[2583] ツァイスがスゴいの巻

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           <あり得ない日本が目白押し>

■わが逃走[38]
 ツァイスがスゴいの巻
 齋藤 浩

■伊豆高原へいらっしゃい[31]
 最近見たSFドラマのあれこれ
 松林あつし

■気になる記事CLIP


■わが逃走[38]
ツァイスがスゴいの巻

齋藤 浩
< https://bn.dgcr.com/archives/20090212140300.html
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凄い。凄すぎる。何が凄いって、カール ツァイスのレンズが凄いのだ。

のっけからテンション高くてスミマセン。落ち着いて順を追って語りますね。先日、ドイツの老舗光学メーカー「カール ツァイス」ブランドのレンズで初めて写真を撮ってみたところ、今まで経験したことのないような写真(まあ、オレにとってだけど)が撮れて驚愕してしまったのです。

そんな訳で、今回はカール ツァイスレンズを入手した経緯やら使ってみての感想等を語ります。とくに皆さんが興味がなくても語ります。そういう企画です。あ、別にカール ツァイスから金もらって宣伝してる訳ではないですよ。とにかく光学魂みたいなヤツにやられてしまって、体調までおかしくなりそうなくらい感動してしまったもので、どっかで出しとかないと体に悪いのです。

【1】BESSA-Tでわかった「写真とは何か?」

以前も『わが逃走』でちょこっと語ったことがあったけど、数年前、BESSA-Tというレンジファインダーカメラを激安で入手したのです。露出もピントも手動の機械式カメラ。もちろんデジタルじゃありません。フィルムです。

ピントも露出もカメラがやってくれて、撮った画像をすぐに確認できるという過保護な環境に慣れきってしまった私にとって、このカメラとの出会いは衝撃でした。自己克服型カメラとでも言いましょうか、ただなんとなく撮るときでさえも、どんな絵が撮れるのか、どんな絵を撮りたいのか? なんてことを考えながらシャッターを切らないと、ピンぼけのぶれぶれ写真になっちゃう。

最近のカメラには頭脳が入っていて、そのへんを勝手に判断してくれちゃうから、当たり障りのないきれいな写真が撮れるのでしょう。でも、その写真は本当に自分が撮りたかった絵なのか? それともカメラが撮った絵を自分が撮りたかったものだと思い込んでしまっているだけなのか? などなど、甘えすぎていた写真に対する姿勢を考え直すきっかけになったカメラ、それがBESSA-Tだったのです。

BESSA-Tのおかげで、フィルムを使った写真表現の奥深さや単焦点レンズの描写の美しさを知ることができました。とにかく、いままで写真だと思っていたものが、実は状況や形状を説明する画像でしかなかった。写真とは、その場の空気とか音なんかも含めて、視覚的に訴える表現だったんですね。

それを永らく忘れていた私の目から、ウロコが50枚くらい落ちたのです。で、自分が死ぬのと35ミリフィルムが市場から消えるのと、どっちが早いかはわかりませんが、その時が来るまで地道にレンジファインダーカメラを使い続けようと思ったのでした。

【2】「その手にはのらないぞ」と思ってた

まあ、ここまではいい話っぽく聞こえるんだけど、こうなるともう私のオタク心に火がつくのは時間の問題だったんですね。で、レンジファインダーカメラに関する情報を集めまくりました。私は興味をもったら片っ端から調べまくらないと気が済まないオタク体質なもので、気がつけばものすごい勢いでカメラの本が増えていったのです。

で、それらの中にはものすごく共感できるものもあれば、自分を見ているようで気持悪くなるようなカメラフェチっぽいものもありました。でもまあ、そういったもの全てを読んでみると、どの本でもある共通する主張があるのです。それは何か? 「カール ツァイスのレンズはイイ」です。そりゃまあイイんでしょうよ。値段もべらぼうに高いしな。

