[2487] 崖の上のリサ

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<そして、涙腺こわれました>

■MKチャット対談
 崖の上のリサ
 笠居トシヒロ&まつむらまきお

■グラフィック薄氷大魔王[148]
 スピーカーとヘッドホンと、iGeek Hear
 吉井 宏


■MKチャット対談
崖の上のリサ

笠居トシヒロ&まつむらまきお
< https://bn.dgcr.com/archives/20080903140200.html
>
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かさい: まいどー笠居です、お久しぶりです。2週間ぶり、いや3週間ぶりかな

まきお: どもども、あ〜、うっかりしてたら9月ですねぇ。みなさまおひさしぶり、まつむらです

かさい: もう9月なんやー、秋ですね。なんとFPS2008まであと10日ですよ!

まきお: あうっ(笑)おかげさまで申し込み開始2日くらいで満席御礼でしたねぇ。お盆の真っ最中なのに(^_^;)

かさい: 案の定、お盆中にうっかりしてて、申し込みに間に合わなかった人がけっこう居るとか居ないとか

まきお: もうちょっと席が用意できたらいいんだけどねぇ。さすがの万博公園もみじ川芝生広場もあれが上限ですか

かさい: まだ引っぱるか>もみじ川広場w

まきお: 淀川河川敷だっけ〜

かさい: KOKO Plazaですってば(^_^; ところで、ネタは用意できた? オレまだなんだけど

まきお: ひ・み・つっ(はーと)

かさい: キモッ はーとやめれ(^_^;

まきお: まぁ、はじめて見る方はあっとおどろく、2度目の方はまたかと思うネタを用意してますことよ、ほほほほほ

かさい: よこからツッコんでやる(笑)うー、オレ何やろうかな。忙しくてギリギリまでできそうにない予感〜。見たい映画もいっぱいあったのに、ほとんど見てないよ、この夏

まきお: わたしもまだ見てないのが多いな。インディ、クローン、ポニョはみましたよ

かさい: 「ぽにょ」のみだぁ、オレ見たの ぽー●ょぽーに●ぽ●にょ●にょぽ●ょぽ(↓伏せましたw)

まきお: JASRACに訴えられるぞ(笑)いやー、ぽにょ、よかった。まつむら的にサイコーでした

かさい: 今回のも、賛否両論みたいですねえ。オレも良かったと思いましたが半魚人以外はw

まきお: 半魚人、ええやん〜。おいら、ぽにょが人間になった方がびっくりした(笑)

かさい: 人魚姫ベースやねんから、人間にはなるでしょう〜(笑)一緒に観に行ったムスメも「半魚人キショっ」っていうてましたw

まきお: 半魚人ポニョは先にぬいぐるみを見てしまったので、それほどショックもなかったけど、人間になって波の上を走ってるのは不意打ちでした(笑)

かさい: コナン走り(笑)オレは、けっこう好きです(笑)で、まつむらさん的には、どのあたりが良かった?

まきお: そりゃあーた、リサでしょう! 波の上を走るぽにょに負けてないリサが好き〜♪

かさい: あああ、そこかよw

まきお: いやもう、宮崎さんの歴代女性キャラでダントツナンバーワンじゃないですか(断言

かさい: そこだけ、ナウシカあたりまで先祖返りしてるんだよなー

まきお: ナウシカなんか目じゃない〜!(断言

かさい: まつむらは、実は熟女好みだった (._.) φ メモメモ

まきお: いや、あれ熟女ゆーたらかわいそうでしょう(笑)ナウシカではなくて、紅の豚のフィオがもうちょい大人になった感じね。

かさい: あ、人妻が好み と(._.) φ メモメモ

まきお: あー(笑)いやいやいや(笑)笠居さん的にはトキさんかな?(笑)

かさい: どんだけ熟女やねん(^_^; まぁ、お話の中であの人だけが正常なわけですけどw

まきお: ああ、そういう見方もできるなぁ

かさい: あの人だけが観客と同じ目線で行動してるわけですよ。あの世界では異端になるんだけどね

まきお: 人面魚ゆーてたしねぇ

かさい: そうそう。水に飲み込まれたら普通死ぬからね

まきお: まぁ最後には引きずり込まれたけど(笑)フジモトはネモ船長だよね

かさい: なんか、パンフには設定が載ってたらしいけど、見た?

