[3457] ええとこやでおいで

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《アベノミクスがアホノミクスにならないように願ってますが》

■まにまにころころ[31]
 ええとこやでおいで(その3)
 川合和史@コロ。 Kawai Kazuhito

■クリエイター手抜きプロジェクト[350]映像編
 今度は4Kカメラ(2)
 古籏一浩

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■まにまにころころ[31]
ええとこやでおいで(その3)

川合和史@コロ。 Kawai Kazuhito
< https://bn.dgcr.com/archives/20130408140200.html
>
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まいどー。お花見にも行き損ねてしまった川合です。今年は早かったですね〜。早かった上に、とどめを刺すように週末は嵐だったようで。でも大丈夫、大阪にはお花見シーズンは二度やってくるんです。ソメイヨシノのお花見時期から少し遅れて、「造幣局の通り抜け」と呼ばれるお花見イベントが。今年は来週16日の火曜日から22日月曜日までの7日間開催されます。

・造幣局 桜の通り抜け
< http://www.mint.go.jp/enjoy/toorinuke/sakura-osaka.html
>

実は大阪にずっと住んでいながら、行ったことなかったんですけど。(笑)

造幣局があるのは、大阪市北区。駅で言うと、大阪市営地下鉄谷町線の天満橋、南森町、JRの大阪天満宮、大阪城北詰、それぞれの駅から徒歩15分ほど。どの駅からも均等に遠い立地です。徒歩15分で遠いなんて言ったら怒られますが、都会っ子には十分遠く感じる距離なんです。地下鉄ひと駅分くらいですもの。

◎──大阪市浪速区・天王寺区・阿倍野区

さて、造幣局の話から始まりましたが、今回も大阪話。北区、中央区に続いて、今回はさらに南に下って浪速区・天王寺区・阿倍野区へ。

浪速区は前回も少し出てきましたが、難波から大阪の日本橋でんでんタウンのあたりが浪速区です。元は旧南区から別れて出来た区だそうで、難波や日本橋をぶらぶら歩いてるといつの間にか浪速区に入っていたりします。この浪速区、日本で一番面積の小さな行政区とのこと。

でんでんタウンを南に抜けてさらに進むと、通天閣を擁する「新世界」と呼ばれる地域になります。このあたりは明治に開催された第5回内国勧業博覧会、まあ万博のようなイベントで拓けた土地で、博覧会跡地に建てられたのが、当時は東洋一の高さを誇った通天閣と、遊園地ルナパーク。

「ルナパーク? なにそれ?」と思われた大阪の方も多いんじゃないでしょうか。あったんですって、遊園地が。しかも通天閣との間にロープウェイが架かっていたんですって。

大正時代には不振から閉園されているので、大阪の方にも、あまり知られていないと思います。「ルナパークって知ってる?」と聞いても、「まつむらまきおさんのコミック?」と聞き返されそうです。

フェスティバルゲートといい、あのあたりは遊園地不毛の地なんですね、きっと。遊園地ではありませんが、スパワールドにはまだまだ頑張って欲しいところです。

ルナパークだけでなく通天閣も実は昭和初期に一度姿を消しています。火災で脚部がやられたのを機に、解体して軍需資材になりました。今の通天閣は戦後に再建された二代目で、場所も形も少し変わっています。初代の通天閣は、あの松下幸之助(当時17歳)が配線工として建設に参加されていたそうですよ。

通天閣の話はまだまだ尽きないくらいに色々エピソードがありますが、それは実際に訪れつつ調べてみてください。通天閣界隈、新世界は、大阪でもかなりディープな観光スポット。

いや、観光スポットと言っていいのか悩むくらいに、濃いエリアです。どんどん観光地化が進んだ今も、まだまだ濃さは健在というか、やっと観光客が訪れても大丈夫なレベルになったというか。

新世界は、JRで言えば新今宮駅が最寄りですが、私が高校生の頃、好奇心から新今宮駅で降りて駅の周りに出たと言ったら、両親にひどく叱られた覚えが。

当時はもうフェスティバルゲートが開園するかしないかくらいの時代でしたが、親にしてみればまだまだ高校生が立ち入るには危険すぎる場所との認識だったようで。実際、危険な雰囲気だったので、駅を出てすぐ引き返しました(笑)。

・フェスティバルゲート
< http://ja.wikipedia.org/wiki/フェスティバルゲート
>
・新世界ネット
< http://shinsekai.net/
>

