[3330] 『こんな撮り方もあったんだ! アイディア写真術』刊行

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《一番変わったのはジャイ子だった》

■デジアナ逆十字固め...[127]
 『こんな撮り方もあったんだ! アイディア写真術』刊行
 上原ゼンジ

■ショート・ストーリーのKUNI[124]
 なあブンブン
 ヤマシタクニコ

■ドラえもん占星術[11]ジャイ子の星座&特徴
 ドラえもんが現れて ジャイ子! 華麗に変身!
 Ririco




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■デジアナ逆十字固め...[127]
『こんな撮り方もあったんだ! アイディア写真術』刊行

上原ゼンジ
< https://bn.dgcr.com/archives/20120913140300.html
>
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新しい本が出た。『こんな撮り方もあったんだ! アイディア写真術』というタイトルで、デジカメWatchに書かせていただいた原稿を大幅加筆訂正し、撮りおろしの写真などもたくさん入れて構成した本だ。内容は、宙玉、太陽画、ブレ写真、万華鏡写真、トイ蛇腹、水玉・泡玉など。多くの作例を交え、撮影の方法などを紹介している。

今までの本というのは、わりと読者のニーズなども考えながら構成していたのだが、今回のは私の趣味が前面にでており、ここ何年か私が最近取り組んできたことの集大成的なものになっている。

元はと言えば、日刊デジタルクリエイターズの連載用に思いついたネタだった。「手作りのレンズを作ったらどうだろう?」という発想から連載を始めたが、一週間ごとに締切がやってくるため、必死でネタを考えなければならなかった。それがどんどん広がって、宙玉レンズや手ブレ増幅装置へとつながったというわけだ。

一番始めの工作は、紙筒の先に100円ショップで買った双眼鏡のレンズをくっつけ、フタのスライドによりピント合わせをするというものだった。金属を加工したりするスキルがなかったのと、なるべく簡単な工作にして、いろんな人に楽しんでもらいたいと思ったからだ。そんな工作を6年もやっていたらどんどん工具も増えてゆき、この間はついにボール盤まで買っちゃいました。

ボール盤というのは、電動ドリルとそれを支える台が一体化したもので、垂直に穴をあけることができる装置のこと。なんでこんな大袈裟なものを買ったのかというと、宙玉レンズ用にガラスのフィルターに穴をあけるためだ。最初にフィルターに穴をあけた時は専門家に依頼した。でも、やはり自分でできた方が便利なので、穴をあけるための試行錯誤を始めた。

でもねえ、うまくできるようになるまでに10枚ぐらいフィルター割っちゃいましたよ。最初は普通の電動ドリルにガラス用の刃を付けてグリグリと削っていたのだが、穴をあけているうちに微妙に動いてしまい、穴はあいても中心にならないのだ。

こんな作業には、刃も穴をあける物も固定できるボール盤が向いていると知ったのだが、値段が高いしけっこうゴツい。しょっちゅう使うものでもないから、使ったあとの置き場にも困ってしまう。

そんな時に私が出会ったのは、REXONの小型ボール盤DP2250Rでした。本体寸法はW180×D275×H410mm。想像してみてください、幅が18センチしかないんですよ。小さいでしょ。しかもお値段ナント11,500円。これは買うっきゃないでしょ。早速カミさんに内緒でポチりました。しかしいくら小さいとはいえ、これを使うとかなりの騒音が出るので、すぐにバレちゃったけど。

◇これがそのボール盤
< http://www.japan-hobby-tool.com/cart/syouhin.php?cat=00000052&no=00003104
>

●いつもとは違う体制で編集

単行本の制作というのは、通常は編集さんと二人でチマチマやるんだけど、今回は少し規模が大きかった、最初の打ち合わせは編集2名、デザイナー2名、そして私という5人で行った。その後もメーリングリストを作って互いに意見を交換しながら、構成やタイトル、表紙デザインなんかを決めていったのでなかなか面白かった。ただ、デザイナーさんには著者まで直接意見を言ってくるので、ちょっと負担だったかもしれないけど......。

いつものやり方だと、デザインのフォーマットを貰って、こちらでInDesignに組んだものを渡し、デザイナーさんにブラッシュアップしてもらうというような段取りなのだが、今回はドサッと写真やテキストを編集さんに渡して「好きにして」という方式をとった。

自分であんまりやり過ぎると、考えが限定されてしまって面白くないからだ。やはりチームで作業をするのなら、違った面白いアイディアをどんどん取り入れていきたい。

そういう意味では編集者、デザイナーの手間のかかった本になったと思う。そして自分で出来上がった本を見ていて思ったんだけど、「オレって相当しつこい人間だよな」ということだ。きれいなレイアウトでオブラートにくるんでは貰っているけど、粘着的な部分が滲み出しているように思う。森山大道さんからは「病気」と言われたけど、こういう部分のことなのだろうか。

●本の中身を全ページ見せます!

