[2323] ほぼ私小説

投稿:  著者:


<人生ギャムブルだ、芸術するとは地獄に堕ちることだ>

■笑わない魚[236]
 ほぼ私小説
 永吉克之

■デジアナ逆十字固め…[66]
 友人の写真展めぐり
 上原ゼンジ

■セミナー案内
 早稲田大学知的財産本部主催 第3回セミナー
 「“著作権”実効性確立への熱い思い」ネット社会のデジタルコンテンツ


■笑わない魚[236]
ほぼ私小説

永吉克之
< https://bn.dgcr.com/archives/20071129140300.html
>
───────────────────────────────────
私は長い間、芸術家として永吉先生をお慕い申して参りました。先生のお書きになる文章、描かれる絵、何れも私のやうな凡骨の理解の及ぶところではございませんが、他の物書きや絵描きには見られない力強さと、独特の味はひのある作風が、否応なしに私を支配するのでございました。

ですからどんなに理解し難いことをなさつても、すべてこの方の芸術的衝動に依つて作り上げられた、ひとつの表現形態だと思つてをりました。ご自身の蓄へが減る一方だと云ふのに泰然として、一向に職探しをなされないばかりか、相変はらず酒場で散財してをられるのも、やはり芸術家の矜持だと、むしろ頼もしく思つたほどでございました。

こんなことを打ち明けて、ふしだらな女だとお思いにならないで下さいまし。実を申しますと私、永吉先生を芸術家としてだけではなく、いつしか男性としても想いを寄せるやうになつてゐたのでございます。その時はまだ先生がどのやうなご様子のお方なのか、メエルマガジンにお書きになるものを通してしか存じてをりませんでしたのに。

ある時、思い切つてフアンメエルを送つたのがきつかけで、住まひが近いこともあり、先生と月に一度ほどお逢ひすることができるやうになりました。そして月に一度が週に一度になり、逢瀬の間も昼間に小一時間だつたのが、夜更けにまで及ぶやうになつて行つたのでございます。寝間を共にするやうになつたのも、ごく自然な成り行きだつたと云へませう。

ご無礼は承知で申しますが、先生は決して眉目秀麗な方ではいらつしやいません。またお若くもなく、社会的地位も財産もお持ちではございません。しかし、メエルマガジンにコラムを連載されたり、コムピユウタア・グラフイクス作品を発表されたりと、精力的に芸術活動をされておられた時の先生の姿に胸を熱くしたものでございました。

これは全体何なのでせう。芸術を愛しながら自分にその才覚がない女は、才覚を持つてゐる男を我がものにすることで、その才覚までも所有したやうなつもりになるのでせうか。ならばそれはエゴイスチツクな愛なのではないでせうか。

私は、自分の仕事のお休みの日などにお宅にお邪魔させて頂くやうになつて以来、お独り住まひの先生が身の回りのことに煩はされず、よい作品をお作りになれるやうにと、お食事を作つて差し上げたり、お掃除やお洗濯などもいたしましたが、それらも皆、芸術家としてのあの方を自分のそばに引きつけておかうと云ふエゴイズムが働いた結果なのでせうか。

しかし盲目的な渇愛に己を見失つてゐたころは、そんな考へは毫も浮かんで参りませんでした。先生に抱かれ、その老獪とも云へる巧緻な愛撫に身を任せながら、ああ、あの方が、あの憧れの芸術家が私の体のなかに侵入し、そのエキスを注入しようとしているのだと想像すると、我知らず歓喜の呻きを発してしまふのでございました。

                 ●

先生とおつき合ひをするやうになつてから一年以上が経ちました。私が変つたのでせうか、それとも先生がお変わりになつたのでせうか。あるいは二人とも変つてしまつたのでせうか。時の流れは、エゴイズムで結ばれた男と女の絆を弛めはしても、強くはいたさぬものでございます。

口幅つたいことを申します無作法をお赦しくださいまし。近頃の先生のなさること、仰ることを見てをりますと、この方は、ただ世間に甘えてをられるだけなのではないのか、そんな気がして参るのでございます。

昨年の暮のことでございました。先生は、僕は絵描きが本分だと仰りながら、もう一年近く、何もお描きになつてをられなかつたので、私が、そろそろ先生の新しい作品が見とうございます、と申しますと、いや、今はまだ描く時ではない、今はインプツトする時期なのだ、と仰るのです。

それで、何をなさるのかと思つてをりましたら、ある日、俺、映画に出ることになつたよと仰るではありませんか。なんでもオオデシオンに合格して、頭の狂つた男の役をもらつたとかで、無邪気に喜んでおゐででございました。

