[3425] 【ポール・デルヴォー展 夢をめぐる旅】を観て

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《空気を読んで表現の自由を自粛(!?)》

■武&山根の展覧会レビュー 
 失恋がその男を画家にさせた
 ──【ポール・デルヴォー展 夢をめぐる旅】を観て
 武 盾一郎&山根康弘

■グラフィック薄氷大魔王[335]
 「ツイートが手を離れること」「隕石と音楽」
 吉井 宏




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■武&山根の展覧会レビュー
失恋がその男を画家にさせた
──【ポール・デルヴォー展 夢をめぐる旅】を観て

武 盾一郎&山根康弘
< https://bn.dgcr.com/archives/20130220140200.html
>
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●いきなり90年代の話


武:こんばんは!

山:こんばんは〜、おまたせしました。えーと

武:そういえばな、昨日「海外からお荷物届いてます〜」って郵便屋さんが来たんですよ。

山:ん? なんや唐突に。


武:「なんだろなー?」って受け取って開けてみたら、本だったんですわ。

山:本? 海外から?

武:毛利嘉孝さんの『ストリートの思想』の韓国版だった。
< http://www.facebook.com/take.junichiro/posts/4663765714419
>


山:へ〜。そんないきなり、いったい誰から送られてきたんや?

武:韓国の出版社かな? あ、届きましたメール出してないや。

山:ストリートの思想ってこの本ね
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140911395/dgcrcom-22/
>


武:僕もエディマン( http://edimantokyo.com/#/books/397/
)から新宿西口地下道段ボールハウス絵画を中心に本にする。迫川尚子さん(写真家・新宿ベルク副店長)も当時の段ボール村の写真集出すんだよね。


山:色々重なってんのか。どうしたんや。

武:90年代ブームw

山:何故また今。


武:今ある現象は90年代に元を辿れるんじゃないだろうか? というのが僕の仮説。去年の12月のチャットレビューでの「会田誠=20年後に美術界に来た「だめ連」?」って話もそうだし。
  < https://bn.dgcr.com/archives/20121212140200.html
>

  坂口恭平さんがホームレスの生活と家を文化として捉えてブレイクしてるけど、元をたどると詩人の小川てつオくんのエノアールや、新宿西口地下道段ボールハウス絵画に行き着くんじゃないのかな? 90年代の動きが今、形は違うけど世に広まってる感っていうかさ。


山:20年経って、か。

武:そうそう。90年代ってやっぱなんか動いたんじゃね?

山:そうなんかな。90年代ってどんなイメージする?


武:80年代って身体を排除していく感じがあるんだよね、90年代にそのより戻しがドワッとくるというか。グランジとかさ、音楽もワイルドに戻るじゃん。「プリミティブに回帰した年代」という印象。身体性の回復とか、泥臭さとか、そういう方向、振り出しに戻った感。段ボールハウス絵画ってまさしくそれだし。

  けど、経済的にはバブルがはじけて疲弊してくので、文化として大きく花開かない。それでも細々と脈々と息を繋いできて、今、別な角度から花が咲いてるというか、咲き乱れてるというか、脈略もごちゃごちゃになって咲いているという感じ。

  グランジ
  < http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B8
>


山:武さんはいまだに経済的に疲弊してるやんw

武:原発爆発して本当のところは結構ヤバいんだろうけど、経済の本当のところもヤバいんだろうけど、俺は気持ちは元気w

山:もうすぐ箱根山が噴火するらしいぞ。


武:隕石は落ちるわ、噴火はするわ、地震は起きるわ、原発は爆発するわ、か。地球から、宇宙から、そして人類自らの手で。。

山:90年代は阪神淡路大震災やしな。


武:ああ、なるほど。それもなんか示唆的だな。あとは宇宙人が登場するかアセンションするかだなw
  < http://www.jp-spiritual.com/2012event1.htm
>