そんな新世界をJR天王寺駅のほうに抜けて進んでいくと、阿倍野区になります。天王寺区があるのに、天王寺駅は阿倍野区です。境目くらいですけどね。

「天王寺」は、聖徳太子が建立した「四天王寺」に由来する地名ということで、天王寺区の中心は天王寺駅から見るともう少し北側になります。JRでいえば、最寄り駅は天王寺駅なんですけどね。

JR天王寺駅、近鉄大阪阿部野橋駅の辺りは阿倍野区。阿部野だ阿倍野だと漢字が定まらない地域ですが、地名の由来は、古代にこの辺りを治めていた豪族の阿倍氏からとする説が有力で、平安時代の有名な陰陽師、安倍晴明が生誕したのも阿倍野区阿倍野元町とされています。生誕の地には安倍晴明神社があり、戦時中、焼夷弾が落とされたものの爆発せず、戦火を免れたそうです。すげー。

安倍晴明神社があるのは、天王寺駅から少し南に行ったあたりで、最寄り駅は、阪堺電気軌道(阪堺電車)の東天下茶屋駅。路面電車(チン電)の駅です。

阿倍野は大阪のキタ、ミナミと並ぶ大阪第三の繁華街で、来春には、地上300mと日本一高いビル「あべのハルカス」が開業予定。ハルカスに先立って、その周辺も次々と再開発が進んできたエリアで、大阪の三大繁華街はまさに大戦国時代といった様相です。

とはいえ、地域のカラーが少しずつ違い、棲み分けが上手くなされている印象ですけどね。ただ、それぞれが擁する「百貨店」は、ガチバトルがさらに激化していく模様。あべのハルカス(近鉄百貨店)の開業で、ここ10年続いてきた大阪百貨店戦争は最終局面を迎えます。主戦場はキタでしたが、ハルカスの登場がどう影響を与えるのか、楽しみです。

・四天王寺
< http://www.shitennoji.or.jp/
>
・安倍晴明神社
< http://abeouji.tonosama.jp/abeseimeijinja/
>
・あべのハルカス
< http://www.abenoharukas-300.com/
>

◎──大阪百貨店戦争

せっかくなので、少し話は逸れますが、大阪百貨店戦争のお話を。開戦の兆しは、2004年。奇しくも松坂屋天満橋店が閉店したその年、東京から三越が攻めてくるとの報に緊張感が高まったことが発端。大阪勢は迎撃態勢を整え始めました。

三越が攻めてくるとの話はそれ以前からもありましたが、先にヨドバシカメラが進出、三越の話はいったんは落ち着いたものの、先に大阪に進出していた、ビックカメラと共に大阪の家電業界を塗り替え、でんでんタウンを衰退させた東京勢の力を目の当たりにして、百貨店業界の危機感も高まったことでしょう。

そこに、いよいよ今度こそ三越が来るとのことで、既存の各百貨店も増床などのリニューアル計画を次々と発表、特に阪急うめだ本店のフルリニューアルは、最大の火力をもって三越に照準を合わせるものでした。

JR大阪駅にJR大阪三越伊勢丹が開業したのは11年春。阪急うめだ本店が売り場を縮小しながら工事をしていた時期でした。阪急が全面開業したのは、約1年半後の12年冬。満を持して火蓋を切ったこの戦いは、今の時点ではどうやら、阪急が勝利を収めそうだと評価されています。

これは阪急の勢いもさることながら、三越伊勢丹が、隣に同時開業したルクアに食われたことも一因でしょう。客層と時流を読み違え苦戦していると言われています。ルクアは百貨店ではなく、ファッションビルという扱いですけどね。

百貨店とファッションビルという話では、ちょうどその中間くらいに位置づけされるマルイが難波に進出したのが06年。高島屋大阪店の斜向かいでゲリラ戦を展開しています。ミナミではその間、そごう心斎橋店が二転三転の末に大丸に買い取られています。

阪急vs三越伊勢丹戦の水面下では、阪急阪神と高島屋がタッグを組んで、有力テナントの出店を阻んだとの話もあります。高島屋が新宿に進出の際に伊勢丹からされたことを、そのままやり返したそうです。(笑)

なお阪急の攻勢に対して、三越伊勢丹は大丸に歩み寄りタッグを。今週10日の水曜日からは、コラボ企画のフーズフェスタが共同開催されます。

・うまいもん対決!大阪春の陣10番勝負
< http://osaka.wjr-isetan.co.jp/floorevent/1304foodsevent/
>

キタでは、今月開業のグランフロント大阪も戦況に影響を与えそうです。一方阿倍野では、11年開業のキューズモールがそこそこ活況で、ハルカスの開業で相乗効果を見せそうです。

