
普通のヘッドホンでは、ステレオの音場は頭の内側にある。右耳から左耳の間に楽器が並べてある感じ。長時間聴くと、頭の中に音がぎっしり詰まって疲れてしまう。ところがサラウンドヘッドホンでは、ちゃんと頭の外から音が聞こえるのだ。リアルな音場ではないかもしれないけど、頭の中で鳴らないだけで、すごくラク。疲れないのです。
ただし、このヘッドホン、とても大きくて重い。音楽ノリノリで首を振ることもできない。姿勢を変えるとズリッと動いたりして不快。本体にヘッドホンジャックがついているので、イヤフォンを繋いでしのいでいたのだが、最近は安い軽量コードレスヘッドホンを繋いでいた。つまり、コードレスヘッドホンの直列二段重ね状態。さすがにバカバカしいのでなんとかしたいと思っていたところ、いいソフト発見。

iGeek Hear
< http://www.igeekinc.com/products/hear.html
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プリセットを次々に試してみたけど、う〜〜〜ん、音にまったくうるさくない僕が聴いても、ほとんどの設定がイマイチな気がする。音がバリバリに割れたり、風呂場に巨大スピーカーみたいな音空間、極端にイコライザーがかかって聞こえなくなる音も。何気なしに聴く分にはそれほど変じゃないプリセットも、原音をよく知ってる聞き慣れた音楽や自作曲では、非常に変に聞こえてしまう。空間の拡がり具合やイコライザーなど、非常に細かく音質設定ができるので、慣れてくれば不自然でない設定もできるんだろうけど。
で、効果の控えめなプリセットを選んで設定をさらに弱めにしてみると、まあそこそこイケる。説明書を読んだら、プリセット名にSのつくものはステレオ、Hのつくものはヘッドホン、らしい。そのつもりで聴いてみると、なるほど、悪くない。サラウンドヘッドホンの音質には遠く及ばないものの、気軽に音楽や映画を楽しむには十分。机の上のサラウンドヘッドホンユニットとスピーカーを片付け、軽量ワイヤレスヘッドホンだけにしちゃいました。快適です。
●おまけ iPhone/iPod touchアプリ「PaklSound1」
TENORI-ONのお手軽真似っこソフトとでもいうのかな。音はピコピコシンセ音とドラム音の2トラックのみで音色は固定、シーケンスは1小節を2パターンだけ。機能はお話にならないくらい少ないけど、TENORI-ONを初めていじったときの楽しさのダイジェスト版って感じでけっこう楽しめる。お値段は本物の千分の一以下の115円! しかし、低価格や無料でおもしろいオモチャ的iPhoneソフトがどんどん登場するのはいいんだけど、次々インストールするから8GBのiPod touchじゃ容量が心配。
< http://pakl.net/iphone/PaklSound1/
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【吉井 宏/イラストレーター】 hiroshi@yoshii.com

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