音喰らう脳髄[91]成就した予言
── モモヨ ──

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妙な陽気だ。昨日、参議院選挙の投票のため、近所の小学校に出かけたときは、まだ曇っていただけだったのに、夜になると風が出始め、ぱらぱらと大粒の雨が降り始め、今も強風の合間に降ったり止んだりが続いている。

参院選の選挙特番を夜半まで見ていたが、結局は与党が大きく議席を失った。が、これは予定調和。続いてW杯南アフリカ大会の決勝を明け方まで観戦し、スペインの優勝を確認した。サッカーの方もタコのパウル君の予言どおりだから、やはり予測の範囲内といえる。天候は荒れているものの、地上の物事はやはりそれなりの動き方を示すようである。

しかし、タコのパウルくんは凄い。ドイツ西部、オーバーハウゼンの水族館、その水槽の中に生活しながらも、これまで大会8試合の勝敗を予想し、決勝のみならず10日の3位決定戦におけるドイツ対ウルグアイ戦の試合結果など、すべて的中させている。



準決勝でドイツ敗北を予言しそれを的中させた際に、ドイツ国内ではパウル君バッシングというか、「パエディアにして喰ってしまえ」などという、パウル君が人間であれば野蛮としか言えないような過激かつ不穏当な発言がネットを飛び交っていたので心配していたが、スペインでは大会での自国優勝をうけパウル君を保護するため買い取ろうとする動きも出てきているという。これを聞いて少し安心した。

が、やんぬるかなタコの寿命はおよそ3年しかない。パウル君は現在2歳半だから、その余命は数か月ということになる。その数か月、あっちこっちの水槽を旅して晒し者にするよりは、予想的中のご褒美として落ち着いた静かな余生を遅らせてあげたいと本気で思ったりする。そう願うのは私だけか。

Momoyo The LIZARD 管原保雄
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