<iPhoneは電話というオプションの付いたPDAなのです>
■わが逃走[35]
世田谷ボロ市の巻
齋藤 浩
■伊豆高原へいらっしゃい[28]
携帯をiPhone 3Gにした
松林あつし
■わが逃走[35]
世田谷ボロ市の巻
齋藤 浩
■伊豆高原へいらっしゃい[28]
携帯をiPhone 3Gにした
松林あつし
■わが逃走[35]
世田谷ボロ市の巻
齋藤 浩
< https://bn.dgcr.com/archives/20081218140200.html
>
───────────────────────────────────
我が地元・世田谷では、12月と1月の15・16日に『世田谷ボロ市』が開催されます。東急世田谷線の世田谷駅と上町駅周辺を結ぶ、通称『ボロ市通り』を中心に、骨董品などの露店がずらーっと並ぶ、(オレ的に)夢のようなイベントです。
事の始まりは天正6年(1578年)に開かれた楽市だそうで、これが事実なら、なんだかんだで今年で430年も続いてるってことになる。
これは今年の様子です。写真参照。
< >
無意味で無価値のものが、ものすごーく欲しくなり、買ってしまう。そうすると捨てられなくなり、その結果部屋が狭くなる。といった悪循環の源でもあるこの『世田谷ボロ市』。
今回は、ここ数年で私が購入したくだらないものたちを写真付きで紹介しちゃうという、企画自体がボロ市のような『わが逃走』です。
1●時代劇捕り物かるた
< >
8年くらい前にまけてもらって500円で購入。印刷物好きとしてはたまらない、荒いアミ点、版ズレしまくりのデッドストック品。札は断裁されておらず、購入者がはさみで切って使う。イラストがなんとも風情があってイイ。「くらっまてんぐのかんぢゅうろう」「あジャーパーのばんじゅん」「ひばりのえいがはおういりまんいん」「むっつりうもんわとりものめいしん」など、誤字だらけの手書き読み札も泣かせる。
2●毛沢東ウォッチ
< >
新品で買ったのにすぐ止まる、手巻き式腕時計。たしか2,000円しなかったんじゃないか。先端に赤い星のついた秒針が動く度に、毛沢東の右腕が手を振るように動く。あまりのくだらなさに衝動買いしてしまった。おそらく97年の香港返還時に多く出回ってたモノ。ちなみに毛沢東ウォッチ・コレクションはこれが3個目で、他にも文字盤が毛沢東のホログラフィになっているものや、毛語録が描かれたベルトまで真っ赤のものなどを所有しているが、いずれも金銭的価値は皆無。
3●十手
< >
去年購入。5,000円也。極親しい間柄の年上の女性Aさん(年齢非公開)が以前からずっと欲しがっていたので、プレゼントしたもの。私は年末における物品の交換等の慣習には興味がないのだが、このときは何故か衝動的に購入、その場で十手を欲しがる女・Aさんに貢いでしまった。店のオヤジの話によれば、明治期のものとのこと。明治時代に十手が必要とされていたのか否かはどうでもいいとして、重量感のある鉄の質感が実に好ましい。Aさんは特にそれを振り回すこともなく、台所の棚にぶら下げたままだ。
4●京セラ SAMURAI
< >
坂本龍一を起用したCMでも話題になった、おそらく日本最後のハーフサイズカメラ。たぶん1987年のもの。とにかくその縦型のデザインが当時少年だったオレのマニア心を直撃したもんだが、結局ハーフサイズに何万円も出すのもなー。なんて思ってあきらめたものだ。それがケース付きで4,000円。ちゃんと動くし、レンズもファインダーも、それなりにきれい。実際撮ってみるとそんなに面白くない描写で、やはりオリンパス・ペンの味にはかなわないなあ、なんて思った。3年ほど前に購入。
5●オリンパス XA
< >
“どなたにも簡単に写せる”XA2はわりと見かけるが、絞り優先AE搭載のXAはあまり見かけない。XAは私にとって人生2つ目のカメラであり思い入れもあるのだが、使いすぎたせいか高校生のときに壊れた。偶然モトカノに会ったような気がして速攻買い。後で気づいたのだが、レンズのコーティングのハガレやファインダー内の汚れが目立つ。専用ストロボ付きで10,000円だったのだが、今思えば微妙な値段だ。
6●ロータス・エランとマツダ・ロードスターのプラモデル
< >
確か2つで1,200円。大好きな車なので一応おさえておかないと、と衝動買いしたのが8年くらい前のこと。パーツを眺めるだけで、全く組み立てていない。オレは死ぬまでに完成させなければならないプラモデルを果たしていくつ所有しているのだろうか。
7●顔のグラスと箱
< >
これがいちばんのお宝かなあ。キリンシーグラムのノベルティ、『岡本太郎の顔のグラス』と、それが入っていた箱。顔のグラス自体は2種類あって、ひとつは極親しい間柄の年上の女性Aさんが持っていたのだ。で、もう1種類の方を探していたら、なんとデッドストックで発見。1個3,000円。これはまあ古道具屋に行けば見つかるもんだが、(あくまでもオレ的に)価値があるのは店舗用POP一式の入った箱。これは売り物ではなかったのだが、頼んで売ってもらった。これも3,000円。たぶんこんな価値などないのでしょうが、業務用非売品印刷物好きのオレにとってはお宝なのだ。
という訳で、ボロ市で購入したくだらないものを紹介させていただきました。こんな買い物ばかりしているので、我家は物だらけになってしまいました。オレが死んだら、この価値の分かる者に相続してほしいものだが、世の中、そううまくいかないらしい。しゅーん。
それにしてもこの『世田谷ボロ市』、なんで開催日は15日と16日なんでしょうね。以前は1月15日が成人の日だったから確実に1日は休日が入ったんだけど、この冬は12月も1月もバリバリの平日です。だから(なのか)オバサンとジジイが客の大半を占めている。しかも、その量たるや半端な数じゃない。
どうでもいいけど、周辺の飲食店では食い逃げも多いようです。最近は食べ終わった後にケータイで話しはじめて、「あ、ちょっと電波が悪い」とか言いながら店の外に出て、そのままいなくなるケースが多いようです。周辺で飲食店を営む方は、特に注意です。
そんな訳で、これを読んで興味を持ってくださった方、1月の15・16日は、是非世田谷へお越しくださいませー。
それではみなさん、また次回。次回って来年??