山:これから先も何が起こるんかわかりませんが、とりあえず今日のところはチャットを進めようw さて今回の展示は、先日の日曜日に初台のICCに行ったのですが、なんと、、

武:保守点検日で休館じゃったのだ!! あるか? ふつー


山:凄いタイミングやなw で、何にも見れなかったので、ベルクでコーヒー飲んで世界堂で買い物して、酒も呑まずに帰りました。

武:「休館日:月曜日(月曜が祝日の場合翌日)年末年始(12/28?1/4)保守点検日(2/10)」と書いてあるじゃん!」
  < http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2012/AnonymousLife/ticket.html
>


山:書いてるな。でも当日、このサイト見れんかったんよな。

武:そうそう。なんでだか。

山:保守点検で見れなかったってことか?


武:保守点検日の情報が保守点検日で見れねえなんて、ドイヒー!

山:まさか日曜日休みとは思わへんよなあ。

武:うん。ありえない。


山:なので今日は展覧会レビューなしです! 雑談の回にしましょう! と言うと、編集長に怒られそうなので、どうします?

武:別にそれでも良いぞよw

山:90年代の話をこのまま続けるか。


武:うーん、それはダルいな。しょーがないなんかないかなあ。あ、この間、埼玉県立近代美術館に行ったんすよ。「ポール・デルヴォー展」やってて。
  < http://momas.jp/exhibitionguide/exhibition/ポール・デルヴォー展/
>


山:ちょっと前に府中かどっかでもやってたよな。巡回してるんやな。

武:なんつかね、この2013年に、ポール・デルヴォーを観る意味があるのだろうか? と。

山:意味ってw じゃあなんで観に行くねん。


武:この人1994年まで生きてるんだ!

山:ほんまや。100年近く生きた訳だ。

武:ポールデルヴォーが死んで、俺たちが新宿に絵を描き始めた。まるでデルヴォーの志を継ぐかのように。

山:むりやり意味を作るな!


●デルヴォーの印象


武:デルヴォーって自分の中でどんなポジションだった?

山:そうやなー、ほとんど興味はなかったな、知ってはいたけど。いつか観た絵の印象で、アンリ・ルソーみたいな人なんかなあ、と、ぼんやり思っていた気がする。


武:ビミョーなところにいるよね。澁澤龍彦がなんか紹介してたよなあとか、シュールレアリスムの人? みたいなイメージとか。「趣味っぽい絵」って感じもある。絵面はまあ「ボーッした女性が突っ立ってる絵でしょ」みたいな特徴があるんだけど。それ以上、突っ込んでみようという感じではなかったんすよね。


山:じゃあ、ちゃんと展示で多くの作品を観たことはなかったんやな。僕もないけど。

武:裸婦を描く画家としては藤田嗣治よりかは好みだった、くらいかな。

山:へー。僕は断然フジタやね。


武:俺はデルヴォーの方が好きだったなあ。シュール近辺だからかな、シュールは好きだったんだ、俺。

山:でもシュルレアリストってわけでもないんやな。運動には参加はしてない。シュルレアリスム展には出品してたみたいやけど。


武:そうそう。「シュルレアリスムの詩は私を引き寄せその理論は私を遠ざける」って言ってるんだよね。その気持ちよく分かる。展示で分かったことはいくつかあって、初期は「あの画風」ではなくて、いろんな人の影響を受けて真似っこしてた感じなんだよね。最初からあそこにイッちゃってた人かと思ったら割とフツーの人だった。ポロックもそうだったじゃん。


山:そうやな。普通にデッサンとかしてたもんな。これなんかデルヴォーの初期の作品なんやろうけど、えーと誰やったっけ。モンマルトルあたりにいた画家、、
  < http://goo.gl/Xs4Vb
>


武:モジリアーニ!

