[3148] バスコ・ダ・ガマと黒船と

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《納得できなければ契約しなけりゃいいだけの話》

■アナログステージ[65]
 脳波で「モノ」を動かせる日がきた
 べちおサマンサ

■電子書籍に前向きになろうと考える出版社[16]
 アマゾンで電子書籍を売ってもらうとしたら
 沢辺 均

■デジタルちゃいろ[03]
 バスコ・ダ・ガマと黒船と
 browneyes



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■アナログステージ[65]
脳波で「モノ」を動かせる日がきた

べちおサマンサ
< https://bn.dgcr.com/archives/20111108140300.html
>
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「ゴホっ... ゴホゴホ......」
「あらあら、どうしたんですか風邪ですか?」
「熱は下がらないし、咳はとまらないし、鼻水も大洪水」
「体調悪いのに、フラフラと出歩いてるからですよ」
「だって、せっかくの貴重な休日なのに、家でゴロゴロしているのって、もの凄く時間がもったいないじゃん......」

「それより仕事落ち着いたんですか?」
「まったく。どーにもこーにも身動きが取れない日が続いてるんですわ」
「良いのか悪いのか......。ありがたいことですけどね」
「今月中には少し落ち着く予定ではあるんだけどさー。と言いながらも、結局このままクリスマスがきて、大晦日がきて、新年を迎えたと同時に、アメリカから訳の分からないメールがきて、会社行って対応して......。というパターンだって予測している」
「去年も一昨年もそうでしたもんね」

「なんで正月まで分析(仕事)やってんだよ! ハッピーニューイヤーっ! ヒャッハー!! って頭に門松でも乗せて酒飲んで騒いでいればいいのに」
「アメリカに門松なんてありませんでしょ」
「んじゃ鏡餅でものせて騒いでいればいい」
「鏡餅もありませんってば」
「フライドチキンでもビッグマックでもいいよ、とにかく頭になにかのせて騒げばいいんだ」
「......。アタマの中まで風邪ひいてますね。それより、今回はなんで呼ばれたんですか、ぼく」

「前回に続き、今回もネタを仕込んでないからだ、エッヘン!」
「ちゃんと時間空いたときに仕込みなさいよ!」
「すまん。実は、あれこれとコラムネタは仕込んではあるのだけど、全部中途半端になってて、リリースできる状態になってないのよん」
「なんですかそりゃ。自分でマルチタスクはダメダメ! シングルタスクがベスト! ってデジクリに書いていたじゃないですか」

「そうでした。って、仕事とデジクリのコラムは別モノだって」
「一緒ですって。あれこれ中途半端に書いているなら、一本を書き上げたほうがいいです、シングルタスクですよ、べちおさん」

「いやいや、中途半端にしている訳じゃなくて、『あ、これはデジクリのネタになる☆ピコーン』って閃いたり情報あったりしても、メモとして何かに残しておかないと忘れちゃうから、そういうものが溜まっていたり」
「あー、なるほど」

「だいたい閃くときって、車を運転しているときが多くて、『あー、これこれ、これはコラムにできるゾ! 忘れないようにしなきゃ』って脳内キャッシュを残そうとしても、数分で『あれ? さっきのなんだっけ?』って、あまりの物忘れっぷりに、ボクは大空を羽ばたく鳥なんだ、アハハハ〜って疑うこともしばしば」
「なに言ってるのかよく分かりませんけど、メモを残せばいいじゃないですか、アレアレ、コレコレって」
「運転中にメモれるかっつーの」

「ボイス録音するとか」
「運転中に携帯機器の操作はいけませーん」
「脳波でメモができるガジェットがでるといいですね」
「なにドラえもんの世界みたいなこと言ってるの、バカじゃないの」
「うわ、うわ、デジクリに引っぱりだして、脳内チャットに参加させておいて、バカじゃない。だって、ヒドい...」