それではみなさん、よいお年をー。メリークリスマス。
【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。
< http://www.c-channel.com/c00563/
>
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■伊豆高原へいらっしゃい[28]
携帯をiPhone 3Gにした
松林あつし
< https://bn.dgcr.com/archives/20081218140100.html
>
───────────────────────────────────
先日、遅ればせながら携帯をiPhoneに変えました。発売から随分日が経つので、もうあまり話題にも上らなくなってきましたが、「いつかはiPhone」と、機会をうかがっていたのです。
iPhoneにする上で、最も躊躇したのが、やはりキャリアの変更です。初めて携帯を買ってから十数年、ずっとDoCoMoを通して来ましたが、DoCoMoがiPhoneの販売権を獲得できなかった時点で、信頼感は大きく揺らいでしまいました。
さらに、料金です。僕の場合、悲しいことに通話や携帯メールをほとんど使うことがありません……料金の多くが、ネット接続に対するパケット代という訳です。iModeを使ってネットで買い物やオークションをしたり、アプリケーションのダウンロードなどが主ですが、当然パケ・ホーダイという接続フリーのサービスを使うことになります。そういった諸々のサービスをトータルした月額と、SoftBankでiPhoneにした場合の月額を比べてみたのです。そうすると、SoftBankの方が安い!(僕の場合は、ですよ)
パケットを中心に使ってきた僕としては、家で使う分が無線LANに置き換わる事で、SoftBankの「パケット定額フル」(DoCoMoのパケ・ホーダイ ダブルと同じ)を最低料金に抑えることができます。これだけでも、かなりのコストダウンになるはずです。
という訳で、ついに番号ポータビリティでSoftBankに鞍替え+iPhone購入という決心に至ったのです。
iPhoneの機能に関しては、色々書籍や記事で書かれていますので、今回は僕の経験としての、契約時の諸事情や、その後の使用感などを中心に書きたいと思います。
●これほど違う解約と契約の場面
まず、なんといってもキャリア替えですから、一からの契約になります。さらに番号ポータビリティを利用するので、まずはDoCoMoショップで「番号ポータビリティの予約券」をもらって、その場で今までの携帯を解約する必要があります。
DoCoMoショップでは「この度、解約された訳をお聞かせ願えますでしょうか?」という質問が当然来るものと思っていました。しかし、ポーカーフェイスの店員が、淡々と事務処理をするばかり……そして20分ほどで終了……。
「以上で解約手続き完了ですが、何かご質問は?」
「いえ……」
まあ、ニコニコしながら、解約希望者に対応するのも不自然ではありますが、今までの十数年が、わずか20分で終了とは、寂しい限りです。たぶん、むやみに引き留めたり、解約理由を聞かない、という業界の決まりがあるのでしょう。残念なのはそれだけではなく、解約違約金として、約10,000円を取られてしまったという事です。これは、2年継続使用の契約をしていたにもかかわらず、1年ちょっとで解約ですから、しかたないですね。
さらに、ですが……DoCoMoポイントが4,000円ほど貯まっていたのを忘れていました。これも消滅です。何か商品に替えておけば良かった……ちなみに、今はポイント移行サービスを行う企業が色々あるようで、マイレージをDoCoMoポイントに移行したりできるようですが、DoCoMoポイントを他のサービスへ移行する事はできないようです。
ともあれ、無事予約券をもらいましたので、いよいよSoftBankショップでiPhone購入です。DoCoMoショップとは打って変わって、こちらでは、にこやかな女性店員が応対してくれます。解約と契約……これほどまでに違うものなのか……?
契約にあたり、僕も料金体系などネットで色々調べていましたが、複雑でよくわかりません。最もわかりづらかったのが、携帯本体の値段設定です。例えば、iPhone3G/16Gタイプの場合、現金価格=80,640円です。しかし、実質負担金=34,560円となっています。本体価格は80,640円、でも負担金34,560円? 意味がわかりません。
その辺をショップの店員から説明を受けて、初めてどういう事なのかわかりました。どうやら、SoftBankの携帯はiPhoneに限らず、ほとんどの機種が、本体価格を24回(12回でもOK)払いの分割にする事になっているようなのです。その代わり、本体の定価を大幅に安くする……という訳です(新スーパーボーナス割引と言う)。
iPhone/16Gの場合、月々の支払いに、本体の分割分が1,440円上乗せされます。24回払いとはいえ、実質年率は0%となっていますので、利息は発生しないようです。
それにしてもうまいこと考えましたね。本体を現金価格で買うと、べらぼうに高いのですが、24回払いにするとすっごく安くなる……しかも、携帯を買うときには一切お金はかかりません。0円で携帯の持ち帰りができるのです。ただ、24回払いです……2年間はキャリア変更はおろか、機種変更もできません。これは、DoCoMoの2年契約と結果的に同じですね。
では、万が一途中で解約しなければならなくなった場合(DoCoMoでの違約金に当たる)いくら支払わなければならないかですが、これは買った機種の「現金価格」を残りの支払い月数で割った金額になります。
例えば、iPhone3G/16Gを1年で解約した場合、残りの月数は12ヶ月ですから、解約時支払金は、本体現金価格の半分の金額である40,320円という事になります。支払わなければならない解約金には、新スーパーボーナス割引が適用されない点に注意が必要です(なんか落とし穴っぽいですね)。
これが2万円の機種であれば、一年後の残りの金額は1万円ですから、それほどビックリするほどではありませんが、80,000円の機種ともなれば、解約金は目玉が飛び出るほどの金額になります。つまり、高価な機種ほど、途中解約、機種変更ができないようになっているんです。
「2年の間に新しいiPhoneが発売されても、買い換えができないんですね」って訪ねると、店員は言いました。
「この手の機種はそうそう新しい物はでないでしょうから、大丈夫ではないですか?」
本当か!? 作っているのはAppleだぞ!