キタの阪急、阪神、三越伊勢丹、ルクア、グランフロント大阪、ヨドバシ梅田、大丸、ミナミの高島屋、マルイ、大丸、阿倍野のハルカス、キューズモールと、百貨店、商業施設が熱い戦いを繰り広げる大阪。どう考えても供給過多なので、どうか皆さん、ガンガン大阪に来てください。ほんと、お願いします。

・グランフロント大阪
< http://www.grandfront-osaka.jp/
>
・キューズモール
< http://qs-mall.jp/
>

◎──興味の範囲を広げよう

三回にわたって大阪の話を書いてきましたが、いかがだったでしょうか。大阪の話というか、地域的には「大阪市の話」で、大阪全体のごくごく一部の話です。本当は大阪府の他の地域の話も、もっともっと書きたいところですが、あまり続いても飽きられるかなと、今回で大阪話はいったん終わります。

今回、大阪の話をあれこれ書いたのは、ひとつは他府県の方に、大阪をもっと知っていただきたかったから。もうひとつは、大阪の方に、改めて大阪のことを知っていただきたかったから。それと、さらに他にまだ理由があって。

一連の話、大阪の人にとっても、いくらかは知らなかった話があったのではないかと思います。私自身も、書くにあたって調べたことで知ったことが、いくつもありました。地域には、今に繋がる歴史や文化があれこれ存在します。

住んでいても知らないようなこともたくさんあって、知るほどに魅力も増していきます。まあ良い話も悪い話もありますが、それでも好奇心を刺激します。

前に、大阪と言えば道頓堀に通天閣、アニマルプリントのおばちゃんと書きましたけど、大阪にも、他の土地にも、ステレオタイプのイメージだけではない、色々な事柄があって、それらが複雑に絡み合って、その土地を形成しています。

馴染みのある地域を、また馴染みのない地域をもっと知りたいという欲求を、どんどん広げていって、土地土地の魅力に触れていくことで、自分がいる地域に誇りを持つと同時に、他所の地域に敬意を持つことに繋がるのではないかと。

その興味の範囲を、世界にまで広げていけば......少し世界平和にも繋がるんじゃないですかね、なんて。ちょっと話、大きすぎ?

それでも、悪いことはないと思うので、これを機に皆さん、たまにそんな話も思い出してみてください。

ほな、またー!

【川合和史@コロ。】koro@cap-ut.co.jp
合同会社かぷっと代表
< https://www.facebook.com/korowan
>
< https://www.facebook.com/caputllc
>


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■クリエイター手抜きプロジェクト[350]映像編
今度は4Kカメラ(2)

古籏一浩
< https://bn.dgcr.com/archives/20130408140100.html
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前回に続いて4Kカメラ(RED Scarlet-X)です。今回は、素材として配布しようと試行錯誤した時のことを書きます。

SSDに記録された映像データのファイルサイズを見ると1GBとか3GBとか、これまでとは桁違いになっています。なお、4KといってもREDのカメラでは2種類設定でき、4090×2160(4K)と3840×2160(4K HD)があります。

実際に撮影したのは4K HDで3840×2160ピクセルサイズの方です。少しでも撮影時間を稼ぎたいからです。

撮影時間を稼ぎたいという理由は、ファイルサイズが関係しています。ほぼデフォルトの記録設定でも、約90秒で4GBのファイルサイズにまでなります。そのまま継続して撮影すると、4GB単位でファイルが分割、記録されていきます。

素材で配布する場合、4GBサイズでもかなり無理があります。何分でダウンロードできるというレベルではなく、何時間でダウンロードできるか、というような状態になります。ということで、なるべくファイルサイズを小さくしたいわけです。

ファイルサイズを小さくするには、コーデックをH.264など他のものにする方法もあります。そこでH.264やDPXなど試してみました。

H.264はエンコードに時間がかかりすぎる上に、映像が劣化します。ファイルサイズも大きい状態です。DPXも試してみましたが、1GBのRAWデータが10GB近くにもなったりしたので途中でやめました。

AvidのDNxHDがよいとWebに載っていたので、MacProに入れてみました。すると、QuickTimeの様々なコーデックが、選択できなくなるという悲惨な状態に。

やはり似たような状態になった人がいたようで、解決方法が載っていました。起動ディスク>ライブラリ>QuickTimeフォルダ内にあるAvidAV1xCodec.coponentといったAvidで始まるファイル一式を削除すると治ります。

結局、4Kサイズでベストなコーデックが見当たりませんでした。策定中っぽいもの、普及するかも(普及させる予定?)みたいなのはありましたが、今配布できるコーデックはありませんでした。

