[2547] でたぞFlash CS4! 3D変形とインターフェイスの巻

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<Flashは 5の倍数で アホになる>

■MKチャット対談
 でたぞFlash CS4! 3D変形とインターフェイスの巻
 笠居トシヒロ&まつむらまきお

■グラフィック薄氷大魔王[161]
 Photoshop CS4トライアル版ハイライト
 吉井 宏

■展覧会案内
 上原ゼンジ写真展「FANTASTIC REALISM 夢遊する現実」


■MKチャット対談
でたぞFlash CS4! 3D変形とインターフェイスの巻

笠居トシヒロ&まつむらまきお
< https://bn.dgcr.com/archives/20081203140300.html
>
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かさい: ほーい毎度ー、笠居です。一気に寒くなりましたねえ。朝自転車で走るのがつらい〜

まきお: 毎度、まつむらですー。あたたかい昼に走るのがすきっ♪(笑)

かさい: 昼間は仕事しなきゃー。ところで、先日AdobeのCS4お披露目セミナーがあったじゃないですか。オレ、申し込んでたんだけど、打ち合わせとかぶっちゃっていけなかったんですよ。

まきお: はいはい、行ってきましたよ。盛況でした〜。特にタコがすばらしかった

かさい: タコ? タコってなんだよ(^_^;

まきお: 行った人にしかわからん、すばらしいタコだったんだよ〜(笑)

かさい: わからん(^_^; タコもわからんし、何がすばらしいのかもわからん

まきお: 行かなかったからじゃー(笑)6時間かけて、CS4をオーバービューしていく内容で、まぁCS4大喜利って趣向で、面白かったけど疲れた〜(笑)体験版あーだこーだといじる前に見所見せてもらって得した♪

かさい: 長丁場だからなあ(笑)で、見所はありましたか?

まきお: タコ

かさい: タコ以外で(^_^;

まきお: えー(笑)見所しかなかったですよ。新製品発表なんだから。体験版DVDもいただいて帰ってきました

かさい: その中でも、「これは!」ってやつ。タコ以外で

まきお: タコ、タコ、タコ…ああああ(笑)

かさい: あかんがな(^_^;

まきお: 僕的にはイラレとFlashが面白かったねぇ。あとInDesign

かさい: イラレねー、ページ概念がようやく導入されたとか

まきお: それが違うのよ。ページではなくて、アートボードが複数持てるようになったの。マスターページやノンブルの機能はないの

かさい: 一つの画面に、アートボードを複数置けるってことか?

まきお: っていうか、ひとつの書類にね。アートボード複数のデモでは、フライヤー、チケット、ハガキとサイズの違う3つのデザインをひとつの書類でやってたんだけど、ひとつの書類なので、レイヤーやシンボルは共通なんだよ。だからデザイン変更とか楽なわけだ

かさい: ふうん、見てみんとわからんなぁ(^_^;

まきお: 同じデザイン要素を使いまわす場合、便利なわけね。マスターページないって言ったけど、シンボルを併用すればまぁ、マスターページ的なことはできますな。でもページ物はInDesignでやりましょう、って言ってたし、わしもそう思う

かさい: オレはページものやらないんで、単純に期待してたのは、複数ページあるPDFをイラレで開くとき、いちいち小さいサムネイルでページ選んでから開く、なんて手間がかからなくていいかなーと

まきお: それは変わってないんじゃないかなー。ページの概念じゃないんだから。体験版DLはじまったから自分で確認しましょー

かさい: しましょー。あー、いま製品ページ見てたら、このグラデーションコントロールはいいなあ
< http://www.adobe.com/jp/products/illustrator/features/?view=topnew
>

まきお: あー、そうそう、グラデは軸が変形できたりと、Flashライクになったんだけど、イラレはさらに絵の上に、グラデーション設定のバーが寄り添って出てくるんだよね。なんで今回のFlashにこれ載せてくれなかったんかなぁ

