[3133] Webアドバイザーになりたい

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《スティーブ成仏》

■クリエイター手抜きプロジェクト[291]雑談編
 ああ勘違い
 古籏一浩

■エンドユーザー大変記[12]
 ジョブズ死去のさなかに
 ジョニー・タカ

■講師だって、最初は初心者だもの[番外]
 Webアドバイザーになりたい
 〜クライアントと制作者をつなぐ人が必要でしょう?〜
 森 和恵

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■クリエイター手抜きプロジェクト[291]雑談編
ああ勘違い

古籏一浩
< https://bn.dgcr.com/archives/20111017140300.html
>
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スティーブ成仏。有名な人がお亡くなりになった。仏教徒だったようだ。他にもC言語を作ったデニス・リッチー(K&R本のRの方)もお亡くなりになった。今後は、どんどんコンピュータ業界で有名な人が亡くなっていきそう。

ということで今回は雑談。スティーブ・ジョブズのネタにしよう、と思ったけど、実際にはあまり興味がなくて詳しく知りません。どちらかというとスティーブ・ジョブズに言われて製品を作った技術者の人や、できあがって動いている製品の技術の方に興味がありました。例えばMacintosh(以後Macと略)には、多くのソフトウェア技術者が興味を持っていたと思います。

Macが特徴的だったのはマウスやGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)でした。ソフトウェア技術者が惹かれたのは、マウスではなくGUI処理部分です。これを真似てたくさんの「ウィンドウシステム」が登場しました。という私も、SHRAPの8bitマシンMZ-700でウィンドウシステムを自作した一人です。以下に実際のソースコード(Z80用)があります。

< http://www.openspc2.org/mz700/SYSTEM7c.html
>

iPhoneが登場して売れ始めた時にも、「タッチパネル付きの携帯なんか日本ならすぐにできる」というような主旨の発言をした会社がありました。その後、すぐにタッチパネル付きの携帯やデジカメが登場しました。タッチパネルにすれば売れるだろうと。

タッチパネルくらいは日本の技術なら実装できるのは間違いではないですし、タッチパネルの方が使いやすそうです。どちらも間違ってはいないのですが......。これは勘違いとも言えますし、経営的にはあのように言わないといけなかったというのはあります。

これと似たような勘違いが1980年代にもありました。Macが出て「使いやすい」との評判。そして聞いて実際に触って「勘違い」。

「これはウィンドウシステムだから使いやすいに違いない」
「マウスだから使いやすいのだ」

特に1980年代は円ドルレートが1$=350円ほどで、海外のものが非常に高価な時代でした。Apple IIでさえ45万円ほどしていました。Macは、さらに高額で高嶺の花でした(高"値"の花の方が感じとしては、あってそう)。ですから本や人から聞いた噂で推測するような事は多々ありました。Mac関係で内部処理を解説した本としては、以下のものがありました。

・マッキントッシュの道具箱
< http://www.amazon.co.jp/dp/4893620231/
>

正直、翻訳が悪いのか元が悪いのか、さっぱり理解できませんでした。日本語なのに意味不明でした。それもそのはず、今考えれば肝心な部分がすっぽり抜けていて、何をやっているのかが分からなかったからです。

結局、肝心な部分が抜けたまま、ウィンドウシステムがたくさん作られることになりました。私が触った中でも、以下のようなものがありました。

・TOS
これはAtariマシンのGUI。ゴミ箱が画面左上だったりしますが、見た目はMac。ROMに焼かれているので電源を入れれば、すぐに使えたようです(楽器屋でいじった程度なので詳しくは分かりません)。

・Amiga OS
多分、見た目はWindows 2.0にひけをとらないほどNGです。ソフトバンクでいじらせてもらいました。まあ、Macに比べれば何ともです。

・Human 68K/SX Window
和製Macとも言われたSHARP X68000上で動作するウィンドウシステムです。Human 68KがMS-DOS、SX WindowがWindows 95といったところです。SX Windowは使い勝手は悪くないのですが、すでにMac IIなどではフルカラーの世界でしたので、個人的にはイマイチ感がありました。

・Just Window
これは一太郎や花子で使われていたウィンドウシステムです。回路図など描いてましたが、PC-9801ではもっさり感が多く、Mac SE上で動いていたMac Drawとは比較になりませんでした。悪くはなかったのですけど、技術力の差を見せつけられた感じがしました(DTPだったので結果的にMac Drawも使い物にならず、Adobe Illustrator 88を使うことに)。

