[3424] オリジナル感たっぷり「EyeEm」と「My365」

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《ラーメンにハバネロソースかけても美味しくはならないヨ》

■アナログステージ[92]
 オリジナル感たっぷり「EyeEm」と「My365」
 べちおサマンサ

■デジアナ逆十字固め...[129]
 そして、ちょっかいを出しまくる
 上原ゼンジ

■デジタルちゃいろ[31]
 夢見のヘタな女
 browneyes




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■アナログステージ[92]
オリジナル感たっぷり「EyeEm」と「My365」

べちおサマンサ
< https://bn.dgcr.com/archives/20130219140300.html
>
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総利用ユーザ数がTwitterを越え、『泣く子も撮る』勢いでブィブィいわせていた Instagram(以下、インスタ)が、昨年末に突然発表した、利用規約の改悪。2012年4月にFacebookに10億ドルで買収されつつも、「TwitterもFacebookも仲良くやろうね♪」的な、中立の立場を保ちつつの運営に、いったい何が起こったのか?!

というような話を穿ることはせず、『巨大ビジネスに成長するまで〜栄光と挫折の架け橋』というドキュメンタリーなことも、いちユーザとして、正直どうでもよい。運営が「こういう方向にしますね、どうもスミマセン」って言っているのだから、なにかしらの運営方針があっての選択なはずだし。

日本の国営放送会社さんみたいに、見ない人からも、テレビを所持しているだけで、強制的に金を徴収する『サービス』ではなく、利用する選択は利用者にある。同意できなければ利用しないだけで、アプリをインストールしているだけで金を取られるわけでもない。

過去、利用規約の改定で、ユーザと同調して上手くいった会社を見たことがない。同調するのは限りなく難しいことだけど、利用規約改定のお知らせと同時に猛反発を喰らって、ユーザの声に耳を傾けることもなく、強制的に改定を繰り返した、という会社が日本にある。

大気圏に突入した隕石のように、もの凄いスピードで、輝きを失いながら消えていった『m!x!』も、輝きを取り戻そうと、アレコレとサービスをリリースしているが、開発者が面倒になっているのか、運営がテキトウなのか、他所さまのコンテンツをなんの工夫もなしに、そのまま流用する手抜きっぷり。あそこまで露骨にパクると、清々しさを覚える。

いったん離れたユーザを、後から取り戻すということが容易でないことは、素人のオイラにも分かることで、「このサービスを作ったのはオレ、だから投稿された写真もオレのもの」という、ジャイアニズム全開のスタンスを推し進めていくと、呆れたユーザたちから自然と淘汰されていくものだ。

ついこの前まで、インスタ内を彷徨うまで知らなかったが、規約改定が決定した後、インスタには「#BoycottInstagram」や「#goodbyeinstagram」なるハッシュタグで、楽しかったインスタとの思い出に決別した写真がたくさん投稿されている。この写真たちがまた面白い。「ほー、いろいろな決別の表現があるんだなぁ」と感心しました。興味あるかたは検索してみてね。

・インスタグラムの利用規約改定計画にユーザーが猛反発
[COMPUTERWORLD セキュリティ・マネジメント]
< http://www.computerworld.jp/topics/563/205932
>

突如、剛田主義に走った運営会社を横目に、ギラりと光ってくるのが、今までその陰で大人しく佇んでいたサービスたちだ。今回は、インスタの陰に置かれながらも、オリジナル感たっぷりのサービスを提供しているアプリをご紹介してみます。

●Coolな写真を便利に発信!──EyeEm

まずは、ドイツ発の「EyeEm」から。オイラはリリースされた直後にインストールしていたらしく、久しぶりにアプリを開いてみると、やっぱり茶目(browneyes)さんをフォローしておりました。彼女は、この類のアプリ(サービス)感知度というか嗅覚が抜群なうえに、やり始めたばかりで、右も左も分からない迷子ちゃん状態のときに、先輩として非常に頼もしかったりする。

今回のコラムネタも、iPhoneの中のアプリを整理しているときに、「? なんだっけこれ???」とEyeEmを発掘したのがきっかけだったりします。アプリセールアプリの『今なら無料!』とかで、あれこれダウンロードしたはいいけど、ぜーんぜん弄ってないアプリが結構ある。