かさい: これ、欲しいねえ、Flashに。いや、全製品に欲しいわ

まきお: そんな機能は多かったよぉ。FWのあれが欲しい、DWのあれが欲しいって感じで…多分、開発途中に出たアイデアで、当初の仕様には含まれてなかったんだろうけど…そのあたりは揃えて欲しいよなぁ。両方使う人間はこんがらがる

かさい: うん、基本的な機能は統一してくれた方がいいなあまあ、そう簡単にいかないことも多いんだろうけどねで、肝心のFlashですが

まきお: Flashですな〜。なんとVer10ですよ

かさい: 10かぁ…早いなあ。

まきお: 来年はわしら、年男ですよ

かさい: 年男かぁ…早いなあ。って、関係ないがな(^_^;

まきお: たそがれてる場合ではない(笑) Flash新製品レビューはマツカサがデジクリに書いているアイデンティティなんだから、ちゃんとやらねば(笑)

かさい: そうですなあ(^_^; 今回のCS4は、とくにアニメーション機能の強化が行われたっぽいけど、実際のとこどうなのかな

まきお: 3Dパースとボーンが売りですな。特に3Dは、Flashの歴史の中で特筆すべきアップグレードやねぇ

かさい: 以前から、パース変形をやりたいって要望は多かったからね。オレもそこんとこは待ってましたって感じです

まきお: パース変形そのものは、スクリプトを使えばビットマップの3D変形はできたのはできたんだよね、Flash8からかな

かさい: そそ。でもスクリプトで、ってのはデザイナーや絵描きには敷居が高かった

まきお: スクリプターには絵づくりは敷居が高いってことで(笑)まぁ両方兼ね備えたり、チームで作るような場合しか使えなかったのが、今回はちゃんとインターフェイスが用意され、だれでも3D変形ができるようになった♪ もちろん画像でもシェイプでもOK

かさい: あと、完全な3Dまでは望んでないけど、写真をパース変形、くらいはできたらなーと思ってた人はかなり多いだろうと

まきお: 実際、今回のFlashの 3Dは、3Dオブジェクトは扱えない。平面の3D変形です。厚みのあるもんとか、自動車とか飛行機とか美少女フィギアとか巨大ロボとか扱えるわけではない〜

かさい: ですなー。今回のは、身の丈にあった感じの機能アップだと思うよ。一枚の紙をくるりんと回したり、とかは簡単にできる立方体とかも頑張れば作れそうw

まきお: 立方体…わたしなら迷わずSwiftにします(^_^;)面あわせるの大変だぞ。ロゴに厚みをもたせるくらいは出来て欲しいところだけど、まぁそのあたりはSwiftでってことですな

かさい: (笑)ここに、新機能がピックアップされてますが、3Dのとこのサンプルを見てもらうと、簡単に3D変形できるのがわかると思いまする
< http://www.adobe.com/jp/products/flash/features/?view=topnew
>

まきお: このサンプルわかりにくいなぁ。なんで最初からパースがついてるロゴ使うのかな(^_^;)

かさい: (^_^; ま、操作が簡単だってことはわかると思うので

まきお: 3D「変換」って翻訳もわけわかんないですが、、ツールには2種類あって、まず、ムービークリップを3D回転ツールでクリックすると、丸い操作図形がでて、パース変形ができる

かさい: ふむふむ

まきお: 従来、シェイプの変形にもパース変形はあったんだけど、あれはエンベロープ変形だったのに対して、今回はちゃんとxyzの概念があって、各軸に対して平面を回転ができるわけだ

かさい: 見た感じ、上下左右のパース変形+中心軸での回転、という感じだけど、それぞれちゃんと空間軸があるわけですね

まきお: そそ。ポインタにyって出る、緑の線をドラッグすると、横方向の水平線を軸に回転してくれる。で、この時、ステージ全体で統一された消失点があるので、それにあわせて変形される。ムービー全体として空間を保ってるわけ。

かさい: ステージ上の消失点はもひとつの3Dツールで変更できるってことかな?