まきお: いや、買ってない。でもあれは明らかに海底二万マイルのネモ船長でしょ?

かさい: 乗組員だった、とは書いてあったらしいんだけど、まぁ、ノーチラスでイメージできるキャラったら、ネモになっちゃうんだろうけどね(パンフレットには、ノーチラス号唯一の東洋人乗組員の名前から取った、と書かれているそうです)

まきお: Wikipediaには魔法使いと書いてあるけど、DNAがどうしたこうしたって科学者っぽかったし。人魚姫のおとうさんがネモ船長だったら、ってストーリーなのかと解釈したよ。あと、エヴァの碇司令とキャラがかぶった(笑)

かさい: それは考えなかったな(^_^;>碇指令 あ、所さんは、声だけだと印象薄いね

まきお: 所さんの声は違和感あったなぁ。フジモトが碇司令で、ポニョが綾波(水槽にいっぱいいるし)。リサがミサトで宗介がシンジ。世界の危機なのに自分のことでいっぱいいっぱい(笑)

かさい: エヴァに持ってくのやめへん?(^_^; 他のみんなも(トキさん以外)別に危機やと思ってないみたいやったしw

まきお: そこがねぇ、すごいねぇ。かつてこれほどまでに危機感のない、ディザスター(災害)映画があっただろうか(笑)

かさい: 災害じゃないんだろうな、きっと。あの町の家は、水が引いたら、すぐにまた住めるんだよ。部屋の隅に三葉虫くらいは残ってるかもしれないけどw

まきお: 住めるだろうねぇ(笑)いや、その災害っていうか、大嵐、津波だけど、わたしらが見ると、子供のころの台風の体験とか呼び起こされるんだけど、今の子供はそういう経験がいまひとつないじゃない? 停電とか。もちろん地域によるのだけど

かさい: 滅多に停電しなくなったねえ、最近は。

まきお: しないよねぇ。非常灯とか、自家発電とか、モールスとかポンポン船とか、子供たちはまた違った視点で新鮮に見てるんだろうなぁと。あの、波が襲ってくる感じを、ぼくは実際の海の様子を知ってるからリアリティで見るのだけど、子供たちはどうみてるんだろうな、と思った

かさい: ムスメにポンポン船の仕組みを説明させられたw

まきお: あの屋根は熱いんじゃないかね(笑)オケツ焼けるよね(笑)

かさい: 熱いと思うよ(笑)焼き魚にならなきゃいいけどw

まきお: 批判的な意見ってあるの? あまり評判見てないのだけど

かさい: よくわからない、って感想が比較的多いのかなと思うんだけどね

まきお: 理屈で考えると理不尽、って思うかなぁ。筋は通ってると思うけど、SF的にも。

かさい: 町が水没してるのに、優雅に船の上で赤ん坊にミルクやってる夫婦とかあり得ないわな、普通の神経だとw

まきお: そこがいいんですわ(笑)元来日本人は災害に対して強い民族だからね。海の人たちは強いんじゃないだろうか?(暴言)理屈でちょっとひっかかったのは水道水ね。ポニョに水道水でええんかっって(笑)

かさい: ああ、そこはオレも思った(笑)昔さあ、オタマジャクシを捕ってきて、水道水を張ったたらいに入れたら、数時間でみんな死んじゃうわけ。塩素がたっぷりだったから、昔の水道水は。ましてや、海の生き物入れたら、脱塩素しても死ぬわな、普通w

