《まるで「ターミネーター」の視点でものを見ているような感じ》
■気になるデザイン[36]
今年すごい! と思った印刷加工ベスト3
津田淳子
■装飾山イバラ道[47]
スポーツ中継ア・ラ・モード
武田瑛夢
■おかだの光画部トーク[26]
デジタルフォトフレームが人気らしい
おかだよういち
■デジアナ逆十字固め...[99]
あの男が煙突から降りてきた
上原ゼンジ
■気になるデザイン[36]
今年すごい! と思った印刷加工ベスト3
津田淳子
■装飾山イバラ道[47]
スポーツ中継ア・ラ・モード
武田瑛夢
■おかだの光画部トーク[26]
デジタルフォトフレームが人気らしい
おかだよういち
■デジアナ逆十字固め...[99]
あの男が煙突から降りてきた
上原ゼンジ
■気になるデザイン[36]
今年すごい! と思った印刷加工ベスト3
津田淳子
< https://bn.dgcr.com/archives/20091215140400.html
>
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気がついたら、今年も残すところあと半月。うわぁ、今さらながらに締め切りがまずい! 平日は9日間しかないじゃないですか。『デザインのひきだし9』は校了できるのでしょうか(12月28日が校了日予定なのです)!?
と、他人事のように書いているのですが、このコラムの私担当分は今回が今年最後、ということなので、その『デザインのひきだし』をつくっていて、今年すごい!と思った印刷・加工ベスト3を書いて、自分なりに一足早く今年を振り返ってみようと思います。
☆
まず第3位は「デザインのひきだし7の付録・ななめもーる」
< >
これは、大成美術印刷さんという印刷・加工会社さんが手掛けているものなんですが、小口(製本したものの断裁面)をいろいろな形に断裁できる、というもの。普通は製本したものの各ページの長さが揃っているので、小口はまっすぐになっていてものですが、ここの会社にかかると、斜めに切るなんていうのは朝飯前で、球面のように断裁したり、えぐったようにしたりと、「どうやってつくっているの!?」と、本当に首を傾げてしまうような断裁加工ができるんです。
イマイチ私の説明だとわかりにくいと思うので、こちらをあわせてご覧下さい。
・ななめもーる
< http://nanamemo.tai-bi.co.jp/nanamemo/index.html
>
でもって、『デザインのひきだし7』は製本特集だったため、この技術をご紹介したのですが、実物をぜひみなさんに見てもらいたいということで、大成美術印刷さんのご協力で、全冊にこのななめもーるを付録として付けました。
そのデザインをしてくださったのが、デザイナーの長嶋りかこさん。すごいアイデア満載で、その中から2種類のななめもーるをつくることに。一つは野球のバッターが打った球がメモの小口に球体で飛び出ているというもの。
もう一つは、リンゴのメモ帳なのですが、そこが歯で本当にかじったかのようにえぐれてカットされているななめもーる。私はこのリンゴの方により衝撃を受けました。こんな風に立体的に断裁できるなんて......。うーむ、すごい!
☆☆
続いて第2位は「デザインのひきだし8に綴じ込んだ・移るんですユポ易剥離タック」
< >
この号はシールの特集だったのですが、この「移るんです」はマツザキさんというシール印刷加工会社さんがつくられているシールなんですが、今まで見たことないようなすごいシールなんです。
シールは普通、貼ったらそれで終りですよね。でもこの「移るんです」のユポ易剥離タックは、シールを貼ってそれを剥がすと、剥がし跡に別のビジュアルが現れるというスグレものなんです。
なので、例えば「おみくじ」のシールをつくっておいて、それを年賀状とかに貼って出す。受け取った方がそのおみくじシールを剥がす。そうすると、そこに「大吉」とか「小吉」とかがでてくる、なんていうシールがつくれるということなんです。シールの表面、そして剥がしたときに出てくるビジュアルは、もちろんオリジナルデザインでつくることができます。
一般的にこういうおもしろい加工や製品というのは、かなり大ロットでしかつくれない場合が多いのですが(小ロットでつくれても、メチャメチャ高いとか)、このユポ易剥離タックはそんな何万枚とかという大ロットでなくてもつくれるというところも、すごいなー、と思いました。
☆☆☆
そして、堂々の第1位は「デザインのひきだし8のシール表紙」
< >
これまたシールですが、ひきだし8の表紙は、一見白いシンプルな表紙なのですが、その表紙はすべてシールで、これを剥がすと別の表紙がでてくる、というしかけ。
こういったシールの表紙自体は、過去に「ケンとエリカ」という江口寿史さんのマンガの表紙で行われたことがあるのですが(デザインは青木克憲さん)、それとは製法を変えて(まあ、お金がなかったというのが製法を変えざるを得なかった一番の理由なのですが)つくってもらうことに。
表紙は、通常からよく使う、白い板紙(厚紙)に4色オフセット印刷。そしてそれとは別にシール用紙に特色3色でオフセット印刷。ちなみにこのシールは、付箋などのように貼って剥がせるタイプの糊を使ったもの。この印刷したシールを台紙から剥がして、4色印刷した表紙にトンボで合わせて貼り合わせる。
そして、ピナクル刃というすごく細かい模様を抜くことができる刃を使って、「デザインのひきだし」のロゴなどをこまかーく半抜きしてシールの完成。最後に、その表紙を製本会社で本体に接着して本が完成したというわけです。
これは、シール紙、印刷、貼り合わせ、抜き、抜き型製作、製本などのそれぞれの作業がすべて別の会社で行われて、それがうまく組み合わさってできあがったのですが、それぞれのみなさんのプロフェッショナルな仕事っぷりに、本当に感動しながらの表紙づくりでした。
コラムということで、あえて3つあげさせていただきましたが、これ以外にもすばらしい印刷加工技術や紙製品はたくさんあり、毎日が驚きと感動の連続でした。この一年、常にどこかの印刷や加工会社さんへ伺って、さまざまな現場を見せていただき、こうして振り返ってみると、本当にいい勉強をさせてもらったなぁ、としみじみ感じる一年でした。......って、あともうひと山超えないと、年を越せないのですが(苦笑)。
今年一年も、こんな駄文におつきあいいただきありがとうございました。来年はもうちょっとうまくかけるようにがんばりますので、どうぞよろしくお願い致します。
【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp
平日毎日、更新中! デザインのひきだし・制作日記
< http://dhikidashi.exblog.jp/
>
オリジナルグッズ・ノベルティグッズづくりに役立つ、グッズの価格や最低ロットがドドンと掲載された『グッズづくりのイエローページ』、年賀状づくりの決定版『自分だけのオリジナルデザインで かんたん かわいい 年賀状2010』、表紙が全部シール(!)になった『デザインのひきだし8』全国書店で好評発売中です!
