[2784] 生活の中の紙、特別な機能を持った紙に首ったけ

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《見始めたらキリがない》

■気になるデザイン[37]
 生活の中の紙、特別な機能を持った紙に首ったけ。
 津田淳子

■装飾山イバラ道[49]
 「アメリカン・ダンスアイドル」を見る
 武田瑛夢

■おかだの光画部トーク[28]
 絞りって何だ?
 おかだよういち

■イベント案内
 第13回文化庁メディア芸術祭



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■気になるデザイン[37]
生活の中の紙、特別な機能を持った紙に首ったけ。

津田淳子
< https://bn.dgcr.com/archives/20100202140400.html
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ええっと......、今年初だというのにもう2月になってしまいました。すみません。懲りずに今年もどうぞよろしくお願いします。

さてのっけから仕事の話で恐縮ですが、ちょうど今日明日に新刊『デザインのひきだし9』が書店に並びます(所により、来週末くらいになってしまうところもありますが、ご容赦を)。

詳しい内容はblogをご覧いただければと思うのですが、今回は「紙の魅力をもっと知る」という記事が巻頭特集になっています。世間全体が不況不況と言われていますが、ご多分に漏れず(というか、それ以上?)、印刷・紙業界も不況が叫ばれているように感じます。そんななかでも、より魅力ある紙製品をつくっていくために、より紙のことを知ろう! という特集なのですが、このなかで私がぜひ調べて掲載したいと思っていたのが「生活の中で見かけるあんな紙、こんな紙」のことでした。

本や雑誌、新聞などはもちろん紙。ティッシュペーパーもトイレットペーパーも紙。駅に貼ってあるポスターも映画のチケットも、フリーペーパーも紙。でもそれ以外にも身近なところで、さまざまな紙が使われています。私は白い紙もファンシーペーパーも大好きなんですが、それ以外にも気になる紙が山のように。

例えば、冬になるとコンビニでよく見かける、肉まんやあんまん。あの底にも紙がついてますよね。あれは「グラシン紙」と呼ばれるものに、耐水性を持たせたもの。グラシン紙とは、昔、本のカバーの上にかぶせてあったり、今でも古書店などで貴重な本のカバーの上から薄い半透明の紙がかぶせられていますが、あれのことです。他には以前は、封筒の窓に貼られていたり、別の加工がされてクッキングシートになったりもしています。そんな紙の仲間が肉まんやあんまんに使われているんですね。

こんな風に「グラシン紙」が使われていると判明さえすれば、それを自分がつくっている本に、あの肉まんの紙が使いたいなと思っても、紙屋さんに「グラシン紙」をとお願いすればいいので(まあ、価格やロット、流通の問題等いろいろあるのですが)、使える道が開けるのですが、名前やつくっている会社がわからない紙だとこれがけっこう大変です。

例えば築地の魚市場や、魚屋さんなどで見かける、マグロの冊やその他の魚を包む「緑色の紙」。薄くてパリパリしてて、以前から「これは何ていう紙なんだろう」と気になっていました。他にも、JALの国内線に乗るとき、荷物を預けたら付けられたプライオリティタグの紙。いっくら引っ張っても切れず、水につけてもへっちゃらなこれも気になる。それから、クリーニングのタグに使われている紙も。どうしてあんなに強いんだろうとか、素朴でいい色だなとか。

これだけ目にするのだから、たくさんつくられているはずの紙だけど、これは本などをつくっていて目にする紙の見本帳には、たぶんほとんど載っていないもの。なので、その用途以外の印刷物に使おうとすると、まずその紙が何なのかを探し当てるのに、かなり手間がかかります。

中には、ある用途限定のためにつくられた紙というものもあって(実はかなりたくさんある)、そうなると入手するのは至難の技。亀の子だわしの包み紙、あのオレンジの素朴なガサッとした紙、あれも実は亀の子だわしの包み紙専用の紙だそう。でも、なんとも言えない素朴さにうっとりしますが、あれも手に入れられないんだろうなぁ。

もっと身近なところで言うと、新聞紙。一説には、日本で一番たくさんつくられているのが新聞紙だそうですが、これも一般的には購入することができません。そんなにたくさんつくっているなら、少しこちらにも売ってくれればなぁ、なーんて思うこともあるのですが(あの、粗野なグレーの紙、おもしろいですよねぇ)、そういうわけにはいかないらしい。

こうして、普段目にしているものの、自分の仕事では使えなかったり、使えるけれどもその名前や購入ルートがわからない紙というのが、実はたっくさんあることに常日頃悶々としていました。だってすてきな紙が山のようにあるのだから!