まきお: 肺呼吸なんだろうけど(笑)演出的には宗介、そんなことしちゃあかん〜、って観客に思わせるって狙いかなと思ったが

かさい: 肺呼吸なの? 両生類なのか? ってそんなこと考えちゃダメなんだよな、きっと

まきお: 徐々に世界がおかしくなっていく話の発端だからねぇ

かさい: 観客に何か思わせるとしたら、「そんなことダメ」のあとに「ああ、こんなこと考えなくていいんだ」って思ってほしかったのかもね

まきお: 人面魚ですからー(笑)まぁそのアタリで世界に入っていけるかどうかで評価が分かれるのかなぁ

かさい: だろうね

まきお: 笠居さん広島出身でしょう? あの風景は広島あたりだよね

かさい: そうかなあー? オレは広島市内だけど、三角州だから、川から海にかけてはずっと平坦なんだよね。あんなに起伏に富んだ地形じゃない

まきお: そうかぁ。広島県福山市の鞆の浦あたりらしいが。あの船のドックは実在するのかなぁ

かさい: そうなの? あれって瀬戸内海なの? 広島で造船所といえば呉だけど

まきお: 瀬戸内はあんな津波は来ませんけどね(^_^;)

かさい: ぜんぜん瀬戸内海っぽくない。おれはむしろ日本海側だと思ってました。島根とか鳥取とか

まきお: 多島の印象があったからかなー。なんとなく瀬戸内〜って思いながら見てたわ。でも理屈ではたしかに日本海だね

かさい: でしょ? 瀬戸内海は、あんなに海岸近くからいきなり深くなったりしませんよ

まきお: だからこそ、不思議の巣窟(笑)

かさい: いやいや(^_^; そこは別に不思議にしなくてもよろしい。日本のどこかにある海岸の町、でいいじゃん

まきお: いいんですよ〜。で、話は戻るが、リサですよ、リサ

かさい: 戻すのか(^_^; よっぽど気に入ったんやなあ

まきお: あの人はあれで結構、昔は苦労してるんだよなぁ。でもって、両親に結婚大反対されて…

かさい: どこにそんな設定が。。。

まきお: まつむらの脳内(笑)

かさい: ウジわいとるな(笑)で? ぜんぶいうてみ。きいたげるからw

まきお: 宗介が生まれてようやく両親もあきらめて… いやん(笑)

かさい: キモッ。やめい汗

まきお: しかし、この映画は男性は存在感薄い映画だよねぇ。男性は子供か、駄目な人か、いつもいない人しか出てこない(笑)

かさい: 父親役が一茂だと聞いて心配しましたが、ぜんぜんその必要はなかった。ハッキリ言って出てこなくてもいいくらいのウェイト

まきお: ゲームのmotherのおとうさんを思い出しました(笑)

かさい: (笑) まぁ海上の様子を見せたかったので、船乗りが必要だったって感じでしょうかね

まきお: いや、リサの引き立て役として重要。わかれちまえーっ(笑)そんな男やめとけーっ(笑)

かさい: 別に別れる理由も特にないけどね(^_^;

まきお: 帰ってこないじゃーん(笑)戻ってきて子供増えてたらびっくりするだろうなぁ、おとん(笑)

かさい: 意外とびっくりもしないんじゃないか? だーれもびっくりしないんだよ、この映画では(笑)あ、トキさん以外w

まきお: しないねぇ(笑)そこがこの映画の大発明だと思ったよ

かさい: 発明というか、これはおとぎ話なんだよね。アンデルセンの全集読みながら、その世界観につっこむ人はあまりいないでしょう。その世界に入る心構えが最初からあるからね

まきお: 嫁さんもそう言ってたけど、ぼくはあまりそうは思わなかったんだけどね。おとぎ話はねぇ、キャラがたってないんだよね

かさい: そぉかぁ?

