音喰らう脳髄[14]汚い大人達の冬
── モモヨ(リザード) ──

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今、時代が逼迫している事は誰の目にも明らかだ。

しかし、自民党の政治家達は、緊急事態をよそ目に、政党助成金を貰うために去年除名した政治家の復帰がどうたら、という問題に奔走し、報道機関もその報道に奔走している。野党はあてにならないし、与党もまた、しかり。馬鹿馬鹿しい限りだ。

子供たちの自殺騒ぎ、いじめの問題が報道されないのは、ある程度、報道側が自主規制しているのかもしれない。しかし、報道規制をかければいいわけじゃない。


これもあまり正確には報道されないが、首都圏では、連日、どこかで人身事故のために電車運行に遅れが出ている。こうした自死事件と政治化の復党問題を比べてみれば、私たちに身近な情報は、庶民の自死と列車の運行である。

しかし、これは報道されない。

数字だけの好景気、銀行だけが救われる好景気の中で、自死に追い込まれるのは子供だけではない。すでに、ここ五年ほど、あまりに多発する人身事故の連鎖を含むため、報道管制がなされている。

かりに報道されるにしろ、人身事故で鉄道に遅れ、程度の数行の記事となる。いつか、少年少女の問題も同じように隠密裏に処理されるようになるかもしれない。そんな日の到来を思うと悪寒がはしる。

私たちを愚民扱いする政治家や報道機関。庶民の自殺が相次ぐ得体の知れない《好景気》……

これは一体何なのだろう。そんな状況での政府与党の復党騒ぎ、あまりに酷い体たらくではないか。この状態で古い自民党の体質回復が行われることを想うとゾッとするのは、私だけじゃないはずだ。

去年の選挙で示された民意というものは、どこへ行ってしまったのだろう。これでは、大人たちは汚い、という言葉を口走る少年少女に対して、何もいえないではないか。

あまりに醜い。

Momoyo The LIZARD
管原保雄
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