[2695] 野党の心意気

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《ミス・ユニバースの衣装が「あれ」だった》

■音喰らう脳髄[74]
 野党の心意気
 モモヨ

■Episode of ガテン系デザイナー[27]
 見えちゃうのはいろいろと大変だ
 相子達也

■アナログステージ[20]
 ワガママなくらいがちょうどいい
 べちおサマンサ


■音喰らう脳髄[74]
野党の心意気

モモヨ
< https://bn.dgcr.com/archives/20090901140300.html
>
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本日(月曜日)、午後からスタジオで仕事だというのに、台風が関東を直撃するという。「電車の運行に異常がなければいいが」などという不安な思いにかられつつ、この原稿を整理している。

この7月から8月……、

私は、子供たちが夏休みを謳歌する間、彼らと付き合いつつも、新作アルバムの制作に励んでいた。昨夜も豪雨の中、スタジオで、民主党の圧勝を伝えるテレビの選挙速報を見ていた。

どの番組を民主党の歴史的圧勝と驚きをもって伝えていたが、実は、そうした局の中には、選挙前に、さらに大胆な予想を、例えば民主320議席などという予想をしていた局もあった。どういう意図、調査からあげられた数字なのかは知らないが、そうした大胆予測からすれば、308議席というのは、おとなしい数字だろう。おおかたの予想通り。奇跡でも何でもない。むしろ、小選挙区の多くでは接戦が展開され、民主党側にゆるみがあれば、結果はそうとう変わっていたろうと思われる。

民主党に風が吹きすぎたという論もあり、それは確かなのだけれど、小選挙区における僅差での勝敗決定などを見ると、この現象はむしろ選挙のシステム固有のものと考えるべきだろう。このシステムが健全に働いた場合、国民の意思が与野党の反転に直接働きかける、ということになる。

いずれにしろ、私たち国民からすれば今回の結果によって初めて明確な政権交代を体験したわけで、まだ民主政権が走り出していない今、新政権がどうこうとは言いようがない。

一方の自民党も、初めて完全なる野党を経験することになる。政党であれば野党になることもあるはずだが、こと自民党の場合は、よもや野党になることを考えもしなかった議員が多そうだ。

そのあたりの意識変革にいましばらく時間がかかりそうだが、これからの自民党は、政権奪取ということにのみ汲々とせず、まず健全なる野党として機能することが求められる。声高に「政権奪取」だけを叫ぶような政党になれば、自民党に未来はないだろう。国民の目には、権力欲にかられた欲ボケとしか見えないからだ。

これから民主党が与党としての振る舞いを学習せねばならないのと同様に、自民党もまた野党としての振る舞いを一から学習せねばならない。野党には野党の在りようがあり、意義がある。野党でいつづけるには、それなりの気概と根性が必要なのだ。野党には野党の心意気というものがある。自民党議員は、まずそこのところを学ぶべきだ。

人生、万年野党の私としては、そんなことを思ったりする。

Momoyo The LIZARD 管原保雄
< http://www.babylonic.com/
>

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■Episode of ガテン系デザイナー[27]
見えちゃうのはいろいろと大変だ

相子達也
< https://bn.dgcr.com/archives/20090901140200.html
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もう涼しくなってきてしまいましたが、オカルトな話をひとつ。うちの息子はいわゆる「見える」人です。またまたご冗談を、うそつけ、と思われたでしょうが、どうやら本当なのです。今12才なんですが、この頃はだんだん見えなくなってきたそうです。薄くなってきたというか「あーいるなぁ」っていう気配だけ感じることがおおくなってきたんだとか。友達も一部知っているし、そろそろ書いちゃってもいいかなと、やや無責任な親がお送りします。

私は全然見えないし、オカルティックな経験もほとんどないので、実証できないのがくやしいのですが、ホントのところはどうなのかと、取りあえず色々試してみたことがあります。

車で走っている時、歩いている時、家に居る時などなどで突然質問します。「今、いる?」「うん」「どこ?」「土手の上と道の左側」即答です。「どんなひと?」「土手の上は男の人、道にいる人は女の人」「どんな格好?」「男の人は普通の格好、シャツとズボン。女の人は薄くてよくわからない」これも即答です。

自分の息子ですから、表情や口調からウソをいっているかどうかは分かりますし、これ以外の質問に対しても具体的でなおかつ即答なんです。いつ聞いてもそうなので、私としては疑う余地がありません。