「あ、そういえば脳波で動くロボットがニュースになったよね」
「すごいですよね、いろいろな分野で活躍できる技術ですよねー」
「コアファイターに乗って合体しなくても動かせる日がくる!」
「ハイ?」
「ガンダムを脳波で動かせる日がくるってことじゃないか、そんなことも分からんのかね」
「ガンダム? なに言ってるんですか、ホント、大丈夫ですか?」

・脳波でロボット動く...世界初:YOMIURI ONLINE
< http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20111104-OYT8T00784.htm
>

「いまはまだ、頭に電極パッドをつけて感知させているけど、近い将来には無線で脳波を送受信できる日がくるのだよ」
「おおお、それができたら本当に凄いですよ!」
「日本の技術開発力をナメたらいかんぜよー」

「ん? そうなると、無線LANを使って脳波でコンピューター操作ができるってことじゃないですか、画期的だ! 運転中にメモを残すことも可能になりますね、よかったじゃないですか」
「よかったじゃないですかって、そんなの発売されてないよ。なに言ってるの、あたま大丈夫?」
「ええええええ、話しを繋げて弾むようにしているのに、なんか酷い......。もういいです、チャットから落ちます、もう呼ばないでくださいね」

「それは無理ってもんだよ」
「なんでですか、金輪際、もう協力しません」
「ふふふふふ、キミもボクの脳波で操られていることに気がついていないようだね」
「あ......」

【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp
某ナノテク業界の技術開発屋。NDA拘束員。
< http://bachio.posterous.com/
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○TPPと騒がれておりますが、「たのしい仲間がポポポポーン」という解釈でよろしいでしょうか。え? 違うんですか、そうですか/実際には、ご近所の国が集まって、そうにしか映らないんですけどね、ええ。/季節は冬になろうとしているのに、すでにお花が満開な発言ばかりで、ポジティブって凄いなぁ......。と感心しきりです。

○記憶に残っている2週間の出来事→具合悪いというのに吉原再訪。三ノ輪まで電車で移動。D90を首からぶら下げて散策。吉原神社でお参りをし、手水舎の横に貼られていた『吉原今昔図』なるものを暫く読みふける。これがまた面白いのなんの→鷲神社へ向かうと、酉の市の準備をしてました→そのまま浅草まで散歩。

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■電子書籍に前向きになろうと考える出版社[16]
アマゾンで電子書籍を売ってもらうとしたら

沢辺 均
< https://bn.dgcr.com/archives/20111108140200.html
>
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アマゾンで電子書籍を売ってもらうとしたら、どんな契約をしたいんだろうか、オレ......。

ネットでは、アマゾンの契約内容が明らかにされたりしててにぎわってる。イチバン具体的なのは『「こんなの論外だ!」アマゾンの契約書に激怒する出版社員 国内130社に電子書籍化を迫る』かな?
< http://news.livedoor.com/article/detail/5977004/
>

それについて思うところを何点か書いておくことにする。

「共通の書面で契約を迫っている」って完全に狂ってるでしょう。ここまで予断をもって書くライターの気が知れない(安藤健二〈BLOGOS編集部〉っていう人らしいけどね)。

だって、郵送で、契約書と、契約して下さいって案内文くらいじゃないの? 送られたのは。郵便で送るなんてこと、取次だってするよ。たとえば、東北大地震の書店店頭にあって津波かぶった本の返品を、現物ないけど、マイナスで受け入れてってのも、郵送で来たよ(メール便だったかもしれないけどね)。それをよんでだれも「取次が書面でマイナス返品を迫っている」って書かないものね。

それとも案内状がついてなかったとかなのか?

「10月31日までに返答せよ」ってほんとうにそう書いてあったのかな? せめて「10月31日までに返答してください」くらいにはなってたんじゃないの?

いやもし本当にそう書いてあったのなら、この疑問は撤回するけど。
なんで、こういう話になっちゃうのかな?

契約なんだから、納得できなければ契約しなけりゃいいだけの話じゃない。その程度は、本当に各社の意思を自由に決められるんじゃない? アマゾンの書籍の市場占有率は(ボクの理解では)せいぜい10%前後じゃない?