まきお: いや、もうひとつのツール「3D変換ツール」は名前からは想像もできないが(笑)単にインスタンスの位置を3D空間内で移動します。…ああ、transferを移動ではなく変換と誤訳してるんや(笑)Flash誤訳多いな。静止テキストとか(静的テキストが正しい)。

かさい: (^_^;

まきお: 消失点と焦点距離はプロパティパネルから数値で変更です

かさい: なーるほど。プロパティにあるのね?>消失点

まきお: とまぁドラッグやら数値やらで3D空間的に設定できるんだけど、しかしこれね、3Dやってる人がさわったらブチ切れると思うよ。だってz座標として手前にあっても、インスタンスとして下のレイヤーにあったら、重なりは変わらないんだもん

かさい: わはははははははは

まきお: 手前のインスタンスを乗り越えられない。いや、こうしないとFlashの2Dアニメ環境と整合性がとれないのはわからんことはないんだけど、3D的にはかなりキモチワルイ(笑)3Dな人キレルに1000点(笑)

かさい: 実際にステージ後方から近づいてきたオブジェクトが、前方へ飛び去っていく、という動きを作るのは難しいかな? いや、シンボル内で作って位置ずらせばいいだけか

まきお: そそ、回転させてパースつけて、従来の方法でトゥイーンさせればそれ風にはなる。たとえば、SWのオープニングテロップ、まぁ、だれでも一度は作りたいと思うわな(笑)これをつくってみましょうか

かさい: 作ってみましょうか、っていま作るの? いま、手元のマシンにCS4が入ってないんだよ(^_^;

まきお: だって、読者のみなさんはCS4体験版をいぢりながら、この記事を読んでるんだよ。目の前にFlashCS4がないのはオッサンだけだよ(笑)

かさい: おおお、メルマガワークショップw じゃあお願いします、せんせぇ

まきお: 作り方は2種類あって「感覚的(笑)」と「空間として正しい」。まずは感覚的の方ね。テキストツールで適当に文字ブロックを作ります。この記事をコピペするといいね(笑)

かさい: 長すぎるので、1/3くらいでいいですよ(笑)

まきお: そのままでは変形できないので、ムービークリップに変換します〜。で、3D変形ツールで「x」軸をドラッグすると、台形にパースがついた形になります

かさい: 実際には、向こう側へ倒れ込んだという計算で変形されるわけですね

まきお: そそ。で、オブジェクト右クリックでこれも新作法なんだけどトゥイーンに変換。遠ざかる様子にするには、3D変換の方のZで小さく、Yで上方向に移動します感覚的にはこんな感じでいける。通常の選択ツールで移動させると傾きも変わっちゃうので、3D移動を使うのがポイント

かさい: 簡単ですねー じゃぁ、空間として正しいほうの作り方は?

まきお: 正しい方はですね、ムービークリップにしたあと、3D回転ツールのx軸回転を「90度」にします。つまり、ぺたんと床にたおしちゃうわけ

かさい: それだと見えなくなっちゃいますよ

まきお: そうなの。それは水平線の上に位置してるからですな。で、そのあと今度は3D変換ツール使ってxy方向に移動してやると、画面中心を消失点とした遠近表現になる。あとはz軸方向に移動させると空間的に正しいSTARWARSになる。変形パネルで軸の回転を数値でいじれるから、その方が楽かも

かさい: なるほど、画面中心から移動させてやればいいわけね。この作例の場合は、y軸下方向に移動させればそれ風になるってことですね。

まきお: そそ。テロップみたいにひとつのオブジェクトしかなければ感覚的にやってもいいんだけどカードが何枚か立ってるような表現の場合、感覚的にやるとカード同士の遠近の整合性がとれなくなるから、空間的に正しくやった方がいいね

かさい: ふむふむ。でもまあ、これは慣れればなんとか使いこなせそうですね。ところで、サンプルを見てると、どうもステージの下にタイムラインがあるっぽいんですが。。。

まきお: タイムライン下どころか、あーた、ツールボックス右でんがな

かさい: ツールボックスが右…って、これまでの常識に真っ向からケンカ売ってますね(笑)

まきお: もう売りまくり(笑)しかもCS4全部がそうなのかと思ったらあーた、Flashだけが右なんですよ

かさい: ええええええええええなんでまたそんなことに(^_^;

まきお: アドビ西村さん曰く「ツールを選んでプロパティを設定して、ステージまたはタイムラインで操作する、というワークフローにあわせてレイアウト変更になりました」ってゆーてたけど納得でけんなぁ、その説明では(笑)

かさい: カーソルが画面上を移動する距離を最短にしよう、という試みだというわけだな?