まきお: うん。ストーリー主導で、キャラがなぜそういう行動をするのかって部分は希薄でしょう。現代のコンテンツはその部分が中心だから

かさい: じゃぁね、キャラの立ったおとぎ話(笑) キャラ主導で、なんでそんなことが起こるのかストーリー展開がわかんない。勝手に動き回るキャラ達

まきお: 子供だもん(笑)ストーリー展開はハウルが乗れなかったなぁ。だれがなにやってるのかわかんない状態で。なので、今回は5歳児視点で素直に乗れたなー。おいら脳内年齢5歳なのかな(笑)

かさい: うんうん否定はしない(笑)そうそう、中西さん(mAcadamia主宰)は、「パンダコパンダ 雨ふりサーカス」だと言ってた
< http://www.amazon.co.jp/dp/B00005FT1K
>

まきお: うん。それはまんまですね(笑)あれは原点はムーミンかな

かさい: 「宮崎さんは、水没した街が描きたかっただけだろう」とも(笑)

まきお: 雨ふりサーカスで、カリオストロで、メイちゃんで、フィオで…まぁ総棚ざらえ(笑)なによりこんだけ爽快なアニメは紅の豚以来かな水没した町はコナンでも出てくるねぇ

かさい: 好きなんじゃないかな>水没した街w

まきお: ムーミンだと思うなー。ムーミン谷もどの話だったか、水没して、ベッドで船で…アニメのオリジナルかもしれなけど

かさい: このストーリーを、まるまるムーミンのキャラと差し替えたら、なんの違和感もないだろうな

まきお: 明るいムーミン(笑)ムーミンは結構、終末感漂ってるからなー。性格もどっちかってーと碇シンジよりだ(笑)

かさい: またでたっ

まきお: いや、逆ですよー。人類補完計画って雨ふりサーカスだったんだー、って(笑)

かさい: ああああああああああああ(^_^; ところで、気になったのは、水道水だけか?

まきお: ポンポン船の屋根とね(笑)あの二箇所が一番気になったかな。あと軽自動車であれは……死ぬでしょう(笑)

かさい: アレ、車種なんだった? 最近の軽自動車かな

まきお: 最近っぽいが…シフトチェンジだよね。2ドアで。あるのかなぁ

かさい: そこ、なんかひっかかるね。車種がわからないような車が宮崎アニメに登場するとは。わざとかなあ

まきお: 架空みたいやね。まぁクルマ描いてたのは大塚さんだしー、ナンバーが333。ルパンのフィアットはR-33

かさい: そうそう、巷では、ぽにょが肉食で吸血だというので、一部もりあがってたな

まきお: 凶暴〜(笑)野菜も食え〜(笑)

かさい: ハム大好きだからな(笑)いいじゃないかハム好き

まきお: しかしサンドイッチ喰いながらあの崖の道はあぶねーぞ、リサ(笑)

かさい: あの人の運転は真似しちゃダメだね(笑)あれじゃルパンだ

まきお: 海の魚に水道水以上にマネしちゃだめ(笑)

かさい: あ、あと、ぽにょのおかあちゃん、でかっ!

まきお: でかすぎ(笑)全体はおろか、あらゆるパーツもでかい(笑)

かさい: 心もでかい。フジモトが「世界が破滅するかも」って心配してるのに「大丈夫でしょ」ってw

まきお: そりゃあんたは大丈夫だろうが(笑)

かさい: ねぇ(笑)

まきお: まぁ、そういう動じない女性ばっかの映画でした(笑)

かさい: トキさん以外(笑)

まきお: まぁあの人はあの人で常識的には動じてない(笑)いやしかし、DVDが楽しみだ。つか、もっかいスクリーンで見ておきたい

かさい: おまけの絵コンテとか目当てでしょ

まきお: いや、コンテは紙の方がいい。DVDのコンテは注釈が読めないから。この前F-siteで上京したとき、ジブリのレイアウト展ってのに行ってきたんですよ

かさい: ああ、やってましたね。オレは昼間から飲んだくれてましたが

まきお: 絵もよいのだけど、色々注釈があるのが面白くてね。ポニョは映画未見だったので展示はあえて見ませんでしたが

かさい: 創作の裏側ね。そういえば、背景のタッチとか、ワシらが話題にしそうなことをなんにも言ってませんが

まきお: あああ、それそれ、色鉛筆かな

かさい: 色鉛筆ですかね。パステルにしては堅い感じだったから

まきお: うまく馴染んでいるところもあったけど、個人的にはあれはちょっと中途半端かなぁと

かさい: 全部あれで通せれば良かったんだろうけどね、ちょっと部分的に目立ってしまって、浮いてましたね

まきお: 絵としてはいいんだけど、映画の背景は、実在する風景としての役割なので、絵としての存在の方が出ちゃうと現実に引き戻されちゃうんだよねぇ。あと、デジタル合成。しょっぱなからバリバリデジタルやん!(笑)あんなん、アナログだけで絶対無理やわ!

