アナログステージ[20]ワガママなくらいがちょうどいい
── べちおサマンサ ──

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●夏期休暇? なんですかね、夏期休暇って

連休を楽しんだ皆様コンニチハ、べちおです。連休、いかがでしたか? ワタクシ、ズーっと仕事してました。毎日です。日曜日もです。日本の世は連休中だってのに、普段より忙しかったのは何故だ。前回のデジクリで書いた、クーラー機能付きのアルミケースを、ゆっくりと組上げる予定だったのに。板金屋さんで加工してもらったケースすら、取りに行く時間がない始末。

なんだか、このまま中途半端になってしまそうな前に、夏が終ってクーラーパッドなんて必要なくなる季節になり始めている。クーラーじゃなくて、ヒーターのほうが重宝しそうな、そんな勢い。しかし、個人でなにかを始めると、必ず仕事に追われ始める。いまに始まったことではありませんが、創作意欲バッチリ、やる気バロメータもマックス上昇しているときに限って、仕事に邪魔をされる。

時間の使い方が下手なのかと自問自答するが、こればっかりはワタクシのせいではない。ということで、8月30日からまたもや出張に出てます。いつものように、新幹線の中で原稿を書き始めたんですが、movatwitterの「イマココ」に夢中で、まったく手が進みません。今日は、久しぶりに700系の新幹線なので、ネットにも繋げられない。

・movatwitter
< http://movatwitter.jp/
>



米原駅から敦賀駅まで、「しらさぎ」という特急列車に乗り換えたのですが、この「しらさぎ」で電車酔い。乗り物酔いすることは殆どないのですが、昼に食べたきしめんが、体中の穴から飛び出そうになるのを必死で抑える。いまリバース(ゲロ)したら、きしめんは、ほうとうになって出てくるなぁ……とか考えていたら、余計に気分が悪くなる。

なんとか、ほうとうに変化したきしめんを出すことなく、敦賀駅に到着。これから小一時間、小浜線というローカル線に乗り、今回の出張先、福井県小浜市に到着。アメリカ大統選挙で、一躍有名になった街です。5年くらい前にも来ているのですが、いいところです。電車を降りた瞬間に、マイナスイオンをたくさん含んでいそうな空気に、移動疲労が消される。iPodから流れているデスメタルが、とにかくミスマッチだ。

相変わらず何もない。改札機もない。電車代は、整理券と一緒に運転手さんへお支払い。みんな一万円札で払って、細かいお釣りがなくなったら、コンビニ行って両替してくるのかな……など、余計なことを考えてしまう。

●その組み合わせは普通におかしい

話は変わって、7月の終わりごろに、ミス・ユニバースの衣装が「あれ」だとアチコチで話題になったのは記憶に新しいと思います。2ちゃんねるでも、かなりの盛り上がりになり、デザイナーのBLOGは大炎上。海外から「フジヤマ・ゲイシャ・チョンマゲ」のイメージがあるのかないのかは分かりませんが、着物にピンクのガータベルトという組み合わせは、和服の間違ったイメージを植付けかねない。

・「斬新な衣装で狙うは世界一」産経ニュース
< http://bit.ly/EnUSA
>

人が着るもの、着ているものをとやかく謂うことはあまりしないのですが、さすがに「あれ」はどうかと、会社でも話題に。ワタクシのアシスタントは、「男性モデルだったら、羽織と褌? 結婚披露宴で、花婿さんは、黒のタキシードに白いブリーフで登場だよね? 夢と魔法の国で、ネズミの頭だけ被って、縦じまのトランクスで園内をウロウロしているのと同じだよね?」と、妄想街道を驀進。

一年に一回、ドイツから研修生がやってくるのですが、彼(彼女)たちに日本のイメージを訊くと、必ずといっていいほど、「みんな服の着こなし方が上手」と褒めます。重ね着をしたり、服の組み合わせを愉しんだりということは、彼らはほとんどしないといいます。

「服の着こなし方が上手」だと云われている日本人の代表が「あれ」だと、同じ日本人として、さすがにちょっと恥ずかしい。デザイナーの中では最高にオシャレなのかもしれないが、ネタとして、毎日デイリーニューズWaiWai問題の延長版のような気がしてならなかった。

《日本人女性には世界を虜にする情熱的で官能的な一面がある》とデザイナーがコメントを出したが、1時間くらいで考えた衣装にしか見えない。その後、数々のクレームを受けて衣装の手直しをしたが、日本人女性が世界を虜にする情熱的で官能的な一面を出せると思った衣装なら、手直しなんかする必要はないのに。

頑固親父のラーメン屋スタイルを貫いていれば、いつかは肯定派も出てくるだろう。周りから抗議されたくらいで、自分のアイデアやスタイルを変えてしまうのは、自信を持っていなかったと受け取られても仕方がない。店内に「冷やし中華はじめました」とか「カツ丼あります」とか手書きのPOPが貼られ、定食屋さんになり始めている喫茶店のようだ。

ワタクシの仕事でも、工業デザイナーさんが入ることがあり、ワタクシの分野ではないが、稟議に出す資料として回覧されてくるのをみて、「この色はないでしょ……。マンインターフェイス(操作性)完全に無視だね、こりゃ」というデザインが多々ある。「色はいいとして、この配置だと操作分かり難いし、イニシャルコスト、めちゃくちゃ掛かるよ」と担当者に助言するも、デザイナーさんは絶対に譲らないそうだ。

たまに、「これだったら、高いお金を払って依頼する必要がまったくない」と、こちらの意見ばかりを反映させたデザイナーさんもいるらしいが、依頼内容が、工業デザイナーさんの得意ジャンルとフィットすると、とてつもなく素晴らしいものが出来上がることもある。まぁ、得手・不得手があるのは当然ですよね。デザイナーは、自分勝手でワガママくらいがちょうどいいかな……。

【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp
FAプログラマであり、ナノテク業界の技術開発屋。
< http://www.ne.jp/asahi/calamel/jaco/
>
< http://bachio.posterous.com/
> ←ボチボチとポスト。

・武さん&山根さんのやりとりは、Twitterでも面白い。武さんが山根さんのTwitterを乗っ取ってつぶやいているのを見ると、ワタクシとナマハゲくん(呑み仲間)も、他から見るとこんな感じなんだろうな……と。
・いい加減、出張ばかりでイヤだ。なんだか、毎回同じことを書いているような気がしたので、過去の記事を読み返したら、気のせいではなかった。