で、どの本も同じようなことを言っている。「空気まで写り込むような描写力」とか、「油絵の具のようなこってりした美しい色彩」等々。

で、カール ツァイスレンズで撮った作例が掲載されてるんだけど、まあ確かにきれいな写真なんだけど、そこまでイイか? なんて思ってしまうのです。だいたい写真なんてフィルムによっても印画紙によっても色は変わるし、ましてや4色分解の印刷物にしちゃったら、元の写真と同じ色になんかなるはずないのです。それをフォローするためにうんちくが書かれているんだろうけど、どうにも説得力がない。

カール ツァイス教の信者が布教活動をしているかのようで、逆に「その手にはのらないぞ」なんて思ってしまったのです。で、機会があれば使ってみたいなーとは思っていたものの、私は高いレンズ1本よりいろんな画角のレンズを何本も欲しかったので、しばらくは遠い存在のままでした。

【3】35mmという画角が嫌いだった

さて、ここでレンズの焦点距離の話。どの本を読んでも「焦点距離35mmのレンズは、レンジファインダーカメラにおいて標準レンズと言えよう」とか「レンジファインダーカメラは、35mmに始まり35mmに終わる」なんてことが書いてある。でも、私は35mmという画角が嫌いだったのです。

よく合コンで「好きな音楽は?」とか聞くらしいけど、そんなこと聞いて何がわかるんだろう。それよりも「お好きな画角は?」「はあ。28mmです。」とかいう問答の方がよっぽどその人なりがわかるというもんだ。なんて思ってるオレは絶対モテないだろうな。それはまあいい。

そう、オレは35mmが嫌いだったのには訳がある。その昔小学4年生の頃、お年玉をためて初めて買ったカメラが『オリンパス XA』。買ってすぐ裏蓋に「Takeo SAITO」と父に“お名入れ”されて泣いた思い出のカメラだ。ちなみにTakeo SAITOとは私の父の名前です。そのケチのついた思い出のカメラについていたレンズが35mm。

でもこれはとてもいいカメラだった。このカメラでいろんなことを学んだ。なんだけど、使っているうちに何でもかんでも35mmで撮らなくてはならない“縛り”のようなものを感じてきて、「ああ、50mmレンズ付きの一眼レフが欲しいなあ」なんてことをいつも思っていた。で、念願かなって借りたキヤノンAE-1についていたレンズも35mm。一眼レフを使えて嬉しかったけど、もっと寄ってみたい! といつも思っていたのだ。50mmへの憧れは、次第に35mmへの憎悪へと変わってゆく。

そうこうしているうちに1980年代も半ばに入り、突然我家にオートフォーカス一眼レフ、『ミノルタα-7000』がやってきた。(このへんの経緯は『わが逃走』第27回 昔の◯◯◯とヨリを戻すの巻を参照のこと)これにはなんと便利なズームレンズが標準レンズとしてついていた。しかも広角28mm〜望遠85mmまでをカバーするすごい奴だ。

で、これの何に感動したかって、憧れだった50mmの画角を手に入れたことはもちろん、28mmのワイドな視野と85mmの“寄れる”力だ。この迫力の前に今まで使っていた35mmは中途半端に思えてしまい、それ以来35mmレンズは使っていない。BESSA-Tのマイブーム以降も同様で、レンズは徐々に増えていったものの35mmレンズの必要を感じることはなかったのだった。

【4】カール ツァイス『Biogon*2/35ZM』を入手

で、ちょっと前に「これじゃあいけない」と思ったんですよ。死ぬまで(趣味で)写真を撮り続けようと誓ったにも関わらず、いちばん基本的な35mmという画角を毛嫌いしていたんじゃこれ以上の成長はない。でも、興味のない相手と無理矢理付き合ったって、良い結果になるはずはない。

ではどうするか? という訳で、ブランドの力を借りました。でもブランドものは高い。なら安いのを探せ。で、見つけて買っちゃいました。カール ツァイス『Biogon*2/35ZM』。新品を定価の約半額で入手。

で、手始めにデジカメに装着して撮ってみた。驚いた。だって、ホントに「空気まで写っているよう」だったし、ホントに「油絵の具のようなこってりした美しい色彩」だったのです。

ほぼ同じ条件で他のレンズと比較してみても、明らかにカール ツァイスレンズで撮った写真の方がイイ。そこに、そのものがあるかのような立体感と空気感。思わず「えー??」なんて変な声を出してしまいました。本に載ってる作例を見ても何とも思わなかったのが、実際に撮ってみるとその差をはっきり感じてしまう。何故だろう??