映画の上映が決まると、メエルマガジンやブログやミクシイなど、およそ宣伝に使えさうなあらゆるメデアに告知を載せられ、あたかも一端の俳優にでもなつたかのやうにはしやいでをられる姿を見て、私は一抹の不安を覚へたのでございます。

その後もどういふ巡り合はせか、テレビ番組にも何本かお出になる機会を得られました。まだ暑い九月のある日、京都でのロケにエキストラで参加されることになつたのですが、俳優はイメージが命だから日焼けはまづいんだ、と仰つしやりながら、鏡の前で日焼け止めクリームなんぞを顔ばかりか腕や手にまでも丹念に塗つてをられるのでございます。その姿は私には、痛々しくさへ思はれました。

                 ●

たまに頂くテレビのお仕事の収入だけでは、支出の方が何倍も多く、心配いたしました私が、先生、このままでは借金をしなければならなくなります、何か他にお仕事をなさつては如何ですかと申しますと、分つてゐる、前から目をつけてゐるところがあるんだと仰つしやつて、パソコンで、流行りの執事喫茶のホオムペエジを私にお見せになりながら、ここなら年齢も問題ないし僕の演技力も生かせる、さう考へて、いつも執事らしい立ち居振る舞いの練習をしてゐるんだ、カリスマ執事になつてやるからな、さうしたらテレビでも紹介されて出演依頼もくるだらう、と眼を輝かせながら仰るのでございます。

私にはどうも腑に落ちないところがあつたので、その執事喫茶にはいつから眼をつけておゐでなのですかとお尋ねしますと、半年前からとのことでした。で、そのお店はまだ従業員の募集をしてゐるのでせうね、と問ひただしますと、先生は鼻白んだご様子で、まだ問い合わせをしたことはない、と仰るではありませんか。

私は、腹立たしいやうな、情けないやうな気持になつて、その場で先生の代りにお店に電話で問い合はせいたしましたところ、もう募集はしてゐないとのご返事でございました。私は、先生、眼をおつけになつたのなら、すぐに行動した方がよろしうございますよと、努めて冷静に申しましたが、行動をするには準備と云ふものが要るんだと、半年間ただ手をこまねいていたことを、飽くまで正当化しやうとなさるのでございました。

                 ●

そのうち私も、先生に対する遠慮が薄らいで参りまして、ことあるごとに、仕事仕事と突ついてをりましたら、さすがに観念なさつたのか、ヱブサイトに募集広告を出してゐた二つの会社に提出する履歴書と業務経歴書をしぶしぶと一週間もかけてやつとお書きになりました。

そして郵送されたのですが、面接に進む前に二社とも不採用となつてしまつたのでございます。先生は口では、さも落胆したかのやうなことを仰るのですが、どこか、ほっとしたご様子で、どうだ、ちやんと就職活動をしているだらう、もう君にはがみがみ云はせないぞ、と云はんばかりでございました。

とは云つても何も解決したわけではございませんので、私も就職情報誌などを見て、これはと思ふ仕事を先生に持ちかけますと、先生もうんざりなさつたやうで、もういい、カネがなくなったら、保険を解約すりやあいい、このマンシオンを売りやあいい、そうやつて待つてゐれば、映画出演の話も来る、絵も売れる、などとその場しのぎのことを仰るのです。挙げ句に、人生ギャムブルだ、芸術するとは地獄に堕ちることだ、とまで仰いました。

私もたまり兼ねて、先生、それでは子供と同じではありませんか、すべきことをして、ここぞと云ふ時に打つて出るのがギャムブルではないでせうか、先生は棚からぼた餅が落ちてくるのを待つてをられるだけでございます、そのうち誰かが手を差し延べてくれるだらうと思つてをられるのでせう、ご自分から頭を下げて仕事を頂くことが沽券に関わるのでせう、などなど、それまでお腹の中に収めてをりました様々なことが、一度に口をついて出て参りました。

俯いて黙つて聞いていらした先生は、くるりと背を向けると、その辺で呑んでくるとだけ、ぽつりと云つてお家を出られました。いつもならば、少々のいさかひがあつても必ず私もお連れくださるところなのでございますが、その時はお独りでさつさと行かれました。そしてそのお背中が、君は云つてはいけないことを、たうたう云つてしまつたね、と語つてゐるのが私にははつきりと読み取れたのでございます。

先生が出て行かれた戸口のドアをぢつと見てゐるうちに、私が先生だと思つてゐたものは、自分に都合よく調節したフイルタアを通して見てゐた先生だつたと云ふことに気がついたのでございます。すると途端に先生が、ただのわがままで、だらしのない醜い好色な老人に思へて参りました。