まきお: それなら左から右に進んだっていいんだし、他のアプリが従来どおりってどーゆーこっちゃねん(笑)

かさい: だよなぁ(笑)とりあえず、いままで通りパネル類の再配置は可能なんでしょう?

まきお: パネルの位置は自分で変更できるし「クラッシック」ってレイアウトスタイルも用意されているんだけど、学校で教えたり本書いたりする立場ではデフォルトでやるんで、なんだかなぁと。CS5で左に戻る方に1000点(笑)

かさい: 1000点賭け多いな(笑)多分オレは、いままでと同じように再配置すると思いますw

まきお: まぁFlashはユーザー層広いからなぁ。プリセットの「アニメーター」にするとツールボックス、横ですよ、横! しかも画面のどまんなか(笑)

かさい: ええええええ、タイムラインの上ってこと?>ツールボックス

まきお: タイムラインとステージにはさまれて真ん中にツールボックス。3段ですわ、3段

かさい: へええ(笑)慣れたら使いやすいんかなあ(^_^;

まきお: 20年もツール左でやってんだ、そう簡単に慣れるもんか!(^_^;

かさい: だよなぁ。Flashだけの話じゃないもんな>ツール左。でもまあ、これまで常識と思っていたことが、実は!! ってなことになるかもしれないので(笑)見守ってみましょうw オレは使いませんがw

まきお: わしもイヤ(笑)まぁデスクトップのアイコンが右か左かなんてのもありますからなぁ。あと、インターフェイスがさぁ、OS準拠じゃなくなったんだよ

かさい: というと?

まきお: 部分的になんだけど、たとえばスクロールバー。プロパティパネルからフォント一覧出すと、スクロールバーのデザインが違う。ステージとタイムラインでバーのデザインが違う。ひょっとしたらWinでは同じかもしれんが、Macだとちぐはぐになってる

かさい: ほぉ。見た目だけのことなら、そんなに文句はないが

まきお: いや、たとえばさっきの3Dツール2種類ねこれ、アイコン長押しで横にポップアップが出て、もうひとつのアイコンに切り替えられるんだけど

かさい: (^_^)3 フムフム。

まきお: なんだその顔わ(^_^;)

かさい: 耳をかっぽじってよく聞こうという顔w

まきお: よし(笑)Flashでもフォトショでもよくあるのだが、これが今回、地色がグレーで、選択すると白になるのだ。普通、ハイライトは明度が低い方でしょう? それが逆なの。明るい方が選択なんて、間違えろと言ってるようなもん。選択肢が2つだと確実に間違える

かさい: アレ? ハイライトすると、グレースケールがカラーになるんじゃなかったっけ?>Adobeのアイコン

まきお: いや、メニュー状になって選択する場合よ。イラレの選択ツール→ダイレクト選択ツールの切替みたいなやつ。もうちょいわかりやすい例。線ツールの時、「伸縮」ポップアップメニューはOS標準なので、背景が白でハイライトはブルー。ツールの場合はハイライトは白。整合性が全然ない

かさい: ああ、OSに準拠してる部分としてない部分が混在してるのか。それはよろしくないなあ

まきお: 以前もコンポーネントUIなんかはswfで作られていて、準拠してなかったけどそれは特定のパネルだったでしょう? 今回はパネル内で混在しとる。ちゅーよりなにより、OS準拠で慣れてるんだから、OS準拠にしてほしい