今回は本の中身をパラパラと見てもらうために、全ページが収録された動画を作ってみた。InDesignから見開きのPDFに書きだしたものを、Photoshopのバッチ処理でリサイズなどの処理をしてJPEG化。iMovieに読み込んで、それぞれの写真の秒数を設定した。最初は文字が見えすぎで全ページ無料配布になりそうだったので、解像度を落としてYouTubeにアップしてみた。

本の中身を見せるというのはあるけど、新刊で全ページというのはないんじゃない?(ありますか?)なんでこんなことをやろうと思ったかと言うと、本をパラパラやってみれば、興味を持ってくれる人も増えると思ったからだ。

Amazonなんかでも、「なか見!検索」はあるけど、私自身はあまり利用していない。それよりもYouTubeにアップしておいた方が、人目に触れる機会も増えるんじゃないかという計算だ。

まあ中身を見せると言っても、0.3秒でページが切り替わっちゃうんですよ。本当に次々ページが変わるので、なんとなくは分かるけど、よくは分からない。「なんかよく分からないけど面白そうだから買っちゃえー!」という人がいっぱい増えてくれるというのが狙いなんだけど、さて効果はあるかな。

・YouTubeにアップした動画
<
>

・インプレスジャパンでは目次なども掲載されてます
< http://www.impressjapan.jp/books/3273
>

【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com
< http://twitter.com/Zenji_Uehara
>
上原ゼンジのWEBサイト
< http://www.zenji.info/
>
Soratama - 宙玉レンズの専門サイト
< http://www.soratama.org/
>
上原ゼンジ写真実験室のFacebookページ
< https://www.facebook.com/zenlabo
>

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■ショート・ストーリーのKUNI[124]
なあブンブン

ヤマシタクニコ
< https://bn.dgcr.com/archives/20120913140200.html
>
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ある日あるとき、ジョンは考えた。おれの女房は浮気をしている。

ジョンはだいたいが直感で行動する人間で、理屈は後からついてくる、もしくはいつまでたってもついてこない人間だが、とりあえずは自分の直感を信じる。おれの女房は浮気をしている。

考えれば考えるほど、というか繰り返すほどにそれはまちがいないことに思えた。おれの女房は浮気をしている。けしからん! それは、だれなんだ?

そこでジョンはそうしたときにいつも訪れるただひとりの信頼できる友人、ブンブンを訪れた。

「どうしたんだい、ジョン。また制作に行き詰まったとでもいうのかい」
「制作には年中行き詰まってるが、それはいいんだ。おれは天才だからそのう
ち傑作をものしてイッキに取り返す。ピカソもダリもびっくりというやつだ。
絵が売れたらごちそうしてやるよ」
「楽しみにしているぜ」

「それはそうとして、今日は別の話なんだよ、ブンブン」
「何なんだ」
「おれの女房が浮気をしているんだ」
「へー」

「へーじゃない。相手はだれなのかつきとめねばならん」
「浮気をしているのは確かなのかい?」
「ああ」
「なんでそう思うんだ」

「ときどきひとりでうっとりしている。時々おしゃれをして出かける」
「そりゃまじだ」
「だろ」
「絶対、突きとめたいのか。知らないほうが身のためということもあるぜ」

「おれは知りたい。おまえなら何か方法を知ってるだろ。おれの友だちにして
は頭がいいし、いろんなあやしげなものを発明している」
「確かに、方法はないこともないが......」

翌日、ジョンはクリーニング屋の看板になっていた。クリーニング屋はジョンの妻が月曜日から土曜日まで毎日働いているところだ。看板は店の入口右側に立っている、人の背丈ほどのもので「安心価格!」「スピード仕上げ!」などと書いてある。ブンブンが調合してくれた変身薬のおかげでジョンは看板へと変身し、こうやって妻を見張っているというわけだ。

