前回は自民党総裁選について書いてみた。その総裁候補の一人、麻生氏は、日本のアニメやマンガ、ゲームを外交に利用するというアイデアを開陳していたが、思い巡らせば、あれは数年前、サッカーのアジアカップで日本チームに対するバッシングが巻き起こった時、このデジクリに私が多少のジョークを交えて書いたことに、ほぼ等しい。前後して小泉首相の靖国問題もあり、アジアと日本の摩擦は頂点に達しようとしていた時だった。
中国の物語であったり、古代伝承であったりを、私達はコミックや小説で読んだりする。ゆえに大陸の信仰や伝承についてかなりの程度、詳しくなっている。この状態を利用して、日本人総体の漠然とした信仰心、日本文化そのものについて正しい理解に導くことはできないものか、たしかそんなことを書いたのだ。
中国の物語であったり、古代伝承であったりを、私達はコミックや小説で読んだりする。ゆえに大陸の信仰や伝承についてかなりの程度、詳しくなっている。この状態を利用して、日本人総体の漠然とした信仰心、日本文化そのものについて正しい理解に導くことはできないものか、たしかそんなことを書いたのだ。
マンガだけでなく、麻生氏は、いわゆるサブカルチャーに注目しているようだ。ネットやデジタルクリエイターに対しても、そこはかとない共感を示す発言を繰り返しておられる。しかし、外務大臣という立場上、こうした傾向を直接、現実世界に投影することは難しいだろう。ちなみに、麻生氏の発言に至る発端は、中国、韓国など、近隣諸国との軋轢にあり、状況打開の方策の一つとして上記の発言をしたわけで、優先すべきはアジアの安寧、つまり東アジア外交にある。そのことは言うまでもない。私のようなパンクロッカーですら不安に想い、かようなコラムを書くほど、アジア諸国との緊張は高まっているのだから。
一方、総裁選で勝利した新総理は着任早々中国と韓国を訪問するという。国内における各党党首との討論を終えて即国の外へ出るのだから、自民党の政治家達の間にも、アジア外交の危機的状況について逼迫した想いがあったのだろう。インターネットの世界では、麻生大臣の発言におけるインターネット、そして2ちゃんねるという用語ばかりがとりざたされているが、大臣とて眼目は外交にあろうし、全てを把握する立場にある以上、危機意識は相当強かったものと想う。そのようなことを思い巡らしたうえで言いたいのだが、麻生大臣には、手段の如何を問わず外交問題に邁進していただきたい、そう思う。
私はインターネット世界の立ち上げを目の前に見ている。そんな立場でありながら、あえて言いたい。インターネットより、まずは世界の安寧、平和の確保、である。世界の安定があればこそ私達はネットを介して世界とつながり、新しい何ものかを生み出すことができるのだ。
9.11の惨劇が起きる以前は、私自身、ネットを介して世界中のミュージシャン、アーティストと直接コンタクトが可能だったし、コラボレーションすら日常的に行なっていた。
そんな状況は、ある意味グローバリズムの結果である。経済のうえでグローバリズムを否定する動きは理解できるのだが、私には、国境なくアーティストが繋がりえた日々を、やはり懐かしく思う。
例のテロの後、アーティスト達の心も互いに反発することが多くなり、果ては、ネットそのものがインターネットといいながら、ドメスティックなものに変容していき、ネット上のコミュニティは崩壊した。
ネットを頼りに音楽活動を展開していた私にとってこれは相当な打撃だった。
私たちの世界の調和を取り戻すこと、東アジアの緊張をときほぐす方策を思い巡らすこと、麻生大臣には、このことを強く願いたい。基本中の基本である。私もまた基本に戻ろうと思う。ステージの上から思いを伝えていこうと思うのだ。
10月20日の夜、新宿ロフトに来ていただければ、私のアジアに対する思いは伝わるはずだ。生きているパンクロッカーを体験したい方は、ぜひ足を運んで欲しい。
Momoyo The LIZARD
管原保雄
< http://www.babylonic.com/
>

一方、総裁選で勝利した新総理は着任早々中国と韓国を訪問するという。国内における各党党首との討論を終えて即国の外へ出るのだから、自民党の政治家達の間にも、アジア外交の危機的状況について逼迫した想いがあったのだろう。インターネットの世界では、麻生大臣の発言におけるインターネット、そして2ちゃんねるという用語ばかりがとりざたされているが、大臣とて眼目は外交にあろうし、全てを把握する立場にある以上、危機意識は相当強かったものと想う。そのようなことを思い巡らしたうえで言いたいのだが、麻生大臣には、手段の如何を問わず外交問題に邁進していただきたい、そう思う。
私はインターネット世界の立ち上げを目の前に見ている。そんな立場でありながら、あえて言いたい。インターネットより、まずは世界の安寧、平和の確保、である。世界の安定があればこそ私達はネットを介して世界とつながり、新しい何ものかを生み出すことができるのだ。
9.11の惨劇が起きる以前は、私自身、ネットを介して世界中のミュージシャン、アーティストと直接コンタクトが可能だったし、コラボレーションすら日常的に行なっていた。
そんな状況は、ある意味グローバリズムの結果である。経済のうえでグローバリズムを否定する動きは理解できるのだが、私には、国境なくアーティストが繋がりえた日々を、やはり懐かしく思う。
例のテロの後、アーティスト達の心も互いに反発することが多くなり、果ては、ネットそのものがインターネットといいながら、ドメスティックなものに変容していき、ネット上のコミュニティは崩壊した。
ネットを頼りに音楽活動を展開していた私にとってこれは相当な打撃だった。
私たちの世界の調和を取り戻すこと、東アジアの緊張をときほぐす方策を思い巡らすこと、麻生大臣には、このことを強く願いたい。基本中の基本である。私もまた基本に戻ろうと思う。ステージの上から思いを伝えていこうと思うのだ。
10月20日の夜、新宿ロフトに来ていただければ、私のアジアに対する思いは伝わるはずだ。生きているパンクロッカーを体験したい方は、ぜひ足を運んで欲しい。
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- Sony Music Direct 2006-06-14
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- せなかのコード / フリクション
- BLACK MACHINE / S-KEN
- アシュラ / ZELDA
- タンゴ / 暗黒大陸じゃがたら
- ストップ・ジャップ / ザ・スターリン
- SHINJUKU LOFT,AUGUST 29,1981 / 非常階段
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by G-Tools , 2006/10/03