・Microsoft Windows
有名なマイクロソフト社のウィンドウズです。マイクロソフトもかなり早い時期から開発着手していました。マイクロソフトも多分勘違いした会社のひとつだと思います。私が使ったのはWindows 2.0からでした。タイトルバーが黄色。DTPソフトであるPageMakerを動かすために会社が導入したものです。ファイルをコピーしたりする場合は、MS-DOSのコマンドを入力するという意味不明なものでした。かえって使いにくく、どうしようもないシロモノでした。

・X Window
これはUNIXマシンで動作するウィンドウシステムです。Macよりも高価なUNIXマシンなので、画面写真から想像するばかりでした。実際にいじったのは1995年以降、UNIXがローエンドのマシンでも動作するようになってからです。使い勝手は、まあ今でもあんまりよくない。

これ以外にもたくさんウィンドウシステムがありました(会社/個人を含めて)。ウィンドウシステムなら使いやすいはずだと、勘違いして(?)突き進んだと思われる会社のひとつがマイクロソフト。

本当に勘違いしたかどうかは分かりませんが、10年以上にわたって改良しつづけ、おおよそ15年かけてようやく実用性、安定性とも優れたWindows XPが発売されました。

Macの使いやすさはウィンドウシステムやマウスではないのですが、それでも間違いを信じて突き進めば、Windowsのように花開くこともあります。スティーブ・ジョブズもビル・ゲイツも、信念で突き進んだことには変わらないと思ってます。

ということで、マイクロソフト社はiPad真似てWindows 8(Metro)出すみたいです。入れて見ましたが......。業務で使う人は混乱しそうです。どのみち時代の流れとしてはクラウド環境にデータが移行し、過去の遺物としてクラウドの仮想環境でWindowsやMacなどが動作するといったところでしょう。

クラウド上にある仮想環境ならMacOS 9とか、昔の8ビットマシンとか、ゲームセンターのゲームとか、過去の資産(アプリ/データ)を残しておくことや動作させることもできるはず(多分、そうなる)。結果的に手元にある端末は、単なるデバイスセンサーにしかならないかもしれません。未来のマシンは面倒だったことが、簡単にできるはずですから。

【古籏一浩】openspc@alpha.ocn.ne.jp
< http://www.openspc2.org/
>

ウィンドウシステムというのは、どこか惹かれるところがあるみたいで、Webブラウザで動くようなものもありました。まあ、そこだけ真似ても仕方ないのですが、それだけでも魅力があったということでしょう。楽しければ/使いやすければ、ウィンドウシステムでなくてもよい、というのがiPhone/iPad。で、今度はAndroid陣営が勘違いしている感じが......。他にもiPhoneはタッチパネルだから、iTunes Storeがあるから、とか勘違いしている間はうまくいかないでしょう。勘違いしたまま突き進めれば違うかもしれませんが。

※10/12のデジクリの、まつむらさんの「Stay hungry, Stay foolish」の謎は参考になりました。
< https://bn.dgcr.com/archives/20111012140300.html
>

●CSS3 (スタイルシート Level 3) 例文辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/CSS3/
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< http://www.shoeisha.com/book/hp/10days/down/index.html#9784798124186
>
(補習講義。Z80エミュとか1980年代のレトロゲームのサンプルと解説あり)

・毎度おなじみASCII.jpの連載
「第9回 JavaScriptで作れるiPhone用ボイスレコーダー」
< http://ascii.jp/elem/000/000/640/640963/
>
「第8回 PhoneGapのMedia APIでバイブ付き音楽プレーヤー」
< http://ascii.jp/elem/000/000/638/638339/
>

・iPhone/iPad × HTML5アプリ制作
< http://www.amazon.co.jp/dp/4797362618
>
< http://bookpub.jp/books/bp/196
>(電子書籍版。★セール期間は10月末まで!)