「いつかやるだろう、使う場面が出てくるだろう...」とそのまま保存しておくが、タダに釣られただけで、結局触っていなかったりするんですよね。

そんな話はどうでもいいとして、EyeEmの話。インストールした時点では、日本語には未対応だった記憶もある。しかし、開いたら日本語だったので、どこかのタイミングで対応したんでしょう。もうひとつ記憶に残っていたのが、とにかくUIがトリッキーだった記憶。現に、今もトリッキーなUIだと感じるけれど、慣れると楽だったりする。でも迷子になる。

・EyeEm < http://www.eyeem.com/
>

詳しい使いかたは、下記に紹介するWEBサイトをご参照いただくとして(手抜き)、あれこれWEBに落ちている記事を読むと、INSTAGRAMから離れたユーザさんが、新しい遊び場所として楽しんでいるようです。

・EyeEm: Instagramのような写真共有SNSアプリ。専用フィルターでオシャレ写真を投稿しよう!無料。[たのしいiPhone! AppBank]
< http://www.appbank.net/2013/02/14/iphone-application/539051.php
>

手始めに、インスタに投稿した写真と同じ写真をEyeEmにもアップしてみると、トピックという、アルバム機能みたいなものがあることを知る。位置づけはハッシュタグに近いものだけれど、ほかの人が作成したトピックに加わって楽しむこともできるし、自分オリジナルのトピックを作成して楽しむのも良い。

写真を撮る際に、インスタと決定的に違うのが、予めフレームやフィルターを選択してから写真を撮れるところ。これはガチで便利だ。ノーマルのままで撮って、後からフィルターをかけると、光の加減やバランスが気に入らなくて、ヘタクソなりに気に入るまで撮り直すということがある。

それがフィルターを通しながらモニターできるので、撮影も一回で済む。もちろん、撮影後でも、ほかのフォルターやフレームへの変更は可能。しつこいが、便利だ。

実際に、オイラのフォロワーさんも、インスタの利用規約改定で、インスタを離れていったフォロワーさんが結構おりました。EyeEmで再びお目にかかれるかどうかは分かりませんが、素敵な写真を投稿されていたので、ぜひ、こちらで復活してほしいと願うばかりです。

そんなオイラは、「オイラの写真を使えるなら使ってみやがってください」くらいでインスタを継続していたりします。ただ、インスタとEyeEmに同じ写真をあげていても仕方ないので、写真カテゴリーの棲み分けを考えていたります。

●ユルりと、一日一枚の思い出──My365

サービスとしては、昨年の9月頃にリリースされていた、日本発のMy365。つい先日まで、このサービスの存在を知りませんでした。なにで知ったのか、先日のことなのに憶えていないのがアレですが、『うpできるのは1日1枚だけヨ』というスタンスに触手が動き、そそくさとダウンロード。またiPhoneの贅肉になるのかと思いきや、初めてみると意外や意外。

・My365 < http://my365.in/
>

何がどう面白いのか、自覚がないまま使っているけれど、そのうち何で面白いのか気付く自分に期待しながら、早一週間経過。しかし、なんで続いているのか未だに分からない。一日一枚しか投稿できない制約に、ゾワゾワしているようなマゾヒズムを感じているわけでもない。また、上記で紹介したEyeEmのような、ガツン! とくるアプリでもない。

基本的な使い方というか流れは、アプリを立ち上げ、そのまま写真を撮って投稿してもいいし、アルバムの中から、その日に撮った写真をチョイスしてもいい。機能としても、インスタ系の流れで、写真を撮ったあと、好きなフィルターをかけて投稿する。これだけ。これだけなのに飽きることもなく、サービス開始から毎日投稿している。

投稿を終えると、じつに早いレスポンスで他ユーザさんから『いいね』がポコポコとつく。インスタも、それなりのハッシュタグを付けて投稿すると、早いレスポンスで『いいね』をいただくことがあるが、My365にいたっては、ハッシュタグのようなものもないし、EyeEmのようなアルバム(トピック)機能もない。あるのは、8種類の『コミュニティタグ』と呼ばれているものだけ。