その程度の占有にアタマを押さえつけられるほど、不自由なのか? 日本の出版社。もし、10%前後でもアタマを押さえ込まれるんなら、日販やトーハンなんかにはすべて言いなりになるしかないじゃん。

で、じゃ我が社(ポット出版)はどういう契約がいいのかなー、って想像してみた。以下は、ほんとうにこれでアマゾンに契約を「迫る」なら、もう一度良く考え直すし、独禁法とかもちゃんと調べねばいかんけど。

まず基本は、アマゾンへの販売金額の考え方。希望小売価格×70%(実は80%がいいけどね)か、○○円という方式のどちらかがいいのかと思う、我が社的には。いずれにしても、販売金額は固定だな。

もし、販売価格をアマゾンが下げたとしても、まあしょうがないか? って思う。そのかわり、あまりに低すぎる販売価格で売るようなら、アマゾンへの販売は中止すればいい。いや、その前に、交渉はしますよ、もちろん。

値引き販売の話でなく、正味=45%という出版社の取り分の話がいいとか悪いとかになってるけど、こりゃ低すぎるだろ、って思う。

第一に、コンテンツそのものをつくるより、ダウンロード販売するほうが全然コスト安いでしょ、って思う。

第二に、これアメリカってのの基準のような気がしてならない。ポット出版の本で日本語の横にすべて英文を対訳にして並べたことがあって、それをアメリカの書店に売ろうとしたときのこと。「定価」の50%位のことを平気で言われた。でもアメリカって「定価」ってないでしょ。希望小売価格しか。

で、そのメーカーの希望小売価格に20%とかなんとかの割引して売るらしいから、50%って言っても書店からいえば、80%で売って、30%くらいの粗利を出したいって話なんだかからしょうがないか? って思ったんだ。日本の書店と取次って30%ちょいってのがその取り分だしね。

「カスタマー対応のために、データを返却しない」って話はちょっとすぐに解決不可能だな。なにせ、今の著者との契約って基本的に期限のある契約なんだ。これを実現させるとしたら、著作権(財産権のほう)を買い取るしか思いつかない。うーん、ただちにそういう契約にするのって、無理じゃないかな?

アマゾンは実際ポット出版に契約書を送ってきてないし、ネットに書かれてることが本当かもわからないけど、万一本当だとしたら、アマゾンが焦りすぎてるのか、日本の市場なんてどうでもいいと思っているのか、これを機会に日本の書籍市場に革命を起こそうとしてるか、くらいにちょっとクビをかしげる契約ではある。

ここ数年のアマゾンって、日本の書籍市場のありように対して、原則(考え方)を保ちつつも折り合えるポイントを探そうって感じに見えてたんだけど、それってオレの勘違いなのかな?

PS 出版デジタル機構(仮称)って株式会社を20社でつくることに合意。
ときどきサイトも見て下さい。
< http://www.shuppan-d.info/
>

【沢辺 均/ポット出版代表】twitterは @sawabekin
< http://www.pot.co.jp/
>(問合せフォームあります)

ポット出版(出版業)とスタジオ・ポット(デザイン/編集制作請負)をやってます。版元ドットコム(書籍データ発信の出版社団体)の一員。NPOげんきな図書館(公共図書館運営受託)に参加。おやじバンドでギター(年とってから始めた)。日本語書籍の全文検索一部表示のジャパニーズ・ブックダムが当面の目標。

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■デジタルちゃいろ[03]
バスコ・ダ・ガマと黒船と

browneyes
< https://bn.dgcr.com/archives/20111108140100.html
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前回の「どこかの国の音楽」で紹介した、ウルミというマラヤラム語の映画。あれはインドがバスコ・ダ・ガマによって発見され、支配され、ひどい目に遭いました、という史実を題材に、ややファンタジー仕立てなバスコ・ダ・ガマと対峙する非実在ヒーローの物語なのでした。