車で移動中のある日、交差点を通過しながら「いる?」と聞いてみると「いるよ、女の子が交差点の真ん中にうずくまってる」「角の電柱のところにもいる」

怖い話の定番である学校ではどうなのか?「校庭にいつも一人立ってる。顔は黒くてわからない」「階段のいつも同じ位置に手がでてる」他には? と聞くと「いろいろあるけど言いたくない」…そうか、そんなすごい状況なのか。

旅行に行った先でのこと。旅館とかホテルも怖い話の定番です。泊まった部屋には「なにもいない」ということでほっと胸をなで下ろす(とはいえ、私と他の家族はなーんにも感じないんですが)。「でもここに来るとき、道路や駐車場にすごくいっぱいいた」

すごくいっぱいと言えば、お盆時期は半端でない数の人たちが帰ってきておられるそうで、さすがの息子も墓参りのときは下を向いて歩いていました。いっぱいいる時は、みんなが息子を見ている(目が合う)ので知らんふりをするのが大変とのこと。

病院ではどうか。想像通りたくさんおられます。いま、皆さんの頭の中に病衣を着て頭に包帯を巻き、点滴のスタンドをころがしながら歩いている人が浮かびませんでしたか? 私もそんなイメージだったんですが、意外にも普通の服を着ているケースがほとんどだそうです。

「そういう人たち」の服装は病院に限らず普通の感じで、戦時中みたいなものや着物、武士とか良く聞くイメージの人はほとんどいないということです。ただ、ごくたまにいるようなのですが、なぜかそういうケースもあまり話したがりません。

さて、最高に気になる自宅はどうなのか? もちろんいるそうです。寝室におじさんが立っていたり、息子の部屋には3人、食事しているときに横に立って見ている人がいる、外には女の人が2人いる、などなど。

そういえば、家を建てて引っ越しをした最初の夜に、息子じゃなくて娘(当時3歳)が「かべからバリバリのおじさんがでてきた」といって寝られなかったことがありました。娘は寝付きが良くて、ほうっておいても寝てしまうくらいなのにその時はまったく寝られずにいて、環境が変わったからだけではないような感じでした。娘はその一件だけで、他はまったくなく私と息子がそういう話をすると「怖いからやめれ」と耳をふさいでいます。

私が一番驚かされたというか、嫌だったのは「おとうさんの横にハゲ頭のおじさんが寝てたよ」と言われたときです……。なんだよそれ、真顔で言うなよ。

いくつか気になることを聞いてみました。「そういう人」はいつも同じ人なのか? 「ほとんどが違う人で、いつも同じなのは少ない」みんな動いてるの?「普通のひとと同じに動いてる」話しかけてくる(話せるのか?)ような人はいない?「いない、と思う」これは意識的にコンタクトしないように(目が合わないように)してるとのこと。

よく聞く金縛りとか、襲われるような感じには一度も遭遇したことはなく、寄ってくることはあっても、ほとんどの「そういう人たち」は普通に息子をみているだけなので「怖い」とは感じないようです。それに、何年か前からは見たくない時は見ないようにコントロールできるようになったので問題なしだとか。

息子は自然に「そういう人たち」を怖がったりせず、存在を認めて普通に生活するのを身につけてきたようで、それなりに尊重しているようです。「いろいろわけがあっているみたいだから、普通にしてる」えらいぞ息子よ。野次馬根性まるだしで「いいなぁ、見られていいなぁ」というアホな父を許せ。お前を誇りに思うぞ。でもやっぱりうらやましい。

【あいこたつや】aitatz@gmail.com
< http://www.ggrafix.net/wp/
>

民主党があそこまで議席をとるなんて、なんだかキモチワルイ。投票前にマスコミが「320議席突破でしょう」なんてキャンペーンみたいにやった結果、「自民がダメだから民主でしょう」が独り歩きしたみたいだ。なんだかとんでもないことになりそうな予感が。/ずっとタイミングを逃して買えなかったiPhoneをやっと手に入れた。今更ですが使ってみて分かるこの便利さ面白さ。すばらしいiPhoneアプリがたくさんあって、まるで初めてパソコンを手に入れた時みたいな感じ。マウスに「すげー」と言っていたのとおなじくタッチインターフェースに「たのしー」。大昔にCode Warriorでプログラミングして以来、ひさびさにアプリケーションを作りたくなっている今日この頃。

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■アナログステージ[20]
ワガママなくらいがちょうどいい

べちおサマンサ
< https://bn.dgcr.com/archives/20090901140100.html
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●夏期休暇? なんですかね、夏期休暇って

連休を楽しんだ皆様コンニチハ、べちおです。連休、いかがでしたか? ワタクシ、ズーっと仕事してました。毎日です。日曜日もです。日本の世は連休中だってのに、普段より忙しかったのは何故だ。前回のデジクリで書いた、クーラー機能付きのアルミケースを、ゆっくりと組上げる予定だったのに。板金屋さんで加工してもらったケースすら、取りに行く時間がない始末。