そのコミュニティタグも、犬、猫、ファッション、食べ物、子ども、旅行、友達、風景など、大ざっぱなものだ。でもよくよく考えてみると、写真って、この8種類のカテゴリに分類されるよなぁ......、制限しているようで、これ以上ないくらいに、簡潔に纏めきっているような。

アプリのカラーのせいか、『いいね』のボタンが、ほかの写真共有サービスと違って、押すことに重さを感じない。気に入れば、気軽にボタンを押せる空気がある。オイラだけかもしれないが、インスタとかだと、どんなに気に入っても、見ず知らずの人の写真に『いいね』を押す勇気というか、押したら怒られそうな重圧感を感じることがある。

と言いながら、見ず知らずの人から、国籍問わず『いいね』をいただいていたりするので、勝手に怯えているだけなんですけどね。あれ、なんなんでしょうね、アハハハハ。

My365でなにか良い記事がないか探していたら、「ほぉー! なるほど!」とう記事を見つけたのでご紹介。

・1日1枚限定のストイックな写真共有サービス「My365」、ユーザー個人の思い出作りをお手伝い[インターネットコム]
< http://japan.internet.com/busnews/20120924/4.html
>

ふむふむ、文中にも記述されていたが、「ユーザーの個人的な思い出づくりを手伝うという姿勢」が、ユーザの支持を得られていくのと同時に、アプリを育てていくのかなぁ。その観点からいくと、EyeEmも「アップロードした写真についての権利は未来永劫に渡って投稿者に帰属します」と謳っている。

●ベースの味を変えたら、別の食べ物になるんだってば

SNS全般に云えることだけど、利用ユーザがいてこそ、『サービス』として成り立つわけで、そこから派生して得られる収入は、事業として成長させる貴重な財力にも成り得る。言いかたは悪いが、その貴重な収入源を、運営自ら手放すような行動は、不可思議以外、何ものでもない。広告収入でも、見てくれる人がいるから成り立つわけで。

そのことは下の後記でも少し触れているけど、人が動けば金が掛かる。それによって会社は上手にまわっている。何もしないでボーっと窓の外を眺めているだけで金が入ってくる会社なんてない。インスタなどに限らず、ファンに育てられたアプリ(運営)というのは、ユーザの信頼を裏切らない限り、ガッチリとハートを鷲掴みしているはず。

そういうのは、音楽の世界やデザインの世界、食べ物の世界でも同じじゃないかなぁ。マンネリ化を避けるために、スパイスを少し加えるのはいいけれど、味付けの根本を変えてしまったらダメだよね。ファンとの間に、壁を作っても良いことなんか、何ひとつないのになぁ......。

ラーメンに、ハバネロソースかけても美味しくはならないヨ。

【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp >

NDA拘束員であり、本当の横浜を探しているヒト。カメラ男子。
Twitterはコチラ→< http://twitter.com/bachiosamansa
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まとめはコチラ→< http://start.io/bachio
>

△▼過酒雑記──今日の酒は明日の肥し▼△

●2013/02/13に配信された、まつむらまきおさんと、吉井宏さんのコラムを読み、まったく仰るとおりで、当たりまえすぎることなのに、再認識しなくてはいけない状況というか、環境があることに残念。デザインの世界だけに留まらず、こちらの業界でも蔓延っている事実がある。

下請けさん含めた協力会社に、「ここの部分の図面はそちらから提出お願いしますね」というメーカの安易な言葉に、「この仕事はうちに依頼する仕事だから、図面費用はサービスしろってことかなぁ、でも、仕事くれるなら無償でも構わないかなぁ」といった、受け手の妥協がたくさんあった。

以前、デジクリのコラムで書いたような記憶もあるが、数年前、とある会社さんからイニシャルコストについて相談をうけ、それまで担当者しか知り得なかった、水面下のやりとりがあることを知り、常々、協力会社あっての製品と考えているオイラは、ビックリ仰天。

