戦後から今に至るまで、自衛隊のありようについてあれこれと論議が交わされ続けてきたのは皆さんご承知の通りだが、ここ最近の総理大臣の言動を見ていて、私は、あらためて、憲法第九条のありがたさを思い知った気がしている。
ご承知のように、現今の総理は解散・総選挙前提に9月にその職について以来、すみやかな経済対策の実施こそ急務として、その職に執着、例のナンタラ給付金というアイデアと総理の椅子にしがみついて他を困らせ、ことあるごとに総理の権限を振り回している。
ご承知のように、現今の総理は解散・総選挙前提に9月にその職について以来、すみやかな経済対策の実施こそ急務として、その職に執着、例のナンタラ給付金というアイデアと総理の椅子にしがみついて他を困らせ、ことあるごとに総理の権限を振り回している。
こんな男に、自衛隊の指揮権を与え、自衛隊を第九条から解放したらどうなるか、そんな風に考えると暗澹たる思いにかられる。例えばタイ。かの国は、警察と軍隊が国民と権力者(政府)の側にわかれて対峙しているではないか。ああいう感じを対岸の火事と眺めていた私たちだが、現在の総理とそれをとりまく状況をかんがみれば、アジアの混乱とわが国の現状は実は紙一重であるように思えてくるからだ。
「法律に規定されている」とか「それは総理の権限である」などということを声高に叫ぶくせに、生存権が危機に瀕している国民を目前にしてもその権利は黙殺する。こんな総理大臣は、かつていなかった。
どうやら、わが国の政治は、多分に人間の品性、常識というものに頼って運営されていたようである。いや、現総理の言動、感性が、それほどまでに想定外だったということなのかもしれないが、いずれにしても今の総理は私たちに多くのことを教えてくれた。国民の信任を得ず、間接的に選ばれた総理に多くの権力を与えていいものかどうか、そこのところは大問題だ。現状では、ある日突然、新世紀のヒットラーもどきの登場すら予感させるところがある。こうした点をこの機会に点検し、変えていかなければならない。
憲法第九条の改正など、まともなシステムの元でなければ、手をつけるべきではない。彼の存在が私にそう告げるのである。
Momoyo The LIZARD 管原保雄
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