ファンシーペーパーや本文系の白い紙もいいけれど、それ以外のさまざまな紙。これがもっと手軽に使えるようになるといいのになぁ。ここのところずっと言っているのですが、宝くじが当たったら、私はこういう紙ばっかりを売る紙屋さんを開きたい!

今回の特集では、気になる紙を調べまくって、その結果、平判で買えるものを中心に、前述のまぐろを包む緑の紙、プライオリティタグの紙、クリーニングのタグの紙、またトランプ用の紙、札帯用の紙、天ぷら敷き紙、タイプライターの紙などなどをご紹介していますので、ご興味があれば書店で立ち読みしてくださいませ。

そうそう、紙のことを調べているときに聞いて驚いたのが、ティッシュペーパーのこと。何気なく使ってるけど、ここにも大きなヒミツが! どんな秘密かは、次回のこのコラムを待て。(すみません、長くなりすぎるので)

【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp
平日毎日、更新中! デザインのひきだし・制作日記 
< http://dhikidashi.exblog.jp/
>

特集は「紙の魅力をもっと知る」「できぬなら 自分でやろう 印刷・加工」の2本。特集や記事と連動した実物サンプル42枚が綴じ込まれた『デザインのひきだし9』は早いところは今日明日、書店に並びます! 他にも『グッズづくりのイエローページ』、表紙が全部シール(!)になった『デザインのひきだし8』全国書店で好評発売中です!
< http://www.graphicsha.co.jp/
>

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■装飾山イバラ道[49]
「アメリカン・ダンスアイドル」を見る

武田瑛夢
< https://bn.dgcr.com/archives/20100202140300.html
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大好きなアメリカのテレビ番組「アメリカン・アイドル」の、ダンス版の番組があるのは知っていたけれど、また見始めたらキリがないので自分から探してまでは見ていなかった。リアリティショーは、見始めたら絶対に後が気になるのだから。

シンガーの登竜門の「アメリカン・アイドル」の新シーズンは、アメリカではとっくにやっているのに、日本ではなかなか放映されない(新シーズンのシーズン9の放映は日本では2月から開始)。

つまらないなぁと思っていたら、同じFOXテレビで「アメリカン・ダンスアイドル シーズン4」をやっているのを偶然見てしまった。

・アメリカン・ダンスアイドル シーズン4
< http://tv.foxjapan.com/fox/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/832
>

私が見始めた頃はシーズン4のTOP20が決まった時期で、すでに中盤戦に入っていた。オーデション番組は地方予選から見るのが本筋だと思うけれど、このさいなので途中からでもと妥協して見た。アメリカでの正式番組名は"So YouThink You Can Dance"だけれど、日本ではわかりやすいようになのか「アメリカン・ダンスアイドル」というベタな名称になっている。

番組の進行は、地方予選からダンスのオーディションが始まり、その後の2次予選を勝ち抜くと、男女各10名のダンサーたちがTOP20と呼ばれて、ファンに囲まれた特設ステージでの審査に進むことができる。司会はキャット・ディーリーという金髪で長身の美しい女性で、毎回変わる彼女のファッションやメイクも楽しみ。とても堂々とした司会ぶりで毎回素敵だ。

●歌とダンスという違いのみ

見始めてわかるのは、「アメリカン・アイドル」と番組のスタイルや進行が全く一緒だということ。審査員の目の前で踊り、評価され、先に進めるかここで落ちるかが告げられていく。候補者には過酷な毎日だ。

ただダンスという特性上、男女のペアで演技が行われることが基本で、くじ引きで決まるペアの相性などの運も関係する。相手に合わせる能力は、どんなダンスでも絶対に必要のようだ。

そして、歌にロックやカントリーなどのジャンルがあるように、ダンスにも社交ダンスやヒップホップがあり、候補者はその全てのジャンルを踊りこなすことが要求される。自分の得意な専門分野だけを武器に戦えないのは、「アメリカン・アイドル」と全く同じなのだ。一つの専門性だけを追求するタイプでは、この番組では優勝まで生き残れない。