当たり前ですが、歴史的な、しかも侵略ものやら戦争ものやらは、どの国も基本的には自国側の視点から語り継いでいきます。自国が当事国でない出来事については、恐らく当時力を持っていた側からの大まかな伝聞程度なワケで、映画を観る前のワタシのガマに対する認識もだいたいそんな感じ。「バスコ・ダ・ガマ:インド航路を発見、植民地化と貿易の拡大」というポルトガル視点の知識のみ。なので、インド視点の残忍なガマ像にびっくりしつつ興味をそそられました。

侵略ものと言えばつい最近、米Amazonの契約書案に憤る出版社員の記事を読んで、「黒船来襲」とまで言い切ってしまっているのにこれまたびっくりしました。日本の出版業界の枠組みの中で長らく力を持っていた、出版編集者の立ち位置的には確かにそうなんだとは思います。たまたま出版業界の業界紙でも見かけてこれが書いてあった、とかなら、あー、中の人は正直そう思ってるんだねー、でひっかかりもなく流してしまったかもしれません。

ワタシ自身は出版業界の人間ではないので周辺含めよくわかりませんが、印刷業界や製紙業界は自社でのコントロールすら不能な心配事な気がするので、ある意味もっと深刻...なのか、否か。消費者的には電子書籍便利だね派と、やっぱり紙だよね派は二分してる観もあるし、レコードからCDへの移行ほどがらりと市場が変化する気がしないけど、これは楽観的すぎかな。

更に、自分の周りに多いのが作り手側というコトもありますが、書き手はどうなんだろう。一握りの有名な作家さん以外は実績の有無問わず、この新たな道が悪いものだとは全く言い切れないという気がします。実際にKindle Direct Publishing早く日本に来ないかな、という声も近くから聞こえてます。そして、そもそも読み手と買い手が減ってる今、「彼らがどうやったら再び本を手に取るのか」の部分をそっちのけにしてどうなっちゃうの?

予想外にアツく語ってしまいましたが、実は電子書籍が主題のつもりではなくて、この辺の立ち位置限定な黒船感覚が、ワタシ自身の最近の関心事とも相まって、どこの世界も「主流が正しい」ともいえないし、そもそもどっちが主流か傍流か自体、誰もが自分起点の相対値で見てしまうからわからないものだよな、というコトを、最近よく感じさせられます。

ここで連載し始めたひと月前くらいから、自分の普段いる世界の中では「Webのトレンド」からは遠いと皆に言われてる割に、それなりにユーザーを抱えてるウェブサービスなどを、非IT系な人たちの動向潜入調査(大袈裟)的な視線で彷徨って色々眺めてみています。

実はワタシ、ここ一年ちょっとは多忙過ぎでさすがにアンテナ鈍ってますが、元々ウェブサービス系は早々に飛びつく上に、一通りの機能を使い倒してみなくちゃ気が済まない質で、果ては「IT番長」とか「インターネッツエリート」とか真っ直ぐ賞賛とは受け取れない響きの称号を友人・知人から戴いたりしてるのですが、その使い倒しを、自分自身が箸にも棒にもかけてこなかった国産サービスでも改めてやってみようと思ってるわけです。

食わず嫌いじゃいかんだろう、それらに引きつけられる人が一定数いるのは何故か、そのサービスなら使い続ける人たちがいるのは何故か、で、その上で何がダメだと思うか、そちらとこちらの国境線には何があるか、みたいなのが実は今後のキモなんじゃないかな、って。

だって、ウェブ上での潜在顧客の大半は、今後常に、出版以上に、これまで「こちら」に見向きもしてなかった層が大多数になっていって然るべきで、しかもこれまでと違って彼らの足音は、ほら、とっくにそこまで来てるんですよ、すっごい数で。主流とか傍流とか言ってないで、流れに乗る(乗せたい)なら、彼らの嗜好とか考え方とか、真摯に同じ目の高さに立って理解していかないと、ね。

・今回話題にしたものの関連記事たち

□「こんなの論外だ!」アマゾンの契約書に激怒する出版社員 国内130社に電子書籍化を迫る
└< http://news.livedoor.com/article/detail/5977004/
>

□出版社はプラットフォームをどう使うか
└< http://www.ebook2forum.com/2011/11/how-publishers-deal-with-the-platforms/
>

