音喰らう脳髄[40]急に寒くなった
── モモヨ ──

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小沢騒動について前回書いたものの、その後の始末がさらに曖昧模糊としたものと化したことについては、いまさら書き記すまでもなかろうと思う一方、それでもいろいろと気になる部分が多々ある、気になってしまう、そう感じるのは私だけだろうか?

いろいろと、とりざたされていることを垣間見たところ、なんでも読売新聞のあの老獪な老人が動いたのだとか、仕掛けただのだとか言われているが、野球のドラフトを無理やり捩じ曲げるならまだ苦笑ですむが、国の根幹に関わることでそんな馬鹿な話があるものか、と想う。


中曽根なんて名前もでており、また自民党幹事長と囲碁をうったのが伏線だのという噂がまことしやかに語られるが、正直言って、これが現実の世界のできごととは、とても思えない。あまりに戯画化されていやしないか。いや、だからこそ現実なのか。

最近、そんな馬鹿げた不可解な気分、非現実の中に彷徨いこみでもしたような違和感がつきまとうような気がしていたが、どうやら、それが2007年の現実というものらしい。

新聞によれば、政府は成人男子の自殺件数を減らすために施政方針を打ち出すということであるが、これまた酷く馬鹿げた話である。

そもそもが今時の世の中、それを眺めていれば明白なように、正気で直視できないものばかりが続出しているではないか。この状態であればまともにものを考えている人なら鬱になるのも無理のない話で、鬱々するのはアナタが病気だからです、治療をうけましょう、なんて言われてもどこか腑に落ちない。というか、無理にノウテンキになってどうする、とさえ思うのだ。

世の中から目をそむけていても、ノウテンキになっていても、当然のことながら世の中よくなるものではなく、ただひたすらに悪化の一途をたどるだけだ。環境問題の例に明白なように、いつか北極の氷がとけてなくなってしまう「かも」しれない、と言われていたのが、或る日突然「あなたは知っていますか?北極の氷は40年後にはなくなるのです」などと既定の事実として断定口調で語られるようになっている。それが現実である。

地球温暖化などは憂鬱な学者の妄想と言われていたのが、既定の事実、常識として扱われるようになる。

これまでの私の常識では、末法の世であったり、世界の終末を物語る時、映画やSFの世界では当然ながらある種の悲壮感をたたえた、どこかデカダンスのかおりをただよわせるものであったわけだが、どうやら、現実というのはとことん残酷で、どこまでも喜劇的なものらしい。「オーメン」という有名な映画がある。その世界で世の中を破滅にみちびくのは、いかにも翳のある青年だったが、カレと異なり、現実のアメリカ大統領はチンパンジーに似た道化師だったりする。どうしようもなくお粗末、笑い話にもならないではないか。

馬鹿馬鹿しい世界に対して真面目な話をするのも何だが、自殺者を減らすために特別な施策は必要ない。政府が本当にそうしたいなら、まともな政治をすることを考えればいい。人が生きていけない世界を築いておいて、悲観するのは気のせいだといわれても、何だかな、そう想う。急に寒くなったせいか、愚痴ばかりがでる。

Momoyo The LIZARD 管原保雄
< http://www.babylonic.com/
>

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