こういったこの番組の特徴のせいか、予選では途中で棄権する人もいたそうだけれど、後半戦になるとここまで残ってきた候補者はどのジャンルのダンスもオールマイティに踊れることがわかってくる。正式なダンスの訓練も受けていないストリート系ヒップホップダンサーが、くじ引きで当たった初めてのラテンダンスを見事に踊るのには驚いてしまう。

ひとつのジャンルのダンスを極めようとすると、他のダンスの基本も自然に身に付いてしまうものなのだろうか。きっと、ジャンプやターンや止めの動作の基本以上のものが、上位の候補者には備わっているので、飲み込みが早いのだろう。

●振り付け師の存在の大きさ

審査の進行は、ナイジェル・リスゴーとメアリー・マーフィの2人の固定審査員の他に、毎週変わる振り付け師の審査員が加わる。この番組では、振り付け師の存在がとても大きい。毎回のダンスは、各ペアに振り付け師がついて指導するからだ。歌の「アメリカン・アイドル」の場合は自分で選曲し、歌い方のアレンジを決める。「アメリカン・ダンスアイドル」では、選曲と振り付けは振り付け師が決める。ダンサーにはその意図を組む力と実際の踊りの技術、そして精神的な表現力が試されていると言える。

振り付け師は元ダンサーも多いはずだし、踊りで生きて来た人の活躍の場なのだ。映画で言えば監督、脚本、演出全てにあたるので、皆が振り付け師を尊敬している。この番組でエミー賞をとった振り付け師もいて、その指導の本気ぶりも伝わってくる。

そういえば私自身は、ダンスなんて高校の創作ダンスでスパッツを着て踊ったのが最後なので、全くのド素人。女子はけっこう中学から体育に創作ダンスがあって、好き嫌いに関わらずグループを組まされて踊る試練があったはず。あれもあれなりに過酷だった。私はそんなダンスド素人なので番組を見始めた当初は、審査員の評価の意味が全然わからなかった。

褒められた時はわかるけれど、私がスゴイ! と思っているダンスを審査員3人が酷評することも多かったのだ。これは私が「わかってない」ということだろうし、なんとかその目を養いたいと思った。わかってないと本当の意味で楽しめないから。

●次々に去って行く候補者

TOP20以降は毎週ペアのダンス審査があり、男女1名づつが落ちていく。ペアのどちらか片方が落ちてしまうと、その候補者は新しい人とペアを組むことになる。落選者はいきなり決まるのではなく、まず男女各3人の下位の候補者が「Bottom 3」となりソロのダンスを披露する。

このソロのダンスの善し悪しで誰が落ちるかが決まるので、皆が渾身のソロダンスを踊る。生き延びるチャンスもしっかりあるということ。ここも見せ場のひとつになっている。この時点での審査は審査員に委ねられているので、評価のコメントを聞くとなんとなく結果の察しがついてしまう。

審査員のナイジェルが「この審査の厳しい仕組みは、君たちの今後のダンス生活でも続いていく宿命」のようなことを言っていた。オーディションを受け続け、評価を受け続け、踊り続けるのがダンサーの日常なのだ。

審査が進んで男女各5人のTOP10が決定すると、いよいよ全米のファンが電話で投票するオーディション形式となる。アメリカの老若男女が相当数見ている番組なので、ファンをどれだけ獲得しているかも大きな鍵。

TOP10まで絞られてくると、審査員のダンスの評価の意味がだいぶわかるようになってきた。技術だけうまくても、心がこもっていないダンスは惹き付けられない。ペアの二人の感情の動きが伝わるダンスは本当にホレボレするし、感動する。

●いよいよ最終回

1月後半になって、いよいよTOP4からただ一人の優勝者を決める、最終回の放映があった。最終回は、消えていったTOP20がもう一度集まり、今までに評価の高かったダンスを披露する。この録画は私にとって絶対に消せない保存版となった。特に好きだったダンスは、チェルシーとマークのダンスとケイティとウィルのダンス。

チェルシーとマークのダンスは、行ってしまう彼を必死で止めようとする女性の感情表現が素晴らしい。この二人は、このパフォーマンスの後も素晴らしいダンスを披露し続けて上位に残った。