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■今回のどこかの国の音楽

□Los Tarantos(1963)"Buleria"
└<
>

ほっとくと延々印度音楽が続きそうなので、自制してちょいとヨーロッパへ。と言ってもフラメンコ、しかもステージ上のおされ系じゃなくて、映画の中の土着風なブレリアなので欧州感はほとんどないですね(笑)。

これとは別の映画の別の曲でたまたま知って、流れ着いて一目惚れしたのがコレなのですが、動画の中で歌って踊り狂うおばさんはカルメン・アマージャという、没後約50年を経てもフラメンコの女王と言われるロマ出身のダンサーです。もうかっこいいのなんの。知らなかったけどこの映画撮り終えて早々にお亡くなりになってしまい、ご本人は映画観てないとか。

映画はややチープなスペイン版ロミオとジュリエットですが、ダンス見所は結構あります。ローティーンの女の子がパンツ見えるのもお構いなしで踊り狂うシーンもよかったな。でもこのシーンが最高!

【browneyes】dc@browneyes.in
日常スナップ撮り続けてます。
アパレル屋→本屋→キャスティング屋→ウェブ屋(←いまここ)しつつなんでも屋。
立ち寄り先一覧 < http://start.io/browneyes
>

週末はワタシには珍しくもの凄い沢山の知らない人に会う会合が二つ重なり、ハシゴして参りました。普段引き籠りな上に非コミュなワタシ的には久しぶりにおかしなテンションでしたが、どちらも違った形で非常に刺激になるイベントだったので楽しかったです。

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■編集後記(11/08)

・毛利甚八「白土三平伝 カムイ伝の真実」を読む(小学館、2011)。白土三平と15年にわたる親交を結んできた、ノンフィクション作家でコミック原作者でもある毛利甚八が、2年がかりの聞き書きをもとにまとめた白土の評伝である。白土三平(本名・岡本登)の生い立ちから現在までの人生を核に、白土三平という創作者がマンガという表現方法を使って追求しようとしたものを探る試みである、と毛利は記す。左翼画家の長男に生まれ、差別と貧困の中で育った少年時代、東京の下町で紙芝居や貸本で生計をたてていた青年時代、そして月刊漫画誌「ガロ」の創刊、「カムイ伝」の連載、少年誌での活躍など、そのころ超漫画マニアであったわたし(オタクの走り、と後に言われる)は大体のことは知ってはいたが、ここまでやるかと思うほどの綿密でしつこい取材により(じっさい白土から「いいかげんにしろ」と叱られ、関係が微妙なものになった時期もあるらしい)、メディアにほとんど現れない、知られざる白土の素顔を初めて見ることができた。この本は白土の創作の秘密や思想の原点にまで踏み込んで描いており、非常に意義ある企画だと思う。「ガロ」が創刊されたのは昭和39年(1964)である。わたしは御徒町の本の卸業者の店で、貸本漫画などと一緒に創刊号を買った。「カムイ伝」第一部の連載が終わるまで、夢中になって読みふけったものだが、いま文庫本全巻を見返すと、当時の高揚感がすっかり失われているのであった。(柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093881936/dgcrcom-22/
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→アマゾンで見る(レビュー4件)

・iPhone 4S。Safariの反応が早い。明らかに早い。3GSと用意ドンで同じサイトに行ってみたが、10倍ぐらいの体感差。iOS 5.0にしてからは使えないことはないが、どのアプリでも起動や動作が遅いように思った。4Sにしたらサクサク。バッテリーは、へたっていた3GSよりは保つので気にならず。一日一回の充電で、自分の使い方では問題なし。iMessage(以前のMMSアプリ画面上での青い背景のメッセージ)は、3G契約がなくても送れるのね。新旧iPhone両方に届いてびっくり。電池の保ちのため、3GSは機内モード+WiFi運用にしたので以後届いてはいない。なんとなく3GSよりアンテナの掴みが弱い気がする。3GSの時には切れなかった場所からの通話が切れたりすることがある。4Sは4よりは良くなったはずなのだが。(hammer.mule)