< http://www.graphicsha.co.jp/
>
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■装飾山イバラ道[47]
スポーツ中継ア・ラ・モード
武田瑛夢
< https://bn.dgcr.com/archives/20091215140300.html
>
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情報デザイン論の講義では、後半に向けて様々な視覚技術を取り扱って、多くのサンプル映像を見せたいと思っているところ。特に最近のスポーツ中継に見られるCGのライン合成とか、異なる情報を同時に重ねる技術に興味を持つ人も多い。
私もはじめて競泳の試合映像で、世界新記録のライン表示を見た時の驚きは鮮明に覚えている。「線が動いてる?!」調べてみればまだここ10年ほどの技術らしい。デジタルの映像技術は毎年何かがレベルアップしているし、見ている私たちの目はすぐそれに慣れてしまって普通になっていく。
●よく見る映像技術と言えば競泳
競泳では、選手が飛び込み台の位置についていると、国名と選手の名前が水面に表示される。表示以上に気が使われているのがマスクの技術で、見えるべきものを隠さないために微妙な調整がされている。泳いでいる選手の体を決して隠さないように、プールに飛び込む瞬間にサッと国旗等の表示が引っ込むのだ。なにがどこまで自動なのだろう。
背泳の時は、選手はプールの中からスタートするので国旗と重なるわけだけれど、しっかりと選手の体は表示されるようにできている。プールの水の青色と選手の肌の色、最近は全身水着なのでどんな色でマスク指定するのか謎だ。
さて、スポーツ中継は元々好きな方だけれど、得意でないジャンルの中継はほとんど見ないので、ネタに尽きてしまうのも確かだ。今回は、出席カードの裏に「最近すごいと思った映像技術」について学生に書いてもらうことにした。
これは大正解で、私がほとんど見ないF1レースのメーター表示についてや、サッカーのポジション表示のことを調べることができた。車に乗らないので、メーターがリアルタイムに表示されると何がおもしろいのかわからないけれど、見たかった人には興味深いに違いない。
●サンプル映像探し
高度な映像技術についてWEBで調べても、カメラの設置方法のことなどの技術のしくみについての記事が多くて、具体的な試合映像となるとなかなか正規のものがない。チームや選手の画像に関する権利のためかもしれない。先週末はフィギュアスケートのグランプリファイナルや、石川遼君のゴルフ、サッカーのワールドカップの出場選手予想などで、思いのほかスポーツのニュースでにぎわっていた。
サンプル映像がないならテレビ画面を自分で撮影しようと、いくつかのスポーツ中継を録画しておいて、ここぞという場面で一時停止させてiPhoneのカメラで撮影という、最後はまったくアナログな感じの方法を試した。思ったよりも画像は鮮明で、それをパソコンに取り込んでプロジェクターに表示しても十分に見られた。
長いスポーツ中継の録画の中から、思ったようなシーンを選び出すのも大変な話だけれど、今までの作業でも「レイアウト別にWEBを探す」とか、相当量見なければできないことも多かったので、まぁしょうがないかとあきらめる。今後は、テレビを見ていて斬新な画面処理に気づいたらこまめに録画しておくしかないな。
●テニスのビデオ判定システム
テニスの試合では、一風変わった判定システムが採用されている。コートの周りに設置された10台のカメラで撮影したボールの軌道情報を使って、ボールの接地シーンをCG処理で瞬時に表示することができるというもの。
これは「ホーク・アイ(タカの目)」というシステムで、選手が1セットにつき3回までは、このビデオ判定を要求して再確認してもらうことができる。実際の試合を見ていると、画面に大写しになるボールのCG映像を全員が息を飲んで見つめている。この方法はショーとしても一役買っているけれど、審判の目だけでなく機械の目を使うことには賛否両論のようだ。
・Hawkeyeinnovations
< http://www.hawkeyeinnovations.co.uk/
>
なかなかみつからなかったのが、以前に見たゴルフの試合の映像で、コースの立体感の起伏をCGの等高線と重ねて表示していた技術。芝生のグリーン映像だけだとどういった傾斜かわからないのを、等高線がサーッと重なるとすごく凸凹がわかりやすかった。この技術を使った画面を、次のどのゴルフの試合で見られるのかは誰に聞いてもわからないので、気長に待つしかないらしい。
こういう映像は、まるで「ターミネーター」の視点でものを見ているような感じがする。「ターミネーター」が相手を見る時の、あのモノクロの画面に赤いラインが重なってコンピュータが分析した情報が同時に表示されるやつ。「戦闘能力0(ゼロ)」とかの。
今のテレビは、リアルに起こっている現実の映像に、伝えたい情報を勝手に重ねられて見させられる時代なのだ。
●スポーツ中継をどのように見るか
今のところこれらの処理は、過剰なほど使われているとは私は思えないけれど、逆に何の手も加えない「素映像」だけを中継するチャンネルができたりするかもしれない。解説の音声も「切」が選択できたりして、スタジアムの生音声だけで楽しむ。大画面テレビがある今は、自分がスタジアムに試合を見に行っているようなリアルさがありそう。
近い未来には、自分が選んだカメラの映像を見ることができるようになるらしいし、自分が選手たちの中に入って試合を見ているような映像も可能だという。こういった多視点映像、自由視点映像と呼ばれる技術が進むと、今まで見られなかったようなシーンが見られるという。選手もいつどこから見られるかわからないわけだし、ライバルやライバルチームもさらに詳しいデータを分析可能になりそうだ。
すべては高速で膨大なデータをやりとりできるようになったからだけれど、より「正確」になっているかというとよくわからない。コーヒーにミルクも砂糖も入れる人もいれば、ブラックでないと楽しめない人もいる。家族がそれぞれ自分用にカスタマイズされた情報付き映像でテレビを見るのが、同じ番組を見たことになるのだろうか。見る選択肢を増やすほど、テレビを作る側の演出が意味をなくす気もするテレビの未来だ。
【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト「デコラティブマウンテン」
< http://www.eimu.com/
>
早いもので今年最後のコラムとなりました。風邪対策はマヌカハニーで万全です。この冬もやっぱりWiiのバンクーバーオリンピックのゲームで遊ぶ予定です。来年もよろしくお願いします。
・マリオ&ソニック AT バンクーバーオリンピック
< http://www.nintendo.co.jp/mario_and_sonic2010/index.html
>
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■おかだの光画部トーク[26]
デジタルフォトフレームが人気らしい
おかだよういち
< https://bn.dgcr.com/archives/20091215140200.html
>
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前回のオンラインプリントの話に続き、写真を見て楽しむアイテムとして最近注目の、デジタルフォトフレームを見てみましょう。
何だかこのジャンル、物が売れないデフレのご時世にもかかわらず密かに売れているらしく、先日行った梅田のヨドバシカメラでもエレベーターの真ん前に専門コーナーが出来てて、大勢のお客さんでにぎわっていました。客層も、若いカップルから結構な年配の方まで幅広く、売り場に並んだ各社の製品の違いやオススメポイントなど、店員さんに熱心に聞いている人も多かったです。
