うちゅうじん通信[18]うちゅう人は「一体感を楽しむ体操」とかもしてみる。
── 高橋里季 ──

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ハロー、みなさまお元気ですか?
三日前に5枚の絵をコンペに出品し終って、今日の私はとっても機嫌がいいの。
という事で、「春を迎えるニノウデ体操」について書きます。

その前にコンペ用の絵のお話を少し。
どうゆう訳か私は、絵を描き上げてしまうと、絵の具や紙の名前も、試行錯誤の工程も、全部忘れてしまうの。だから忘れないうちに書いておくとイイナと思って。だって、ひと月前に描いた自分の絵を「どうやって描いたのかしら、上手だな〜」とか思って眺めているんだもの。「本当に私が描いたのかな?」って思うこともしばしば。そうゆうのは、困る時もあります。


今回の新作には「岩絵の具」という日本画材を使ってみました。岩絵の具には金色や水晶やキラキラした色がいっぱいあります。気に入っているのが蘇芳錦。おちついたシェルピンクという感じのパールのような発色。蘇芳錦と朱色と紅梅の色合わせ、モチーフは宇宙の星や宇宙の樹、南国の花やフルーツ、金色の菊、などなど、5枚の絵は屏風のように全部繋がるように描いてあるの。

朱色は英語で「ジャパニーズ・レッド」。朱の原料は水銀と硫黄の化合物で、六方晶系の鉱石。縄文時代には呪術にも使われた、もっとも高貴な赤。蘇芳は、清少納言が好んだ色。そして、「枕の草子」の中で「見飽きのする色」といわれた紅梅色の配色で、「すべての女性美に捧げる赤い配色」を楽しんでみました。紅梅色には、金泥雲母の細い線を添えて、可愛らしさをひきたててみたの。

いつものようにドキドキの事件がありました。それは紙。ワットマンの一番厚い紙を使ったのね。A4でテストした時は大丈夫だったのに、A3ノビサイズにしたら、エプソンのプリンタ(PM-4000PX)が用紙エラーで、うまくプリントアウトできなくて。

ワットマンに黒でデジタルプリントした上から金色を塗ると、すごくカッコイイんじゃないかしら? デジタルプリントでテクスチャーをつけて、岩絵の具やカラーインクを重ねたら、どうかしら? というワクワクで、今回の絵の構成はすべて成り立っているのに、違う紙を取り寄せるのでは間に合わないし、だいたい水張りしなくていい紙だからこそ成り立つアイデアな訳なの。

プリンタにお願いするような気分で、あきらめずに何回も試してみました。「やだ〜、プリンタ壊れそう。」と思いながらも、5回に1回くらい成功するみたいなので、だんだん手差しのコツを覚えたりして。プリンタの音がグールルルと鳴ってから一呼吸して、この角度で手を添えて、紙を噛ませる。ごめんねプリンタ。おかげさまでとっても素敵な作品ができたと思うの。ありがとう、エプソン! なぜかプリンタと私が一体になったような充実した気分。

ということで、モノと一体化するニノウデ体操の話に強引に突入。

若い頃は、女性誌に「二の腕シェイプアップ」とかが図入りで説明してあっても、「二の腕って、どこのことだろう? どこがタルムって言うのかな? わかんない???」と思っていた私。つい何年か前、鏡の前で理解しました。「ニノウデって、このことなのね。」

知らなくてもいい事が、世の中にはなんてたくさんあるんでしょう? 理解してしまったことがイマイマしくて、「もう、お洒落なんかしない。どこにも出かけないで家でテレビを見て過ごすんだわ。」と思ってプチンとつけたテレビで、たまたま「二の腕シェイプアップ」の方法をやっていました。ラッキー!

さて、とにかくニノウデ体操は、ひねって回転させる時に使う筋肉を使わなくてはダメなんだそうです。具体的には、下の図のようにストッキングを持って左右の腕10回ずつ伸ばす。ストッキングは持ち易いように結び目を作ります。背骨上の腰あたりに左手を。その位置でストッキングの下端を持ち、左手は固定、右手でストッキングの上端を持って、(背中側で)グーンと上方にひっぱります。


効きました。悩みに気づいたとたんに、解決だわ。翌日には、「あ、治っている。昨日はなんだかプヨプヨしてると思った腕の形が、治ったわ!」注*私は本当にいつも運動しないので、タマの運動ですぐに効果を実感できる体質なんです。この体操は、毎日続けなくてもニノウデが気になったらやってみるくらいで充分な感じなの。

テレビではストッキングを使っていましたが、ストッキングはなんだかカッコワルイと思う人は、フィットネス用のチューブなど、そういうグッズを探してみてね。でも、今春は、綺麗なカラーストッキングやカラータイツがいっぱい売っているので、好きな色を選ぶと楽しいかも? ストッキングやタイツは、厚手のモノならハサミで切ってもほつれなくて、実はいろいろ使えて便利な素材です。

私は、タイツのような素材で、もっとヘアアクセサリーとかいろんなモノがあっても良さそうな気がするんだけど。花柄とかも、発色が綺麗だし、薄くて伸びるリボンなんかもあったらいいのに。シャランとした感じで可愛いくなると思うんだけど。高価になってしまうのかな〜?

伸びるストッキングと一体感を楽しみつつ、リズミカルに体操するのが気に入った私。自分の腕にちょうどいい負荷を、ストッキングの長さで調節する感じです。グッズを使う体操は、お気に入りのグッズを探すところから楽しいと思うので、100円ショップで気軽にとか、本格仕様のシェイプアップ用品で気分を盛り上げてみたり、いろいろ試してみるのがいいかも。

とはいえ、今年のワンピース、透ける素材のシフォンは、ちょっとくらい太めの体型の方が似合うと思うわ。シフォンのフワフワ感と一体になって、体型の事なんか忘れて春! お気に入りの服を見つけただけでも、お肌の調子が良くなる感じよね!

【たかはし・りき】イラストレーター。 riki@tc4.so-net.ne.jp
・高橋里季ホームページ
< http://www007.upp.so-net.ne.jp/RIKI/
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文中、伝統色についての記述は、中江克己著「色の名前で読み解く日本史」青春出版社から引用。カラー印刷で色見本が載っている、綺麗な本です。

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色の名前で読み解く日本史 (プレイブックス・インテリジェンス)
中江 克己
青春出版社 2003-02
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by G-Tools , 2008/03/21