うちゅうじん通信[30]うちゅう人は予言好き/高橋里季

投稿:  著者:  読了時間:5分(本文:約2,200文字)


こんにちは。イラストレーターの高橋里季です。気持ちの良い季節になりましたね。

ニュートン・コード先日、テレビで特集番組になっていた「ニュートン・コード」。つい、(塚原一成著/角川学芸出版)を買ってしまいました。しまいましたというのは、同じような内容の「ニュートンの予言」(中見利男著/日本文芸社)を昨年、読んだからです。

ニュートンの予言―2060年、世界は滅亡する内容としては、最近になって見つかったニュートンの直筆文書から、科学者ニュートンが、秘密裏に錬金術師としての研究に精通していて、聖書研究などから、「2060年に世界は滅亡する」と予言する手記を残しているという話です。



この二冊は、映画になったダヴィンチ・コードのような、物語り仕立てのミステリーにはなっていないところが好きです。二冊とも、ジャーナリストがニュートンをめぐる「秘密文書」について調べる過程をドキュメンタリーで報告する感じの本です。

物語り仕立てになっていない分、ニュートンの直筆文書にまつわる史実などが、たくさん書いてあります。聖書(ダニエル書、エゼキエル書、ヨハネの黙示録など)からの幻想的で美しい引用や、ユダヤ教、キリスト教、フリーメーソンの歴史とか。「ニュートンの予言」の方は、アルブレヒト・デューラーの絵が載っていたり、ニュートン直筆文書は、カラーで大きく載っていて、嬉しかったです。

それで、科学者ニュートンは、ハレー彗星が、2060年に太陽にぶつかって、太陽のフレアで地球が打撃を受けるって予言しているの……というのは、本を謎解きとして楽しみたい読者には、内緒にしておいたほうがいいかも? だけど、もうテレビでやってたし、ニュートンが彗星の軌道を親友のハレーと一緒に考えたりしていることと、聖書の予言が結びついているところがワクワクするので、もう、書いてもいいかな? と思って。

知らなかったわ。最近では、1989年、直系800メートルの小惑星が地球にぶつかりそうになっていて、ぎりぎり通り過ぎて行ったんだけど、この通過があと6時間遅かったら、地球に激突するという滅亡の危機があったんですって。などなど、科学でなんとか回避できるの? っていうような危機は、21世紀にも思ったよりずっと多くて深刻。温暖化もそのひとつだし、新種のウィルスとか、いろんな「危ない心配事」があるらしい。

テレビでは、ニュートンの予言が実現するとして、太陽のフレアから地球を守るには、10万発の核ミサイルが必要だと学者さんが説明していたり、私の大好きな「宇宙に行くエレベーター」の話も紹介されたりして、私は、「いいぞ!科学!」とか、子供のようにワクワクするのでした。

書店でサイエンスの新書の本棚の前に行くと、「これ、全部読みたいなー。」と思う。DNAとか脳とか宗教とか歴史とか宇宙の不思議とか。だけど、自分なりの読書の仕方というのは、ある意味、人生に関わる問題なので、つまり、そうゆうの読むだけで人生の時間をほとんど使っちゃっていいのかということなんだけど、私としては、我慢する方向を選択。創り手、クリエイターとしての時間の使い方をいつも考えています。専門家になろうとすると、やるべきことがどんどん見えてきて、時間は本当に足りない感じ。

そういう「クリエイター」の時間の使い方のコツで、たとえばイラストレーターになりたい人は、「何を描くべきか」で迷っているヒマはないということが、大切だと思います。アレを描こうか、それともコレか。アレは一般ウケしそうだけど、自分としてはコレが好きだとか思う時には、とりあえずアレを20枚、コレを20枚描いてから、どっちがプロとして勝負できるか、という比べ方をするのが、正解のような気がします。

それで、客観的に、アレが52点、コレが48点だったら、(迷う時というのは、どっちも大差ない場合が多いような気がするの)私だったら、自分の志向や好みなど、頭で考えたことよりも手が出した結果を信じる。「アレで勝負しろ!」って、無意識が言ってる。客観的に、頭を使ってみたり、体感としての手を信じたり、スイッチを上手に切り替えながら、止まらないのが一番重要かな。って、いつも思っています。途中で、誰かに何かを頼まれて描く時は、「神様のお導きかもしれない。」とチャンスを最大限活かすようなつもりで描きます。

ニュートンの人柄を本で読むかぎりでは、研究室に籠ってほかのことは一切おかまいなしの人。私も、一週間、誰とも口をきかなくてもわりと平気な方なので、ニュートンはいいなぁと憧れて、読書中は「もう、ずっと好きな本を読んで暮らすんだわ。」と本気で思っている私。

おもいっきりリラックスして本を読み終えると、あ、名刺の整理しなくちゃ、とか我に帰る。気持ちの良い季節なので、いちにち上野公園を散歩して洋食屋さんで食事してと思いつつ、きっと季節が変わる。毎年そうなの。でも、ニュートンの2060年予言の本を2冊も読んだんだから、読書の秋は、満足です。

【たかはし・りき】イラストレーター。riki@tc4.so-net.ne.jp
・高橋里季ホームページ
< http://www007.upp.so-net.ne.jp/RIKI/ >

photo
ニュートン・コード
塚原 一成
角川グループパブリッシング 2008-05-17
おすすめ平均 star
star大変面白く読みました
star科学者の予言
star読まずに死ねるか!
star久々ヒットでした!
star興味深く読ませていただきました!

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by G-Tools , 2008/10/03