・ハイビジョン映像素材集
< http://www.openspc2.org/HDTV/
>

・Adobe Illustrator CS3 + JavaScript 自動化サンプル集
< http://www.openspc2.org/book/PDF/Adobe_Illustrator_CS3_JavaScript_Book/
>

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■エンドユーザー大変記[12]
ジョブズ死去のさなかに

ジョニー・タカ
< https://bn.dgcr.com/archives/20111017140200.html
>
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引き取ったばかりの「水曜どうでしょう」DVDを見ながら、CnetでiPhoneのカンファレンスを追っていて、結局iPhone5が出ないことを知るとがっくりと来てそのまま寝てしまった。それが10月5日の朝4時頃。

しかし、まさかその翌日、ジョブズが亡くなるとは......。

10月6日、9時前に速報を見たときは「ガセか?」と思ったが、アメリカのアップルサイトを見るとモノクロのジョブズの写真(遺影になってしまったが...)、そして"1955-2011"の字(その後、日本のサイトも同じトップに差し替わった)。この時の虚脱感は、自分としては昭和から平成になった日ぐらいの時と同じくらいだった。

今年に入ってジョブズが表舞台に立つ時、どんどんやせ細っていくのを見て、何となく「ヤバイんじゃないか」と腹を括っていたが、まさか現実になるとは思わなかった。"腹を括る"というのは、父の余命を主治医から聞かされた時以来だった。

ギズモードの追悼文の翻訳が面白く、後半部分では高村光太郎の「道程」とアントニオ猪木の「道」を混ぜたような感じになっているのが、この翻訳をされている方もとめどないものが襲ってきて、こうなったに違いない。

< http://www.gizmodo.jp/2011/10/post_9463.html
>

ただ彼が亡くなっても世の中は動いているわけで、日本ではauもiPhone4Sを正式に取り扱いを開始することになったのだが、結局EVO WiMAXの支払いが終わってない故に、取り替えようがないことを悔やむと同時に、改めて自分の先見性のなさを呪ったものである。

iPhone4Sフィーバーに湧く中で、気になっているものが新iPod nanoである。価格が前より値下がりしたのと、タッチパネルのアイコンが4カラム→1カラムに変更になったこと。別売りのバンドを買えば腕時計にも早変わりするわけだが、稀代の金属アレルギー故、腕時計として使うつもりはない。でもこれはやっと「買おう」と思えるレベルになってきた。

前から気になっていたのは、iPhoneにしろ、iPod Touchにしろ、"実用に耐えうるのか?"ということだった。iPodのキモは電池寿命であり、他の機能でバッテリーを食われるのは実に惜しい気がする。

しかし、メモリ容量でいえばshuffleの2GBでは用が足りず、今回消えるか否かの瀬戸際だったClassicでは160GBもあって用が多すぎる。それでもiPhoneやiOSに執着しているにも関わらず、どうもTouchには手が伸びないのだ。価格を踏まえても帯に短し襷に長し、というところか。

そしてAppleCareの様式も変更になった。iPod・iPhone・iPad向け、Mac向け、エンタープライズ向けになった。

< http://www.apple.com/jp/support/products/pay-per-incident.html
>

iPodだけを見れば、以前はshuffle/nanoで4,200円、touch/classicで6,800円だったのが、それらがすべて統一され、3,000円(税込)になった。これは大きい。バッテリーの寿命がiPodを使う上では致命傷になるので、金額的にハードルを下げた代わりに保証期間が3年から2年になった。これは製品サイクルを見込んだからかもしれない。

別の味方をすれば、「ウチの製品サイクルは2年ですよ。買い換えたほうがいいですよ」というサインでもある。確かに、ここ最近の製品サイクルは2年で固定しつつある。まぁ、大きいハードはギリギリでも使いたいが、iPodぐらいだと、もったいないとは思いつつもそう感じざるを得ないのが事実でもある。

やっぱりこの際、nanoをビシッと買いたい。ジョブズへの追悼の意として。

【ジョニー・タカ】johnnytaka32(a)gmail.com

1976年、横浜・関内で生まれ、上州と越後の風を受けて育ち、来世でもFUNKを踊り続けるフリーランサー。ヴァーチャル・キャラクターに曲を付けて選曲を展開する"コンピレーション"を1998年から行っている。2011年は発売未定になったPSPソフト『フォトカノ』のコンピレーションを展開予定(と言っても勝手にやってるだけです。それを続けて今年で13年目)。PS3でも『THE IDOLM@STER2』が発売されるので、そちらの選曲作業も始めてます。
< http://music.ap.teacup.com/cafedejohnny/
>

日常ブログ < http://ameblo.jp/johnnytaka/
>

○プリンコゴッコの歴史が終わった。
< http://www.riso.co.jp/release/20110920.html
>

私がプリントゴッコとMacintoshに出会ったのはほぼ同時期になる。その時から、印刷やデザインへの道に自然に誘われてたのかもしれない。プリントゴッコを買うのは中学になってからにはなるのだが、客観的に見ればかなり世俗に背を向けたひねくれ小学生だよな...。