・So You Think You Can Dance [Season4] Leona Lewis - Bleeding Love
(Chelsie & Mark)
<
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ケイティとウィルは「アメリカン・アイドル」で準優勝した、デヴィッド・アーチュレッタの歌う「Imagine」の曲に合わせているので二重に好きだ。今でもこのImagineを聞くと涙ぐんでしまう。

・So You Think You Can Dance [Season4] David Archuleta - Imagine
(Katee & William)
<
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TOP4が決まると、その後の評価は一人一人決まっていく。今回は女性のダンサーが先に一人づつ落ちて、最後に男性二人がステージ上に呼ばれた。優勝者には25万ドルの賞金と映画への出演が決まっているという。おなじみの多すぎる紙吹雪の演出もぴったりで感動的だった。毎シーズン決まった流れで進行しすぎて飽きないかと思うけれど、お決まりだからこそ個々の反応の違いが見えてくるのかもしれない。

歌版もダンス版も共通の番組構成で成立しちゃうほど、よくできた仕組みの番組なので、外国でも同じ方式で番組が成立する。実際、オーストラリア版のダンスアイドルもあるんだそう。きっと、ダンス以外の何かのオーディションでも番組はできると思う。例えば日本だったら、お笑いオーディションのM1が有名だけれど、TOP10以降は完全に視聴者投票で決める「ジャパニーズ・マンザイアイドル」って名前の番組を見てみたいと思った。

【武田瑛夢/たけだえいむ】 eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
< http://www.eimu.com/
>

iPad発表の日は、夜中なのにWEBとテレビの両方をつけて情報を探していた。やっとCNNライブでiPadのニュースが始まったと思ったら、自分の見てるWEB画面と同じものが大写しになっただけ。CNNでもそれかい! と一瞬思う。ストリーミングのサイトも重いし、結局は静止画のWEB画面の情報が一番見やすかった。

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■おかだの光画部トーク[28]
絞りって何だ?

おかだよういち
< https://bn.dgcr.com/archives/20100202140200.html
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先日、専門学校のWebデザイン学科の生徒さんに、写真とカメラの基礎的な授業をしました。3時間ほどの限られた時間では、奥の深い写真の内容が全部伝えられるはずもなく、基本的なことに終始したのですが、それでもカメラを扱う上で当たり前だと思っていることがあまり知られていなかったようで、生徒さんからは新鮮な反応がありました。

最近のカメラは非常に賢いので、とにかく写真の知識のない初心者でも極力失敗しないように、カメラが自動で露出やピントなどを調節してくれます。普通に撮るだけなら、あまり難しいことは考えずに被写体にレンズを向けてシャッターを押すだけで、そこそこの写真を撮ることができます。

なので、カメラを買っていっぱい撮影している人でも、結構知らないことが多いかもしれません。ということで、今回からはちょっと初心に返って、知っておいたら撮影がもっと楽しくなる(かもしれない......)カメラと写真の基礎の基礎です。

写真は、レンズを通った光がセンサーやフィルムに当たって像を描くことで写ります。その光の量を調節することを露出と言います。露出は「絞り」と「シャッター」の2種類の機構で調節され、絞りはレンズを通過する光量を調節し、シャッターはその光をセンサーに当てる時間を調節します。この異なるふたつの要素で光を操ることで、写真はとても奥が深く幅広い表現が可能になります。

まず今回は[絞り]について見てみましょう。絞りは、レンズを通過する光の束を太くしたり細くしたりすることで光量を調節します。以前、CSS Niteでプレゼンした時の説明で使ったビデオを見ると、わかりやすいと思います。< http://goo.gl/UQrP
>

最近のレンズは、カメラのダイヤルで設定した値をレンズに送って写す瞬間だけ絞りが動くようになっているものが多く、ビデオにあるように手動で絞りを調節できるものは少なくなってきましたが、仕組みは同じです。