山:そうそう。モジリアーニにちょっと似てる。

武:パクリじゃん!的なw

山:流行もあるんやろうけど。


●初恋の女性、通称「タム」


武:いろんな人の画法や画風を真似てからデルヴォーの絵になる。そのきっかけは何か。ポイントはこれだと思うんだけどね。

「その女性の名は、アンヌ・マリー・ド・マルトラール。デルヴォーが32歳の時に出会った、初恋の女性です。彼の初恋は残念ながら実りませんでした。それは、彼の母親が猛烈に反対したからです。」
< http://island.geocities.jp/hisui_watanabe/art/artist/delvaux/delvaux.html
>


山:32歳で初恋、ってあるかね。いくら内気だったとは言えども。

武:あるんじゃね? ネットでは「非モテ」ってよく見かけるよ。30代童貞、異性と付き合ったことない人って案外多いってこと。それはいつの時代も一定量いる、と。


山:ん? 童貞だからって恋をしてない、ってことではないやろうに。付き合ったことがないとかじゃなくて、初恋って初めて人を好きになった時のことなんとちゃうんかいな。

武:だから本当に初恋なんでしょ。なおかつ相思相愛になったんだよ。


山:そうなんかな。まあとにかく母親の大反対で、それは実らなかった訳だ。

武:憂鬱そうなあの女性たちはみな「タム」なんですよね。失恋からデルヴォーの画風が安定してくる。

山:絵の中の女性ね。もう有り得ないぐらい好きやったんやな。


武:すごい執着だよね。ずっとタム描くんよ。

山:なかなかそんなに思い続けらんない。

武:デルヴォーは思い続けてるよな。


山:ずーっと描いてるわけやからな。現実には恋に破れているのに。

武:母親に別れさせられたから尚更なんだよね。

山:あーそっか。自分の意志でも相手の意思でもない。


武:二人で付き合って、厭な部分を見たり幻滅したり喧嘩したりして、別れたわけじゃないからね。

山:そうね。

武:彼にとって母の意向は神の意志くらい絶対だったんだろうね。ウルトラスーパーマザコン。


山:さっきのサイトによると、母親は死ぬ間際まで言い続けてるからな。二度とタムと合うな、と。なんでそこまでw

武:すごい独占欲だよね。母。で、デルヴォーは母の言いつけ通り違う女性と結婚しちゃう。本当に好きなら独身通せよ的な突っ込み入れたくなるww

山:無理矢理結婚したってことなんやろか。

武:親や社会慣習には無抵抗なんだよね。それがあの閉鎖的で憂鬱な世界観に繋がるんかな、、

山:ボンボンで内気でマザコンである意味変態、、わかりやすいっちゃわかりやすいw


武:で、絵に登場するモチーフは繰り返し執拗に絵かがれるんだよね。汽車とかランプとか。デルヴォーは「鉄ヲタ」なんだよね。

山:あと骸骨か。そういったところが、「趣味性」を感じさせるところなんやろね。


武:ボンボンで内気でマザコンで鉄ヲタで粘着で30歳で童貞。

山:大変やな〜。でもほんまに童貞やったんかな。

武:タムが初めての女性だとしか思えないよ。


●失恋と幸福と絵


山:あれだけ束縛の強いあの母親やとしょうがないんかな。で、恋と性に目覚めて、確固たる絵の方向性が決まってきたってことになるんやろか。

武:失恋がその男を画家にさせた。タムと無理矢理別れさせられなければ、デルヴォーはずっと誰かの真似っこだったと思うよ。


山:ほう、そうなんかな。

武:で、さらに何が凄いって、49歳でタムと偶然再会するんだよな。

山:どんな運命やねんw

武:離婚してタムと結婚するんだよね。


山:ここで母親の言いつけを初めて破るわけか。

武:齢50にして初めて大人になったんだね。

山:母親も亡くなってからだいぶ経ってるし、画家としての地位も安定してたんやろうしな。


武:タムと結婚してから絵が枯れたとかいう話は聴いてない。失恋という絶望がデルヴォー独特の世界を形成させたかも知れないが、じゃあ恋が成就して幸福になったからといって絵がダメになったかっつうとそうでもない。幸せになると表現辞めちゃう人もいるからさ。