○今メインで使用しているJINSからPC向けにレンズを強化したメガネが出る。
< http://www.jins-jp.com/functional/pc.html
>

度入りは来年になってしまうが、その時にスペアとして作るつもり。ただ眼科医から「いい加減サングラス作り直せ」とは言われてるが...。ちなみに今使用しているのは"Air Frame4"。

○連休前後に脇腹や背筋を痛めてしまい、ほとんど動けない状態になる。約束も大半反故にしてしまった。その部分を動かすスポーツすらしていないのに...。結局『どうでしょう』漬けとなる。何回も見ている企画なのに、見る度に面白く感じられるのは何故だろうか。

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■講師だって、最初は初心者だもの[番外]
Webアドバイザーになりたい
〜クライアントと制作者をつなぐ人が必要でしょう?〜

森 和恵
< https://bn.dgcr.com/archives/20111017140100.html
>
───────────────────────────────────
こんにちは。森和恵です。
今回は、めずらしく自分の意見をまとめる記事を書こうと思います。

今年の初めぐらいから、漠然と「Webディレクター」の仕事がしてみたいと思うようになりました。きっかけは二つ。

「Webサイト導入[超]入門 〜ホームページをこれから始める方のために〜」
 |< http://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=11840
>
「Webサイト[出直し]入門 〜あなたのサイトには何が足りないか〜」
 |< http://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=11841
>

というセミナーを担当しているのですが、受講生の方から相談を受けるのが、外注の制作会社さんへの不安や不満でした。諸処ありますが、一様にお話されるのが、自分の思ったようなサイト運営が出来ないことだそうです。

また、同業のWeb制作者の方からの話でよく聞くのが、クライアントや間に立っているWebディレクターの方への不満。先方が何をしたいのかが見えず、右往左往させられて疲れている......のだそうです。

双方から話を聞くにつけもどかしく、何とか間を取り持てる方法があればなと思ったのがきっかけでした。まずは情報収集から......ということで、ディレクションに携わっている方々のお話を積極的に聞くことにしました。その中で、お二人のセッションが心に響いたのでまとめて見ようと思います。

●中川直樹さんのセッションから得たもの

「Webデザイン・ディレクション道場(大阪)
Webデザインのディレクション力をあげるためのワークショップ」
 |< http://www.zusaar.com/event/69051
>

「CSS Nite OKAYAMA
クリエイティブを加速させるヒアリング+ディレクション術」
 |< http://cssnite-okayama.jp/vol01/
>

に参加してきました。

中川さんのセッションは、CSS Nite FUKUIでもお聞きしたことがあり、大規模・広告系のWebサイト案件制作にまつわるお話が聞けるのが新鮮でした。

【目鱗ポイント1】
『コーポレート・アイデンティティ(Corporate Identity)・ビジュアル・アイデンティティ(Visual Identity)・ブランド・アイデンティティ(Brand Identity)が伝わるデザインが必要』
 |用語説明 < http://fmstudio.jpn.org/docs/graphic/ci.html
>

Webサイトは、企業の問題解決のツールであるとはよく聞きますが、中川さんはそれに加えて「企業の強み、ポジショニングの確立」が大切だと続けました。

私はサイト設計において、「企業の利潤・ゴールを見据えた設計」には重点を置いていましたが、これは盲点でした。というか、想像できなかったのです。企業のアイデンティティ=識別=ひと目でそれとわかること。他者との差別化。同じようなサイトが林立する中で、重要だと感じました。

【目鱗ポイント2】
『Webサイトに人格を。ブランドパーソナリティを昇華させてサイトの人物像へ』

サイトと訪問者のコミュニケーションは、リアルでの人対人のようになるのが理想。とすると、サイトにも人格が必要と中川さんは話されました。サイトを擬人化し、それに合う・合わないキーワード(見た目・行動・マインドから表現)を列挙して一枚のシートにするそうです。このシートを、クライアントと制作者、お互いの共通イメージとし、制作のあらゆる工程で表現のブレを少なくすることに役立てているそうです。

このように、クライアントとのコンセンサスにおいて右脳的な相互認識が大事だと話されていました。マーケティング戦略からなる綿密な設計書も必要だけれど、五感を使って表現する右脳的な感覚訴求されるイメージ像が必要だということなのだと理解しました。ここをきちんと詰めておけば、「こんなイメージじゃなかったんだけど......」などのクライアントからのNGが少なくなりそうですよね。