写真を飾るという目的以外、特にとりたてて驚くような最新機能があるわけでもなく、テレビなどの広告でもあまり見かけることもない、商品の位置づけとしてはなんとなく地味な印象のフォトフレームですが、売れているのですから人々の物欲に火をつける何か理由があるのでしょう。
デジカメで撮影したら、即パソコンに読み込んでflickrみたいなことが当たり前になってる人と、3年前に撮った孫の写真がまだSDカードにそのまま入っている、パソコンが使えない私の母のような人もいます。そんな年配の人でも、パソコンなしで撮った写真を簡単に気軽に楽しめるあたりが魅力的で、売れている理由のひとつだと思います。
年末年始売れ筋商品デジタルフォトフレームが好調─ソニー調査(マイコミジャーナル)
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/12/03/070/
>
こちらの記事によると、親に写真をプレゼントするツールとして考えている人が多いみたいですね。ヨドバシカメラの売り場に、年配の人と若いカップルが多かったのが頷けます。
年末年始に実家に帰省する時に、両親へのお土産として、デジタルフォトフレームに孫の写真をいっぱい詰め込んでプレゼントすれば、みんなでスライドショーを見ながら思い出話に花が咲くでしょう。
基本、メモリ内の画像を液晶画面に表示するだけの単純な製品ですが、各社から色々な付加価値が付いたものが出ています。メカが苦手なご年配の方には、複雑な操作が要らないシンプルなモノがいいと思いますが、デジタルガジェット好きの人に向けて、面白い機能が付いたものをいくつかピックアップしてみました。
スキャナ内蔵デジタルフォトフレーム:ヤシカ(20,000円前後)
< http://www.exemode.com/yashica/dpf/dvf828.html
>
< http://www.amazon.co.jp/dp/B002SN9QGG
>
デジカメの写真だけでなく、昔フィルムで撮ってプリントした写真もこのフォトフレームに挿し込めば、メモリに取り込んでくれます。孫の書いた落書きなんかを全部壁に貼ってあるうちの両親だったら、写真だけでなくきっと巨匠の落書きも全部スキャンしてしまうでしょう。
いつもはフォトフレーム。ときどきプリンター DPP-F700:ソニー(20,000円前後)
< http://www.sony.jp/s-frame/products/DPP-F700/
>
< http://www.amazon.co.jp/dp/B002TO4N58
>
フォトフレームに流れるスライドショーの写真を見ていて、「この写真いいね! 欲しいなぁ」ってシチュエーションの時に即プリントして渡せる、プリンター付きフォトフレーム。みんなで行った旅行の写真とか飾ってて、その場でプリントしてプレゼントしたら、遊びに来た友達に喜ばれること間違いなし。
遠く離れたところに住んでいる両親と、フォトフレームで写真を簡単に共有するには、通信機能が搭載されたものが便利です。テレビCMでもやっているSoftBankのPhotoVisionは、写メでフォトフレーム宛に写真を送ることで、いつでも最新の写真を離れた場所に居る人に見てもらえるサービス。< http://mb.softbank.jp/mb/PhotoVision/
>
ただ、その為だけにSoftBankの携帯にするとか、月々の通信料がかかるとか問題がある場合は、Wi-Fiが搭載されたフォトフレームがオススメです(Wi-Fiも既にネットに繋がってなければ、結局ネット接続料は必要ですが......)。
無線LAN対応 デジタルフォトフレーム PF-50WG:BUFFALO(18,000円前後)
< http://buffalo.jp/products/catalog/multimedia/photoframe/pf-50wg/
>
< http://www.amazon.co.jp/dp/B001MD0JQE
>
Wi-Fiでネットワークに接続したパソコン内の指定したフォルダの写真を表示できるので、いちいちメモリを抜き差しする必要がなく便利。更にインターネット上のFlickrやPicasaのアルバムも設定できるので、両親へプレゼントして、指定したアルバムに日々、子供の成長の写真をアップしておけば、離れた場所で最新の孫の写真で喜んでもらえます。
表示させる写真を商品のスライドショーなどにすると、お店やレストランなどに飾っても、いいプロモーションになるかもしれません。
7〜8インチのモノが多い中、オーストラリアのKogan社のは15インチでWi-Fiも付いて4画面分割表示など多機能なものが、159ドルととっても魅力的な値段設定です。円高なのでそのまま日本で発売されれば他社は大変でしょうね。
< http://www.kogan.com.au/shop/15-lcd-digital-photo-frame-and-media-player/
>
しかもこれ、Twitterのタイムラインも表示できるみたいです。
< http://www.pcauthority.com.au/News/148364,look-where-theyre-twittering-at-you-now-from-a-photo-frame.aspx
>
最後に、キーホルダー型の携帯できる小さなフォトフレーム、1.5インチデジタルフォトフレーム:KEIAN(2,000円前後)
< http://www.keian.co.jp/products/products_info/kdpdk15/kdpdk15.html
>
< http://www.amazon.co.jp/dp/B001NH0VR6
>
フォティ1.5インチ:海連(2,000円前後)
< http://www.kairen.co.jp/japanese/release/090731_PHOTTYAL15.html
>
< http://www.amazon.co.jp/dp/B002KC90OS
>
フォトフレームとして使うのはもちろん、それだけでなく、twitterやSNSで使っている自分のアイコンを表示しておくアイテムとして使ってみるのはどうでしょうか? 最近多くの人のタイムラインをtwitterで見ていてアイコンで認識する場合が多く、いざ実際に会うことがあった時、名刺交換してもピンとこないこととか多いと思うので、みんな普段使っているアイコンを、自分のIDとして身につけておくと思わぬ交流が始まるかもしれませんよ。
これからの時期、大切な人へのクリスマスプレゼントや年末年始の帰省のお土産に、デジタルフォトフレームというチョイスも候補にいれてみてはいかがでしょうか。
というわけで、2009年の光画部トークも今回が年内最後となりました。いつも読んでくださったみなさん、素敵なクリスマス&お正月をすごせますように!
【おかだよういち/WEB&DTP デザイナー+フォトグラファー】
< http://s-style-arts.info/
> < mailto:okada@s-style-arts.com >
< twitter:http://twitter.com/okada41
>
毎年晦日&大晦日あたりまで年賀状にかかって大慌てなのですが、今年は珍しく既に完成し、もう某所に投函してきましたよ。
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■デジアナ逆十字固め...[99]
あの男が煙突から降りてきた
上原ゼンジ
< https://bn.dgcr.com/archives/20091215140100.html
>
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●飯村昭彦「芸術状物質の謎」
以前、写真展などを紹介したことがある、飯村昭彦さんの写真集が刊行の運びとなった。タイトルは「芸術状物質の謎」、サブタイトルは「あの男が煙突から降りてきた」だ。もともと飯村さんの写真のファンだったのだが、私の本を出してくれた雷鳥社の担当編集者に紹介して、ようやく世に送り出せることになった。ウレシイ!