英語では「Aperture」というので、カメラには絞り(Aperture)値(Value)の意味で Av と表記されていることが多いです。カメラで絞り値(Av)を自由に設定するモードを「絞り優先」と言います。< http://flic.kr/p/7zXHP8
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絞りの値はF値で表し、レンズの焦点距離÷通過する光束の直径=F値となります。光の量が半分になるということは、光束の面積が半分ですから、F値は√2倍(約1.4倍)となります。写真の露出は、光の量を2倍・4倍または半分・1/4と変化させるので、絞りの数字は1.4、2、2.8、4、5.6......と1.4の倍数になります。半端な数字なのでむずかしく感じるかもしれませんが、1.4→2、2→2.8、2.8→4など数字が1.4倍になると面積が半分、光量も半分になります。数字が小さいほど絞りは開いていて、光が通る穴の面積が広い状態。逆に数字が大きくなるほど、光が入る穴が小さくなります。

さて、このレンズを通過する光の束の太さを調節することで光量を変えるのですが、これで何ができるのでしょうか。

F1.4で撮ったものとF16で撮ったものの比較。
< http://flic.kr/p/7A2NfQ
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< http://flic.kr/p/7zY2mg
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F2.8とF32の比較
< http://flic.kr/p/7zY1H6
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< http://flic.kr/p/7A2Mpy
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F1.4やF2.8など、絞りを開けて撮ったものは背景のピントはぼやけていますが、F16やF32など、絞りの穴を小さくして撮ったものは背景の葉っぱにもピントが合っています。このように、絞りはボケ具合をコントロールできます。

ピントを合わせた位置の前後にも、ピントが合ったように見える範囲があり、これを被写界深度(Depth of field)と言います。
< http://flic.kr/p/7zXEzi
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レンズには(全てにではありませんが......)この被写界深度の目盛が付いていて、ピントを合わせた位置を中心に遠近にF値の数字が表示されています。上記のサンプルだと、例えば3メートルの位置でピントを合わせ、F16で撮影した場合、一番外側に書かれてある16の数字を見ると、約2メートル〜10メートルの範囲でピントが合って見えることが読み取れます。

Avモード(絞り優先モード)で撮影すれば、自分で自由に絞りを設定し、背景や前景のボケ具合、つまり被写界深度の調節が可能です。それによって、被写体にだけピントが合った写真や、逆にすべてにピントが合ったパンフォーカスの写真を撮ることができます。

< http://flic.kr/p/7zXDPT
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< http://flic.kr/p/7A2qjo
>
< http://flic.kr/p/7A2qu5
>
< http://flic.kr/p/7zXE9t
>
< http://flic.kr/p/7A2qDS
>
絞りを開けて、被写界深度を浅く、背景をボカして被写体を目立つように撮った例。煩雑な背景をボカして、被写体だけに注目させたい場合など、アーティスティックな表現や、雰囲気ある写真を撮りたい場合は、F値の数字を小さくします。

< http://flic.kr/p/7zXEtR
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< http://flic.kr/p/7zXEg8
>
< http://flic.kr/p/7zXEjX
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絞りを絞って、被写界深度を深く、全体にピントが合うように撮った例。風景写真や観光地での記念撮影など、人物もバックの景色もピントが合ってる写真を撮りたい場合は、F値の数字を大きくします。

このように、絞りを設定することで
→奥行き感を表現できる
→空気感・雰囲気を表現できる
→主題に注目させる
→見せたくない物を省く
→パンフォーカスにできる
などの表現が可能になります。

一眼レフカメラや高めのコンデジであれば、この絞りを調節出来ますので、持っている人は色々設定を変えて撮り比べてみると、体感できてよく理解できると思います。

【おかだよういち/WEB&DTP デザイナー+フォトグラファー】
< http://s-style-arts.info/
> < mailto:okada@s-style-arts.com >
< twitter:http://twitter.com/okada41
>

iPadが発表され、3月末には買えるそうですね。人に写真を見せるデバイスとしてもかなりインパクトありそうなので、速攻ポチりそうです!