私は、そんな男性に自ら進んで心と体を翻弄されて悦び、あまつさへそれを自慢顔で友人に話してゐたのでございます。自分の浅はかさを恥じると同時に、狐に化かされた男が、饅頭だと思つて食べてゐたのが、実は馬糞だつたと云ふ、子供の頃に聞かされた民話をふと思ひ出しました。

私は、先生がお帰りになる前に、お宅に置かせて頂いてをりました自分の歯ブラシとパヂヤマをバツグに放り込んで、東住吉の自宅に帰りました。それから三か月、先生とは一度もお逢ひしてをりません。メエルは何本か頂きましたが、すべて開封せずに削除いたしました。

しかし人づてに、先生が今、郵便局で仕分けのアルバイトをなさつてゐると伺ひました。私のご忠告をお聞き入れになる程度にはご成長なさつたやうでございます。

【ながよしかつゆき/きりぎりす】katz@mvc.biglobe.ne.jp
今回の語り手の女性は架空の人物だが、永吉先生の生活や言動に関する記述は、多少脚色はあるものの、基本的には事実である。

・ちょ〜絵文字< http://emoz.jp
> au&Yahoo!ケータイ公式サイト
・アーバンネイル< http://unail.jp/
> ネイルアートのケータイサイト
・無名芸人< http://blog.goo.ne.jp/nagayoshi_katz
> ブログ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■デジアナ逆十字固め…[66]
友人の写真展めぐり

上原ゼンジ
< https://bn.dgcr.com/archives/20071129140200.html
>
───────────────────────────────────
昨日は友人の写真展めぐりをした。まずは、京橋の「ZEIT-FOTO SALON」で行われていた、楢橋朝子さんの「half awake and half asleep in the water 06/07」。「NU E」「FUNICULI FUNICULA」に続くシリーズで、半分水中に没したイメージ。

って、何のことだか分からないな。水中カメラを使って撮った写真だが、レンズの下側半分が水の中、上の半分は水の上に出た状態で撮影している。別に水中写真家ではないので、潜って撮っているわけではない。たぶん前かがみになって水にカメラを浸けながら、シャッターを押してるんだろうねえ。

水中と水上の割合はきっちりと半々というわけではない。画面は斜めに傾いていたり、波が当たったりして不定形だ。水の上に写っているのは、遠くの風景であったり、建物であったり、水遊びをする人だったり、空であったり……。水に浸かりながら外界を覗くような、すごく不思議なイメージだ。

このシリーズの写真集は、アメリカのNAZRAELI PRESSという出版社から刊行されたばかり。なかなか立派な写真集が出来上がったが、色校正ではけっこう苦労をしたらしい。

楢橋さんはネガカラーフィルムで撮影し、自分でプリントまで行っているのだが、反射原稿からの印刷でも、カラーマネージメントの技術というのはけっこう役立つと思う。スキャニングしてしまえばデジタルデータなのだから、ディスプレイやプリンタで仕上がりイメージの確認もできる。

セレクトした写真のバラ校正を印刷本機で出すというのもいいと思う。コストを抑えながら、より本刷りに近い仕上がりの確認ができるからだ。まず、初めにワークフローから考えていけば、コストを下げつつ、イメージに近い仕上がりも望める。反射原稿で入稿する写真集の場合でも、もう少しワークフローを改善する余地はあると思う。

◇03FOTOS
< http://www.03fotos.com/
>

●馬とサボテン

その次に行ったのは、広尾で始まったばかりの尾仲浩二さんの写真展「馬とサボテン」。尾仲さんが自主ギャラリーの「街道」を再開したことは、少し前に紹介した。南阿佐ヶ谷の木造アパートを改造して作った写真展示スペースだ。

こちらの方は手作り感のあふれるギャラリーだが、今回の広尾の「エモン・フォトギャラリー」は、有栖川公園の近所のお洒落なギャラリー。尾仲さんの作品は、この夏、旅をしてきたメキシコの写真だったが、コンクリート打ちっ放しのスペースになかなか似合っていた。というか、このギャラリーで写真展をやるという話になり、スペースにあった写真ということで、なぜかメキシコが思い浮かんだのだという。

普段は一眼レフにカラーネガフィルムで撮影しているのだが、今回の旅にはパノラマカメラも携えて行った。フジフイルムの「TX-1」だ。通常の35mmのフィルムでは1コマで24×36mmの写真撮影ができるが、このカメラでは、切り替えで24×65mmの写真撮影が可能。つまりだいたい2コマ分の長細い写真になるということ。