まあ、確かにiPhoneはハードのアップグレードより、ソフトのアップグレードで進化するタイプであるようです。事実、何度かのファームウェアのアップグレードで、その度にそれなりの進化をしています。ただ、アプリケーションの進化と共に、ソフトのデータ量も大きくなって行くはずです。
そのため、先を見越して、8GBのタイプではなく、16BGのタイプにしたのです。それでも、手持ちのiTunes音楽をすべて入れようとしたら、容量オーバーでした。写真に関しては、iPhoneへコピーする際に、再圧縮されるようなので、1000枚入れてもたいした容量にはなりませんでしたが、動画や音楽はかさばります。今後どんどんメモリを圧迫していく事でしょう。
●夢に描いてきた情報端末の一つの結果
そもそも僕がiPhoneにしようと思った大きな要因は、携帯を情報端末として使いたかったからです。先にも書きましたが、僕は携帯でほとんど通話をしません。パソコンのメールがあるので、わざわざ携帯メールを使うこともありません。ですので、今までもDoCoMoのFOMAを情報端末として使ってきました(FOMAにしたとき、テレビ電話というイメージがありましたが、これこそ一度も使うことがありませんでした)。
スケジュールはYahoo!カレンダーで管理し、仕事のメールはAsahi-netのiMode転送を利用して、FOMAで確認してきました。iModeを利用し、銀行振り込みをしたり、ネットオークションを利用したり……しかし、それらはあくまで携帯電話の追加オプションでしかありませんでした。
しかし、iPhoneは電話というオプションの付いたPDAなのです(iPhoneを見た人は「これは携帯じゃないよ」と言いますが……)。
思い起こせば、電子情報端末に触れて約20年……計算機にアドレス機能の付いたカード型電卓から始まり、カシオのDKシリーズ電子手帳を2種、シャープのモノクロザウルス、ソニーのモノクロCLIE、カラーCLIEとPDAを買い換えて来ました。どれも、最終的にはネット環境へどうやって繋ぐか、パソコンとのシンクロはどうするかが課題となりました。
そんな中、ソニーのPEG-UX50(無線LAN対応)の機種が出た頃から、携帯電話の機能も大幅にアップし、PDAを使う必要がなくなってしまったのです。パソコンで管理しているスケジュールとアドレス、メールを携帯で共有でき、高解像度の写真とそこそこの動画が撮れ、音楽も携帯できる……さらにひまつぶしの携帯ゲームでMMORPGまでできるようになってしまったのでは、PDAの存在意義もなくなります。
しかし、それらはやはり、あくまで携帯の追加オプション……フルブラウザ対応携帯が出てきたとは言え、ネット環境をそのまま持ち歩くには無理があります。パソコンとのリンクも一手間二手間必要ですし、音楽もいつまで経ってもiTunes対応携帯は出ず、携帯で音楽を持ち歩くには、変換しなければならなかったり、限られたサービスに加入する必要があるなど、めんどくさい事も色々です。結果、携帯とは別にiPodを使うことになります。
そんな情報端末としての力不足を解消してくれたのが、iPhoneだったのです。パソコンの中の必要な情報をすべて持ち歩け、写真や動画までも自動でシンクロさせ、iPodを内蔵し、多くのWEB環境をパケットなしで利用でき(無線LAN)、綺麗な画面でゲームができ、そして最後に、電話もできる……。
さらに、携帯や今までのPDAでは出来ないようなこと……例えばネットに作品集サイトを作り、クライアントなどの目の前で作品の数々を見せるなんて事も、iPhoneだからこそできます。それを数年前にCLIEで試した事がありますが、ネットとの接続も非常に遅いので、サイトを見せるのは難しい、という事で画像としてPDAに作品を取り込んでみたところ、あっという間にメモリはいっぱい……なんて事もありました(ネットと接続するのに、カード型PHSの契約が必要でした)。
まさに、僕が夢に描いてきた情報端末の、一つの結果がここにあります。
iPhoneの使い方は、アイデア次第で色々広がりそうですね。
それにしても、最近のDoCoMoとSoftBankの自社携帯って……iPhoneのマネですか? タッチパネルに、フィンガーアクション、フルブラウザ……TVCMを見た時、iPhoneかと思いました。iPhoneがSoftBankから発売された時、DoCoMoの社長がインタビューで言っていました……「何でこれがうちの機種でできなかったのか……悔しい」と。その悔しさの結果が、今の「iPhoneもどき」の機種とは、節操がなさ過ぎませんか?