かさい: 全部手描きなんですよーw CG使ってない、って作画だけだよな、やっぱ

まきお: 描いてるのは手描きやろうけど(笑)セルあんだけ重ねられるかーいっ(笑)手描きなのはよかったけど、やっぱり手描きがいいよね、とは思わなかったなー。たとえば嵐のシーン、すごいけど、アイアンジャイアントの冒頭の嵐もやっぱり好きだわ

かさい: 手法をどうこう言ってもしょうがないよな、と思うんですけどね。まぁ、鈴木P的には、売り文句はたくさんあった方がいいからってことでしょうか

まきお: 商売としてねー。もちろん手描きでの情念っていうか、贅沢さは堪能できましたが。ピクサーも「モーションキャプチャ不使用」ってゆーとるし(笑)

かさい: 宮崎さん的には、自分が掌握できないものがワークフローの中に入ってくるのがイヤだ、ってだけなんじゃないかと(笑)

まきお: いやー、デジタル合成はけっこうノリノリみたいですよ。モニターの前で指示だしてたよ〜、ちゃんと自分で。でも実際、今後キャラクターのCG化もどんどん進むだろうから、これだけ贅沢に手描きの長編アニメって、もうこれで最後かもしれんなぁ

かさい: 人の手を使って作るものは、どんどん贅沢品になっていくわけだなあ

まきお: CGも、ピクサーなんかみたいに、きっちり手で演技つけているのは、人形アニメと同じなわけで見ていて気持ちいいけどね

かさい: CGといえばクローン大戦だな。ようやく夏休みも終わったから、平日に観に行こうかなーっと

まきお: 意外とよかったですよー。映画としてはともかく、SWとして(笑)

かさい: その評価はよーわからん(^_^;

【笠居 トシヒロ/WEBクリエイター・デザイナー、デジハリ大学院客員教授】
ホントにネタができてません。困った困った。当日までには何とかしますが。いや、そこはプロですからw FPS参加の皆さん、当日は呑みましょうねー(違
< http://www.mad-c.com/
> < mailto:kasai@mad-c.com >

【まつむら まきお/まんが家、イラストレーター・成安造形大学准教授】
夏休みを利用して、親不知を抜きました。一週間くらい腫れてたまらんかった。
< http://www.makion.net/
> < mailto:makio@makion.net >

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■グラフィック薄氷大魔王[148]
スピーカーとヘッドホンと、iGeek Hear

吉井 宏
< https://bn.dgcr.com/archives/20080903140100.html
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集合住宅では、いいスピーカーは無駄だと思う。迷惑になってないか心配で大きな音が出せない。時速300キロ出るクルマを時速30キロでしか運転しないようなもの。で、5年ほど前からパイオニアのサラウンド・コードレス・ヘッドホン(SE-DIR1000)を使っている。DVDを観るときにサラウンドを効かせると、映画館で観ているような臨場感がある。音楽もホールで聴くような拡がりのある音になる。

普通のヘッドホンでは、ステレオの音場は頭の内側にある。右耳から左耳の間に楽器が並べてある感じ。長時間聴くと、頭の中に音がぎっしり詰まって疲れてしまう。ところがサラウンドヘッドホンでは、ちゃんと頭の外から音が聞こえるのだ。リアルな音場ではないかもしれないけど、頭の中で鳴らないだけで、すごくラク。疲れないのです。

