エンドユーザー大変記[14]私の制作活動 しょの1 コンピレーション
── ジョニー・タカ ──

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Galaxy Nexusの発売日が決まるまで何も動けないのがもどかしい。今回は、旧テキストの焼き直しでご容赦いただきたい。一部は自分で展開しているブログの加筆であることをご了承ください。しかも今回は脱線が多い。

今回は、私が展開している"創作活動"のことについて書きたい。"コンピレーション"ともう一つは"イメージレスポンス"である。まずは"コンピレーション"から。
元原稿:< http://music.ap.teacup.com/cafedejohnny/3.html
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誰でも"マイ・ベスト......"というのがあるはずだ。"落ち込んだ時に聴く曲"、"テンションを上げたい時に聴く曲"などを選定し、iTunesとiPodに落とし込んで聴くことがあると思う。

私は単純にそれを"アニメ・ゲーム・マンガのキャラ"にした。理由は簡単で、「それまで誰もやってないから」。下敷きにしていたのはムソルグスキーの「展覧会の絵」である。10枚の絵を見た上で音楽を作る。これを単純に"キャラクター"にしただけである。ギターは弾けても曲を作る才能はゼロに等しいが、選曲ならどうだろう、ということでやってみたのである。

もうひとつは、ゲームを進めている時に、流れているBGMは素晴らしいが、それだけでは面白くない、もっと感情移入できないかと別の音楽を流してゲームを進めると、さらに深みが増すことが分かったからだ。何となく、雰囲気に合わないなぁ、と思うことがあるかもしれない。その違和感を取り除けないか、と思ったからだ。

その機運になったのが橋本徹さん(誤字に非ず。カフェ・アプレミディ代表。元タワーレコード渋谷店店長)の『FREESOUL』であった。
< http://www.apres-midi.biz/
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『FREESOUL』はコンセプトを決めてレーベル毎に選曲するスタイルだった。これを橋本さんが『FREESOUL』を展開していた95年当時、ピチカート・ファイヴ、小沢健二、サニーデイ・サービスを中心としたはっぴいえんどを始めとする日本語ロックの復権時期であり、元ネタになったアトランティックやライノ中心のメロウ・ソウルも見直されていた。それを橋本さんは"カフェでゆったり聴きたい曲"というコンセプトで選曲したものである。これに触発された。

元々それをやっていて、しかも"選曲家"という職業にしてしまった人がいる。桑原茂一さんだ。私は当然、スネークマンショーをリアルタイムで聴いた世代ではない。というか生まれたばかりだった。ただ、再発されたCDを聴くと、ものすごいシュールなギャグの中に、ツボを押さえ込んだ選曲をする桑原さんは凄いなーと思ったのである。それの代表がこの『アンソロジー!!!』。
< http://www.amazon.co.jp/dp/B0000W3OX8
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私の中でも、これを手に入れたのはブラック・ミュージックを相当聴き込んでいた時期なので、危険過ぎるギャグの中に入れ込む桑原さんは凄いな、と思ったのである。だが、このコンピレーションを展開してなかったら、自分のネット人生も変わっていたかもしれず、こうやってデジクリで稿を書かせて頂けることもなかったと思う。

たまたま展開を始めたのが『トゥルーラブストーリー』というゲームだった。恋愛シミュレーションという触れ込みだが、"下校会話"という、それまでのフラグでしかなかった要素をあえて詰め込んだゲームだ。"会話"という部分は今でも変わっていない。諸事情あって現状では中古ショップを探していただくしかないが...。
< http://www.enterbrain.co.jp/game_site/tls/
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そのクラスタに仕事でMacを使っていたり音楽好きな方がいたことで、そういった方々がメンターとならなければこの後どうなっていたかも分からなかった。そして、私が13年にわたって展開していることが浸透しているか、といえばなんとなくそう感じる。iTunesの中で「iTunesMix」というのがあり、pingを使用しているユーザーが聴いているプレイリストや音楽を、共有できたり購入することができる。