●今後に期待すること
もちろん、iPhone3Gも100点満点ではありません。多くの方がコメントされているように、以下のような不満が未だに未解決です。
1)テキストのコピペができない。
メールやURLのアドレスをコピーペーストして使ったり、サイトにある単語をコピーして検索に使ったり、IDやパスワードを貼り付けたりができません。技術的な問題ではなく、Appleが意図的にできなくしているという噂があります。
2)iPhoneのSafariがFLASHに対応していない。
最近はFLASHオンリーのサイトも増えました。なのに、未だにFLASH未対応の意味がわかりません。これも噂ですが、Adobeがすぐにでも開発できる、と発表したところ、Appleから「待った」がかかったそうで……。
3)動画撮影に対応していない。
これも写真が撮れるのだから、技術的なハードルは低いと思いますが、何故か動画撮影アプリが出てきません。実は、これについては、非公式のアプリでいくつか対応しているものがあるようです。しかし、それを使うためには、ファームウエアを書き換えるソフトをまず入れる必要があるようで、当然、その後はAppleのサポートは受けられなくなります。アンダーグラウンドな方法なので、導入には踏み切れません。
4)手持ちのムービーは一度変換しなければ、iPhoneに入れられない。
ネットではおなじみの、mov、mpeg、wmvなどのムービーフォーマットはそのままでは、iPhoneへ移せません。iTunesを使ってiPhone用に変換する必要があります。このワンクッションはやっかいですね。
5)おさいふ携帯に対応していない。
これは、ハード的な要素が大きいので、今の機種での対応は難しいでしょう。しかし、先日、ネットショップで「iPhoneをおさいふ携帯に!」という宣伝を見つけました。まさか! と思い、詳細を見てみると、何のことはない……iPhoneのジャケットにICチップ対応のクレジットカードを入れるポケットが付いているだけでした。「なんじゃそりゃ!」って、モニタに向かってつっこみを入れてしまいました(^^;)。
6)ワンセグに対応していない。
ハード的には難しいのですが、SoftBankから外付けのチューナーが発売されます。
(1)(2)(3)に関しては、すぐにでも出来そうな感じがしますが、大人の事情でしょうか……。ソフト的な問題ですので、是非早急に対応してほしいものです。
※絵文字に関しては、結構すぐに対応しましたね。まあ、僕には関係のない機能ですが……
【まつばやし・あつし】イラストレーター・CGクリエイター
< http://www.atsushi-m.com/
>
pine1289@art.email.ne.jp
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■編集後記(12/18)
・玄光社の本を3冊紹介する。「コマーシャル・フォト」がリニューアルされ、構成やデザインが変わった。写真を撮るのも見るのも好きな、すべてのフォトグラファー、クリエイターの脳を刺激するための『クリエイティブ・フォト・マガジン』を目指すそうだ。1月号は「フォトグラファーの仕事白書2009」がおもしろい。全国各地のコマーシャル・フォトグラファーはどんな状況にいるのか、生の声を全国110人から集めている。とくに「仕事上で、最近感じたこと、悩んでいることは?」「仕事をデジタル化して何が変わりましたか? 良かった点は、困っている点は、何ですか?」などに対する回答は、やっぱりそうだよね、ほぼ予想通りだけど、とても興味深い。こういう特集はこの雑誌が得意とするところだ。もっと深く突っ込んで、問題点を摘出し、それをいい方向に導く提案まで示せたらよかった。それができるのは、コマフォトだけだろう。付録のB5判52ページの「ADOBE PHOTOSHOP CS4 handbook」は要領よくまとまっている。デザインも整然としていて美しい。また、デジタル一眼レフユーザーに向けた「デジタルフォトの新常識」というムックも読んだ。この本の特徴は、画像処理ソフトについての解説以外の項目は、ほとんどが見開き2ページ単位で並べる構造にある。よくあるカメラの機能比べとか、ソフトの使い方とか、そういった内容ではまったくなく、デジタルフォトを仕上げるための基本的な知識やアイデアで構成されている。これからデジタル一眼レフを使おうという人向きだ。リニューアルで大判になって3冊目の「イラストレーション」175号の第一特集は、「和田誠が選んだ『音楽を描く』絵50」で、じつに楽しい。さすがの50選、コメントにもなるほど納得。絵の本はやっぱり大きい方がいい。最近、みょうに白地の多い、文字の小さい、スカスカ本が気になるが、この雑誌は緩急自在、メリハリがきいた、いかにも雑誌らしいデザインがいい。やっぱりWebより紙の雑誌のほうがおもしろい。(柴田)
< http://www.genkosha.co.jp/np/index.do
> 玄光社
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001M4SSHA/dgcrcom-22/
>
アマゾンで「コマーシャル・フォト 最新号」を見る
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4768302750/dgcrcom-22/
>
「デジタルフォトの新常識」を見る
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001KP1I0K/dgcrcom-22/
>
「イラストレーション 最新号」を見る
・産經新聞の紙面版がiPhoneへ無料配信のニュースを知って、うらやましくなりました。海外だとiLiadに新聞が配信されるんだけどなぁ。/続き。スチーム式、気化式、ハイブリット式について。スチーム式はストーブの上にやかんを置いたのと同じ。沸騰し続けるため電気代は高め、カルキがつきやすく(電気ポットをずっと沸騰させ続けると考えれば、その汚れ度合は想像できるでしょうとのこと)、吹き出し口が熱くなるが、一度沸騰させるので吹き出したスチームそのものはきれい。気化式は濡らしたタオルに風を当てるのと同じ。吹き出し口は熱くならないが、部屋が冷えることがあるらしいのと(打ち水)、雑菌がわきやすいので(部屋干しを考えよう)フィルタ機能が大切。「皆さん、翌年出してきて臭い臭いとおっしゃいますが、説明書の通りに毎月手入れされたら臭いはしないんですよ。で、結局毎年フィルタや加湿器そのものを買い替えたりされるんです。だから絶対に手入れし易いものにしてください。」と力説。実際にフィルタを触らせてもらい、普通に洗えるのはいいなぁと(漂白剤使ってもいいって)。あと、水タンクは内部収納型のものにした方がいいそう。持ち上げる時にタンクと本体とが分離して落とす人がいるんだって。ハイブリッド式はぬるま湯に風を当てるようなもの。雑菌が抑制しやすいのと、湿度を上げるまでの時間短縮、電気料金少なめ。あ、雑菌抑制と書かれてあるものは、吹き出し口から出てくる空気自体の雑菌抑制なのか、部屋の雑菌をも抑制するのかに分かれる。部屋の雑菌抑制のものといってもパワーがないと、数分で消えてしまい、一畳半程度の抑制しかできないものがあるって。で、結局パナソニックのものにしたさ。ずっと水につかったままになるのを防ぐため、フィルタそのものがゆっくり回るの。衣類のニオイ抑制や、湿度5%アップの「のど・肌」モードまであるよ。ベテラン店員さんのセールストーク動画をサイトにアップしたら、商品売れると思うわ。あ、だからテレビショッピングやジャパネットたかたで物が売れるのよね。(hammer.mule)