色も派手なんだけどベタすぎず、自然。脳内で思い出す撮影時の風景の色に近いのか? また、他のレンズでは明らかに白くトんじゃったり黒くツブレちゃったりするであろう箇所にも、きちんと階調が残っているのだ。

あ、こちらがその時の写真ね。あくまでも参考ってことで。
< http://www.dgcr.com/kiji/20090212/fig1 >

同じモチーフを違うレンズで撮って、その写真を画像処理ソフトでツァイスの色調にしようとしたんだけど、ぜんぜんダメでした。こう見えても私、画像処理歴は長く、某化粧品広告のポスター用に某有名女優のシワを消したことだってあるんですよ。そのオレ様の腕をもってしてもダメだった。うーん、おそるべしカール ツァイス。

次に、モノクロフィルムで撮ってみた。カメラはもちろんBESSA-T。無彩色のグラデーション表現ということで、カラーほど差は感じないかなーと思っていたら、とんでもない。繊細な階調表現がより引き立つ感じというかなんというか。こちらもあくまでも参考ってことで。
< http://www.dgcr.com/kiji/20090212/fig2 >

でも、いままでだったら左サイドの白い壁や横断歩道のペイントなんて白トビしても当然だと思うのです。それがちゃんと階調が残ってる。右側の壁だってこんなにテクスチャが見えるなんてありえないでしょう。なんて思ってしまうのだが、これはブランド品レンズで撮ったんだからイイ写真が撮れてると思いたい、私の心理がそのようにさせているのでしょうか。

まあ、なんだかわからんけど、結局私はまんまとカール ツァイスの魅力にはまってしまったようです。幸いまだツァイスレンズはこの35mmだけしか持ってないので、ここらで撮りまくって、ツァイスレンズの美しく撮れる謎と、35mmという焦点距離の魅力を探ってみようなんて思いました。いやー、オレってほんとに道楽者。

【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。
< http://www.c-channel.com/c00563/
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■伊豆高原へいらっしゃい[31]
最近見たSFドラマのあれこれ

松林あつし
< https://bn.dgcr.com/archives/20090212140200.html
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以前、アメリカのSFドラマ「スターゲイト SG1」について書きました。そのSG1は、アメリカにおいては、最終シーズンであるシーズン10がとっくの昔に放送終了となっています。それで、日本ではどうかと言いますと、これがシーズン9で止まっているのです。もう1年半近く、新シーズンの発売がありません。

これは何故かと言うと、国内ではまだテレビ放送中であるためと言えそうです。放送しているのはスカパーの海外ドラマチャンネル「AXN」。放送開始は昨年の10月ぐらいからだったと思いますが、未だに繰り返し放送しているので、これが終了しなければ、日本版のDVDは発売できないのでしょうね。しかも、放送終了がいつになるのかまったくわかりません。前のシーズンから1年以上も間が開いたのでは、ストーリーも忘れてしまうってもんです。

いい加減待ちくたびれました……いっその事、AXNで見るか、と思い立ち、スカパーe2のカスタマーサポートへ連絡してみました。そうすると、前回の解約から1年以内であれば、加入料の2,940円はタダになるという事……つまり、基本料410円+AXNチャンネル630円、合計1,040円/月でドラマを見られる事になります。

前回解約したのがいつなのか定かではなかったので、調べてもらいました。そうすると、なんと去年の2月28日……あぶね〜、ぎりぎり1年以内! 早速再契約の手続きをやってもらいました。