すぐに管理職会議でこの件を取り上げ、「A4のコピー用紙に線を一本描いただけでも、こちらから仕事として依頼したものに対しては有償」という認識を徹底させた。

子どもにお遣いを頼んで、「ついでにアレも買ってきて」という身内話ならいざ知らず、労働という時間を費やすのだから、報酬として金銭が発生するのは当然のこと。『物の序で』で妥協するのは、絶対にダメ。「無償でやってあげたから、もしかして...」という、甘くて優しい考えは削除。メーカはそれに恩を感じることはないのです。

それに加えて、なにか問題が発生したとき、製作側の「タダ(無償)だから...」という理由に対しても、聞く耳なんか持ってはいないです。バンバンとあれこれ理由つけて責任転換してくるもんです。単に売名行為がしたいだけなら無償提供も有りだけど、まとわりつくリスクを考慮すると、そんなものを無償でやってあげる必要なんて、これっぽっちも見つからない。

ユーレカの日々
< https://bn.dgcr.com/archives/20130213140300.html
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グラフィック薄氷大魔王
< https://bn.dgcr.com/archives/20130213140200.html
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●ハトムギ化粧水を試して一週間。しっとり感もなくツルツル感もなく、至って普通の化粧水のように思ったけど、サラサラ感はいままで使った化粧水の中で一番いいかも。肌相性もあるだろうけど、もう暫く使ってみる。


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■デジアナ逆十字固め...[129]
そして、ちょっかいを出しまくる

上原ゼンジ
< https://bn.dgcr.com/archives/20130219140200.html
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私が実験的な写真を撮り始めたのは、このデジクリの連載からだ。2006年の4月の「レトロなレンズを求めて」というのがその始まりだから、もう7年になるわけだ。暗室をやっていたころから実験的なことはやっていたけれど、毎週やってくる締め切りに合わせてネタを絞り出すことにより、どんどんその世界が広がっていった。

次々といろんなことにちょっかいを出してないで、少しやることを絞ってみよう、などとたまに思ったりもするのだが、私は一生こんなことをやり続けてゆくのでしょう。たぶんそういう性分だからもう直らない。ただ興味のある方向には粘着的な力を発揮できるから、自分を放置して、好きにやらせておくのがいいのかなと思っている。

●タイムラプスをやってみた

本当に次から次へとやりたいことが出て来てしまうのだが、昨日はタイムラプスをしてきた。タイムラプスというのは、微速度撮影のことで、5秒に一回とかで撮影した写真をつなぎ合わせることにより、時間を圧縮させて見せるムービーの技術。雲がすごい勢いで流れたり、蝶がサナギから羽化する様子を早回しで見せたりするアレのことです。

アレがiPhoneやデジカメで簡単にできるようになってきた。iPhoneであれば、「TimeLapse」などのアプリケーションをインストールすればいいし、これから発売されるデジカメには、あたりまえのように搭載されるようになるのでしょう。

基本は何秒毎に撮影し、どれくらいの時間撮影をするのか設定をするのだが、単にJPEGで大量に撮影するのではなく、ムービーファイルとして記録できるというのがポイント。雲の動きがもうちょっと速い方がいい、とかの確認がすぐにできるし、ファイルが重くならない。そしてパソコンに取り込んでの編集作業が不要だというのがありがたい。

ムービーをやるということに対し、写真を裏切るような後ろめたさがあるのだが、「これは写真をつなげたものだから、ただの動く写真だよな」と自分を納得させやすいところがいい。

まあムービーって元々そうなんだけど、このタイムラプスは、より写真を撮るという行為に近い感じがする。6秒分のムービーを撮るのに14分も待っていなければならないので、「そんなヒマなことは、オレには無理!」と最初は思ってたんだけど、なかなか面白くてハマってしまった。宙玉レンズと合わせるとなかなかいい感じになる。

●ちょこっと動くシネマグラフ

さらにシネマグラフというのにもちょっかいを出し始めた。これは一見すると写真に見えるのだが、画面の一部だけが微妙に動いている映像だ。たとえば画面内にあるロウソクの炎だけが、チラチラと動いているとか、ポートレイト写真で片目だけが瞬きで動いているとか。その動きがGIFアニメになって、何度も繰り返される。