< http://ctlg.panasonic.jp/product/info.do?pg=04&hb=FE-KXD05
>
SOHOなら十分では? 水を自動補充する時にコトンコトンと音がする
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001EUNK7A/dgcrcom-22/
>
アマゾンで見る
< http://p.nestle.co.jp/
> ネスレ動画投稿。リアルさがいい
世田谷ボロ市の巻
齋藤 浩
< https://bn.dgcr.com/archives/20081218140200.html
>
───────────────────────────────────
我が地元・世田谷では、12月と1月の15・16日に『世田谷ボロ市』が開催されます。東急世田谷線の世田谷駅と上町駅周辺を結ぶ、通称『ボロ市通り』を中心に、骨董品などの露店がずらーっと並ぶ、(オレ的に)夢のようなイベントです。
事の始まりは天正6年(1578年)に開かれた楽市だそうで、これが事実なら、なんだかんだで今年で430年も続いてるってことになる。
これは今年の様子です。写真参照。
< >
無意味で無価値のものが、ものすごーく欲しくなり、買ってしまう。そうすると捨てられなくなり、その結果部屋が狭くなる。といった悪循環の源でもあるこの『世田谷ボロ市』。
今回は、ここ数年で私が購入したくだらないものたちを写真付きで紹介しちゃうという、企画自体がボロ市のような『わが逃走』です。
1●時代劇捕り物かるた
< >
8年くらい前にまけてもらって500円で購入。印刷物好きとしてはたまらない、荒いアミ点、版ズレしまくりのデッドストック品。札は断裁されておらず、購入者がはさみで切って使う。イラストがなんとも風情があってイイ。「くらっまてんぐのかんぢゅうろう」「あジャーパーのばんじゅん」「ひばりのえいがはおういりまんいん」「むっつりうもんわとりものめいしん」など、誤字だらけの手書き読み札も泣かせる。
2●毛沢東ウォッチ
< >
新品で買ったのにすぐ止まる、手巻き式腕時計。たしか2,000円しなかったんじゃないか。先端に赤い星のついた秒針が動く度に、毛沢東の右腕が手を振るように動く。あまりのくだらなさに衝動買いしてしまった。おそらく97年の香港返還時に多く出回ってたモノ。ちなみに毛沢東ウォッチ・コレクションはこれが3個目で、他にも文字盤が毛沢東のホログラフィになっているものや、毛語録が描かれたベルトまで真っ赤のものなどを所有しているが、いずれも金銭的価値は皆無。
3●十手
< >
去年購入。5,000円也。極親しい間柄の年上の女性Aさん(年齢非公開)が以前からずっと欲しがっていたので、プレゼントしたもの。私は年末における物品の交換等の慣習には興味がないのだが、このときは何故か衝動的に購入、その場で十手を欲しがる女・Aさんに貢いでしまった。店のオヤジの話によれば、明治期のものとのこと。明治時代に十手が必要とされていたのか否かはどうでもいいとして、重量感のある鉄の質感が実に好ましい。Aさんは特にそれを振り回すこともなく、台所の棚にぶら下げたままだ。
4●京セラ SAMURAI
< >
坂本龍一を起用したCMでも話題になった、おそらく日本最後のハーフサイズカメラ。たぶん1987年のもの。とにかくその縦型のデザインが当時少年だったオレのマニア心を直撃したもんだが、結局ハーフサイズに何万円も出すのもなー。なんて思ってあきらめたものだ。それがケース付きで4,000円。ちゃんと動くし、レンズもファインダーも、それなりにきれい。実際撮ってみるとそんなに面白くない描写で、やはりオリンパス・ペンの味にはかなわないなあ、なんて思った。3年ほど前に購入。
5●オリンパス XA
< >
“どなたにも簡単に写せる”XA2はわりと見かけるが、絞り優先AE搭載のXAはあまり見かけない。XAは私にとって人生2つ目のカメラであり思い入れもあるのだが、使いすぎたせいか高校生のときに壊れた。偶然モトカノに会ったような気がして速攻買い。後で気づいたのだが、レンズのコーティングのハガレやファインダー内の汚れが目立つ。専用ストロボ付きで10,000円だったのだが、今思えば微妙な値段だ。
6●ロータス・エランとマツダ・ロードスターのプラモデル
< >
確か2つで1,200円。大好きな車なので一応おさえておかないと、と衝動買いしたのが8年くらい前のこと。パーツを眺めるだけで、全く組み立てていない。オレは死ぬまでに完成させなければならないプラモデルを果たしていくつ所有しているのだろうか。
7●顔のグラスと箱
< >
これがいちばんのお宝かなあ。キリンシーグラムのノベルティ、『岡本太郎の顔のグラス』と、それが入っていた箱。顔のグラス自体は2種類あって、ひとつは極親しい間柄の年上の女性Aさんが持っていたのだ。で、もう1種類の方を探していたら、なんとデッドストックで発見。1個3,000円。これはまあ古道具屋に行けば見つかるもんだが、(あくまでもオレ的に)価値があるのは店舗用POP一式の入った箱。これは売り物ではなかったのだが、頼んで売ってもらった。これも3,000円。たぶんこんな価値などないのでしょうが、業務用非売品印刷物好きのオレにとってはお宝なのだ。
という訳で、ボロ市で購入したくだらないものを紹介させていただきました。こんな買い物ばかりしているので、我家は物だらけになってしまいました。オレが死んだら、この価値の分かる者に相続してほしいものだが、世の中、そううまくいかないらしい。しゅーん。
それにしてもこの『世田谷ボロ市』、なんで開催日は15日と16日なんでしょうね。以前は1月15日が成人の日だったから確実に1日は休日が入ったんだけど、この冬は12月も1月もバリバリの平日です。だから(なのか)オバサンとジジイが客の大半を占めている。しかも、その量たるや半端な数じゃない。
どうでもいいけど、周辺の飲食店では食い逃げも多いようです。最近は食べ終わった後にケータイで話しはじめて、「あ、ちょっと電波が悪い」とか言いながら店の外に出て、そのままいなくなるケースが多いようです。周辺で飲食店を営む方は、特に注意です。
そんな訳で、これを読んで興味を持ってくださった方、1月の15・16日は、是非世田谷へお越しくださいませー。
それではみなさん、また次回。次回って来年??