クリーニング屋はけっこう繁盛している。次から次へといろんなものを抱えて客がやってくる。浮気をしているとしたら、まずここの客のひとりか、それとも店の従業員か店長あたりを疑うべきだろう。

ジョンは店にだれかやってくるたび、じろじろ眺め回したが、なにしろ客のほとんどは女で、たまに来る男にもろくなのがいない。とはいっても自分の妻がろくでもない男と浮気をしないとは限らないのだが。

一日看板になって立っていてもこれといった成果は上がらなかった。せいぜい見知らぬばあさんが隣のスーパーで買い物をしている間、飼い犬の鎖を自分に巻き付けていったこと。犬が自分を見上げた目つきがうらめしそうでいやだったこと、ばあさんが戻ってきたときに犬が振ったしっぽがわしゃわしゃと足元に触れ、めちゃめちゃくすぐったかったことくらいだ。

「看板はだめだったよ、ブンブン。店の中の様子がわからないし」
「じゃあどうするんだ」
「店の中にカレンダーが吊ってあった。あれになってみるよ」
「よし、それでいこう」

翌日、ジョンは店の中に張ってある月替わりのカレンダーになった。当然、店の中がよくわかる。妻は同僚とふたりで次々持ち込まれる洗濯物をひっくり返してあちこち点検し、ポケットの中から何かのカードや小銭を発見しては客に返したり、ボタンがちぎれかけてますがいいですかと言ったりしていた。

よく働くもんだと、ジョンは感心した。おれじゃ半日も持たないな。こんなことを毎日やってるなんて頭がおかしいんじゃないかと思った。そのうち店長らしき中年男が現れるとジョンは思いっきり疑いながらじろじろと見た。

妻より少し若いくらい。特にハンサムでもない。腹も出ている。それでも店長に対して妻がにこにこと愛想良く接していたのでもしや、と思ったが、店長がいなくなるや同僚と「くそおやじ」「死ねば」と言い合ってるのをみると、どうも違うようだ。

結局、成果といえばたまたま月初めだったもんで、それに気づいた妻がずんずんと自分のほうに近づいてきてやおら一番上の紙をびりびりっとちぎったそのとき、なんとなく「痛っ」と思ったことくらいだ。

「カレンダーでもよくわからなかった。どうしたらいいんだろう、ブンブン」
「ひとりきりになるときがカギなんじゃないか。仕事中は同僚も客もいるから、本心を表しにくい」
「なるほど。じゃあ次は......ランチボックスになるよ」

ジョンは自分の妻がお昼はひとりになって、公園でランチすることを知っていた。その日も妻は何も知らず、ランチボックスになりすましたジョンをバッグに入れて公園に行った。そして木陰のベンチでバンダナにくるまれたランチボックスを取りだし、中の玉子サンドイッチを食べ始めた。

薄曇りで穏やかな日だった。離れたところでキャッチボールか何かをしている人たちの声がする。シダーの木が並び立つ間できらきら光っているのは池の水面だ。それらをまぶしそうに見つめる妻を、ジョンは下から、妻のひざの上から見ていた。

こいつも年とったなあ。最近、まじまじ見ることもなかったけど、こうやってみたらすごいババアだな。ひどいもんだよ。ジョンはかなりまじめにそう思った。すると、別にその声が聞こえたわけではないだろうが、妻は少し悲しそうな表情をした。と思うと、今度はなんだかうっとりした顔になった。

これ、これだよ! とジョンははっとした。だれかのことを思い出してうっとりしている顔だ。絶対。愛想笑いとも、あほなジョークで笑っているのとも違う顔。ふだんの疲れ切った顔と別人のような表情。

妻はサンドイッチを手にしたまま、くすりと笑いさえした。ちょっとほほが赤らんだ、ようにも思える。やっぱり。
あやしい!

「おれのにらんだ通りだったね。女房が浮気してるのは間違いない。あんなババアを相手にするやつがいるとは半信半疑だが、そうとしか思えない。ちきしょう、くやしいじゃないか。いったいどこのどいつなんだ。なんとかわかる方法はないものだろうか。なあブンブン」
「ないこともないが......」

「ないこともないが、って、あるんなら教えてくれよ」
「どうしても?」
「思わせぶりだなあ」
「いや、ちょっと値が張るんだよ」
「え、値が張るって」
ブンブンはジョンを見た。

