニジアでは本年1月ベンアリ大統領が国外脱出し、エジプトではこの11日、ムバラク大統領が辞任。この結果をうけて騒乱の火は北アフリカから中東全体に拡大しつつある。

実は、発火元のチュニジアでの騒動は、一度、決着をみたと思われたが、いまなお収まっていない。

報道によると、20日、暫定政府の退陣を求める3万人規模のデモが行われ、首相府周辺では、治安部隊が空にむけて警告射撃を行なったとのことだ。

このチュニジアでの政変は当初『ジャスミン革命』と呼ばれた。

西側諸国では、『ジャスミン革命』以降の一連の流れを、急速に発達したネットの影響と分析し無血革命のごとく喧伝されているが、実際には相当数の血が流れ、無数の命が失われている。このことは、忘れてはならない。

ちなみに、『ジャスミン』の余波をうけたリビアでは、20日、反体制派と治安部隊が衝突し、200人を超える死者が出ているという情報もある。

リビアでは19日からはインターネットも遮断され、当局による情報統制が強められているため確認はできていないものの、そうとうに血なまぐさい状況であることは確かだ。

『ジャスミン』の影響は北アフリカ・中東にとどまらない。

お隣、中国でも、ネット上で、共産党一党独裁に反対する集会やデモの開催を促す呼びかけが行われたため、活動家ら1000人以上が当局に連行されたり外出制限をうけたという。また、これをきっかけにして当局はネット監視を強化するという。

いずれ報道による情報以上のソースは持たぬが、権力者達がネットを恐れているのは確かなようだ。

Momoyo The LIZARD 管原保雄
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