それではみなさん、よいお年をー。メリークリスマス。
【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。
< http://www.c-channel.com/c00563/
>
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■伊豆高原へいらっしゃい[28]
携帯をiPhone 3Gにした
松林あつし
< https://bn.dgcr.com/archives/20081218140100.html
>
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先日、遅ればせながら携帯をiPhoneに変えました。発売から随分日が経つので、もうあまり話題にも上らなくなってきましたが、「いつかはiPhone」と、機会をうかがっていたのです。
iPhoneにする上で、最も躊躇したのが、やはりキャリアの変更です。初めて携帯を買ってから十数年、ずっとDoCoMoを通して来ましたが、DoCoMoがiPhoneの販売権を獲得できなかった時点で、信頼感は大きく揺らいでしまいました。
さらに、料金です。僕の場合、悲しいことに通話や携帯メールをほとんど使うことがありません……料金の多くが、ネット接続に対するパケット代という訳です。iModeを使ってネットで買い物やオークションをしたり、アプリケーションのダウンロードなどが主ですが、当然パケ・ホーダイという接続フリーのサービスを使うことになります。そういった諸々のサービスをトータルした月額と、SoftBankでiPhoneにした場合の月額を比べてみたのです。そうすると、SoftBankの方が安い!(僕の場合は、ですよ)
パケットを中心に使ってきた僕としては、家で使う分が無線LANに置き換わる事で、SoftBankの「パケット定額フル」(DoCoMoのパケ・ホーダイ ダブルと同じ)を最低料金に抑えることができます。これだけでも、かなりのコストダウンになるはずです。
という訳で、ついに番号ポータビリティでSoftBankに鞍替え+iPhone購入という決心に至ったのです。
iPhoneの機能に関しては、色々書籍や記事で書かれていますので、今回は僕の経験としての、契約時の諸事情や、その後の使用感などを中心に書きたいと思います。
●これほど違う解約と契約の場面
まず、なんといってもキャリア替えですから、一からの契約になります。さらに番号ポータビリティを利用するので、まずはDoCoMoショップで「番号ポータビリティの予約券」をもらって、その場で今までの携帯を解約する必要があります。
DoCoMoショップでは「この度、解約された訳をお聞かせ願えますでしょうか?」という質問が当然来るものと思っていました。しかし、ポーカーフェイスの店員が、淡々と事務処理をするばかり……そして20分ほどで終了……。
「以上で解約手続き完了ですが、何かご質問は?」
「いえ……」
まあ、ニコニコしながら、解約希望者に対応するのも不自然ではありますが、今までの十数年が、わずか20分で終了とは、寂しい限りです。たぶん、むやみに引き留めたり、解約理由を聞かない、という業界の決まりがあるのでしょう。残念なのはそれだけではなく、解約違約金として、約10,000円を取られてしまったという事です。これは、2年継続使用の契約をしていたにもかかわらず、1年ちょっとで解約ですから、しかたないですね。
さらに、ですが……DoCoMoポイントが4,000円ほど貯まっていたのを忘れていました。これも消滅です。何か商品に替えておけば良かった……ちなみに、今はポイント移行サービスを行う企業が色々あるようで、マイレージをDoCoMoポイントに移行したりできるようですが、DoCoMoポイントを他のサービスへ移行する事はできないようです。
ともあれ、無事予約券をもらいましたので、いよいよSoftBankショップでiPhone購入です。DoCoMoショップとは打って変わって、こちらでは、にこやかな女性店員が応対してくれます。解約と契約……これほどまでに違うものなのか……?
契約にあたり、僕も料金体系などネットで色々調べていましたが、複雑でよくわかりません。最もわかりづらかったのが、携帯本体の値段設定です。例えば、iPhone3G/16Gタイプの場合、現金価格=80,640円です。しかし、実質負担金=34,560円となっています。本体価格は80,640円、でも負担金34,560円? 意味がわかりません。
その辺をショップの店員から説明を受けて、初めてどういう事なのかわかりました。どうやら、SoftBankの携帯はiPhoneに限らず、ほとんどの機種が、本体価格を24回(12回でもOK)払いの分割にする事になっているようなのです。その代わり、本体の定価を大幅に安くする……という訳です(新スーパーボーナス割引と言う)。
iPhone/16Gの場合、月々の支払いに、本体の分割分が1,440円上乗せされます。24回払いとはいえ、実質年率は0%となっていますので、利息は発生しないようです。
それにしてもうまいこと考えましたね。本体を現金価格で買うと、べらぼうに高いのですが、24回払いにするとすっごく安くなる……しかも、携帯を買うときには一切お金はかかりません。0円で携帯の持ち帰りができるのです。ただ、24回払いです……2年間はキャリア変更はおろか、機種変更もできません。これは、DoCoMoの2年契約と結果的に同じですね。
では、万が一途中で解約しなければならなくなった場合(DoCoMoでの違約金に当たる)いくら支払わなければならないかですが、これは買った機種の「現金価格」を残りの支払い月数で割った金額になります。
例えば、iPhone3G/16Gを1年で解約した場合、残りの月数は12ヶ月ですから、解約時支払金は、本体現金価格の半分の金額である40,320円という事になります。支払わなければならない解約金には、新スーパーボーナス割引が適用されない点に注意が必要です(なんか落とし穴っぽいですね)。
これが2万円の機種であれば、一年後の残りの金額は1万円ですから、それほどビックリするほどではありませんが、80,000円の機種ともなれば、解約金は目玉が飛び出るほどの金額になります。つまり、高価な機種ほど、途中解約、機種変更ができないようになっているんです。
「2年の間に新しいiPhoneが発売されても、買い換えができないんですね」って訪ねると、店員は言いました。
「この手の機種はそうそう新しい物はでないでしょうから、大丈夫ではないですか?」
本当か!? 作っているのはAppleだぞ!