「おまえ、今までのこと、おれがボランティアでやってると思った?」
「いや、あー......そ、そんなことはない。すぐれた技術にはそれなりの報酬があって当然だ。そうとも、無料だなんて考えちゃいない」
「じゃあいいんだ。で、今までよりもさらに値が張るけどいいのかい、と」
「......いいよ!」

「じゃあやってみよう。おまえのかみさんが眠っているときにちょいと細工をして、どんな夢をみているか調べる」
「ああ、それはいいかも。時々彼氏の夢でもみているのか、寝ながらうっとりしてるときがあるんだ」
「それだ。それを調べる。夢にみていることをスクリーンとか壁に投影する」

「そんなことができるのか?」
「できるさ」
「小説だと思ってむちゃくちゃ言ってないか?」
「それはある......いや、ないない! おれは天才だ。天才ブンブンの言うことを信じろ!」

夜、妻が寝たとみるやジョンはブンブンからわたされた夢投影装置を取りだした。「まだ試作段階なんだ」というだけあって、サッカーボールほどもある本体からケーブル類がうじゃうじゃと伸びている。からまらないよう箱から取り出すのがまずひと苦労だ。

暗い寝室でそれをかかえ、被験者(妻だ)の頭にケーブルだらけの帽子のようなものをかぶせる。まともに考えるとそんなことをされたら眠っていても起きてしまう。ところが、妻はびくともしなかった。寝息をすうすうたてながら眠り続けている。どんだけ熟睡しているんだ。

そうか。疲れているんだ。そう気がついてジョンは一瞬手を止めたが、やっぱり思い直してかぶせた。なぜなら、気持ちよさそうに眠っている妻が、例のうっとりした表情を浮かべたからだ。いま、まさに浮気相手の夢をみているに違いない!

大急ぎで装置をセットしてスイッチを入れると、寝室の壁に画像が現れた。これが妻のみている夢なのか。あまり鮮明ではないが、どこかの室内の様子であることはなんとかわかる。テーブルがあって、そこに男がいる。まだ若い男のようだ。男は何か緊張したふうで、固い表情でひとことひとこと、しゃべっている。しゃべっている相手は、妻なのだろう。前にいる妻の目をまっすぐ見つめながら、何か言った。

あ、「結婚しよう」と言ったんだ。

ジョンにはわかった。ええっ? なんでわかったんだろう? そういえば、あの紺色のポロシャツになんとなく覚えがある。そういえば、そのテーブルがある店にも。あれは、えーと、あそこだ。さいてーだったな、あの店。コーヒーはまずいしウェイトレスはぶさいくだし、安いだけが取り柄で、わははって、まさか。いや、でも......。

ジョンはかたわらの妙な装置をかぶっている妻のほうに向き直り、顔を近づけて見た。妻は目を綴じたまま口元をゆるめ、うっとりした表情をしていた。20何年も前、はじめてプロポーズされた幸福の記憶に。

「どうだった? おれの夢投影装置」
「ああ、機械には問題なかったけど......いまいちよくわからなかった」
「そうか」
「なんだかどうでもよくなったよ、もう。それよりな、ブンブン」
「ん?」
「おれ、昔と変わったかなあ」

2、3日後、ブンブンから請求書が届いた。まったくクールなやつだ。いくら天才とはいえ世間には理解されず当然無職で無収入。そんなおれにどうやって払えというんだ。ったく。ジョンはもちろん、妻に出してもらうことにした。

「何に使うの、そんなお金」
「......なんだっていいじゃないか!」
言えるわけないし。

【ヤマシタクニコ】koo@midtan.net
< http://midtan.net/
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< http://yamashitakuniko.posterous.com/
>

ベランダに鉢を置いてフウセンカズラを植えたら、順調に育ち、花がどんどん咲いた。なのに実が成らない。ネットで調べたらそういうことは時々あるようで、「受粉」させてやればいいとのこと。綿棒を使って、と書いてあったので「ん?......こうかな?......これでいいのかな?」と試行錯誤。昨日、ふと見たら、ちゃんと成っている。うれしい。まだ「ふうせん」の形になっていないが、早く大きくなれよ〜。

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■ドラえもん占星術[11]ジャイ子の星座&特徴
ドラえもんが現れて ジャイ子! 華麗に変身!