AXNでは今月から来月にかけても、SG1を再放送しています。契約時点では、すでに話の途中からになってしまいますが、予定表を見ると、その後もまたシーズン10の第1話から再放送をするようで、一話も逃さないよう、予約録画するつもりです。さらに、スターゲイトのスピンオフ作品「アトランティス」のシーズン3(これも、日本では発売時期未定)を同時進行で放送しています。総予約録画期間は2か月とふんでいますが、もし録画終了後にスカパーを解約したとすると、SG1シーズン10とアトランティスシーズン3の両方を2,080円で手に入れられる事になります。

今までのDVDボックスの価格を見ると、だいたい1シーズン18,000円〜20,000円ぐらいです。SG1とアトランティスの両方を買ったとすれば、40,000円ほどの出費は免れなかったでしょう。それらを後でネットオークションに出品したとしても、戻ってくるのは20,000円程度です。それを思うと、格安で見られる事になり、すごくラッキーですね。

ただ、AXNで放送されているのは、日本語吹き替え版なのが残念ですが、安く上がるのでしかたありません(SG1のカーター中佐役であるアマンダ・タッピングの声を鈴木弘子さんという声優が担当していますが、すごくおばさん声なので、がっかりです。アマンダの実際の声はもっと若々しい……さらに科学用語を連発するシーンなどは、声優の呂律がついて行っていません。とても科学者の声を担当する声優さんではないように思えます)。

それと、実はドラマは11シーズンまで予定されていました。しかし、ありがちですが、視聴率が尻すぼみとなり、これはキャンセルされたようです。その代わり、ストーリーを補完する意味で、DVD映画が発売されています。

その映画版DVDは去年夏にすでに購入済みなのですが、実はこれ、SG1シーズン10の後の話なのです。シーズン10が発売される1年も前に、その後のストーリーを先に発売するなんて、どういう考えなんでしょうか?>日本の代理店。これに関しては、色々なところから、不満の声が上がっています。僕も買ったは良いが、未だ見れぬまま、ホコリをかぶっています。AXNのドラマを見ることによって、4月ぐらいにはやっと映画版も見られそうですが……。

《ヒーローズ シーズン2》

先月、「ヒーローズ」のシーズン2をツタヤで旧作扱いになるのを待って、一気に見ました。総論で言うと、シーズン1の方がおもしろかったです。まず、ストーリーの整合性にかなり疑問が出てきました。このドラマは時系列が行ったり来たりで、ともすると、話の流れを見失いがちですが、おおまかな流れでは整合性が取れているとは思います。しかし、「ターミネーター」や、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」もそうですが、タイムトラベルを絡ませてくると、どうしてもおかしなところが出てきます。

日本語の発音がおかしい日本人「ヒロ」が、過去へ未来へタイムトラベルしながら、地球を救う方向へ持って行こうとします。最初、彼の時空能力は本人の意図しない形で表れるのだ、と思っていましたが、話が進むにつれて「なんだ、思い通りの時代にいつでも飛んでいけるんじゃん」って解りました。なぜ、こんな設定にしたのかわかりませんが、この時点で、すべての整合性が崩れてしまっています。これを許したら、どんな失敗も、いつでも過去に戻ってやり直せる事になります。

しかし、実際はそんなことお構いなしに、ヒーロー達はピンチに立たされていくのです。よく考えれば、確かにヒロと他の能力者との接点は非常に浅く、物語のキーパーソンである彼を深く気に留める者は、あまりいません。いつでも何でも振り出しに戻せる能力を持っているヒロに対して、あまりにも無関心すぎませんか? 普通なら、能力者同士、携帯で連絡を取りながら「失敗したのかい? なら、ヒロに頼んだら、過去をやり直してくれるよ」って、言えば済みそうなものですが、目の前の事象に翻弄される彼らは、そうはしないんですね。