かさい: うん、コンポーネントパネルの場合は、Adobe以外のデベロッパが開発しやすくするため、というちゃんとした理由があったしね

まきお: ちなみにイラレCS4でのツールの切替(選択ツールとダイレクト選択ツール)はハイライトの方が濃いグレーでした(-''-;)Adobeスタイルでもアプリによって違うってどーゆーことじゃ

かさい: 元MMの開発陣と、元からAdobeの開発陣とで意思の疎通ができてないとか(^_^;

まきお: それ以前の問題やろ(^_^;)まぁ、もうちょい使い込んでみないと、こいつがFlashの歴史上の革命児なのか、Ver5並みの鬼子なのか…

かさい: 「Flashは、5の倍数でアホになる」なんてジンクスができないようにして欲しいところだねえw あ、適当に書いたけど、五七五になってるなあ。川柳大賞に応募しようかな(笑)

まきお: あああああ(^_^;)

かさい: おや、まだまだ新機能はありますが、どうも字数がつきた感じですぞ

まきお: また回をあらためてやりましょう。ボーンはかなり面白いし、新トゥイーンは賛否両論間違いなし。他のCSも気になるしね

かさい: では、例によって例のごとく…

まきお: 次回に続きますっ!

【笠居 トシヒロ/WEBクリエイター・デザイナー、デジハリ大学院客員教授】
Parallels Desktopが4.0にアップグレード。これまでマルチコアに対応してなかったことで、VMware Fusionに浮気してましたが、これを機にParallelsに戻しました。さくさく動くようになって1.8GhzのAirでも快適です!
< http://www.mad-c.com/
> < mailto:kasai@mad-c.com >

【まつむら まきお/まんが家、イラストレーター・成安造形大学准教授】
国内アニメスタジオでひろく使われているセルシスの「RETAS」が大幅値下げ。全部買うとン十万したプロ用スイートをまとめて3万5千円でコンシューマ向きとして売り出すらしい。CS4もそれに対抗して3万5千円にならんかね(笑)
セルシスRETAS STUDIO < http://www.retasstudio.net/
>
< http://www.makion.net/
> < mailto:makio@makion.net >

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■グラフィック薄氷大魔王[161]
Photoshop CS4トライアル版ハイライト

吉井 宏
< https://bn.dgcr.com/archives/20081203140200.html
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Photoshop CS4トライアル版がダウンロード可になったので、さっそく入手。
僕的ハイライトを書き出してみます。

Photoshop CS4新機能紹介
< http://www.adobe.com/jp/joc/pscs4/whatsnew/
>

●Painter的機能の追加その1「画面の回転」

待ってました! 「回転ビューツール」が搭載されました〜。Painterでいうところの「用紙(キャンバス)回転ツール」。紙を描きやすい角度に回しながら描くように、画像を回転しながら作業できるようになった。Adobe CS4へのアップグレード、この機能追加がなかったら申し込まなかったかもしれない。

僕はPhotoshopのブラシをPainter風にカスタマイズして使っているので、これで描画的にPhotoshopとPainterが同等になってしまった。とはいえ、手のひらツールのように一時的に回転ビューツールに切り替わるようなショートカットキーが用意されていないので、頻繁にグルグル回しながら描くには向かなそう。

●Painter的機能の追加その2「ブラシサイズのショートカットキー」

これまたPainterで便利な「ブラシサイズ変更のショートカットキー」がPhotoshopでもできるようになった。従来は右クリックでマスター直径サイズをスライダで変更しなくちゃならなかった。それが面倒で、サイズ違いのブラシをたくさん登録しておいたほどだ。Photoshopでの描画がかなりラクになる。

●慣性スクロール

手のひらツールでスクロールすると、動かした速さに応じてビヨ〜〜ンとしばらくスクロールし続ける(クリックすると止まる)。最初は面食らったけど、たしかにこのほうが便利。大きな画像の一部を表示して作業していると、延々手のひらツールでスクロールし続けなくちゃならないことがあり、疲れるのだ。ジャマだったら環境設定「フリックパン」でオフにできる。