まあ、確かにiPhoneはハードのアップグレードより、ソフトのアップグレードで進化するタイプであるようです。事実、何度かのファームウェアのアップグレードで、その度にそれなりの進化をしています。ただ、アプリケーションの進化と共に、ソフトのデータ量も大きくなって行くはずです。
そのため、先を見越して、8GBのタイプではなく、16BGのタイプにしたのです。それでも、手持ちのiTunes音楽をすべて入れようとしたら、容量オーバーでした。写真に関しては、iPhoneへコピーする際に、再圧縮されるようなので、1000枚入れてもたいした容量にはなりませんでしたが、動画や音楽はかさばります。今後どんどんメモリを圧迫していく事でしょう。
●夢に描いてきた情報端末の一つの結果
そもそも僕がiPhoneにしようと思った大きな要因は、携帯を情報端末として使いたかったからです。先にも書きましたが、僕は携帯でほとんど通話をしません。パソコンのメールがあるので、わざわざ携帯メールを使うこともありません。ですので、今までもDoCoMoのFOMAを情報端末として使ってきました(FOMAにしたとき、テレビ電話というイメージがありましたが、これこそ一度も使うことがありませんでした)。
スケジュールはYahoo!カレンダーで管理し、仕事のメールはAsahi-netのiMode転送を利用して、FOMAで確認してきました。iModeを利用し、銀行振り込みをしたり、ネットオークションを利用したり……しかし、それらはあくまで携帯電話の追加オプションでしかありませんでした。
しかし、iPhoneは電話というオプションの付いたPDAなのです(iPhoneを見た人は「これは携帯じゃないよ」と言いますが……)。
思い起こせば、電子情報端末に触れて約20年……計算機にアドレス機能の付いたカード型電卓から始まり、カシオのDKシリーズ電子手帳を2種、シャープのモノクロザウルス、ソニーのモノクロCLIE、カラーCLIEとPDAを買い換えて来ました。どれも、最終的にはネット環境へどうやって繋ぐか、パソコンとのシンクロはどうするかが課題となりました。
そんな中、ソニーのPEG-UX50(無線LAN対応)の機種が出た頃から、携帯電話の機能も大幅にアップし、PDAを使う必要がなくなってしまったのです。パソコンで管理しているスケジュールとアドレス、メールを携帯で共有でき、高解像度の写真とそこそこの動画が撮れ、音楽も携帯できる……さらにひまつぶしの携帯ゲームでMMORPGまでできるようになってしまったのでは、PDAの存在意義もなくなります。
しかし、それらはやはり、あくまで携帯の追加オプション……フルブラウザ対応携帯が出てきたとは言え、ネット環境をそのまま持ち歩くには無理があります。パソコンとのリンクも一手間二手間必要ですし、音楽もいつまで経ってもiTunes対応携帯は出ず、携帯で音楽を持ち歩くには、変換しなければならなかったり、限られたサービスに加入する必要があるなど、めんどくさい事も色々です。結果、携帯とは別にiPodを使うことになります。
そんな情報端末としての力不足を解消してくれたのが、iPhoneだったのです。パソコンの中の必要な情報をすべて持ち歩け、写真や動画までも自動でシンクロさせ、iPodを内蔵し、多くのWEB環境をパケットなしで利用でき(無線LAN)、綺麗な画面でゲームができ、そして最後に、電話もできる……。
さらに、携帯や今までのPDAでは出来ないようなこと……例えばネットに作品集サイトを作り、クライアントなどの目の前で作品の数々を見せるなんて事も、iPhoneだからこそできます。それを数年前にCLIEで試した事がありますが、ネットとの接続も非常に遅いので、サイトを見せるのは難しい、という事で画像としてPDAに作品を取り込んでみたところ、あっという間にメモリはいっぱい……なんて事もありました(ネットと接続するのに、カード型PHSの契約が必要でした)。
まさに、僕が夢に描いてきた情報端末の、一つの結果がここにあります。
iPhoneの使い方は、アイデア次第で色々広がりそうですね。
それにしても、最近のDoCoMoとSoftBankの自社携帯って……iPhoneのマネですか? タッチパネルに、フィンガーアクション、フルブラウザ……TVCMを見た時、iPhoneかと思いました。iPhoneがSoftBankから発売された時、DoCoMoの社長がインタビューで言っていました……「何でこれがうちの機種でできなかったのか……悔しい」と。その悔しさの結果が、今の「iPhoneもどき」の機種とは、節操がなさ過ぎませんか?