Ririco
< https://bn.dgcr.com/archives/20120913140100.html
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こんにちは。占い師のRiricoです。

今回のキャラクター分析は、ジャイアンの妹のジャイ子です。こちらも4月生まれ......としか設定がありませんが、ジャイ子の性格から見ますと牡羊座第3旬(4月11日〜4月20日)にあたると思われます。

この生まれの人は、支配星火星に加えて木星の影響を受けます。火星の情熱の中に、木星の寛大で快活な性格が加わります。正義感が強く、規律や秩序を尊ぶ、調和の取れた生き生きとした人柄の持ち主です。何事に対しても熱心で、仕事においては実務や人事に長け、友人を多く持ちます。しかし、木星が悪く出ると否定的性質が顕われ、神経質で偏屈な性格が見えてきます。

牡羊座は12星座の中では最初のルーラー、つまり始まりの星座であり、人の一生で言えば最も生命力の旺盛な「赤ちゃん時代」の星座とも言われています。

ですから、牡羊座の人の人生での重要ポイントとしては「生まれたままの感情を持ち続けることを大事に思う」......つまり自己主張を通して、自分の生きる姿勢を確立したいと考え行動していく人が多いとみられます。

牡羊座自体の特徴としては、積極的で、衝動的。野心家でもあり、自分の直感を信じて「良い」と思う方向、目標に向かって一気に走り出す、短距離走者のようなタイプといえます。先見性があり、素直で正直ですが、非常に負けず嫌いなところがあります。

ご存知の方も多いと思いますが、ドラえもんが来る前は、のび太はジャイ子と結婚することになっていました。

最初の頃のジャイ子は、確かに兄ジャイアンに似て凶暴で、のび太が木にぶら下がって苦しい状態になっている姿を見て、「がはははっ! 首吊りだぁ〜」と言いながら大声で笑ったりします。

ドラえもんのアイテム「のろいのカメラ」では、撮られた人の人形を傷つけると本人も同じところが傷つくので、のび太やのび太の両親の人形を「バラバラにしよう!」と、包丁で切断しようとします。

「おままごと遊び」や「お医者さん遊び」でも、普通はそこまで考えたり行動したりしないだろうと思うほど、やることなすこと本当に乱暴な少女でした。

この辺も、実は牡羊座の「負」の一面が出ているのです。確かに牡羊座は積極的で衝動的なところもありますが、それが悪く出てしまうと、暴君や乱暴者へと変わる一面もあります。当初からジャイ子が乱暴者だったのは、牡羊座の悪い面が強調され過ぎていたように見受けられます。

しかし、ドラえもんがのび太のところに来てから、凶暴なジャイ子に少しずつ変化が訪れます。ジャイ子は自分が描く上手な絵を生かして、将来は少女漫画家を夢みる可愛い女性に変身します。「クリスチーネ剛田」と、本名の苗字のところはごついですが、可愛いペンネームもつけています。

ジャイ子の漫画の才能の開花は目覚しいものがありました。しかし、漫画を描き始めた最初の頃は、副支配星の木星が悪く影響していたのか、神経質で偏屈、そして否定的な面が多々出ていました。

ジャイ子は自分の作品を見ながら、「どれもこれも、プロのまねじゃないの!」「あたしの描きたかった漫画は、こんなのじゃないわ!」と自分の作品に対して否定的になっていました。また、スネ夫などから「ひっでえ、まんが!」と笑われ落ち込んだりもしていました。

ただ、笑われても何をされても、「この道!」と自分で思う方向に突き進むところ(ジャイ子の場合は「漫画を描くことをやめない」こと)は、気の強い牡羊座の良いところです。ジャイ子は最初の頃にあった自己否定や、周囲にバカにされて落ち込んだことにも決して負けずに、逆に批判をばねにして、精力的に漫画を描き続けるようになります。

その結果、雑誌主催の新人賞に応募した「愛フォルティッシモ」という作品では、賞は逸したものの編集長から「すばらしい! 才能のきらめきが感じられる!」と、直々に電話をもらいます。また、漫画にはうるさいのび太を「こんなに美しい物語を......」と感動させます。

クリスチーネ剛田が自費出版した「虹のビオレッタ」は、漫画コレクターの青年から「この漫画は面白いよ。この作者は今に有名になるかもね。そして、この本は、いつかプレミアがついて高くなるよ」と、大絶賛されるようにまで成長します。

「ひっでえ、まんが!」から、出版社やコレクターからの賛辞を受けるまでに急成長をしたのには、牡羊座の「負けず嫌い」や「情熱的」なところを、ジャイ子が上手く生かしたからではないかと思います。