●ブラシの筆圧最適化

Photoshop7で現在のブラシになって以来ほとんど進化がなかったのだが、どうやらタブレットの筆圧感知の最適化が進んだようだ。筆圧で線幅が変化するブラシでよくわかる。CS3まではストロークの抜き部分で途切れたり急激に変化しがちだったが、CS4では気のせいではないことがわかる程度には筆圧変化をしっかり表現できるようになった。スッときれいに抜ける。

●3D機能の進化(Extendedバージョンのみ)

3Dモデルを読み込んで配置する機能がCS3で加わったが、いくつか機能が追加された。

UV編集済みの3DモデルをOBJ形式で読み込むと、関連づけてあるテクスチャ画像も同時に読み込まれる。視点の回転が僕が慣れてる3Dソフトと逆方向なのが気持ち悪い。オブジェクト自体を回転させれば違和感はないけど、後でモデルごと書き出すと角度が変わっちゃうでしょうね。

ブラシ(B)とモデル回転(K)のショートカットキーを使いながら描いてみると、割と普通に3Dペイントできてしまうのでちょっと驚いた。Option(Alt)キーで一時的にスポイトツールに切り替えるのも有効だけど、「照明なしテクスチャ」表示にしておかないと、影の色を拾ってしまうので注意。

拡散(色のこと)や光沢、バンプマップ、反射や発光など、一般的なマテリアル設定も、それぞれのマップ画像を追加・編集したり、ブラシでペイントできる。ブラシはバンプや光沢などどのテクスチャ画像にペイントするかを選べ、描画結果はリアルタイムに表示される。複数のマップ画像を同時にペイントできれば完璧だったのになあ。

ライティングも詳細に設定できる。無限遠・ポイント・スポットなどの各種ライトを追加・編集が可能。ソフトシャドウの具合やライトの色、スポットライトの角度、アンビエントライトまで設定できてしまう。

変なところ発見。3Dレンダリング設定の「面のスタイル」で、「標準」にするとモデルは虹色になる。これは「標準」と訳しちゃダメで、ここは「ノーマル(バンプマップの一種)」とすべきでしょうね。

最終レンダリングはめちゃくちゃ遅い。レイトレーシングをオンにすると、シンプルなキャラクターモデルでも600pixel程度のレンダリングに5分くらいかかってしまう(8コアMacProなのに)。同程度の設定なら数秒でレンダリングしてしまう、専用の3Dソフトとは比較にならない。そうそう、ポリゴンにサブディビジョンをかけられないので、サブディビジョンなしで最終結果な3Dモデルを使う必要がある。

まあ、当然ながら専用の3Dソフトを使うほうがラクに決まってるんだけど、Photoshop自体にこれほどの3D機能を搭載したことはすごいことに違いない。需要がどれほどあるか知らないけどね。本当に自在にペイントするには、きちんとUV展開しなきゃならないし。でも、BodyPaintやmodoやZBrushなど「3Dオブジェクトに直接ペイント」できるソフトを持ってない3Dソフトユーザーには、Photoshop CS4 Extendedは本格的に実用になると思います。

なお、STRATA LIVE 3D[in]をインストールしてみましたが、使えるようです。ただし、ちょっと試してみた範囲では、CS3でやってたようなきれいなPDF3D書き出しができない〜。やはりDesign[in]が必須なのかな。

●「コンテンツに応じて拡大・縮小」機能

ぐわっ! こんなことが許されていいのかっ!