さらに、シーズン2を台無しにしてしまったのが、過去の日本の描き方……シーズン2はキーパーソンのヒロが、戦国時代の日本に飛ばされることから始まります。しかし、そこにいた伝説の武将は、何故か変な日本語を喋るガイジン。さらに、あり得ない時代設定やあり得ない人物描写、あり得ないラブストーリーなど、あり得ない日本が目白押し……いくらアメコミ基調のドラマとは言え、インドやメキシコをあれほどリアルに描けるなら、日本ももっとなんとかなりそうなものです。監督が、近くにいる日本人に「これで問題ないかい?」って聞けば済む事じゃありませんか? 答えは「問題大あり」ですが……。

昨年、日本では忘れられかけていた田村絵里子さんが「凱旋帰国」と騒がれましたね。「ヒーローズ」シーズン2でのヒロインとして大成功したそうです。ううむ……あれを成功と言えるのかどうか……もちろん、監督の指示の元での演技でしょうが「高校の演劇部の発表会」ですか? 本人もああしたい、こうしたいという願望はあったでしょうが、監督やスタッフの「日本人とはこういうものだ」という先入観が、あんな演技をさせてしまったのでしょうか……残念でなりません。

まあ、ここまで見たからには、シーズン3に巻き返しを期待するしかありませんね。

《バトルスター ギャラクティカ シーズン1〜2》

これは、偶然ツタヤでレンタルされていたものを借りて見たところ、思いの外おもしろかったという作品です。ハリウッドのSFドラマにしては、珍しくハード&シリアス、そしてエロティックな描写とストーリーになっています。初めての紹介ですので、簡単にストーリーをまとめたいと思います。

銀河のとある宙域で、人類は12のコロニーに分かれて繁栄を謳歌していた。そんな中、文明をよりよいものにするために作られた、サイロンと呼ばれる人工知能が反乱を起こす。知能を備えたロボットや戦闘機を駆使し、サイロンは人類に戦争を挑んできたのだ。長い激戦の末、ようやく訪れた休戦協定。その後、彼らは宇宙の彼方へ消え、人類は50年に渡って平和を取り戻していた。

しかし、ある日突然、サイロンの攻撃が再開される。細胞やDNAまで人間にそっくりに進化したサイロンをスパイとして送り込み、ネットワークを支配した上で、全コロニーを同時に核攻撃。地上の都市や軍事施設はことごとく破壊され、人類は絶滅の危機を迎える。唯一ネットワークから切り離されていた、旧式空母である「ギャラクティカ」と軌道を航行中の、50隻ほどの民間船だけが難を逃れ、新政府とアダマ艦長の下に集結する。残された人類は約50,000人。

帰る星を失い、絶滅の危機に瀕した人類は、サイロンからの執拗な攻撃や、スパイによる破壊工作、内部からのテロなどに耐えつつ、13番目のコロニー種族が、はるか昔に向かったとされる伝説の地「地球」を目指す事になる。

このストーリーを見て「あれ?」と思った方は、結構なSF通ではないでしょうか。僕も、昔そんな名前のSFがあったな……ぐらいしか記憶に無かったのですが、実は1978年〜1980年に製作されたテレビシリーズ「宇宙空母ギャラクティカ」のリメイクなのです。

そんなリメイク版ギャラクティカですが、CGを大々的に使っている割に、昔の映像を踏襲する形で作られており、随所にクラッシックな感じを漂わせています。まず、宇宙物に付きものの、ビーム、レーザーガンなどは一切出てきません。武器はマシンガン、ピストル、高射砲、ミサイルなどで、今のアメリカの軍事設備よりも劣っているのではないかと思えるような設備になっています。さらに、通信はクルクルコードの有線電話……これには理由があり、アナログ設備でなければサイロンのコンピュータウイルスに支配されてしまうかららしいです。

