音喰らう脳髄[15]三権分立とは……
── モモヨ(リザード) ──

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もう十二月。今年は、なんだかわけのわからない一年だった。世の中が、である。

9月に新しく内閣が発足した時の支持率は抜群に高かった。ここにきてどんどん下がっているが、それも当然で、先週も少し書いたのだが、世界や時代が急速に悪化のきざしを見せているところにきて、与党内は、郵政民営化に反対した議員の復党問題をひきずったあげくに、反対議員の復党に反対する議員に対しての対応に昨今は追われているようなのだ。

こんなことで政治に身が入るはずもない。それを国民は、いやというほどに見せ付けられ、そして今も、また続いている、のである。


日本国の枢要がこんな状況では、青少年ならずとも自殺を考えてしまいがちなのも当然で、現在、そうしたくだらない問題で右往左往している代議士の方には、ぜひとも反省をしていただきたいものだ。

代議士の身分は、国民の投票によって決定される。それが私達が学んだ民主主義の基本である。この基本が守られていさえすれば、自然、現在のような党の意向で右へ左へと動くようなことはないはずである。しかし、実際は、違っている。

そもそも議員内閣制というのも、よくわからない。ことあるごとに「我が国は議員内閣制だから云々」と仰る知識人たる面々が存在するが、その議院内閣制というものの正体を彼らは理解しているのかどうか……。

民主主義を学習すれば、その初歩の段階で、社会の安定を図るために必要なシステムとして三権分立という概念を学ぶはずである。三権分立の中身については、ここであえて触れないが、つまりは、内閣、国会、司法の全ての権限をそれぞれ独立したものとし、互いに牽制しあう中で中道、すすむべき道を探る。これが基本形であるはずである。

当然、日本も民主国家である。その国法も三権分立が担保された中で世の中が推移していくことを前提にしてかかれている。しかし、その事実と議院内閣制は、正直を言えば、そぐわないのだ。

内閣そして国会運営も、ともに自民党という一つの政党が運営することになり、三権の中で、ただ一つ、司法だけがポツリのこされたカタチである。いま、全国で次々に摘発されている知事、市長の腐敗も、あるいは、こうしたバランスの悪さが原因にあるのかもしれない。

そんなことを考えているやさき、先週末のことである。行政のシステムに対して違憲判決を下した裁判官が自殺した。

議院内閣制において、三権分立を担保する方法を今一度さがす必要があるのかもしれない。

Momoyo The LIZARD
管原保雄
< http://www.babylonic.com/
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by G-Tools , 2006/12/05