これを最初に見た時は面白いとは思ったけど、自分でやってみようとは思わなかった。しかし知人がセミナーで披露したデモンストレーションを見て、すぐに真似をしてみたのだが、これも面白かった。

とりあえず撮ってみたのは宙玉レンズを使ったロウソクの写真だが、一つの技術を知ると別の技法との組み合わせでいろんなアイディアが広がってくるのが楽しい。

今回は使い慣れたPhotoshopでシネマグラフに仕立て上げたのだが、これもまたiPhoneを使ってシネマグラフを作成するためのアプリがいろいろと出ている(Cinemagram、Flixel、Kinotopicなど)。

Photoshopだって、以前は動画をサポートしてなかったから出来なかったようなことが、今ではスマホで簡単にできてしまう。動きを出したい部分だけをタッチパネル上でこするという操作性の良さもいい。

◇シネマグラフの第一人者/Jamie Beck & Kevin Burg
< http://cinemagraphs.com
>

◇映画のワンシーンをシネマグラフに
< http://iwdrm.tumblr.com/
>

●3D宙玉の可能性

先日は「ステレオクラブ東京」の例会に参加させていただいた。ステレオ写真とは言っても最近はムービーも含まれるので、例会では二台のプロジェクターを使って映像を投影し、みんなで専用の眼鏡を使って鑑賞するという本格的なスタイルだ。

なぜ私が参加したのかと言うと、宙玉でのステレオ写真に挑戦し始めたからだ。facebookにアップされた宙玉写真を見た「ステレオクラブ東京」の関谷隆司さんが「宙玉2つ付けてステレオで・・・w」というコメントを付けてくれ、それに私がすぐに反応したというわけだ。

だって、脳内に透明球が浮かんでるイメージって面白そうでしょ? なんか宙玉写真と3Dの親和性というのは非常に高いのではないか。そう考えたらすぐに玉が二つ並んだ宙玉レンズを作っていた。

結果から言えば、この玉二つタイプはイマイチだったんだけど、現在もこの3D宙玉にはチャレンジ中。まあ、近い将来その結果をお見せすることができるでしょう。

ステレオ写真もiPhoneを使って撮影することができる。たとえばアプリとしては「i3DCamera」や「i3DSteroid」があるが、どちらも「ステレオクラブ東京」のメンバーが開発したそうだ。私はステレオ写真を始めたばかりなのに、いきなりディープな人達と出会うことができたようだ。

私の身近なところで言うと、超芸術トマソンの煙突男こと飯村昭彦さんがステレオ写真をやっているが、飯村さんは4×5のポジでステレオ写真を撮ってましたよ。それがiPhoneで撮れちゃうんだからねえ。世の中変わったもんだ。いや、当時でも4×5で撮ってたのは珍しかったかもしれないけどw

カメラは写真だけ写ればいいと思ってたけど、そんなことないから、どんどん進化して欲しい。パソコン化してカメラ自体にいろんなアプリがダウンロードできたり、編集ができたり。モジュール化して撮像部と再生部が分離出来たり。

フィルムや印画紙がなくなってしまう悲しい時代ではなく、いろんな可能性が広がる面白い状況に立ち合っていると思いたい。そしていろんなことにちょっかいを出しまくって、見た事がないような面白い写真を撮ってみたい。

◇「網フィルター」を作ってみよう! アナログモザイクの微妙な味わい
(デジカメWatch)
< http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/omoshiro/20130207_586454.html
>

【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com < http://twitter.com/Zenji_Uehara
>

上原ゼンジのWEBサイト
< http://www.zenji.info/
>
Soratama - 宙玉レンズの専門サイト
< http://www.soratama.org/
>
上原ゼンジ写真実験室のFacebookページ
< https://www.facebook.com/zenlabo
>


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■デジタルちゃいろ[31]
夢見のヘタな女

browneyes
< https://bn.dgcr.com/archives/20130219140100.html
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咽頭炎とやらにかかってしまい、週の半ばから数日寝込んでいた。疲労で半日だらだら寝入る程度は時折あっても、病で寝込むのは数年ぶりかな。

社会人になってからは大抵、不健康な分、全壊することは少ない低空飛行安定型なので、ちょっと珍しい。しかも、ノロやインフルエンザみたいなメジャーどころに引っかからずに咽頭炎。どこでどう拾ってきたのやら。