ただし、このヘッドホン、とても大きくて重い。音楽ノリノリで首を振ることもできない。姿勢を変えるとズリッと動いたりして不快。本体にヘッドホンジャックがついているので、イヤフォンを繋いでしのいでいたのだが、最近は安い軽量コードレスヘッドホンを繋いでいた。つまり、コードレスヘッドホンの直列二段重ね状態。さすがにバカバカしいのでなんとかしたいと思っていたところ、いいソフト発見。

iGeek Hearというサウンドエンハンスソフト。こういったソフトはiTunes向けにはあったけど、HearはMacの音全体をカバーする。サラウンド効果も搭載。一ヶ月使える体験版をインストールしてみた。音楽や映画のジャンルに対応した100種類以上のプリセット設定があり、自分で作った設定を保存することもできる。

iGeek Hear
< http://www.igeekinc.com/products/hear.html
>

プリセットを次々に試してみたけど、う〜〜〜ん、音にまったくうるさくない僕が聴いても、ほとんどの設定がイマイチな気がする。音がバリバリに割れたり、風呂場に巨大スピーカーみたいな音空間、極端にイコライザーがかかって聞こえなくなる音も。何気なしに聴く分にはそれほど変じゃないプリセットも、原音をよく知ってる聞き慣れた音楽や自作曲では、非常に変に聞こえてしまう。空間の拡がり具合やイコライザーなど、非常に細かく音質設定ができるので、慣れてくれば不自然でない設定もできるんだろうけど。

で、効果の控えめなプリセットを選んで設定をさらに弱めにしてみると、まあそこそこイケる。説明書を読んだら、プリセット名にSのつくものはステレオ、Hのつくものはヘッドホン、らしい。そのつもりで聴いてみると、なるほど、悪くない。サラウンドヘッドホンの音質には遠く及ばないものの、気軽に音楽や映画を楽しむには十分。机の上のサラウンドヘッドホンユニットとスピーカーを片付け、軽量ワイヤレスヘッドホンだけにしちゃいました。快適です。

●おまけ iPhone/iPod touchアプリ「PaklSound1」

TENORI-ONのお手軽真似っこソフトとでもいうのかな。音はピコピコシンセ音とドラム音の2トラックのみで音色は固定、シーケンスは1小節を2パターンだけ。機能はお話にならないくらい少ないけど、TENORI-ONを初めていじったときの楽しさのダイジェスト版って感じでけっこう楽しめる。お値段は本物の千分の一以下の115円! しかし、低価格や無料でおもしろいオモチャ的iPhoneソフトがどんどん登場するのはいいんだけど、次々インストールするから8GBのiPod touchじゃ容量が心配。

< http://pakl.net/iphone/PaklSound1/
>

【吉井 宏/イラストレーター】 hiroshi@yoshii.com

「崖の上のポニョ」、観てきました。大人的には突っ込みどころ満載なのですが、やっぱポニョのキャラクターの魅力と「手書き」アニメーションの映像。特に、ポニョが波の上を走るシーン。こりゃあもう、何か神々しいものを感じました。そして、涙腺こわれました。なんちゅーか、昔、教科書の端っこにパラパラマンガ描いたじゃないですかー。何時間もかかって最初のページから最後のページまで描くでしょ。で、パラパラやると動くわけです。紙の上では止まってる絵が滑らかに動くこと自体に大感動するわけですよ。あのシーン、パラパラマンガで感動したのと同じ快感が1000倍に増幅されて脳ミソに降り注ぐ感じ、と言えば、わかってもらえるかなあ。あの映像を作るため、制作費を工面するため、しかたなく「劇場映画」という入れ物を用意したのかも。伊集院光氏が以前言ってた「『いぬのえいが』は涙グショグショになるけど、泣かせるからいい映画かというと、そうとは限らない」と似た意味で、ポニョの映画としての出来は評価の分かれるところかもしれない。たぶん、破綻なくきっちりまとめるのは最優先事項でないのかも。でなきゃ、ストーリーの後半が未定のまま制作スタートなんてできないはず。全編に渡ってこれでもかと動かしまくる絵のとんでもない密度は圧倒的で、それで十分だと思いました。この絵のパワーを維持するためなら、ストーリーや設定など破綻しててかまわないです。僕的には「千と千尋の神隠し」と並ぶ大傑作(「手書きだからすごい」とは意地でも言わないぞ。「Mr.インクレディブル」で、自分の能力を初めて解放した少年が、森や水面を猛スピードで走るシーンも同じくらい感動したからね〜)。あと、無駄にロマンチックっぽい「人魚」ではなく、ちゃんと「人面魚・半魚人」として扱ってるところがすごい好き。そうそう、エンドクレジットが短くてすばらしいです。