山:そうやな。ということはどういうことやろ。

武:描く世界が出来上がってたってことかな。「なきタムを思う絵」が完成したのを待ってタムと再会する感じだもんね。


山:なるほど。そうすると、世界観を形成するきっかけであったタムに再会することによって、さらにその世界観が強固になる、とかもあるかもな。

武:それはあるだろうなあ。思い続けた恋人には再会するわ、絵の世界は更にパワーアップするわ、個展の仕事は入るわ。

山:いいこと尽くしやん。ノリノリやろなw


武:タムを思い続けながらひたすら描いた15年が花開くわけだ。タムとの再会で画風が激変するわけではないってのも面白いよね、安定するんだね、仕事もプライベートも。幻想画世界を自由に描いて行く感じになるのかな、がらんどうの女性と荒涼とした風景と電車とかランプとか、定番のアイテムをちりばめて。なんかいいなあ、羨ましい。タムが死ぬまで制作は続けられるんだよね。先にタムが死ぬってのも凄いけどね。


●絵の中のデルヴォー


山:デルヴォーって、ずっと同じようなモチーフを描き続けてたわけやけど、狂気性みたいなものは絵からあまり感じられない、気がする。「束縛の強い母親に対する一見矛盾した愛情、そして最愛の女性に対する愛情、この二つの愛情の狭間で苦しみ、精神を病みながらも独自の世界観を形成する」なんてのが、芸術家が語られる時によくありそうだけど、そういうのないんやな。


武:狂気というより趣味性なんだよね。静かな憂鬱。今回の展示は下絵と完成が観れたんだけど、下絵には情念というか、もっと自分が出てる感じがした。下絵の方が俺は好きだ。

山:なるほどね。


武:下絵にはハットを被ったシルエットのオッサンが登場する。あれはきっとデルヴォーなんだろうな。完成作品にはそのオッサンいない。下絵では絵の中に自分がダイブしてるんだけど、部分を決めて行ったり、完成させるプロセスでだんだん他人事のような絵面になっていき、自分は絵の世界から出て行って絵が抜け殻になると完成。みたいな感じ。


山:今はドローイングも作品として認知されるわけだけど、当時の近代絵画は、タブロー(作品)>下絵(デッサン、ドローイング)やから、タブローではそういう部分を見せないように作る、って考えがあったかもね。


武:なんだろな、タブローはちゃんと亡骸にするのがデルヴォーの制作プロセスだったんだなあって。なんとなく分かる気がするんだ。熱を奪って行くというか。「下絵は熱いんだけど、完成品は冷たくさせる。」ってよくあるよね?


山:まあ、それが普通なんかも知れんけど。

武:てことは普通の描き方だったってことかww

山:ドロッとした部分は見せない、って言うのが普通やったんとちゃうんかな。その後の絵画の流れはドロドロしたもんも出していくんやろうけど。


●晩年の絵


武:デルヴォーの描く女性は抜け殻みたいになってるけど、最晩年、絶筆かな? の絵が展示されていて、女性が生きてるんだよw

山:どういうこと?


武:デルヴォーの描く女性は生きてないでしょ。

山:人形やな。

武:そうそう。だけどそういう制御がなくなっちゃったのか、描かれてるのは「生きてる女性」だったんさよ。


山:それはデッサンとかではなく、タブロー?