症状はほぼ喉に集約されるので、全体的に見てもそこまで大変な病気、というわけではなかったものの、症状の出方はあまりにも急激だった。

前夜、寝る前に、妙に喉に痛みを感じて就寝。起きたと思ったら、痛みの度合いは跳ね上がってる。切れてるのかと言わんばかり。声も出ない。喉が窮屈。舌で中を探ると、あり得ない場所で喉の入り口や舌の付け根に行き当たる。

喉というより口腔の左奥1/4が丸々腫れていたようだ。リンパというか、首まで腫れてるわ、左の奥歯まで虫歯様の痛みを感じるわ。

リンパの腫れの割に熱は微熱止まりだったものの、仰向けに眠ってると気道が軽く塞がれる勢いで腫れ上がっているため、うとうとしては息苦しくて目が覚める。丘の上で溺れるが如く。

精神も肉体も再構築のために休息を求めているものの、浅い眠りしか許されず、じわじわ精神に来る。眠らせない拷問って、こういう感じか、恐ろしい。

一日と一晩様子を見たものの、この急激な悪化ぶりと、この腫れそのものよりもむしろ、喉がふさがれて寝てる間に死ぬんじゃないか、みたいな恐怖に駆られ、医者嫌いのワタシでも、その翌日にはアサイチで自発的に医者に向かった。すがる子犬みたいな目だったに違いない。医者に言わせると、浮腫も出ていたとか。

そんな中、久し振りにたくさんの夢を次々と見た。ひとつもきちんと覚えていないものの、走馬灯......というよりもメリーゴーランドに転々と飛び乗るが如く、次から次へと見た、記憶だけある。ちょっと楽しかった、記憶だけある。ワタシにとっては、「夢を見た」という事実を記憶しているだけでも珍しい。

友人・知人に夢見の上手な人はたくさんいる。

複雑で長そうな夢をキチンと書き付けられる人。
それを種に物語にまで育て上げる人。
こんな夢が見たい、あの夢の続きが見たい、と床につき実際に見ることのできる人。

ワタシは夢を見るのが下手らしい。

見ていない訳ではないと思うので、正確には、夢を記憶にとどめておくのが下手、なのかな。大人になってからは顕著だが、若い頃から得意な方ではなかったように思う。見る夢のコントロールまではしたいとは思ってないが、せめて、見た夢くらいは覚えておいて反芻したい。

子供の頃、概念的に記憶に残っていた夢でさえ、「あのね、夢でね、カブトムシのバスでね、あれっ、えーっと......」と、誰かに伝えようとしている矢先にどんどん霧散してしまった、という悲しい事後の記憶ばかりだ。

それって、要するに、言語化しようと試みる傍から、その夢の世界がいかに非論理的で非現実的なものだったかに気づいてしまい、立ち止まってしまうのだろうか。だとしたらワタシは余程頭が固いのか。まあ、それもなくはない。だとすると、かなりつまらない子供だ。

いずれにせよ、言語化を試みて霧散させてしまう以前に、基本的に夢見自体をきちんと記憶しているケースの方が圧倒的に少ないように思う。

高校生くらいまでは、よくありがちな追いかけられる夢だったり、空を飛ぶ夢だったりを見なかったわけではない、と思う。思春期特有なんだろうか。その後はほぼサッパリだ。

幾つかは覚えてる。

大学時代に見た夢。当時交際していたボーイフレンドが出征してしまい、出征先から戦死の便りが、ロケ地「南の島(出征先)」のイメージ付きで届く。おんおん泣いてがばりと目が覚めた。

次は比較的新しく、今から10年以内に見た夢。前々職で仕事帰り、乗るはずもない路線の地下鉄に、一緒に帰ったことなどない同僚と乗っていて、見知らぬ男にいきなり刃物で刺されて死ぬ。

この夢に限り、情景も妙に具体的で生々しく記憶している。座席に座ってる設定のようなのに、刺される時は何故か吊革につかまっている目線高さの絵で、だんだんくずおれて、視点の中心も対面の窓からシートに下がり、床に至る前に絶命した感じ。