なんだか、このまま中途半端になってしまそうな前に、夏が終ってクーラーパッドなんて必要なくなる季節になり始めている。クーラーじゃなくて、ヒーターのほうが重宝しそうな、そんな勢い。しかし、個人でなにかを始めると、必ず仕事に追われ始める。いまに始まったことではありませんが、創作意欲バッチリ、やる気バロメータもマックス上昇しているときに限って、仕事に邪魔をされる。

時間の使い方が下手なのかと自問自答するが、こればっかりはワタクシのせいではない。ということで、8月30日からまたもや出張に出てます。いつものように、新幹線の中で原稿を書き始めたんですが、movatwitterの「イマココ」に夢中で、まったく手が進みません。今日は、久しぶりに700系の新幹線なので、ネットにも繋げられない。

・movatwitter
< http://movatwitter.jp/
>

米原駅から敦賀駅まで、「しらさぎ」という特急列車に乗り換えたのですが、この「しらさぎ」で電車酔い。乗り物酔いすることは殆どないのですが、昼に食べたきしめんが、体中の穴から飛び出そうになるのを必死で抑える。いまリバース(ゲロ)したら、きしめんは、ほうとうになって出てくるなぁ……とか考えていたら、余計に気分が悪くなる。

なんとか、ほうとうに変化したきしめんを出すことなく、敦賀駅に到着。これから小一時間、小浜線というローカル線に乗り、今回の出張先、福井県小浜市に到着。アメリカ大統選挙で、一躍有名になった街です。5年くらい前にも来ているのですが、いいところです。電車を降りた瞬間に、マイナスイオンをたくさん含んでいそうな空気に、移動疲労が消される。iPodから流れているデスメタルが、とにかくミスマッチだ。

相変わらず何もない。改札機もない。電車代は、整理券と一緒に運転手さんへお支払い。みんな一万円札で払って、細かいお釣りがなくなったら、コンビニ行って両替してくるのかな……など、余計なことを考えてしまう。

●その組み合わせは普通におかしい

話は変わって、7月の終わりごろに、ミス・ユニバースの衣装が「あれ」だとアチコチで話題になったのは記憶に新しいと思います。2ちゃんねるでも、かなりの盛り上がりになり、デザイナーのBLOGは大炎上。海外から「フジヤマ・ゲイシャ・チョンマゲ」のイメージがあるのかないのかは分かりませんが、着物にピンクのガータベルトという組み合わせは、和服の間違ったイメージを植付けかねない。

・「斬新な衣装で狙うは世界一」産経ニュース
< http://bit.ly/EnUSA
>

人が着るもの、着ているものをとやかく謂うことはあまりしないのですが、さすがに「あれ」はどうかと、会社でも話題に。ワタクシのアシスタントは、「男性モデルだったら、羽織と褌? 結婚披露宴で、花婿さんは、黒のタキシードに白いブリーフで登場だよね? 夢と魔法の国で、ネズミの頭だけ被って、縦じまのトランクスで園内をウロウロしているのと同じだよね?」と、妄想街道を驀進。

一年に一回、ドイツから研修生がやってくるのですが、彼(彼女)たちに日本のイメージを訊くと、必ずといっていいほど、「みんな服の着こなし方が上手」と褒めます。重ね着をしたり、服の組み合わせを愉しんだりということは、彼らはほとんどしないといいます。

「服の着こなし方が上手」だと云われている日本人の代表が「あれ」だと、同じ日本人として、さすがにちょっと恥ずかしい。デザイナーの中では最高にオシャレなのかもしれないが、ネタとして、毎日デイリーニューズWaiWai問題の延長版のような気がしてならなかった。

《日本人女性には世界を虜にする情熱的で官能的な一面がある》とデザイナーがコメントを出したが、1時間くらいで考えた衣装にしか見えない。その後、数々のクレームを受けて衣装の手直しをしたが、日本人女性が世界を虜にする情熱的で官能的な一面を出せると思った衣装なら、手直しなんかする必要はないのに。

頑固親父のラーメン屋スタイルを貫いていれば、いつかは肯定派も出てくるだろう。周りから抗議されたくらいで、自分のアイデアやスタイルを変えてしまうのは、自信を持っていなかったと受け取られても仕方がない。店内に「冷やし中華はじめました」とか「カツ丼あります」とか手書きのPOPが貼られ、定食屋さんになり始めている喫茶店のようだ。