HP < http://www.yoshii.com/
>
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
>

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■編集後記(9/3)

祝山 (光文社文庫 か 36-5)・雷雨の午後、犬と一緒にテラスに出て、ロッキングチェアで加門七海「祝山」(光文社文庫、2007)を一気読み。後にもう一度読み直し。「見える人」として知られる著者の実体験を下敷きにしたリアルホラーで、おもしろかったが、こわかった。強烈な怪奇現象が起きるわけではないが、じわじわと「何か」に「巻き込まれて」いく恐怖がよくわかる。原稿が進まずに困っていたときに、ある廃墟に肝試しに行ってから周囲で変なことが続くので、相談に乗って欲しいという旧友からのメールが届く。ネタが得られるかもしれないと、その誘いにのったときから、この異常そのものに巻き込まれていく。凶事を控えた胸騒ぎから始まり、いやな気配はどんどん接近して来て、ついに……。もとより、肝試しメンバーもどんどんおかしくなって行き、一人は死ぬ。本気でヤバイ話の顛末。これはノンフィクションではないか。読んでいていやな不吉な気分が続く。ときに鳥肌が立つ(本来の意味で)。「祝山」、実は「位牌山」だなんて……。「肝試しに行く奴は、完全な馬鹿だと思っている。そこで怖い目に遭うのは自業自得で、悲惨な結果になったところで、同情する余地はない」「一昔前の『心霊』と『スピリチュアル』には、ひとつ大きな差があった。それは──恐怖の欠落だ」「心霊という、古代から続く神秘的かつ普遍的なものが、ここ数年、急速に毒を抜かれ希釈され、私達の周辺に漂っている」「心霊的なものに対して真のリアリティを持っていない」こういった、主人公の口を借りて語る筆者の指摘は正しい。神社で祝詞を唱えたり、寺で真言を唱えたりする素人連中が目につくようになってきたそうだが、「てめえらみたいのが、ウロウロするから、こっちが迷惑するんだよ」まさしく!(柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334743056/dgcrcom-22/
>
アマゾンで「祝山」を見る(レビュー5件)

・Google Chrome。もう試されました?/ちょっと前の話。ノアの三沢が近所のパチンコ店のイベントに来ると知った。夏休みだよ、大阪じゃノアのプロレス中継なんて真夜中だよ、がらがらだったらどうしよう、府立体育館で握手してもらったけど近所で会えるならもう一度握手してもらいたいっ、などと思い、行くことを決めるが、パチンコ店に入るのって勇気がいる。見えないバリアがあるってば。店にイベント開始時間を聞くが教えてくれない。その日は忙しくて、一区切りついてから店に電話をするが誰も出ない。店に行ってみるが、やっぱり見えないバリアがあって入れない。外でしばらくうろうろし、えいっとバリアを破り、店員さんに聞いたら終わってしまっていた。いいの、いいのよ?。/スターの存在感が薄いような気がするよ、いまのノア。若手が熟していきますように。/石井慧選手語録について書かれてあるblogあり。これ確かバキにあったよね?と思っていただけなので、細かな解説に拍手。一般的に使われるフレーズもあるけど、石井選手の出典はバキだよね、たぶん。室伏選手と会った時の「オスとして」もバキからだよね?。(hammer.mule)< http://www.google.com/chrome/
>  Google Chrome
< http://www.google.com/chrome/
>  Google Chrome
< http://blog.livedoor.jp/joachim_hansen/archives/51130093.html
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石井慧はバキマニアに違いない。
< http://blog.livedoor.jp/joachim_hansen/archives/51131767.html
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石井慧のバキ語録2