サブタイトルを見れば、分かる人には分かると思うが、赤瀬川原平著「超芸術トマソン」の表紙ともなった写真を撮影した人物で、煙突から降りてきた後、地味〜に撮ってきた写真が今回まとまったということだ。分からない人のために説明しておくと、銭湯の浴場や脱衣所部分が壊され、空き地に煙突だけが立っているという物件が、当時六本木にあった。飯村さんはその煙突に登り、支えもなしにてっぺんに立って、一脚に付けた魚眼レンズで自分の姿と周りの景色を写しこんだのだ。
その恐怖の写真はコチラ。
< http://www.zenji.info/profile/iimura/iimura.html
>
さて、地味〜に何を撮影していたのかと言えば、やはり超芸術トマソンや、トマソンの分類からちょっと外れた芸術状物質だ。トマソンというのは、建築物に付着した使い道のない物件のことで、窓のないヒサシや、昇ったはいいけど、降りるしかない無用階段などの物件のことを指す。
そして芸術状物質というのは、芸術家が意識的に造り上げたものではなく、名も知れぬ民が意図せず造ってしまったんだけど、芸術にしか見えないような物件のことを指す。被写体となっているのは街の中にある鉄柱や壁や立て札や自転車等々。何度も何度も違う色のペンキを塗り重ね、それが剥がれたり、剥がされたり、風雨に晒され腐食したりしながら、いつの間にか抽象絵画のようになってしまったものだ。
こういう剥がれたペイントや錆びたようなもんが好きな人というのは、世界中にいて、フリッカーでグループを作っていたりするけれど、飯村さんのスタンスは独特だ。まず、芸術(物件)ありきなので、飯村さん自身が主張をして物件を手篭めにするような撮り方ではない。あくまで冷静に作品を複写するようなスタンスなのだ。
だからと言って突き放すのではなく、きちんと作品と対峙し、大判のカメラを使ってじっくりと撮影する。たとえば、新宿の大ガードの側の鉄柱の後ろに黒いバックペーパーを垂らし、ライティングをしてかっちりと写す。その撮影風景を想像すると笑ってしまうが、写真自体は物件のディテールが緻密に描写されていて美しい。
今まで何度も写真は見せて貰ってたんだけど、本になってテキストを読みながら鑑賞してみると新たな発見があってなかなか面白い。梱包芸術のような物件やインスタレーションのような物件なども収録されていて、芸術とは何か? 写真とは何か? なんていうことを考えるためのヒントもいろいろあって楽しめる。なかなかいい本が出来ました。もうそろそろ書店に並ぶはずなので、ぜひ手にとって見てください。
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844135317/dgcrcom-22/
>
●「OLYMPUS PEN」で蛇腹レンズ
最近「OLYMPUS PEN」を使って、手作りレンズ遊びをしてました。『オリンパス PEN ファンブック E-P2/E-P1対応』(インプレスジャパン)というムックで3ページほど紹介したんだけど、アップルストア銀座でのイベントに参加して、生でお話もすることになりました。持ち時間は40分ほどですが、手作りレンズを見てみたいかたはぜひご参加ください。
「もっと撮りたい!おもしろPEN Graphy講座」
< http://ganref.jp/m/dcm_staff/reviews_and_diaries/diary/1001
>
日時:12月19日(土)
会場:Apple Store,Ginza(東京都中央区銀座3-5-12 サヱグサビル本館)
< http://www.apple.com/jp/retail/ginza/
>
14:10〜14:50「ファンタジックラフモノクローム」
PEN Grapher:佐々木啓太 < http://homepage.mac.com/st_eight/
>
PENのアートフィルターと「もやっとフィルター」の合わせ技が生み出すイメージを体験しましょう
15:10〜15:50「Happy Color Filter」
PEN Grapher:佐藤倫子 < http://www.rin-photo.com/
>
色の機能と実際のフィルターを使って、PENで"色とカタチ"の表現を楽しんでみましょう
16:10〜16:50
PEN Grapher:上原ゼンジ < http://www.zenji.info/
>
「軟焦点・キッチュレンズ」
レンズを作るおもしろさと写真を撮る楽しさを両方味わえる"軟焦点レンズ"を試してみましょう
【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
< http://www.zenji.info/
>
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■編集後記(12/15)
・昨今の政治情勢は腹が立つことばかりで、テレビを見ても、新聞を読んでも不愉快千万。せめて寝る前はBC級ばか映画DVDを見て、しばし現実から目をそらそうと思うのであった。先日見たのは「スネーク・ダイブ」という、航空機内の蛇うじゃうじゃパニック映画「スネークフライト」の亜流で、今度は潜水艦という密室が舞台だ。そう聞いただけでしょうもない予感、というより絶対ダメダメという確信を持つが、もちろんそれが目的でレンタルする。ポンコツ潜水艦に蛇を持ち込むのは、軍の指令で蛇の生態を研究していた美人博士と馬鹿で卑怯な助手。ドジな乗組員が容器のふたを開けてしまい逃げ出した20匹の毒蛇と、金属製の容器を破って出て来た2匹の大蛇(お約束通り遺伝子操作で巨大化・凶暴化している。もちろんCGでひどい出来)が、潜水艦内を這い回る。またその海域では中国軍の大演習が行われていて、潜水艦は発見され攻撃を受けてしまう。内外に敵、逃げ場がない、絶体絶命の危機、にもかかわらず見ていて全然ハラハラドキドキしないのはなぜだ。ホンモノ20匹はただ船内をおとなしく移動するだけで、ニセモノ2匹のほうもたいした活躍(?)しないし、とにかく肝心の蛇が全然こわくないから、緊迫感がまるでない。むしろ、中国軍との戦闘のほうが緊張する。これでアニマルパニック映画と言えるのか。ストーリーとしてはまあマシなほうだが、BC級マニア以外にはお薦めしない。リアル蛇は大嫌いだが、蛇映画はよく見るわたしって、やっぱりヘン?(柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002F5G7FA/dgcrcom-22/
>
→アマゾンで見る(レビュー1件)
・毎日の献立とまとめ買いで頭を悩ます土日。メインと決めたスーパーでは、日曜日に一定金額以上買うと翌金土日に使える10%OFF券がもらえる。この券を使って日曜日に購入しても、また10%OFF券。ということで、日曜日に食材一週間分+調味料類を買うのがベスト。水曜日あたりに、日持ちしないものを追加。スーパーに行く回数を減らすと、衝動買いの機会は減るし、時間節約にもなる。となると、前もって一週間分の献立を考える必要が。なるべくワンパターンにならないように、そしてチラシにある安い食材をメインに。ネットで検索したり、雑誌や本を見たりして献立を決め、冷蔵庫の在庫状況を照らし合わせて、足りないものをリストアップ。それをスーパーの陳列に合わせて種類別に並び替えておく。Evernoteにメモし、Willcom 03(そのうちiPhoneの買い物リストアプリになるであろう)で見ながら、スーパーの中を歩く。それでも、意外なものを見つけたら衝動買いをしてしまい、帰宅してから献立の微調整なんかもしなきゃいけなくなるのだが......。(hammer.mule)
今年すごい! と思った印刷加工ベスト3
津田淳子
< https://bn.dgcr.com/archives/20091215140400.html
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気がついたら、今年も残すところあと半月。うわぁ、今さらながらに締め切りがまずい! 平日は9日間しかないじゃないですか。『デザインのひきだし9』は校了できるのでしょうか(12月28日が校了日予定なのです)!?