のび太としずかちゃんが結婚するように未来が変わったせいか、ジャイ子にも変化が訪れてきます。茂手もて夫という名前の通り、女の子にはモテまくり、バレンタインデーのチョコレートは100個ぐらいもらう、漫画を描くことが大好きな超もて男が隣町に住んでいます。

ジャイ子が落としたスケッチブックをもて夫が拾ったことがきっかけで、漫画を通してふたりは意気投合します。その後、ジャイ子の作品を読んで感動し、ジャイ子の人柄や漫画に対する思いを、もて夫が好ましく思うようになり、ふたりで漫画の同人誌を出す相談をするまでの仲になります。

もちろん、ジャイ子が漫画を描くにあたっては順調なことばかりではなく、スランプに陥り、漫画が描けない時もありました。その度に、超妹思いの兄であるジャイアンが、ドラえもんに頼み込み、設定や資料などを色々集めてもらったり、ひみつ道具を使って、漫画を描いたりしています。

ジャイ子の漫画にかける真剣さのエピソードのひとつ。原稿の締め切りに追われて困っているジャイ子に、兄のジャイアンは「締切りなんていう奴はぶっ飛ばしてやる!」と、いつものように言います。ジャイ子はそれに対して「ダメ! 締切りは皆で決めたものなんだから守らなきゃ!」と、兄に反論します。牡羊座で木星の力も受けているジャイ子の、規律や秩序を尊ぶところが出ています。

ドラえもんのいない世界では、ジャイ子は牡羊座の勢いが悪く出て、横暴なままだったと思います。ドラえもんのおかげで、漫画という自分の才能を見つけ、それを開花させる努力を惜しまない子になり、もて夫というボーイフレンドを得ます。

ドラえもんが来て、のび太はもちろん、しずかちゃんの運命も変わりました。でも、一番変わったのは、ジャイ子だったのではないかとも思ったりします。

とりあえず、今回のジャイ子で、占星術による「ドラえもん」キャラクター分析は終ります。次回は、番外編となりますが、実写版ドラえもんのCMに関して、出演者の星座などを見ながら分析をしてみます。

※参考文献:「ドラえもん深読みガイド」小学館ドラえもんルーム編・藤子プロ監修/小学館 「占星術」ルル・ラブア/実業之日本社 「決定版・ドラえもん大事典」藤子・F・不二雄原作・いそほゆうすけ作画/小学館 Wikipedia

【Ririco】jujumoon@nifty.com
「占い屋・Ririco(リリコ)のページ
< http://homepage3.nifty.com/jujumoon/
>

前回「ドラえもん占星術10・出来杉英才」が掲載されたのは9月3日で、この日はドラえもんの誕生日100年前でした。各所でイベントがあり記念グッズ等が販売されていたようです。世界規模での景気悪化や隣国との問題等明るい未来が見出せなくて、落ち込むことも多い世の中ですが、架空の話であっても「あぁ、100年後にはドラえもんが生まれるくらい、楽しい世の中になるのかな」と思うだけでも、明るい気分になってきますね。

◇イベント情報
第一金曜日恒例、16時より、町田の猫カフェ・ねこのみせにて占いイベント
第三土曜日恒例、16時より、町田の猫カフェ・ねこのみせにて占いイベント
※西洋占星術をご希望の方は、鑑定の約2週間前に、データ等をご連絡下さい。
※ねこのみせでのイベントでは、通常のライダーウェイト版のタロットカードはもちろん、猫柄のタロットカードを数点用意しており、好きな柄を選んで占いが可能です(どれを選んでも結果は同じですのでご安心下さい)。その他はWebサイトにて!

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編集後記(09/13)

●飯野頼治「埼玉の川を歩く─地図でたどる渓流・里川・用水」を読む(さきたま出版会、2012)。筆者は元県立秩父高校教諭で山岳地理研究家。埼玉県は県土に占める河川の面積が日本一を誇る。ってそんなこと知ってる埼玉県人いるのか。50歳過ぎて始め、これまでに約300の川を歩いたという、約20年の集大成である。75の河川の魅力と散歩コースを、地図70点、写真約200枚をつかって紹介していて、とても興味深く読めた。

渓流を歩く山間部コースは、登山口やバス停から上流を目指し、用水を歩く平坦部コースは下流に向かう。山間部はさすがにきつそうだが、わたしの近所の笹目川、高沼用水、鴻沼川などは、歩くシーズンが来たらぜひトライしてみたいと思った。だが、肝心の地図が大雑把でこれだけでは殆ど役にたたない。広い地域をカバーするのだから仕方がないが。