腹から血をドロドロ流しながら「死ぬところを知人に仔細に見られるなんてバツが悪いなぁ」などと、死に際するにあたってはどうでもよさそうなコトを感じながら、刺された痛みと視界がどんどんフェードアウトして死んでしまう。

幾つか......以上である。

禄なもんじゃないし、たったのこれだけだ。短期的に記憶していた夢は他にも多少あるかもしれないけど、長期的に覚えてる夢なんてこんな程度だ。つまらない。

夢見エキスパート(?)の一人である配偶者に言わせると、夢を見て目覚めるまでの、まずはそのタイミングがキモらしい。自発的に目覚めた場合の方が、夢見の記憶はしっかりしているそうだ。レムとかノンレムとか的にもそうらしい。多分(テキトウ)。

あとは、目覚めてすぐには布団から出たり、即現世の思考に向かわない。覚醒までのもにょもにょした時間をしっかり持って、その狭間で夢を反芻する。そこで反芻できないと記憶として定着しないらしい。

この二つを聞いただけで、ワタシに夢見記憶能力は望めないコトがわかる。

極端に寝付きの悪いワタシが、不定な入眠時間からの自発的な目覚めを待ってたら、眠れる森の美女並に眠り続けてしまうので日々に支障が出る。おまんまの食い上げだ。目覚ましやら目覚まし人やらによる他力本願な目覚めに頼って無理矢理起きるしかない。

他力本願な目覚めで目だけ覚ましても、布団に放置してると、今度はずるずると眠りの沼に帰ってしまう。つまり、狭間の反芻タイムはどうしても取れない構造になる。どう考えても夢の定着なんて夢のまた夢。

きっと夢見の上手な人は眠り上手なんだろうな。

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■今回のどこかの国の音楽

□Double Dhamaal "Jalebi Bai"
└<
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久しぶりにボリウッドど真ん中(?)。...といっても王道名作系ではなく、ゴージャスコメディのゴージャスミュージカルシーン。

ボリウッドに限らずですが、歌って踊っての印度映画、そんな中でも実はどれも並列な訳ではなく、「アイテムソング」という冠のつくミュージカルシーンが一作品にひとつは作られます。目玉呼び物のひとつなんでしょうね。

そして「アイテムソング」に登場するダンサー(兼女優)さんを「アイテムガール」なんて呼んだりします。時に、本編とまるで関係ないダンサー(兼女優)さんがそのミュージカルシーンにだけ現れたりします。

そんな形でよく登場するのが、印度でもやや傍系っぽい括りになる、露出度高めのセクシー系女優さん。あまり主役などは張らない割に、色々な映画の目玉ミュージカルシーンで、清潔感は保ち続ける主役のヒロインとは違った形で華々しく燦然と現れます。

今回の動画のメインのMallika Sherawat嬢もそんな役回りの多い女優さん。この映画では珍しくアイテムガールに留まらず、きちんとヒロインとして全編に出ています。最近は米国でもちょこちょこ活躍している様子。このアイテムソングは大好き。

王道の潔癖ヒロインが出る映画も嫌いじゃないですが、最近はコメディ映画にも予算のしっかりしたものが多いのか、ビジュアルの質もゴージャス、且つ、俗っぽい優等生っぽくないイマドキ男女(都会風でやたらとお洒落)も出てくるので、かえって気になるものが増えて来ました。

とはいえ、言葉や文化に即しすぎてるお笑いネタは、異邦人にはどうしても理解しきれるものじゃないのがコメディ系は歯がゆいところですね。

【browneyes】dc@browneyes.in

日常スナップ撮り続けてます。アパレル屋→本屋→キャスティング屋→ウェブ屋(←いまここ)しつつなんでも屋。
□立ち寄り先一覧 < http://start.io/browneyes
>
□デジタルちゃいろ:今回のどこかの国の音楽プレイリストまとめ
└< http://j.mp/xA0gHF
>

数年ぶりにPCを買い替えた。筐体も昨今のスッキリスリムトレンドの中、以前よりデカい。デカい割にはよくまとまってるイケメンかな。64bitのWindows8、タッチパネル対応なメトロUIは、起動しちゃえばデスクトップモードでしか使用しないので、存在すら大して意識しない。操作性に大きな変化はそこまで感じない。