そのパノラマカメラを駆使して撮影された、縦長や横長のメキシコの風景は、尾仲さん独特のプリントのカラーに合って、なかなかいい感じだった。今回のこのパノラマ写真をプリントするために、イーゼルやネガキャリアを自作したそうだ。また、プリント時には周辺光量落ちを回避するために、すべて覆い焼きしながら行ったのだという。

ここで言う覆い焼きというのは、周縁部が暗くなってしまうから、周縁部だけ手や紙で覆って露光秒数を変えるということ。自分のイメージ通りにプリントするために、そんなテクニックも使っている。小さな馬に乗って移動した話や、野良犬に追いかけられた話なども聞けて面白かった。

◇尾仲浩二展「馬とサボテン」
< http://www.emoninc.com/test/exhibition/onaka.html
>

●ネコの爪痕

最後に行ったのは新宿2丁目の「ポルトリブレ」。ここでは以前にも紹介したトマソンの煙突男・飯村昭彦さんの写真展「芸術状物質の謎4」が行われていた。超芸術トマソンの物件もあるが、街に密かに佇む芸術状のオブジェを撮影したものがメインだった。

壁や鉄柱などの写真が多いのだが、何度もペンキを塗り重ねたり、錆びたり、車がこすったり、ネコが引っかいたり、ナメクジが這ったりした痕跡を4×5のカメラでかっちりと複写している。

誰もいなくなった深夜に、機材を持って現れ、三脚を据え、きちんとライティングをして撮影するのだという。その行為まで含めて面白いと思うが、現場に到着して一枚目を撮影するまでに一時間ぐらいかかり、撮影が終わるまでに一晩かかるらしい。そこまでのことをやってたんですね。ホントに脱帽。

そうやって撮影された写真は本当に美しいですよ。普段は誰も注目することのない、ただの壁や鉄柱が、飯村さんに発見され、記録されることによって、芸術として再現されるというわけだ。

◇飯村昭彦写真展
< http://www.k5.dion.ne.jp/%7Emidosm/syasinten/index.html
>

トマソンつながりの美学校の友人、広瀬勉さんの型録写真展(30)「夏の塀」は、南阿佐ヶ谷の「街道」で、11月30日(金)から始まる。広瀬さんは穴あきブロックの写真で有名。穴あきブロックというのは、ブロックの種類のことで、まあ、穴の空いたブロックのことだな。その穴の形にいろいろ種類があって、菱形とか、三ッ山とか、千鳥模様とか、そういうのが、いーっぱいある。そういう写真をいーっぱい撮ってきた人。

今、ネットで調べたらけっこう穴あきブロックを撮ってる人っているんだね。でも広瀬さんは20年以上ブロックの写真を撮っていて、「塀帳」(トムズボックス刊)というブロックの写真集も出したりしてるから、穴あきブロック界での位はけっこう高いんじゃないかな?

◇ギャラリー街道
< http://kaido.mods.jp/
>

【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
◇上原ゼンジのWEBサイト
< http://www.zenji.info/
>
◇「カメラプラス トイカメラ風味の写真が簡単に」(雷鳥社刊)
< http://www.maminka.com/toycamera/plus.html
>

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■セミナー案内
早稲田大学知的財産本部主催 第3回セミナー
「“著作権”実効性確立への熱い思い」−ネット社会のデジタルコンテンツ−
< http://www.waseda.jp/rps/oip/seminar2007_03announce.html
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20071129140100.html
>
───────────────────────────────────
<主催者情報>

デジタル化とネットワークの拡大が、著作権ビジネスに危機をもたらしている。印刷された紙ベースの媒体を前提とした著作権法が、実効性を保てなくなっているからだ。音楽や映像などのコンテンツが違法にコピーされ、ネットワークを通じて世界中に出回っている。

苦労して生み出した創作者の権利が侵害され、その被害額は全世界で20兆円強ともいわれている。また、模倣品・不法コピーの生産・流通の過程に闇社会が跋扈している。そのため、主要各国は、模倣品や不法コピー対策の強化を訴えている。半面、一部とはいえ開発途上国では、生きるための糧となっているという悲惨な実態もひそむ。

権利保護の行き過ぎは、健全な文化の発展を阻害しかねない。しかしながら、権利が保護されなければ新たな創造活動への意欲が失われる。

わが国のコンテンツ産業の雄、角川グループ。その会長である角川歴彦氏に著作権問題の深刻さ、「法が守られない社会」の危機への熱い思いを語ってもらう。なお、本セミナーに参加される方は、著作権法に関する基礎的な知識が必要だ。