ワタクシの仕事でも、工業デザイナーさんが入ることがあり、ワタクシの分野ではないが、稟議に出す資料として回覧されてくるのをみて、「この色はないでしょ……。マンインターフェイス(操作性)完全に無視だね、こりゃ」というデザインが多々ある。「色はいいとして、この配置だと操作分かり難いし、イニシャルコスト、めちゃくちゃ掛かるよ」と担当者に助言するも、デザイナーさんは絶対に譲らないそうだ。

たまに、「これだったら、高いお金を払って依頼する必要がまったくない」と、こちらの意見ばかりを反映させたデザイナーさんもいるらしいが、依頼内容が、工業デザイナーさんの得意ジャンルとフィットすると、とてつもなく素晴らしいものが出来上がることもある。まぁ、得手・不得手があるのは当然ですよね。デザイナーは、自分勝手でワガママくらいがちょうどいいかな……。

【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp
FAプログラマであり、ナノテク業界の技術開発屋。
< http://www.ne.jp/asahi/calamel/jaco/
>
< http://bachio.posterous.com/
> ←ボチボチとポスト。

・武さん&山根さんのやりとりは、Twitterでも面白い。武さんが山根さんのTwitterを乗っ取ってつぶやいているのを見ると、ワタクシとナマハゲくん(呑み仲間)も、他から見るとこんな感じなんだろうな……と。
・いい加減、出張ばかりでイヤだ。なんだか、毎回同じことを書いているような気がしたので、過去の記事を読み返したら、気のせいではなかった。

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■編集後記(9/1)

・有吉弘行と鳩山由紀夫、なんとなく顔が似ていることを発見し、妻に言ってみるが反応はいまいち。トークのわかりやすさや正しい日本語(?)の使い方では芸人のほうが上だと思う。/図書館に通うコースの途中に赤い幟が林立して、お稲荷さんでもできたのかと思った地域がある。すごい数の幟が取り囲むのは、雑草の繁る空き地。隣は8階建ての共同住宅だ。赤い布に「13階建反対」の白抜き大文字。「地域環境と調和がとれない」とも書かれている。もう一年以上経つのだろうか、いまはその幟はだいぶ白っちゃけている。13階建てマンション計画は、地域住民の大規模な反対運動で頓挫したのか。そう思っていたら、最近「建築計画のお知らせ(変更)」という看板が立った。階数が「12階、地下1階」となっており、11月に着工予定だという。なるほど、そう来たか。住民同士および住民対業者で、今までどういう話し合いがあったかは知らないが、この争いはこれで終わりかもしれない。隣が既に8階だから、住民側の妥協せざるを得ないのは8階だと思う。反対運動のキャッチフレーズつくりはむずかしい。インパクトある「13階建反対」は「13階でなければOK」とイコールではなく、住民側は話し合いでさらに階数を下げて行くつもりだったと想像するのだが……。わたしも9年前に、当時住んでいた浦和で、近隣に11階建てマンション計画が持ち上がり、環境を守る会を結成して建築業者側とハードな交渉を重ねたことがある。結局9階まで下げさせ、近隣住宅の家屋調査を実施させ、解決金を出させるまでに至ったが、県庁を定年退職した知り合いの話では、あの当時はまだ日本経済も元気だったからできたことで、いまはもうそこまで余裕のある業者はいないそうだ。/あ、今日のニュース(スポニチ)でホンモノのニセモノが!(柴田)
< http://www.excite.co.jp/News/entertainment/20090901/Sponichi_kfuln20090901006004.html
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たけしが発掘! 付き人は鳩山代表に酷似だった

・「人生、万年野党」突き刺さる言葉ですね。自分もそうだな……。/こわいよー(涙)/絶対あの組み合わせはおかしかったよね?/補正予算の執行停止って、狂っているとしか思えないんですが……。それも組み替えは年明け、急ぎのものでも秋の臨時国会って……。記者の聞き間違いだと信じたい。その間、皆はどうすれば? 走りながら考えることはできないの? それからネクスト内閣って決めてたんじゃなかったっけ? 考え中って、なんて悠長な。世の中のことわかってるの? 「緊急」対策取り上げて、しばらく待機してねって…ズレてない? 100年に1度の大不況を、やっと乗り越えつつあると言われていたのに、また逆戻り? 生まれてはじめて、政党にメールもしくは電話してしまいそうです……。(hammer.mule)
< http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009090101000076.html
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3兆の中身によっては、中小企業が潰れて、雇用がなくなって……
< http://www.dpj.or.jp/governance/gov/next_cabinet.html
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これで行くはずだったんじゃ?