このpingはジョブズ最晩年の失敗作の一つに上がるが、基本的にstoreで販売している曲しか上がらないのと、リッピングした曲をMixに上げた場合まったく違う結果が表示されるのだ(同時に、日本の音楽業界の、何たるガラパゴスっぷりというのも思い知った。ピーター・バラカンさんが『BARAKAN MORNING』で常に憤っているのが分かる。関東の方のみで申し訳ないです)。
< http://www.interfm.co.jp/barakan/
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おそらくLast.fmに対抗した形にしたかったのかもしれないが、手間がかかるし動作が重い分Last.fmの方が正確だった。

そして『ハヤテのごとく!』と『神のみぞ知るセカイ』では、原作者本人が選んだ曲をキャラクターに歌わせている。結局、時間がかかるが、自分のやってきたことが間違いではなかったことが、今になって証明されているのだろう。

そこに自分の名前が上がる必要は、これっぽっちも思っていない。スピリットやエッセンスがあれば、と思っている。自分は、ライフワークとして、どんどん先に行かないといけない。今度の『フォトカノ』でどこまで出来るか。納得したものを作れるか。"見えない相手"との永遠の闘いである。負ける訳にはいかない。

【ジョニー・タカ】johnnytaka32(a)gmail.com
1976年、横浜・関内で生まれ、上州と越後の風を受けて育ち、来世でもFUNKを踊り続けるフリーランサー。ヴァーチャル・キャラクターに曲を付けて選曲を展開する"コンピレーション"を1998年から行っている。2011年は発売未定になったPSPソフト『フォトカノ』のコンピレーションを展開予定(と言っても勝手にやってるだけです。それを続けて今年で13年目)。PS3でも『THE IDOLM@STER2』が発売されたので、そちらの選曲作業も始めてます。
< http://music.ap.teacup.com/cafedejohnny/
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(日常ブログ)< http://ameblo.jp/johnnytaka/
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○知っておきたいASEAN事情(5):緊急寄稿:洪水被害のタイ・バンコクのいまとこれから(@IT MONOist)
< http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1111/02/news060.html
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クリーンルームから入れ替えとなると価格の安定は長期になるな...。というより、今までがおかしかったのかもしれない。2TBが6,000円なんて、工業製品がこの値段? 私が自作を組んだ時は、seagateのHDDが120GBで25,000円だったもんなぁ...。

○初音ミクフィギュアの金型をポリゴンデータから作る(@IT MONOist)
< http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1111/04/news008.html
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頼む方も頼む方だが、作る方も作るほうだ(良い意味で)。改めて、日本の"ものづくり"の凄さ、というしかない。3Dモデリングにしろボカロにしろ。

○アドビのモバイル「Flash」開発中止とS・ジョブズ氏─2010年の公開書簡を振り返る(CNET Japan)
< http://japan.cnet.com/news/commentary/35010367/
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○Adobe、モバイル向けFlash Playerの提供中止を発表(ITmedia)
< http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1111/10/news025.html
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結局、アドビがあのオヤヂの頑固ぶりに折れたのかどうか分からない。だけれども、製作者にHTML5へのパラダイム・シフトを願っているのかもしれない。結局、末端で見るのは我々なので、web制作に当たる方は底辺を考えて欲しい、まずはそこを考えていただきたい、それを感じた。

○TPP交渉へ─何もかも、これからだ(asahi.com)
< http://www.asahi.com/paper/editorial20111112.html
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TPP参加については反対意見も多いようだが、今は復興優先だが後々参加すべきだ、と私は思っている。今くすぶっている世代は、拾ってくれるなら海外で仕事をしたいと思っている人が多い。私も大学時代に、「日本は今にボーダレスな時代が来る」と教わった世代だが、結局はそれ以上に閉塞的だった。だからこそ、大王製紙や、オリンパスの様な"異様な"ことが罷り通るのだ。

震災や9月の台風でノマドワーキングが重要視されている中、くすぶっている世代が海外で仕事してても文句言わない世界にしたい。サッカーで、長友・本田・長谷部、そして野球ではイチロー・斎藤隆・建山・上原が世界で活躍している。それを見ている世代がくすぶっていない方がおかしい。もっと開かれるべきだ。政治学に入った当初、「政治的な自分の考えは、一切表に出すな」と教えられたのだが...いまはものを言わざるを得ない。