日時:12月6日(木)16:20〜17:50
会場:早稲田大学 小野講堂(27号館 地下2階)
※以下の会場地図中、27と書かれている建物が27号館です。
< http://www.waseda.jp/jp/campus/nishiwaseda.html
>
講師:角川グループホールディングス会長 角川歴彦氏
対象:学生、教職員、一般
参加費:無料
事前の申し込みは不要です。会場へ直接お越しください。学生ばかりでなく、本学教職員、一般の方の参加も歓迎します。なお、会場の定員には限りがありますので、満員となった場合にはご容赦ください。

問い合わせ:早稲田大学知的財産本部事務局
TEL.03-5286-8390 FAX.03-5286-8374 E-mail:oip@list.waseda.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集後記(11/29)

・なんだか一気に寒くなった。夜の「わんぽ」では最短コースを選んで欲しいのだが、とくに寒いときに限ってバカ犬にあちこち引き回される。寒々しく景気悪い音楽を響かせながら、灯油の販売車が来る(かなり前からだが)。18リットル1500円を超える。一戸建てに住んでいた時は、一冬に相当な量の灯油を消費したものだが、マンションに来てからはそもそも石油ストーブが不要になって捨ててしまったので、灯油代はゼロ。毛布もつかったことがなく、真冬でも羽布団一枚だ。コンクリートの集合住宅住まいで一番うれしいのは、寒くないということだ。手頃な狭さもラクチンで、年とってマンション住まいを選択したのは正解だった。そんな住まいの高層階に、ちょっとショックな情報がもたらされた。とくに西向きの部屋の住人は「えーっ、そんなぁー」と落胆を隠せない。娘一家もそうである。眺望に優れ、8月の戸田板橋花火大会ではすべてを見渡せる特等席となる。ところが、その花火大会会場の手前に15階建てのマンションの建設計画があるという。かなり遠距離なので、眺望をさえぎるといっても花火大会の一部が隠れてしまうかも、という程度だろう。しかし、花火大会の全貌が見えるというのが自慢の住人にとってはゆゆしき事態だ。さっそく現場に行ってみたが(ひま人だね〜)、予想外に狭い土地だったから巨大な建築物にはならないだろう。わが家はまったく影響はないが、娘の部屋から望む富士山の景観に、もしかしたら影響があるかもしれない。あの神々しい姿の一部でも隠されてしまったらショックである。どうなることやら。(柴田)

・ツークリック詐欺が捕まったという記事を見た。調べるとフォークリック詐欺まであるらしい。同意をクリックすると、会員になりましたと表示され、メールで請求書が届くってパターン。何度も書くがメールが届いたぐらいでは、あなたの身元はわかっていない。間違って登録した人へ解約するならこちら、という連絡先に電話や郵送しちゃったりしてドツボらしい。あなたのことはわかっているんだ! とばかり環境変数(下記URI参照)を出してくるところもあるそうな。これはどんなサイト(サーバー)にでも把握できる内容なのだから、知ってるからって何? と思って欲しい。たとえIPアドレスがわかったとしても、これまたあなたの契約しているプロバイダーに問い合わせないとわからない。犯罪行為があると警察から公開を求められるアレだ。あ、念のため書くと、このメールマガジンはすべて発行システム(まぐまぐなど)を経由していて、あなたからの連絡がない限り、誰が読んでいるのかメールアドレスすらわからないので安心してね。逆にうちの名前をかたって、発行システムを経由せずに変なメールが届いたとしても、こちらからはあなたのメールアドレスはわからないんだから出せるはずがない、つまり騙りなの。メールアドレスをどうやって取得するかは、怪しい懸賞やポイントサイトでの登録、怪しいショップ、Webページ上に公開されているものの収集、ランダム生成、それらで得られた一覧表売買などの方法がある。画面に払えという表示が出て消えないなら電源を消してみる、「スパイウェア」で検索してみる。と書いていたらWikipediaに項目があった。振り込む前に一度は見てね。そして何度も書くけど警察や情報提供サイトに連絡を。情報がないと(できれば被害届)見張ることも動くこともできないのだ。どんな手口であってもあなたに契約の意思があったかどうかが論点。アダルトサイトをクリックしちゃって恥ずかしい? そんな人、ちっともめずらしくないよ。気にするな〜。/でもってサイトを作る側の人へ。確認画面の要件に注意よ。(hammer.mule)
< http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071128-00000147-jij-soci
>
摘発は全国初
< http://cgi11.plala.or.jp/vaio0630/env/env.cgi
>  環境変数一覧
< http://www.meti.go.jp/policy/consumer/tokushoho/guideline/order.htm
>
確認画面
< http://ja.wikipedia.org/w/index.php?oldid=16221022
> まずはここから