【目鱗ポイント3】
「 守破離 の考えをデザインに取り入れる。
守...先人の教えを守る、破...奇をてらう、壊してみる、離...一度出たデザインから、離れて考える」 
|用語説明 < http://www.la3-beam.com/contents/shuhari.html
>

まずは、定石通りのデザインをし、クライアントに出す前に、破と離の法則で再構築してみるのだそうです。作った後にもう一回、別の観点で再考してみるということで、一段階(クライアントの要求+αされた段階)上がれるのだと思います。

一度完成したものにはどうしても執着してしまうので、これは口で言うほどやさしいことではないと思います。時間的な制約もあるでしょうし。でも、必要だなということはわかります。単純にすごいパワーだなと思いました。
※独りでデザインを完結せずチームで検討することができるから、の強みでもあると感じました。フリーだとなかなか難しいでしょう。

●長谷川恭久さんのセッションから得たもの

「パンダの会 その陸:これからのWeb
Webをつかって何をしたいか見つけ出そう」
 |< http://pandanokai.net/event/evt6/index.html
>
に参加してきました。

長谷川さんは、ブログ" could "でデザインの本質的な良い記事をお書きになっていて、今回はディレクターの仕事というより、Web制作で必要な考え方が聞けました。
 |could < http://www.yasuhisa.com/could/
>

【目鱗ポイント1】
「Webデザイナーに必要なことは、インタラクション
相手の反応、人振る舞いやその理解、Webがどんな媒体か知ること
うらづけや未来を見据えて行動すること」

流行の技術やデザインを習得するよりも、インタラクション(対話)を理解すること。物と人、人と人のWeb上でのコミュニケーションを勉強することから始めようと話されました。それには、いろんなサイト、サービスを見たり、使ったりして、その本質を見ることが必要とも。

「Web馴れしてきて、敏感でかしこい顧客にどう伝えるか?」
──そういうことが実現出来る技術を探す。技術ありきではない。技術は必要十分なら何でもOK......とも話されました。

無計画に「流行ってるから」で飛びつくのではなく、よく調べて、使う必要があれば有効利用するということなのだと理解しました。

【目鱗ポイント2】
これは、セッション中の話ではなく、ラジオ収録中の話です。プレゼンターの長谷川さんと村岡さんお二人の掛け合いから。

「プロジェクトごとにデザインの原則を決めることが必要。それが、戻れる場所、原点になる。制作行動の一つ一つを原則に照らしていき、ブレをなくす。原則は誰でもわかるものにする、具体的、用語、業界用語を使わない」

「クライアントにアウトプットを響くようにするためには、に提示するデザインには理由づけが必要。説明責任がWeb制作者にある」

中川さんのお話と、とても一致していました。やっぱり、それが正しいんだなと思いました。

●いろいろ聞いてみて、自分が思ったこと

お話しを聞いて、おぼろげながらに必要なことが見えてきたような気がします。Webサイト制作では、クライアントの事情やネット環境を十分に理解する調査が必要なこと、それを踏まえた設計が必要なこと......。それをせずにスタートするということは、転覆するとわかっている泥船を作るに等しいということ。

また、それを実現するには、Webディレクターやプロデューサーなど中間の立場にいる人のスキルアップが必要だと感じました。技術知識・企画力・コミュニケーション・現状把握......高い能力が必要だろうと思います。

逆に、中間の立場がしっかりしていれば、制作に携わるすべてがコミュニケーションしなくていいとも感じました。「クライアントの利益を上げるためにこれをしている」という意識をモチベーションにして、設計に見合った制作をデザイナーやエンジニアの各々がすれば良いと思うので。

ただしそこまでやるには、中間職の仕事に対する対価を見積もりに乗せてきちんと受け取る必要があるので、クライアントの理解をどう取るのか? も難しいところだと思います。

なるほど。中間職は、これから方法論やテクニックが成長するフィールドなのかも知れませんね。会社組織に入らないとその職に就くのは難しそうですが、何かお手伝いできることがないか、関われないかをもう少し模索しようと思います。

......ということで、今回の報告は終わりです。

さて、次回こそは、先日登壇したWDFイベントの「伝える技術」をデジクリで記事にまとめてみたいと思います。意思疎通は大事ですしね!(専門はクレーム対応とかセミナーとかですが)

ではまた次回。(^θ^)

※記事へのご意見・ご要望は下記より受付ま〜す。お手柔らかに。
< http://bit.ly/gIHFfu
>

【 森和恵 r360studio 〜 Web系インストラクター 〜 】
< site: http://r360studio.com
> < twitter: http://twitter.com/r360studio
>
< mail: r360studio@gmail.com >
サイト制作の教科書 r360study < http://www.facebook.com/r360study
>