武:そうそう。女性が人形になるように、風景ががらんとした静寂と憂鬱になるように、情念やドロドロを制圧してくのが仕事なわけじゃないですか。最晩年はそれがなくて、どこか生命感と直結しちゃってる感じで、生き生きしてるんだよw

山:どうしてしまったんやろw


武:「あー、なるほどなー」ってなんか思ったよ。「表現とは抑圧である。」って言えるよね。ちょっとこんがらがるけど、表現という形式にするには自分の欲望を制御する必要があるわけで、その「表現の抑圧」がなくなってしまったって感じかな。「あー、なるほどなー」ってなんか思ったよ。二回言うけどw


山:なんでなくなったんや。年のせいか、それとも新たな境地か。絵を観てないから何ともわからんが。

武:90歳も超えるとあのように世界が見えるのではないだろうか? ただのやっつけ仕事にしか見えないんだけどね。


山:手がもう動かなくなってきただけ、とかね。でもなんで「なるほどなー」なんや?

武:これ見てごらん。
  < http://goo.gl/pcNTo
>

山:なるほどねー、、あ、僕も言ってもうたw


【ポール・デルヴォー展 夢をめぐる旅/埼玉県立近代美術館】
< http://goo.gl/TOCa4
>
会期:2013年1月22日(火)〜3月24日(日)10:00〜17:30 月休
観覧料:一般1100円、大高生880円

【武 盾一郎(たけ じゅんいちろう)/僕の絵を買ってください!】
額を僕に送ってください! 線譜を描いて額に納めてお返しいたします!
例えば、葉書大くらいで1万円+送料です!
facebookページ < http://www.facebook.com/junichiro.take
>
Twitter < http://twitter.com/Take_J
>
take.junichiro@gmail.com
武盾一郎の画家活動を応援してください! ご支援受付けております!
[埼玉りそな銀行 上尾西口支店 普通 4050735]

【山根康弘(やまね やすひろ)/日本酒解禁】
yamane.yasuhiro@gmail.com


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■グラフィック薄氷大魔王[335]
「ツイートが手を離れること」「隕石と音楽」

吉井 宏
< https://bn.dgcr.com/archives/20130220140100.html
>
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●ツイートが手を離れること

会田誠氏の作品に多くのツイートが「無断使用」された件。詳しく調べてはいないけど、Twitterにも使用許可を求めてもいないそうで、法的にどーこーというのはよくわからない。っていうかそのあたりは置いといて。

誰が書いたかわかる状態で「全世界」にすでに公開されてるツイートが、特定の場所で公開されるのがイヤ、というのはちょっと奇妙な感じ。何かの主張の象徴として「ツイートの集合体」に含まれて利用されるのはイヤってのはわからなくもない。逆にアイコンなしで書き手をわからなくされていたら怒る人もいるかもしれない。

「自分のツイートがネットの外部に取り出されて利用されるなんて聞いてないよ!」って感じもあるかな(ただ、最初のTogetterまとめでは「芸術家が自分の商売のために他人のツイートを勝手に使うのはいかがなものか」のニュアンスが大きかった。それはちょっとなあ)。

誰かに何かの主張の道具として利用されるってのはTogetterだってそうだし、そもそもリツイートだって引用だってそうだ。ってことは、ツイートボタンをクリックした瞬間に自分の手を離れると覚悟するしかしょうがない(公式リツイートなら元発言を削除できるけど)。

手を離れるってことは、どういう解釈されても誤解されて何かアクション起こされてもしかたないってこと。実はかなり恐ろしいことだったりする。インターネットの初期にさんざん脅かされた「今お前が書いたことは、全世界に発信されてるんだぞ! いいのか?」ってこと、今ちゃんと常識になってるのかな??なってなさそうだなあ。

僕も毎日くだらないツイートを書き飛ばしてるけど、ときたま猛烈にツイートしたくても「これ書いたらマズい!」ってガマンすることがある。有名人に対する軽口っぽいツイートをして本人から突っ込まれてあたふたしたりとかあったし。衝動を抑えきれずツイートしてから削除することもよくある。

その意味では相当に自制が効いてきたとは思う。それはひょっとすると「空気を読んで表現の自由を自粛」してるのかもしれないけど、脊髄反射で書いた発言に自分で責任とれないし、議論吹っ掛けられるのもイヤだし。......って、ブログだってデジクリ連載だって同じなんだけどね。