と、他人事のように書いているのですが、このコラムの私担当分は今回が今年最後、ということなので、その『デザインのひきだし』をつくっていて、今年すごい!と思った印刷・加工ベスト3を書いて、自分なりに一足早く今年を振り返ってみようと思います。
☆
まず第3位は「デザインのひきだし7の付録・ななめもーる」
< >
これは、大成美術印刷さんという印刷・加工会社さんが手掛けているものなんですが、小口(製本したものの断裁面)をいろいろな形に断裁できる、というもの。普通は製本したものの各ページの長さが揃っているので、小口はまっすぐになっていてものですが、ここの会社にかかると、斜めに切るなんていうのは朝飯前で、球面のように断裁したり、えぐったようにしたりと、「どうやってつくっているの!?」と、本当に首を傾げてしまうような断裁加工ができるんです。
イマイチ私の説明だとわかりにくいと思うので、こちらをあわせてご覧下さい。
・ななめもーる
< http://nanamemo.tai-bi.co.jp/nanamemo/index.html
>
でもって、『デザインのひきだし7』は製本特集だったため、この技術をご紹介したのですが、実物をぜひみなさんに見てもらいたいということで、大成美術印刷さんのご協力で、全冊にこのななめもーるを付録として付けました。
そのデザインをしてくださったのが、デザイナーの長嶋りかこさん。すごいアイデア満載で、その中から2種類のななめもーるをつくることに。一つは野球のバッターが打った球がメモの小口に球体で飛び出ているというもの。
もう一つは、リンゴのメモ帳なのですが、そこが歯で本当にかじったかのようにえぐれてカットされているななめもーる。私はこのリンゴの方により衝撃を受けました。こんな風に立体的に断裁できるなんて......。うーむ、すごい!
☆☆
続いて第2位は「デザインのひきだし8に綴じ込んだ・移るんですユポ易剥離タック」
< >
この号はシールの特集だったのですが、この「移るんです」はマツザキさんというシール印刷加工会社さんがつくられているシールなんですが、今まで見たことないようなすごいシールなんです。
シールは普通、貼ったらそれで終りですよね。でもこの「移るんです」のユポ易剥離タックは、シールを貼ってそれを剥がすと、剥がし跡に別のビジュアルが現れるというスグレものなんです。
なので、例えば「おみくじ」のシールをつくっておいて、それを年賀状とかに貼って出す。受け取った方がそのおみくじシールを剥がす。そうすると、そこに「大吉」とか「小吉」とかがでてくる、なんていうシールがつくれるということなんです。シールの表面、そして剥がしたときに出てくるビジュアルは、もちろんオリジナルデザインでつくることができます。
一般的にこういうおもしろい加工や製品というのは、かなり大ロットでしかつくれない場合が多いのですが(小ロットでつくれても、メチャメチャ高いとか)、このユポ易剥離タックはそんな何万枚とかという大ロットでなくてもつくれるというところも、すごいなー、と思いました。
☆☆☆
そして、堂々の第1位は「デザインのひきだし8のシール表紙」
< >
これまたシールですが、ひきだし8の表紙は、一見白いシンプルな表紙なのですが、その表紙はすべてシールで、これを剥がすと別の表紙がでてくる、というしかけ。
こういったシールの表紙自体は、過去に「ケンとエリカ」という江口寿史さんのマンガの表紙で行われたことがあるのですが(デザインは青木克憲さん)、それとは製法を変えて(まあ、お金がなかったというのが製法を変えざるを得なかった一番の理由なのですが)つくってもらうことに。
表紙は、通常からよく使う、白い板紙(厚紙)に4色オフセット印刷。そしてそれとは別にシール用紙に特色3色でオフセット印刷。ちなみにこのシールは、付箋などのように貼って剥がせるタイプの糊を使ったもの。この印刷したシールを台紙から剥がして、4色印刷した表紙にトンボで合わせて貼り合わせる。
そして、ピナクル刃というすごく細かい模様を抜くことができる刃を使って、「デザインのひきだし」のロゴなどをこまかーく半抜きしてシールの完成。最後に、その表紙を製本会社で本体に接着して本が完成したというわけです。
これは、シール紙、印刷、貼り合わせ、抜き、抜き型製作、製本などのそれぞれの作業がすべて別の会社で行われて、それがうまく組み合わさってできあがったのですが、それぞれのみなさんのプロフェッショナルな仕事っぷりに、本当に感動しながらの表紙づくりでした。
コラムということで、あえて3つあげさせていただきましたが、これ以外にもすばらしい印刷加工技術や紙製品はたくさんあり、毎日が驚きと感動の連続でした。この一年、常にどこかの印刷や加工会社さんへ伺って、さまざまな現場を見せていただき、こうして振り返ってみると、本当にいい勉強をさせてもらったなぁ、としみじみ感じる一年でした。......って、あともうひと山超えないと、年を越せないのですが(苦笑)。
今年一年も、こんな駄文におつきあいいただきありがとうございました。来年はもうちょっとうまくかけるようにがんばりますので、どうぞよろしくお願い致します。
【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp
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■装飾山イバラ道[47]
スポーツ中継ア・ラ・モード
武田瑛夢
< https://bn.dgcr.com/archives/20091215140300.html
>
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情報デザイン論の講義では、後半に向けて様々な視覚技術を取り扱って、多くのサンプル映像を見せたいと思っているところ。特に最近のスポーツ中継に見られるCGのライン合成とか、異なる情報を同時に重ねる技術に興味を持つ人も多い。
私もはじめて競泳の試合映像で、世界新記録のライン表示を見た時の驚きは鮮明に覚えている。「線が動いてる?!」調べてみればまだここ10年ほどの技術らしい。デジタルの映像技術は毎年何かがレベルアップしているし、見ている私たちの目はすぐそれに慣れてしまって普通になっていく。
●よく見る映像技術と言えば競泳
競泳では、選手が飛び込み台の位置についていると、国名と選手の名前が水面に表示される。表示以上に気が使われているのがマスクの技術で、見えるべきものを隠さないために微妙な調整がされている。泳いでいる選手の体を決して隠さないように、プールに飛び込む瞬間にサッと国旗等の表示が引っ込むのだ。なにがどこまで自動なのだろう。
背泳の時は、選手はプールの中からスタートするので国旗と重なるわけだけれど、しっかりと選手の体は表示されるようにできている。プールの水の青色と選手の肌の色、最近は全身水着なのでどんな色でマスク指定するのか謎だ。
さて、スポーツ中継は元々好きな方だけれど、得意でないジャンルの中継はほとんど見ないので、ネタに尽きてしまうのも確かだ。今回は、出席カードの裏に「最近すごいと思った映像技術」について学生に書いてもらうことにした。