今回はすごい大それたことを書いてしまった気がするんですが、割と長い間考えていたことでもあります。この業界、クライアントと制作者の中間が足りないよね、って。本職(天職と思ってる)のセミナー講師とどう折り合いをつけていこうかも悩み所ですが、試してみたいんですよ。自分を。もう、年齢的にも割とイってるし(笑)諸先輩方、アドバイスよろしくお願いいたします。(誰となく告げてみる)

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■編集後記(10/17)

・映画「トロン:レガシー」DVDと、はるか昔に録画した「トロン」VHSを続けて見た。「トロン」(1982)はその当時、殆ど理解していないくせに"最先端コンピュータ・グラフィクス"に熱中していたわたしが狂喜乱舞して見た映画だったが、既に映画のストーリーは忘れており、いくつかの静止したビジュアルが脳裏に甦るだけだった。まず「レガシー」を見た。予想外に難解なストーリーで、コンピュータの内部世界の構造や、デジタル生命体のことなど、よくわからないまま展開を追っていくしかなかった。後にWikipediaを読んでようやくストーリーを理解できた。CG表現はさすがに美しい。ボーナスコンテンツにあった「トロン:レガシーの世界観」では、「トロン」で不可能だった表現が、28年経ってすべて可能になったと語られていて興味深かった。続いて「トロン」を見る。こちらの世界観は当時もほぼ理解しており、ストーリーもわかりやすい。ワイヤーフレームで描かれた鳥居型の警戒ゲートが、今なおステキだ。香港(台湾?)のアニメーターが大量動員された、アナログによる擬似デジタル表現もなつかしい。この映画で、CGの映像表現の可能性に心躍らせた人は多かったと思う。わたしがデジタルアート方面へ関心の舵を切ったのもその頃だ。あれから30年近く経つとはまさに光陰矢の如しである。(柴田)
< https://bn.dgcr.com/archives/20090615140400.html
>
柴田:デジクリトーク CGの発展に貢献した"Addict"たちの物語──「コンピュータ・グラフィックスの歴史 3DCGというイマジネーション」に耽溺
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000BKDRFY/dgcrcom-22/
>
→アマゾンで「トロン」を見る(レビュー29件)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B004R1QVEC/dgcrcom-22/
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→アマゾンで「トロン:レガシー」を見る(レビュー27件)
<
>
Tron Lightbike Scene
< http://wired.jp/2011/08/23/粘着テープが映画『トロン』になる動画/
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トロンのバイクレースを、カラフルな粘着テープが再現するCM

・デニス・リッチー氏まで......。/えー、EVO WiMAXは良さげですが。遺作はまだ先になりそうですよね。開発中のものがありそうですもん。わたしゃ店員に薦められて、まんまと007Z(ソフトバンク回線+イーモバイル)に入ってしまいましたよ〜。私の行動範囲だと、WiMAXはほとんど使えず、元からイーモバイル狙い。いつか出るだろうXperia mini(イーモバイル)を買うと決めていたのに、発表前日に行ったソフトバンクで安いプランを提示され、機種代に適用できるポイントも溜まっていたのでつい。まさか翌日に発表なんて。007Zのことだって、まともに調べもしないで衝動買いさ。はっはっは。慌てる乞食はなんとやら。ああ、いつになったらAndroid端末は手に入るのやら......。Xperia miniよりはスピード早いし、安かったからいいかな。ちょっと悔しいので自宅で007Zを使ってみたら、マンションeoより早い時があるわ。転送量上限オーバーによる帯域制限さえなければeo解約して007Z一本でいくのに。/長谷川さんのセミナーは予定が重なっていて行けなかった。読めて嬉しい。/先週後半は体調を崩して寝込む。気をつけてはいたのになぁ。皆さん、お体ご自愛くださいー! この時期に不規則な生活や無理は禁物ですよ〜。(hammer.mule)
< http://www.au.kddi.com/seihin/ichiran/smartphone/isw11ht/
>  EVO WiMAX
< http://mb.softbank.jp/mb/data_com/product/mobilewifi/007z/
>  007Z
< http://emobile.jp/products/se/s51se/
>  Xperia mini
< http://gigazine.net/news/20111013_emobile_xperia_mini/
>
イー・モバイル初のXperia「Xperia mini」本日発表へ、国内最小モデルに