先週2月12日、「遠隔操作逮捕」についてツイートしたら、1900を超えてリツイートされたんですよ。普段はせいぜい数10リツイート、過去3年間の最高でも200リツイートくらい。数100リツイートを超えると、もうなんか完全に手を離れちゃった感じで、変なとばっちりが来ないかこわくなる。実は数日間ビビッてた。↓

「遠隔操作逮捕の件で、マスコミや警察がコンピュータやプログラムについての無知・無理解ぶりを盛大に晒してるらしいですけど、たまたま僕らがパソコン関係多少わかるから突っ込めるわけで。他の全てのジャンルに対してもその程度の理解でメチャクチャ言ってるということなので、たいへんおそろしい。」

●隕石と音楽

1万トンってすげ〜巨大隕石! と思ったら直径17メートル。全部鉄だとそのくらいか。1万トンっていうと巡洋艦くらいのでかさ! って一瞬思ったけど、船は水に浮くくらいで中身はほとんど空気って考えりゃ、巡洋艦をスクラップのプレスに入れて押し固めたサイズって17メートルくらいで合ってそう。

ところで、隕石が光る動画もそうだったけど、外国の車載カメラ映像で音楽がかかってたりおしゃべりしてたり、日常の車内の様子がすごく好き。世界中どこも似た感じなんだなあって。地域で流行してるだろう国際色豊かな音楽のラジオだったり普通にラップミュージックだったり、庶民が世界中どこも変わらず生活してる感がとてもいい。

●Mac版「Yahoo!ボックス」

出た! Mac版待ってた! サービス終了するクオンプの代替にできるかな?
< http://ascii.jp/elem/000/000/765/765410/
>

さっそく登録して無料版を使ってみた。手軽、速い、いい感じ。有料は1000GBまで予定されてるらしい。月額399円のYahoo!プレミアム会員は50GBが無料で使える。今後予定の1,000GBが通常価格1,000円が300円。1TBだぞ。むむむむ。とりあえずプレミアム会員になってみた。いきなり50GBタダ!

数日間使ってみてるけど、最初の印象は変わらない。Mac起動時にYahoo!ボックスアプリが立ち上がり、Finderのフォルダと同じ手軽さで使える。The Daily Workのアーカイブを6GBもアップしてみたけど、軽々とアップロードできた。

共有フォルダはファイル受け渡し用にも使える。パスワードを使わない公開URL発行方式。クオンプでは共有フォルダが10個までの制限やパスワードや期限もあってちょっと面倒だったけど、Yahoo!ボックスではそのへんすごくラク。1TBサービス開始が楽しみ!

●感心な店員2名

成城学園駅の三省堂の店員、えらい。ポリ袋を留めるテープの端が折り返してあった。テープ剥がすのたいへんなんだよいつも。こうしてくれると助かる。今までいろんな書店を利用してきたけど、折り返してあったのは始めてでした。

デザイン事務所時代に、版下とかイラスト原画とかのトレペや袋など、剥がす必要があるセロテープは全部折り返しておくと教わって、それが今でも習慣になってる。なので、折り返してないセロテープは「不親切!」って思っちゃうのだ。

あと、銀座伊東屋(仮店舗)でグループ展用にピッタリの画鋲を見つけたんだけど、1ケースに何個入ってるかわからない。店員に聞いたら「カタログに載ってるか調べてきます」。しばらく待ったら「カタログに詳細載ってました! 60個です。念のため、ケースを開けて数えてみました。ちゃんと60個入ってました!」って。

えらい!! 最近はイマイチなことが多かった伊東屋だけど、まだちゃんとした店員はいる! がんばれー。基本的に伊東屋ファンです。

○「Digital Creator 23人展」まだやってます
会場:山脇ギャラリー(東京都千代田区九段南)
会期:2013年2月15日(金)〜2月26日(火)11:00〜18:00 日休
< http://yamawaki-gallery.com/?p=2857
>