●今後に期待すること
もちろん、iPhone3Gも100点満点ではありません。多くの方がコメントされているように、以下のような不満が未だに未解決です。
1)テキストのコピペができない。
メールやURLのアドレスをコピーペーストして使ったり、サイトにある単語をコピーして検索に使ったり、IDやパスワードを貼り付けたりができません。技術的な問題ではなく、Appleが意図的にできなくしているという噂があります。
2)iPhoneのSafariがFLASHに対応していない。
最近はFLASHオンリーのサイトも増えました。なのに、未だにFLASH未対応の意味がわかりません。これも噂ですが、Adobeがすぐにでも開発できる、と発表したところ、Appleから「待った」がかかったそうで……。
3)動画撮影に対応していない。
これも写真が撮れるのだから、技術的なハードルは低いと思いますが、何故か動画撮影アプリが出てきません。実は、これについては、非公式のアプリでいくつか対応しているものがあるようです。しかし、それを使うためには、ファームウエアを書き換えるソフトをまず入れる必要があるようで、当然、その後はAppleのサポートは受けられなくなります。アンダーグラウンドな方法なので、導入には踏み切れません。
4)手持ちのムービーは一度変換しなければ、iPhoneに入れられない。
ネットではおなじみの、mov、mpeg、wmvなどのムービーフォーマットはそのままでは、iPhoneへ移せません。iTunesを使ってiPhone用に変換する必要があります。このワンクッションはやっかいですね。
5)おさいふ携帯に対応していない。
これは、ハード的な要素が大きいので、今の機種での対応は難しいでしょう。しかし、先日、ネットショップで「iPhoneをおさいふ携帯に!」という宣伝を見つけました。まさか! と思い、詳細を見てみると、何のことはない……iPhoneのジャケットにICチップ対応のクレジットカードを入れるポケットが付いているだけでした。「なんじゃそりゃ!」って、モニタに向かってつっこみを入れてしまいました(^^;)。
6)ワンセグに対応していない。
ハード的には難しいのですが、SoftBankから外付けのチューナーが発売されます。
(1)(2)(3)に関しては、すぐにでも出来そうな感じがしますが、大人の事情でしょうか……。ソフト的な問題ですので、是非早急に対応してほしいものです。
※絵文字に関しては、結構すぐに対応しましたね。まあ、僕には関係のない機能ですが……
【まつばやし・あつし】イラストレーター・CGクリエイター
< http://www.atsushi-m.com/
>
pine1289@art.email.ne.jp
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■編集後記(12/18)
・玄光社の本を3冊紹介する。「コマーシャル・フォト」がリニューアルされ、構成やデザインが変わった。写真を撮るのも見るのも好きな、すべてのフォトグラファー、クリエイターの脳を刺激するための『クリエイティブ・フォト・マガジン』を目指すそうだ。1月号は「フォトグラファーの仕事白書2009」がおもしろい。全国各地のコマーシャル・フォトグラファーはどんな状況にいるのか、生の声を全国110人から集めている。とくに「仕事上で、最近感じたこと、悩んでいることは?」「仕事をデジタル化して何が変わりましたか? 良かった点は、困っている点は、何ですか?」などに対する回答は、やっぱりそうだよね、ほぼ予想通りだけど、とても興味深い。こういう特集はこの雑誌が得意とするところだ。もっと深く突っ込んで、問題点を摘出し、それをいい方向に導く提案まで示せたらよかった。それができるのは、コマフォトだけだろう。付録のB5判52ページの「ADOBE PHOTOSHOP CS4 handbook」は要領よくまとまっている。デザインも整然としていて美しい。また、デジタル一眼レフユーザーに向けた「デジタルフォトの新常識」というムックも読んだ。この本の特徴は、画像処理ソフトについての解説以外の項目は、ほとんどが見開き2ページ単位で並べる構造にある。よくあるカメラの機能比べとか、ソフトの使い方とか、そういった内容ではまったくなく、デジタルフォトを仕上げるための基本的な知識やアイデアで構成されている。これからデジタル一眼レフを使おうという人向きだ。リニューアルで大判になって3冊目の「イラストレーション」175号の第一特集は、「和田誠が選んだ『音楽を描く』絵50」で、じつに楽しい。さすがの50選、コメントにもなるほど納得。絵の本はやっぱり大きい方がいい。最近、みょうに白地の多い、文字の小さい、スカスカ本が気になるが、この雑誌は緩急自在、メリハリがきいた、いかにも雑誌らしいデザインがいい。やっぱりWebより紙の雑誌のほうがおもしろい。(柴田)
< http://www.genkosha.co.jp/np/index.do
> 玄光社
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001M4SSHA/dgcrcom-22/
>
アマゾンで「コマーシャル・フォト 最新号」を見る
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4768302750/dgcrcom-22/
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「デジタルフォトの新常識」を見る
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001KP1I0K/dgcrcom-22/
>
「イラストレーション 最新号」を見る
・産經新聞の紙面版がiPhoneへ無料配信のニュースを知って、うらやましくなりました。海外だとiLiadに新聞が配信されるんだけどなぁ。/続き。スチーム式、気化式、ハイブリット式について。スチーム式はストーブの上にやかんを置いたのと同じ。沸騰し続けるため電気代は高め、カルキがつきやすく(電気ポットをずっと沸騰させ続けると考えれば、その汚れ度合は想像できるでしょうとのこと)、吹き出し口が熱くなるが、一度沸騰させるので吹き出したスチームそのものはきれい。気化式は濡らしたタオルに風を当てるのと同じ。吹き出し口は熱くならないが、部屋が冷えることがあるらしいのと(打ち水)、雑菌がわきやすいので(部屋干しを考えよう)フィルタ機能が大切。「皆さん、翌年出してきて臭い臭いとおっしゃいますが、説明書の通りに毎月手入れされたら臭いはしないんですよ。で、結局毎年フィルタや加湿器そのものを買い替えたりされるんです。だから絶対に手入れし易いものにしてください。」と力説。実際にフィルタを触らせてもらい、普通に洗えるのはいいなぁと(漂白剤使ってもいいって)。あと、水タンクは内部収納型のものにした方がいいそう。持ち上げる時にタンクと本体とが分離して落とす人がいるんだって。ハイブリッド式はぬるま湯に風を当てるようなもの。雑菌が抑制しやすいのと、湿度を上げるまでの時間短縮、電気料金少なめ。あ、雑菌抑制と書かれてあるものは、吹き出し口から出てくる空気自体の雑菌抑制なのか、部屋の雑菌をも抑制するのかに分かれる。部屋の雑菌抑制のものといってもパワーがないと、数分で消えてしまい、一畳半程度の抑制しかできないものがあるって。で、結局パナソニックのものにしたさ。ずっと水につかったままになるのを防ぐため、フィルタそのものがゆっくり回るの。衣類のニオイ抑制や、湿度5%アップの「のど・肌」モードまであるよ。ベテラン店員さんのセールストーク動画をサイトにアップしたら、商品売れると思うわ。あ、だからテレビショッピングやジャパネットたかたで物が売れるのよね。(hammer.mule)
< http://ctlg.panasonic.jp/product/info.do?pg=04&hb=FE-KXD05
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SOHOなら十分では? 水を自動補充する時にコトンコトンと音がする
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