●おまけ Adobe Bridge CS4

なんかすごく動作が速くなったような気がする。これなら常時起動しておいてFinder代わりに使ってもいいな。

………以上、また何かおもしろいことを見つけたら書きます。

【吉井 宏/イラストレーター】 hiroshi@yoshii.com

Wがつく前から疑問だった、チキンラーメンの「Wたまごポケット」。冷蔵庫から出してきた玉子をたまごポケットに割り入れる。確かに黄身も白身もポケットにピッタリ入る。お湯をかけて3分待って出来上がり。しかし、白身が接触する広い範囲の麺が硬いままである。いいのかそれで? 3分待ってから玉子を入れるほうがいいのではないか? 液体スープやレトルトの具は後で入れろとクドいほど書かれてあるではないか。熱量保存の法則からいっても、ラーメンの全体の温度は先入れでも後入れでも最終的に同じだが、温度にムラがあれば麺の硬さに影響する。先入れ派は、お湯がかかって暖かく白く変色しかかった玉子の素晴らしさを主張するのだろうが、後入れ派の僕的には冷たい黄身が熱い麺に絡む絶妙なおいしさは譲れないのである。

HP < http://www.yoshii.com
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Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
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■展覧会案内
上原ゼンジ写真展「FANTASTIC REALISM 夢遊する現実」
< http://www.epson.jp/epsite/
>
< http://www.zenji.info/
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20081203140100.html
>
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会期:12月3日(水)〜1月18日(金)10:30〜18:00 26日15時
12月27日(土)〜1月4日(日)休館
会場:エプサイト(東京都新宿区西新宿2-1-1 新宿三井ビル1階 TEL.03-3345-9881)
内容:本展は、二つのパートによって構成される。
【ふしぎの劇場】上原ゼンジのミクロとマクロをいきかう特異な視覚世界を、大判プリントに拡大して紹介する。
【キッチュフォトSTUDIO】手製のキッチュレンズをデジタルカメラに取り付けて見たコンパクトカメラによる作品を、実物とともに紹介する。

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■編集後記(12/3)

・真藤順丈「地図男」を読む(メディアファクトリー、2008)。第3回ダ・ヴィンチ文学大賞受賞作である。地図マニアとして、タイトルに強烈に惹かれた。内容はともかく、これは無条件に読むしかあるまいと思った。「地図男」とは、国土地理院が発行した大判の関東地域地図帖を所有する、神出鬼没の路上生活者である。その296枚にわたる地図は、所有者の書き込みでびっしり埋め尽くされている。その書き込みは、それぞれの土地土地に深い関連性をもった、行動の軌跡を地図上にえがく人物たちの物語だ……という「地図男」の設定がすばらしい。わくわくする。小説の語り手はフリーの映画助監督の「俺」で、どこかで移動中の「地図男」に出会い、彼の紡いだ物語を読むという構成である。千葉県北部を旅する音楽の天才幼児の話、東京23区の区民対抗区章争奪戦、多摩川を境にその運命を隔てられたムサシとアキルの物語。それらはだいたい三人称で、だれかに語りかけるような文体。どれもが妄想譚であるが、スピーディな展開は快い。なかでも東京都区部の夜の住人たちの、地元愛と矜持をかけた激闘というばかばかしい話なんか好きだなあ。しかも、本文中に区章を組版しちゃうなんて。区章のデザインのおもしろさを改めて知る。だが、物語3つを並べるために「地図男」という装置を置いただけみたいで、肝心の「地図男」の正体不明ぶりはじれったい。作者は、この作品に続く2作品で、2008年の主要新人賞3賞を獲得した。それらにもチェックをいれておくべきか。(柴田)< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4840124167/dgcrcom-22/
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アマゾンで見る(レビュー15件)

・CS4楽しみ〜。/森下洋子さんがテレビに出てらした。12/7には還暦を迎えられるそうだ。いまだ現役。もちろん一時期の技術はもう見られないけれど、そんなのはどうでもいいって思えてしまう。トゥシューズを履いて、踊れるだけで素晴らしいと思う。第一線でなくてもいいから、あの表現力を一人でも多くの人に教えていって欲しい。私が還暦になった時、トゥシューズを履いていられるだろうか。まずはストレッチと筋トレだな……。/番組ではスタジオ取材があった。レッスン風景を見るのが好き。タカラヅカの番組でもそう。普段見られない、努力している姿が見られるのがいいの。(hammer.mule)
< http://www.nhk.or.jp/hot/2008/1128/
>  番組