宇宙船内には人口重力が働き、ジャンプと呼ばれるワープ航法を確立しているほどの先進文明とは思えない、クラシカルな設定には多少違和感を覚えますが、この作品のカラーと考えればこれも味なのかなと思います。ただ、やはり国家のありかたや軍事環境がアメリカそのもので、宇宙彼方の文明にしては、やはり人類=アメリカ人という雰囲気が漂い、納得できない部分もあります(地球がこのストーリーのキーワードになっていますが、今まで地球とは関係のなかった文明の言語文字が、英語なのも今後の整合性でおかしくなりそうです。船体にGALACTICAって印字されてます)。

まあ、全体的な完成度は結構高いと思いますし、俳優の演技もまずまずです。特にラプターと呼ばれる偵察船の女性パイロット「ブーマー」役のシャロン・バレリーは韓国系アメリカ人ですが、東洋系でありながら、他のアメリカ人と比べてもまったく引けを取らない大きな演技をします。ブーマーはこのストーリーの中ではキーパーソンなのですが、同じくアメリカ育ちの東洋人マシ・オカや田村英里子とは演技の幅が格段に違います。日本の女優も見習ってほしいですね。

「バトルスター ギャラクティカ」は4シーズン構成になっています。シーズン1=起、シーズン2=承、シーズン3=転、シーズン4=結という事で、最初から4シーズンを念頭にストーリーが計算されているので、今後の展開もうまくまとめてくれるのではないかと期待しています。

ただいま、アメリカでシーズン3を放送中。速やかな日本版DVDのリリースを望みます。

【まつばやし・あつし】イラストレーター・CGクリエイター
< http://www.atsushi-m.com/
>
pine1289@art.email.ne.jp

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■気になる記事CLIP
< https://bn.dgcr.com/archives/20090212140100.html
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●Web制作現場の“非常識”ワークシェアリングは万能の特効薬か
(nikkeiBPnet)
< http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090209/130741/
>
●大企業のWebサイト構築法「クリックされないサイトに価値は宿らない」──JAL、3年半ぶりのHP刷新に託した意図(ITmedia)
< http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0902/11/news004.html
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●SEO/SEMに役立つキーワード調査ツール特選 6サービス(Web担)
< http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2009/02/10/4778
>
●目的別に見る6つのSEO戦略──ビジネスに合わせて選ぶSEOの目的(前編)(Web担)
< http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2009/02/09/4937
>
●アクセス解析ツールを導入して成功するための企画書/上司を説得できる企画資料の作り方講座#4(Web担)
< http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2009/02/12/4913
>

●フォトレポート:「Amazon Kindle 2」が登場──製品画像を早速紹介(CNET Japan)
< http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20387948,00.htm
>
●二次元の女と三次元の女、見つめたいのはどっち?(Business Media 誠)
< http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0902/12/news017.html
>
●昆虫をラジコンのように操る、日本人MEMS研究者の足跡(マイコミジャーナル)
< http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/02/12/insect/
>
●特集 電動アシスト自転車【前編】CO2排出削減も強力アシスト!(ECO JAPAN)
< http://eco.nikkeibp.co.jp/article/special/20090206/100661/
>
●動画でみる「ミニッツジム」のエクササイズ(ITmedia)
< http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0902/10/news075.html
>
●寝転がったまま快適に読書を楽しむ(ITmedia)
< http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0902/10/news035.html
>
●短くてオシャレ、伸ばして便利の伸縮型ペン(ASCII.jp)
< http://ascii.jp/elem/000/000/212/212777/
>
●ビジネスマンの新たな必須ツールか!? 低価格の簡易製本機でファイリング力に差をつけろ!(nikkei TRENDY net)
< http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20090205/1023369/
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■編集後記(2/12)