これは大正解で、私がほとんど見ないF1レースのメーター表示についてや、サッカーのポジション表示のことを調べることができた。車に乗らないので、メーターがリアルタイムに表示されると何がおもしろいのかわからないけれど、見たかった人には興味深いに違いない。
●サンプル映像探し
高度な映像技術についてWEBで調べても、カメラの設置方法のことなどの技術のしくみについての記事が多くて、具体的な試合映像となるとなかなか正規のものがない。チームや選手の画像に関する権利のためかもしれない。先週末はフィギュアスケートのグランプリファイナルや、石川遼君のゴルフ、サッカーのワールドカップの出場選手予想などで、思いのほかスポーツのニュースでにぎわっていた。
サンプル映像がないならテレビ画面を自分で撮影しようと、いくつかのスポーツ中継を録画しておいて、ここぞという場面で一時停止させてiPhoneのカメラで撮影という、最後はまったくアナログな感じの方法を試した。思ったよりも画像は鮮明で、それをパソコンに取り込んでプロジェクターに表示しても十分に見られた。
長いスポーツ中継の録画の中から、思ったようなシーンを選び出すのも大変な話だけれど、今までの作業でも「レイアウト別にWEBを探す」とか、相当量見なければできないことも多かったので、まぁしょうがないかとあきらめる。今後は、テレビを見ていて斬新な画面処理に気づいたらこまめに録画しておくしかないな。
●テニスのビデオ判定システム
テニスの試合では、一風変わった判定システムが採用されている。コートの周りに設置された10台のカメラで撮影したボールの軌道情報を使って、ボールの接地シーンをCG処理で瞬時に表示することができるというもの。
これは「ホーク・アイ(タカの目)」というシステムで、選手が1セットにつき3回までは、このビデオ判定を要求して再確認してもらうことができる。実際の試合を見ていると、画面に大写しになるボールのCG映像を全員が息を飲んで見つめている。この方法はショーとしても一役買っているけれど、審判の目だけでなく機械の目を使うことには賛否両論のようだ。
・Hawkeyeinnovations
< http://www.hawkeyeinnovations.co.uk/
>
なかなかみつからなかったのが、以前に見たゴルフの試合の映像で、コースの立体感の起伏をCGの等高線と重ねて表示していた技術。芝生のグリーン映像だけだとどういった傾斜かわからないのを、等高線がサーッと重なるとすごく凸凹がわかりやすかった。この技術を使った画面を、次のどのゴルフの試合で見られるのかは誰に聞いてもわからないので、気長に待つしかないらしい。
こういう映像は、まるで「ターミネーター」の視点でものを見ているような感じがする。「ターミネーター」が相手を見る時の、あのモノクロの画面に赤いラインが重なってコンピュータが分析した情報が同時に表示されるやつ。「戦闘能力0(ゼロ)」とかの。
今のテレビは、リアルに起こっている現実の映像に、伝えたい情報を勝手に重ねられて見させられる時代なのだ。
●スポーツ中継をどのように見るか
今のところこれらの処理は、過剰なほど使われているとは私は思えないけれど、逆に何の手も加えない「素映像」だけを中継するチャンネルができたりするかもしれない。解説の音声も「切」が選択できたりして、スタジアムの生音声だけで楽しむ。大画面テレビがある今は、自分がスタジアムに試合を見に行っているようなリアルさがありそう。
近い未来には、自分が選んだカメラの映像を見ることができるようになるらしいし、自分が選手たちの中に入って試合を見ているような映像も可能だという。こういった多視点映像、自由視点映像と呼ばれる技術が進むと、今まで見られなかったようなシーンが見られるという。選手もいつどこから見られるかわからないわけだし、ライバルやライバルチームもさらに詳しいデータを分析可能になりそうだ。
すべては高速で膨大なデータをやりとりできるようになったからだけれど、より「正確」になっているかというとよくわからない。コーヒーにミルクも砂糖も入れる人もいれば、ブラックでないと楽しめない人もいる。家族がそれぞれ自分用にカスタマイズされた情報付き映像でテレビを見るのが、同じ番組を見たことになるのだろうか。見る選択肢を増やすほど、テレビを作る側の演出が意味をなくす気もするテレビの未来だ。
【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト「デコラティブマウンテン」
< http://www.eimu.com/
>
早いもので今年最後のコラムとなりました。風邪対策はマヌカハニーで万全です。この冬もやっぱりWiiのバンクーバーオリンピックのゲームで遊ぶ予定です。来年もよろしくお願いします。
・マリオ&ソニック AT バンクーバーオリンピック
< http://www.nintendo.co.jp/mario_and_sonic2010/index.html
>
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■おかだの光画部トーク[26]
デジタルフォトフレームが人気らしい
おかだよういち
< https://bn.dgcr.com/archives/20091215140200.html
>
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前回のオンラインプリントの話に続き、写真を見て楽しむアイテムとして最近注目の、デジタルフォトフレームを見てみましょう。
何だかこのジャンル、物が売れないデフレのご時世にもかかわらず密かに売れているらしく、先日行った梅田のヨドバシカメラでもエレベーターの真ん前に専門コーナーが出来てて、大勢のお客さんでにぎわっていました。客層も、若いカップルから結構な年配の方まで幅広く、売り場に並んだ各社の製品の違いやオススメポイントなど、店員さんに熱心に聞いている人も多かったです。
写真を飾るという目的以外、特にとりたてて驚くような最新機能があるわけでもなく、テレビなどの広告でもあまり見かけることもない、商品の位置づけとしてはなんとなく地味な印象のフォトフレームですが、売れているのですから人々の物欲に火をつける何か理由があるのでしょう。
デジカメで撮影したら、即パソコンに読み込んでflickrみたいなことが当たり前になってる人と、3年前に撮った孫の写真がまだSDカードにそのまま入っている、パソコンが使えない私の母のような人もいます。そんな年配の人でも、パソコンなしで撮った写真を簡単に気軽に楽しめるあたりが魅力的で、売れている理由のひとつだと思います。
年末年始売れ筋商品デジタルフォトフレームが好調─ソニー調査(マイコミジャーナル)
< http://journal.mycom.co.jp/news/2009/12/03/070/
>
こちらの記事によると、親に写真をプレゼントするツールとして考えている人が多いみたいですね。ヨドバシカメラの売り場に、年配の人と若いカップルが多かったのが頷けます。