使い道自体、これまでの低スペックマシン時代と変わらないので、マシンが快適に動くのを満喫。併せて長いことアップグレードしていなかったAdobeのCSも思い切ってCreative Cloudで一新。こちらも64bit版が入った訳だがまだそんなに出番なし。あぁ、でも他社製品の某3D画像処理ソフトは快適だった。


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編集後記(02/19)

●上野正彦「自殺の9割は他殺である」を読む(2012、カンゼン)。サブタイトルは「2万体の死体を検死した監察医の最後の提言」。筆者は監察医を30年務めた法医学者で、死体所見から「実は私は殺されたんです」という被害者の声を聞くことができる。「死体は語る」「死体は生きている」「死体は知っている」など著書多数。

「自殺は他殺だ」という考えは経験上、以前から持っていた。表現が乱暴で適当ではないと思っていたから、これまでこういう言い方を控えて来た。しかし、最近いじめられっ子の自殺が増えてきたことで、その思いを変えざるを得なくなった。いじめによる自殺の原因は、間違いなくいじめの加害者側にある。この現状を見過ごすことはできない。「自殺は他殺だ」ともっと世間に訴えていく必要がある。それが本書執筆の動機である。

筆者は解剖を通して死者と向き合う。もの言わぬ死体が「先生、私は自殺とされていますが、本当は死ぬしかないところまで追い詰められたのです。どうかこの無念をわかってください」と語りかけるのが聞こえる。なぜ自殺するまで誰も救いの手を差し伸べられなかったのか、無念さと怒りの感情がふつふつと沸いて来るという。

いじめ自殺をなくすための筆者の提起──自殺原因を徹底追究する。いじめと犯罪を区別する。いじめ自殺は他殺に等しいと考える。「いじめのない学校」ではなく「いじめに正面から取り組む学校」を評価する。いじめは卑劣な行為であることを啓蒙する。いじめの日常化を防止する。「第1章:子どもは決して"自殺"しない」は教育関係者は必読だし、年間3万人の自殺者を出す"自殺大国"となった日本で、広く各分野の人にも読んでもらいたい本だ。

「人間というのは、誰でも自分の意志とは無関係にこの世に生まれてくる。人が生まれてくることに、その人自身の意思は一切関与していない。これと同じように、死ぬときもやはり自然に死ぬべきであり、自殺のように自らの意思で死を選ぶのは不当であると考えている。(略)生あるものはみんな死に向かっている。だから生きている間は、この時間を懸命に生きるべきだと思うのである」──いままで読んだ"自殺をしてはいけない理由"のなかで一番素直に受け取れたのが、この死体と会話できる人の言葉だった。(柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862551599/dgcrcom-22/
>
自殺の9割は他殺である-2万体の死体を検死した監察医の最後の提言


●『Mailbox』続き。[Mailbox]ラベル下のリストに入ったもの(ラベルのついたもの)は、一覧時なら左スワイプで再リスト化、右スワイプで受信箱に戻す、あるいはアーカイブ。メールを開いての作業は、受信箱と同じで削除もできる。

リストの操作は[Mailbox]ラベル下のみで、Gmail上で作成しているラベルへの仕分けはできない。なのでフィルタでラベルをつけておくと便利。受信時に自動的にラベル付けされる。

取引先別、Webサービス別、メモ用途別などのラベル用フィルタを、Mailbox利用前から50個ほど作っている。ショップからのメールは別アカウントで受信しているため、これでも少ない方だと思う。フィルタにはそれ以外にも、受信箱をスキップしたり既読、自動転送などの機能がある。

メインのGmailアカウントには、独自ドメインのものを含め、4つのメールアドレスを集約している。これらはそれぞれ違う署名を登録しているのだが、Mailboxでは1つの署名しか使えず、デフォルトでは「Sent from Mailbox for iPhone」となっていて、設定で変更可能。続く。(hammer.mule)

< http://www.mailboxapp.com/
>
Mailbox。動画あり。いまはGmailのみ利用可能