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■イベント案内
第13回文化庁メディア芸術祭
< http://plaza.bunka.go.jp/festival/2009/information/
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20100202140100.html
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主催:文化庁メディア芸術祭実行委員会
(文化庁・国立新美術館・CG-ARTS協会)
会期:2月3日(水)〜2月14日(日)2/9休館 10:00〜18:00(金20:00)
会場:国立新美術館(東京都港区六本木7-22-2)
入場料:無料

・文化庁メディア芸術プラザ Japan Media Arts Plaza(MAP)
< http://plaza.bunka.go.jp/
>
「文化庁メディア芸術プラザ(MAP)」は、文化庁メディア芸術祭ならびに、メディア芸術関連の情報を提供するWebサイト。

・フェスティバル情報
< http://plaza.bunka.go.jp/festival/2009/information/
>
アート、エンターテインメント、アニメ、マンガの4部門受賞者のシンポジウム、テーマシンポジウム、「屋根裏のポムネンカ」「サマーウォーズ」など受賞作品の上映、世界各国のメディアアートフェスティバルの作品上映、受賞記念ライブなどのスケジュールを公開している。

・iPhoneアプリ「JMAF navi」
< http://plaza.bunka.go.jp/festival/2009/information/
>
期間中、iPhone/iPod touch対応の公式ナビゲーション・アプリ「JMAF navi」が会場内をナビゲートする。そのほか、来場当日のアーティストによるプレゼンテーションや上映プログラムなどの見所を逃すことなくチェックできるリアルタイムスケジュール機能、作品や展示についての感想をその場でつぶやくことができるTwitter機能などを搭載。

・最新情報をtwitterでチェック
< http://twitter.com/JMediaArtsFes
>
受賞作品展の開催情報など、文化庁メディア芸術祭の最新情報をtwitterで発信している。気軽にフォロー、RTしてみよう。

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■編集後記(2/2)

・Apple iPadが採用した電子ブックファイル形式ePubとPDFとの違いは、スクリーンの大きさによってレイアウトを変えることが可能だという。出力デバイスにより、電子ブックの体裁が変わるということか。それでも本と言えるのか。日本印刷技術協会の「プリバリ印」の座談会で、京極夏彦は「実際テキストとフォントの関係、フォントとサイズや書式の関係というのは、思った以上に密接なんですよね。印象がまるで違う。それが、まさに本の面白みなんですよね。このレシピでお召し上がりくださいっていうのが本なんですよ」と語る。そして、本文の内容にあわせたフォント選び、組版のマニアックな話になるとおもしろいったらない。取り上げられた書籍を書店に見にいこうと思う。さて、紙メディアの魅力は「定着感」にあるという。まさしくその通り。本は「完成形」だからいいのだ。集める、並べる楽しさがある。電子書籍にはそれがない。代わりにいいこともたくさんあるが。でも読者の環境で見え方が変わる、定着感がないってのは、つくる側から言ったらどうなんだろう。このレシピでお召し上がりくださいとは言えなくなるのか。本の現物にはかなわないけど、誌面をスキャンして画像とする方法と、PDFにする方法とがある。そっちの方が本好きには抵抗が少ない。日本雑誌協会の「雑誌デジタル配信」実証実験のモニターになった(当選した)。2月いっぱい記事の購買、閲覧ができる。この配信はPDFである。さてどういうものか、週末にでも実験サイト「parara(α)」に行ってみよう。(柴田)

・そ、その不安定な状況を強いられるのがウェブサイトなんですよ。複数の環境、複数のデバイス、あり得ない環境に合わせ、でも美しく、使いやすく、内容が一覧でき、集客し、滞在時間を長くし、コンピューター用と人間用とに最適化し、検索エンジンで上位に表示させ、クリック数まで集計され、ウィルスやアタックに耐え、日進月歩な技術までアップデートしていかなければならない。なのに「誰でも作れる」とか言われたりするもの。ほんま無茶な話でっせ。昨日書こうとしてやめたこと。先日、エディトリアルデザイナーの活躍の場が広がると書いたけれど、新しいエディトリアルデザイナーが生まれ、ウェブデザイナーの活躍の場が生まれるかもと思った。カタログや説明書を作っているようなXMLばりばりの人向きじゃないかと。これも先日書いたけれど、本として保存したくなるもの(体験としての本だったり)と、本の内容そのものだけが欲しいものがあるので、後者は電子書籍向きだと思うし、前者はなくなって欲しくない。後者がほとんどとは思う。/実用書は動画入り電子書籍だと便利。いまDVDつきになっている本。ウェブサイトでの無料公開はと躊躇するようなものでもDRMつき電子書籍ならいいのでは? で、これまたフォーマット勉強不足が......。動画の扱いはどうなるんだっけな。(hammer.mule)