ずいぶん前に買った、3G会編「川辺の散歩道 首都圏厳選100コース」という本もあらためて読んだ(法研、1997)。リタイアした男(G=爺さん)3人組が首都圏の川歩きを楽しみながら作ったガイドブックである。コースの選定は、首都圏を流れる川で川沿いを気持ちよく散歩できること、歩く始点・終点が鉄道の駅に近いこと、全歩行区間の距離が5〜9kmであることである。写真ではなく思い切りヘタなイラスト、これまた手描きのヘタな地図、デザインはどうしようも見ないが非常に実用的なつくりになっている。

なぜ川歩きに興味を持ったのかというと、平地を流れる川沿いだからほとんど高低差がなく歩くのが楽であり、まず道に迷わず危険もなく(せいぜい暴走自転車に気をつけるくらい)、特別な用具や服装の必要もないからだ。これからは川歩きの時代になる、と思う。川男や川女(かわじょ)が激増するのではないか。ただしほとんどが年配者である。(柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/487891145X/dgcrcom-22/
>
→アマゾンで「埼玉の川を歩く」を見る
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4879541788/dgcrcom-22/
>
→アマゾンで「川辺の散歩道」を見る(レビュー1件)

●確かに全ページチラ見は欲しくなる〜! 全ページ文章ものだと、まえがきあとがきを読ませて欲しい。/奥さん......。

iPhone5、iPod touch、iPod nano、EarPodsが発表された。リーク情報通りなのでがっかり。商品の善し悪しは関係なく、サプライズって大切なんだなぁと思った。今回、macwebcaster.comの実験、LINEでの通訳テキスト配信に参加してみた。こういう新しい試みが好きだ。事前に申し込んでおき、招待状の届いた者だけが参加可能。12日の朝に届いた招待状を見てそれぞれ登録していき、最終的に80人ほどのグループトークになった。

招待状は100人に出されたそう。当選して嬉しい。途中退会する人はいたし、招待状に気づかない人もいた模様。見知らぬ人とグループになるというのは少し抵抗があった。電話番号などがトーク相手に見られないようになっているか再確認したよ。積極的に発言する人たちは、学生さんが半分ぐらいで、主婦の方、香港からの参加者(日本人)も。参加当初は「通知」設定にしていたため、鳴るわ鳴るわiPhone。主催側は親切にも通知オフ設定方法まで記載してくれていた。

参加30人時点で既に追っかけるのが大変。特に今回、イベント当日であり、皆の関心ごとも同じなので話題が盛り上がる。昼間ですら、仕事の合間にふとLINEのバッジを見ると196という数字が光っていたりして、追っかけるのは諦め、読まないけれど数字を消すため、とりあえず立ち上げたりした。既読数2ケタを楽しみに一度は書き込んだものの、その後の書き込みは遠慮することにした。PTAの連絡用とかなら、やりとりは少ないだろうから80人でも問題なさそう。

そして配信時には眠りこけてしまい、ログを見ることに。ごめんなさい!! リアルタイムで読んでいたとしたら、いつもは発信される情報を探すので、こうやって安心して読めるのは助かるし、プロセッサのプチ解説まで混ぜてくれたりするところが良かった。

せっかくiPhone好きが集まったから一日で解散するのはもったいないと、参加者の一人が新しいグループトークを作られた。招待状をもらい喜んだものの、LINEからだと、なんだか出会い系みたい(笑)。気ままなTwitterはやれるけど、Facebookやmixiなどのマメなやり取りの苦手な私は、参加するかどうか迷うわ。LINEでは長文のやり取りはなさそうで、他のツールに移行しそうな気もしないことはない。(hammer.mule)

< http://www.macwebcaster.com/line
>  LINEでの通訳テキスト配信
< http://www.lockerz.com/s/243837140
>  au版はテザリング可能だそう
< http://blog.livedoor.jp/kinisoku/archives/3551324.html
>
iPhoneの漫画カメラアプリが面白いと俺の中で話題にwwwwww
< http://itunes.apple.com/jp/app/man-huakamera/id557883632?mt=8
>
iPhoneアプリ『漫画カメラ』面白すぎ。宝塚のチラシとキン肉マン、範馬勇次郎のフィギュアで試してみた。あれ? 中国製? man-hua(URL内のアプリ名)って。日本の会社だけども。