(お徳用ボックス) キリン 潤る茶 (うるるちゃ) 500ml×24本・キリンビバレッジの「潤る茶」、何と読むのかわからなかった。うるおい健康ブレンド茶だろ、「うるおるちゃ」か、変だ。CM見てたら「うるるちゃ」だという。そんな読み方あるのか。岩波国語辞典では「潤い=うるおい」「潤う=うるおう」「潤す=うるおす」とある。どうやっても「潤」は「うるお」だろう。と思っていたら、ちょっと後ろの方に「潤む=うるむ」があった。こいつか。すると、「うるる」はその活用形か? 違うような気もするが。「そんな読み方あるか」と、CM見たとき必ず言う。でも、「元気をあげる人」編ての、瑞々しい(びしょびしょな)ビジュアルがおもしろいな。スバルFORESTERのCMは「秘密基地シリーズ」が続いている。クルマが滝の中から現れたり、プールの水を割って現れたり、氷の湖の中からせり上がったり、林の中にトンネルを仕込んだり、渓谷からゴルフ場が出現したり、そのばかばかしいビジュアルがけっこう好きなCMだが、二人のタレントはその仕掛けにくらべていかにも地味である。お金持ちではなさそー。華がないにもほどがある。「ビンボーくさいぞ、おまえら」と、CM見たとき必ず言う。永谷園お茶漬け海苔の玉木宏がとても貧相である。「のだめ」の頃はけっこう好感を持っていた。声はいいしな。「あをによし」の頃は神経衰弱役だからまあ役作りかと思っていたが、いま見るCMすべてで不健康そうだ。お茶漬けさらさらしてタクアンぽりぽりして、まあお茶漬けに似合いと言えばそうかもしれないが。「病人か、きみは」と、CM見たとき必ず言う。ダイハツってどうしていつもこうなの。見ていて恥ずかしい家族が登場する。母と息子が背中合わせでストレッチ、するか、普通。息子が「若いなあ」と言い、母はシュッシュッとボクサーのアクション、するか、普通。以前も仲良し母と息子、仲良し兄妹が出ていたが、家族とベタベタするより外で恋人めっけろよといつも罵倒していたものだ。「またかい。いつまでもやってれば」と、CM見たとき必ず言う。(柴田)
< http://www.beverage.co.jp/product/cm/ururu/index3.html
> キリン
< http://www.subaru.jp/about/cm/forester/
> スバル
< http://www.nagatanien.co.jp/museum/library/
> 永谷園
< http://www.daihatsu.co.jp/cm/mira/index_01.htm
> ダイハツ

・FORESTERは吉瀬美智子さんではありませんか。以前にも書いたけれど、この人の顔が好き〜。なぜあんなに色っぽいのだ。FORESTERは仕掛けメインのCMだから、あれでいいのだ。←オイ。/ずっと風邪をひいていて、熱はひいたものの咳がしつこい。宝塚歌劇のチケットを取ってもらっていたので、大判マスクで外出。観劇中は咳が出ては迷惑なので、のど飴を準備。お芝居は、二人の恋愛背景がはしょられていて感情移入できず。どうしてお互いそんなに好きなわけ? 単調な話の上、バラードが多く、のど飴をなめているにも関わらず睡魔と戦う羽目に。冷めて観ていたのに、ラストの「レコード」でスイッチが入る。友人も同じ感想だったよ。ネタバレになるので詳しく書けないのがもどかしい。ショーは、トップさよならにふさわしい作りで、とても良かった〜。カンカンのところが好き。男役の群舞では、次のトップ柚希礼音さんに目が行く。全員同じポーズをしていても、一番キマル。この人の踊りは好きだ。今年から宝塚の演目数が増え、月に1本ペース(大劇場公演のみ。今までは年8本)。これはきつい。観に行くと友人が次の予約の話をしてくれる。彼女に頼むとセンターの席をとってもらえるのでつい頼んでしまう。さほど興味のない組でも、さよならとお披露目は見ておきたいしな〜、とか、「エリザベート」は見ないとな、などなど。(hammer.mule)
< http://www.kichisemichiko.com/
>  吉瀬美智子公式
< http://blog.livedoor.jp/michiko_sc/
>  スケジュール
< http://www.sankei.co.jp/enak/sumirestyle/2007/apr/kiji/02sumire_chie01.html
>
柚希礼音さん
< http://tsuiteru.way-nifty.com/areyakoreya/2009/02/post-ca9b.html
>
そうそう!