【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com
>
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
>

残ってる習慣、他にもいろいろ。僕のいた事務所だけかもしれんけど、定規や筆記具をアルコールで拭く習慣。手の触れるところ全部を拭く。ソルベントペコペコ、いまだに常備してますw 主にシールや両面テープ剥がし用。あと、鉛筆をカッターナイフで削る習慣もそうか。

○iPhone/iPadアプリ「REAL STEELPAN」ver.2.0がリリースされました。
「長押しロール」のオン・オフ切り替えスイッチを追加しました。
「オフ」ではレスポンスが速くなるので、素早い演奏が可能になりました。
REAL STEELPAN < http://bit.ly/9aC0XV
>
○「ヤンス!ガンス!」DVD発売中
amazonのDVD詳細 < http://amzn.to/bsTAcb
>


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編集後記(02/20)

●SF映画「プロメテウス」DVDを見た。「人類最大の謎 それは人類の起源 人類をつくったのは神ではなく 進化でもDNAでもないのか」とかいう予告編ムービーと新聞広告しか見ていなかったため、そんなめんどうくさい話は敬遠したいと思ったが、「エイリアン」の原点みたいなものだという情報もあり、ともかく見てみるかと。嗚呼、イントロから意味不明。でも、その後はなんとかストーリーについていけたし、映像もすばらしく、なかなか面白かった。

あとからWikipediaを見ると詳細なストーリーが掲載されていた。これを読んで初めてストーリーが理解できた。こんな話だったのか。ちょっと違う捉え方をしていた。イントロの意味もわかったが、初見でわかる人はいるのだろうか。まあ、見終わってから理解する人はいるだろう。わたしはダメだったけど。タイトルからしてこの映画には多くの隠喩が仕込まれている。深読みするとさらに面白いのだが、わたしはこの未知の惑星における戦慄の出来事を見つめるだけで満足だ。

公式サイトを見ると「エイリアンの原点 すべての謎が明らかに」と堂々と書いてある。この映画は「人類の起源」ではなく「エイリアンの起源」を見せるものだった。笑っちゃうほど不死身の女科学者(地味顔だけど)、思考や行動が謎のスーパーアンドロイド、この二人は続編にも出るという。でも、「エイリアン」とどうつなげるんだろう。また「ブレードランナー」続編にもつながっているともいう。

ネットでは「プロメテウス」の謎の多い展開に対する見解やツッコミ、酷評など多く見られるが、そのエネルギーはすごいものがある。ストーリーを克明に書き出したサイトもある。何度もDVDを見直さないと指摘できないだろう。もう一回見ようかな。今度は吹き替えでなく。ブルーレイの特典映像は11時間とか。欲しい。ブルーレイディスクプレーヤーも欲しい。ということはフルハイビジョンテレビもか。このさい、「エイリアン」も見直すかな。(柴田)

< http://www.foxmovies.jp/prometheus/
>
「プロメテウス」公式サイト
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B009NPC70O/dgcrcom-22/
>
「プロメテウス」DVD


●『Mailbox』続き。Gmail本体に登録してある署名がつかないため、リストには「要作業」「要調査」「返事待ち」と並び「要返答」を作成。返事はWebブラウザかGmail公式アプリから。近しい人にはそのまま返答しちゃうけど。

たくさんたまってきてどうにもならなくなったら? リストの一番下に受信箱内のメール数が表示されていて、この一行を右にスワイプ、左にスワイプで、一括処理が可能。

アーカイブ、削除、延期、リストによって、Mailboxの主旨である受信箱ゼロが実現したら、「You're all done」の文字とともに、日替わり写真がメールボックスのロゴでもある受信箱の形に切りぬかれて表示される。タップすると写真全体が見られる。続く。(hammer.mule)

< http://www.mailboxapp.com/
>
Mailbox。動画あり。いまはGmailのみ利用可能