年末年始に実家に帰省する時に、両親へのお土産として、デジタルフォトフレームに孫の写真をいっぱい詰め込んでプレゼントすれば、みんなでスライドショーを見ながら思い出話に花が咲くでしょう。
基本、メモリ内の画像を液晶画面に表示するだけの単純な製品ですが、各社から色々な付加価値が付いたものが出ています。メカが苦手なご年配の方には、複雑な操作が要らないシンプルなモノがいいと思いますが、デジタルガジェット好きの人に向けて、面白い機能が付いたものをいくつかピックアップしてみました。
スキャナ内蔵デジタルフォトフレーム:ヤシカ(20,000円前後)
< http://www.exemode.com/yashica/dpf/dvf828.html
>
< http://www.amazon.co.jp/dp/B002SN9QGG
>
デジカメの写真だけでなく、昔フィルムで撮ってプリントした写真もこのフォトフレームに挿し込めば、メモリに取り込んでくれます。孫の書いた落書きなんかを全部壁に貼ってあるうちの両親だったら、写真だけでなくきっと巨匠の落書きも全部スキャンしてしまうでしょう。
いつもはフォトフレーム。ときどきプリンター DPP-F700:ソニー(20,000円前後)
< http://www.sony.jp/s-frame/products/DPP-F700/
>
< http://www.amazon.co.jp/dp/B002TO4N58
>
フォトフレームに流れるスライドショーの写真を見ていて、「この写真いいね! 欲しいなぁ」ってシチュエーションの時に即プリントして渡せる、プリンター付きフォトフレーム。みんなで行った旅行の写真とか飾ってて、その場でプリントしてプレゼントしたら、遊びに来た友達に喜ばれること間違いなし。
遠く離れたところに住んでいる両親と、フォトフレームで写真を簡単に共有するには、通信機能が搭載されたものが便利です。テレビCMでもやっているSoftBankのPhotoVisionは、写メでフォトフレーム宛に写真を送ることで、いつでも最新の写真を離れた場所に居る人に見てもらえるサービス。< http://mb.softbank.jp/mb/PhotoVision/
>
ただ、その為だけにSoftBankの携帯にするとか、月々の通信料がかかるとか問題がある場合は、Wi-Fiが搭載されたフォトフレームがオススメです(Wi-Fiも既にネットに繋がってなければ、結局ネット接続料は必要ですが......)。
無線LAN対応 デジタルフォトフレーム PF-50WG:BUFFALO(18,000円前後)
< http://buffalo.jp/products/catalog/multimedia/photoframe/pf-50wg/
>
< http://www.amazon.co.jp/dp/B001MD0JQE
>
Wi-Fiでネットワークに接続したパソコン内の指定したフォルダの写真を表示できるので、いちいちメモリを抜き差しする必要がなく便利。更にインターネット上のFlickrやPicasaのアルバムも設定できるので、両親へプレゼントして、指定したアルバムに日々、子供の成長の写真をアップしておけば、離れた場所で最新の孫の写真で喜んでもらえます。
表示させる写真を商品のスライドショーなどにすると、お店やレストランなどに飾っても、いいプロモーションになるかもしれません。
7〜8インチのモノが多い中、オーストラリアのKogan社のは15インチでWi-Fiも付いて4画面分割表示など多機能なものが、159ドルととっても魅力的な値段設定です。円高なのでそのまま日本で発売されれば他社は大変でしょうね。
< http://www.kogan.com.au/shop/15-lcd-digital-photo-frame-and-media-player/
>
しかもこれ、Twitterのタイムラインも表示できるみたいです。
< http://www.pcauthority.com.au/News/148364,look-where-theyre-twittering-at-you-now-from-a-photo-frame.aspx
>
最後に、キーホルダー型の携帯できる小さなフォトフレーム、1.5インチデジタルフォトフレーム:KEIAN(2,000円前後)
< http://www.keian.co.jp/products/products_info/kdpdk15/kdpdk15.html
>
< http://www.amazon.co.jp/dp/B001NH0VR6
>
フォティ1.5インチ:海連(2,000円前後)
< http://www.kairen.co.jp/japanese/release/090731_PHOTTYAL15.html
>
< http://www.amazon.co.jp/dp/B002KC90OS
>
フォトフレームとして使うのはもちろん、それだけでなく、twitterやSNSで使っている自分のアイコンを表示しておくアイテムとして使ってみるのはどうでしょうか? 最近多くの人のタイムラインをtwitterで見ていてアイコンで認識する場合が多く、いざ実際に会うことがあった時、名刺交換してもピンとこないこととか多いと思うので、みんな普段使っているアイコンを、自分のIDとして身につけておくと思わぬ交流が始まるかもしれませんよ。
これからの時期、大切な人へのクリスマスプレゼントや年末年始の帰省のお土産に、デジタルフォトフレームというチョイスも候補にいれてみてはいかがでしょうか。
というわけで、2009年の光画部トークも今回が年内最後となりました。いつも読んでくださったみなさん、素敵なクリスマス&お正月をすごせますように!
【おかだよういち/WEB&DTP デザイナー+フォトグラファー】
< http://s-style-arts.info/
> < mailto:okada@s-style-arts.com >
< twitter:http://twitter.com/okada41
>
毎年晦日&大晦日あたりまで年賀状にかかって大慌てなのですが、今年は珍しく既に完成し、もう某所に投函してきましたよ。
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■デジアナ逆十字固め...[99]
あの男が煙突から降りてきた
上原ゼンジ
< https://bn.dgcr.com/archives/20091215140100.html
>
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●飯村昭彦「芸術状物質の謎」
以前、写真展などを紹介したことがある、飯村昭彦さんの写真集が刊行の運びとなった。タイトルは「芸術状物質の謎」、サブタイトルは「あの男が煙突から降りてきた」だ。もともと飯村さんの写真のファンだったのだが、私の本を出してくれた雷鳥社の担当編集者に紹介して、ようやく世に送り出せることになった。ウレシイ!
サブタイトルを見れば、分かる人には分かると思うが、赤瀬川原平著「超芸術トマソン」の表紙ともなった写真を撮影した人物で、煙突から降りてきた後、地味〜に撮ってきた写真が今回まとまったということだ。分からない人のために説明しておくと、銭湯の浴場や脱衣所部分が壊され、空き地に煙突だけが立っているという物件が、当時六本木にあった。飯村さんはその煙突に登り、支えもなしにてっぺんに立って、一脚に付けた魚眼レンズで自分の姿と周りの景色を写しこんだのだ。
その恐怖の写真はコチラ。
< http://www.zenji.info/profile/iimura/iimura.html
>
さて、地味〜に何を撮影していたのかと言えば、やはり超芸術トマソンや、トマソンの分類からちょっと外れた芸術状物質だ。トマソンというのは、建築物に付着した使い道のない物件のことで、窓のないヒサシや、昇ったはいいけど、降りるしかない無用階段などの物件のことを指す。
そして芸術状物質というのは、芸術家が意識的に造り上げたものではなく、名も知れぬ民が意図せず造ってしまったんだけど、芸術にしか見えないような物件のことを指す。被写体となっているのは街の中にある鉄柱や壁や立て札や自転車等々。何度も何度も違う色のペンキを塗り重ね、それが剥がれたり、剥がされたり、風雨に晒され腐食したりしながら、いつの間にか抽象絵画のようになってしまったものだ。
こういう剥がれたペイントや錆びたようなもんが好きな人というのは、世界中にいて、フリッカーでグループを作っていたりするけれど、飯村さんのスタンスは独特だ。まず、芸術(物件)ありきなので、飯村さん自身が主張をして物件を手篭めにするような撮り方ではない。あくまで冷静に作品を複写するようなスタンスなのだ。
だからと言って突き放すのではなく、きちんと作品と対峙し、大判のカメラを使ってじっくりと撮影する。たとえば、新宿の大ガードの側の鉄柱の後ろに黒いバックペーパーを垂らし、ライティングをしてかっちりと写す。その撮影風景を想像すると笑ってしまうが、写真自体は物件のディテールが緻密に描写されていて美しい。
今まで何度も写真は見せて貰ってたんだけど、本になってテキストを読みながら鑑賞してみると新たな発見があってなかなか面白い。梱包芸術のような物件やインスタレーションのような物件なども収録されていて、芸術とは何か? 写真とは何か? なんていうことを考えるためのヒントもいろいろあって楽しめる。なかなかいい本が出来ました。もうそろそろ書店に並ぶはずなので、ぜひ手にとって見てください。
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844135317/dgcrcom-22/
>
●「OLYMPUS PEN」で蛇腹レンズ
最近「OLYMPUS PEN」を使って、手作りレンズ遊びをしてました。『オリンパス PEN ファンブック E-P2/E-P1対応』(インプレスジャパン)というムックで3ページほど紹介したんだけど、アップルストア銀座でのイベントに参加して、生でお話もすることになりました。持ち時間は40分ほどですが、手作りレンズを見てみたいかたはぜひご参加ください。
「もっと撮りたい!おもしろPEN Graphy講座」
< http://ganref.jp/m/dcm_staff/reviews_and_diaries/diary/1001
>
日時:12月19日(土)
会場:Apple Store,Ginza(東京都中央区銀座3-5-12 サヱグサビル本館)
< http://www.apple.com/jp/retail/ginza/
>
14:10〜14:50「ファンタジックラフモノクローム」
PEN Grapher:佐々木啓太 < http://homepage.mac.com/st_eight/
>
PENのアートフィルターと「もやっとフィルター」の合わせ技が生み出すイメージを体験しましょう
15:10〜15:50「Happy Color Filter」
PEN Grapher:佐藤倫子 < http://www.rin-photo.com/
>
色の機能と実際のフィルターを使って、PENで"色とカタチ"の表現を楽しんでみましょう
16:10〜16:50
PEN Grapher:上原ゼンジ < http://www.zenji.info/
>
「軟焦点・キッチュレンズ」
レンズを作るおもしろさと写真を撮る楽しさを両方味わえる"軟焦点レンズ"を試してみましょう
【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
< http://www.zenji.info/
>
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■編集後記(12/15)
・昨今の政治情勢は腹が立つことばかりで、テレビを見ても、新聞を読んでも不愉快千万。せめて寝る前はBC級ばか映画DVDを見て、しばし現実から目をそらそうと思うのであった。先日見たのは「スネーク・ダイブ」という、航空機内の蛇うじゃうじゃパニック映画「スネークフライト」の亜流で、今度は潜水艦という密室が舞台だ。そう聞いただけでしょうもない予感、というより絶対ダメダメという確信を持つが、もちろんそれが目的でレンタルする。ポンコツ潜水艦に蛇を持ち込むのは、軍の指令で蛇の生態を研究していた美人博士と馬鹿で卑怯な助手。ドジな乗組員が容器のふたを開けてしまい逃げ出した20匹の毒蛇と、金属製の容器を破って出て来た2匹の大蛇(お約束通り遺伝子操作で巨大化・凶暴化している。もちろんCGでひどい出来)が、潜水艦内を這い回る。またその海域では中国軍の大演習が行われていて、潜水艦は発見され攻撃を受けてしまう。内外に敵、逃げ場がない、絶体絶命の危機、にもかかわらず見ていて全然ハラハラドキドキしないのはなぜだ。ホンモノ20匹はただ船内をおとなしく移動するだけで、ニセモノ2匹のほうもたいした活躍(?)しないし、とにかく肝心の蛇が全然こわくないから、緊迫感がまるでない。むしろ、中国軍との戦闘のほうが緊張する。これでアニマルパニック映画と言えるのか。ストーリーとしてはまあマシなほうだが、BC級マニア以外にはお薦めしない。リアル蛇は大嫌いだが、蛇映画はよく見るわたしって、やっぱりヘン?(柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002F5G7FA/dgcrcom-22/
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・毎日の献立とまとめ買いで頭を悩ます土日。メインと決めたスーパーでは、日曜日に一定金額以上買うと翌金土日に使える10%OFF券がもらえる。この券を使って日曜日に購入しても、また10%OFF券。ということで、日曜日に食材一週間分+調味料類を買うのがベスト。水曜日あたりに、日持ちしないものを追加。スーパーに行く回数を減らすと、衝動買いの機会は減るし、時間節約にもなる。となると、前もって一週間分の献立を考える必要が。なるべくワンパターンにならないように、そしてチラシにある安い食材をメインに。ネットで検索したり、雑誌や本を見たりして献立を決め、冷蔵庫の在庫状況を照らし合わせて、足りないものをリストアップ。それをスーパーの陳列に合わせて種類別に並び替えておく。Evernoteにメモし、Willcom 03(そのうちiPhoneの買い物リストアプリになるであろう)で見ながら、スーパーの中を歩く。それでも、意外なものを見つけたら衝動買いをしてしまい、帰宅してから献立の微調整なんかもしなきゃいけなくなるのだが......。(hammer.mule)