そこで、考え方を変えて4K RAWデータをそのまま配布することにしました。その方がメリットが大きいと判断したからです。メリットを以下にあげます。

(1)編集が不要
(2)ファイルサイズが小さい
(3)映像は撮影時のままで変換による劣化がない
(4)使う側はRAWデータで処理できるので自由度が高い

デメリットとしては、撮影時に気を配らないといけないところです。本当はリモコンで操作できればよいのですが、これもお金がないと駄目です。6万円くらいするようで。おまけにアベノミクスで円安になったせいで、価格が上昇してしまうというオチ(REDはカメラや部品を注文すると、輸入するのでその時の為替レートに左右される)。

他にいろいろな仕事していると、(1)の編集が不要というのは相当なメリットがあります。編集時間が0なので、ファイルコピーとサーバーに転送する時間だけですみます。おまけに、その間はコンピュータまかせなので他のことができます。

(2)のファイルサイズが小さいというのを、RAWなのにどうして? と思った人もいるかもしれません。これには仕掛けがあって、REDのカメラのRAWは圧縮されたRAWデータです。

つまり、圧縮率を高くしたり低くしたりできるのです。どうも、ここらへんが特許(RAWデータなのに圧縮する)らしいというのも、Webでちらっと見たような記憶があります。

(3)と(4)は使う側にとっては大きなメリットです。たまに非圧縮データが欲しいというメールが来るのですが、最初から未編集のデータならメールが来ないはずです。これでメールでやりとりする時間が減ります。

ということで、4K映像はREDのRAW形式で配布するしか方法がなかったということになったのでした。


【古籏一浩】openspc@alpha.ocn.ne.jp
< http://www.openspc2.org/
>

4K映像があるからといって、何かメリットがある人というは少ないかも。何にしてもカメラもマシンも重い......。後はアベノミクスがアホノミクスにならないように願ってますが。円安になるとガソリン代があがるので、テレビでのバブル報道とは全く逆で苦しくなるというオチになってます。

・4K HD フリー映像素材
< http://footage3.openspc2.org/HDTV/footage/4K/30f/
>

・Nexus 10(アンドロイドタブレット)使い方辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/Android/Nexus10/
>

・Kindle Fire HD使い方辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/Kindle/Fire_HD/
>

・Nexus 7(アンドロイドタブレット)使い方辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/Android/Nexus7/
>

・iPad mini(アイパッドミニ)使い方辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/iPad/mini/2012/
>

・JavaScript逆引きハンドブック
< http://www.amazon.co.jp/dp/4863541082
>

・改訂5版JavaScriptポケットリファレンス
< http://www.amazon.co.jp/dp/4774148199
>

・ハイビジョン映像素材集
< http://www.openspc2.org/HDTV/
>

・クリエイター手抜きプロジェクト
< http://www.openspc2.org/projectX/
>

・Adobe Illustrator CS3 + JavaScript 自動化サンプル集
< http://www.openspc2.org/book/PDF/Adobe_Illustrator_CS3_JavaScript_Book/
>
吉田印刷所の「印刷の泉」でも購入できるようになりました。


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編集後記(04/08)

●吉川英治文学賞を受賞した小池真理子「沈黙のひと」を読んだ(文藝春秋、2012)。直木賞を受賞した「恋」など恋愛小説で知られる作家だが、わたしが読んだのはホラー「墓地を見下ろす家」たった一冊だ。「沈黙のひと」とは、4年前に85歳で亡くなった実父をモデルに、一人の男の生と死を描いた小説だ。

父が残したワープロで書いた覚書(秘密の日記)、出した手紙、その下書き、父あての手紙、新聞に投稿していた短歌などを読み返しながら、心に浮かんだことを連ねて物語に構成したという。語り手の「衿子」が小池真理子本人に重なって来るが、もちろんこれは私小説ではない。「若い頃は学徒出陣、老いてはパーキンソン病で10年苦しんだ父の一生を再現したかった」という、小池真理子にしか書けない小説だ。

その父は、生涯にわたって二人の女を苦しませた男として描かれる。晩年、彼はパーキンソン病を患い、手足の自由を失なった。さらに脳梗塞の発作後、意思の疎通がほとんどできなくなった。認知症ではないので、内でまともな思考はできる。しかし表現できない。もどかしい。なんという残酷な罰であろう。父は文字通り沈黙の中に、まさにだるまのようになって沈み込むしかなかった。

父の短歌仲間である気品に満ちた心優しい女性・小松日出子との往復書簡や、衿子が実際に本人と会うサイドストーリーは感動的だが、これはほとんど創作だろう。それにしても、これほど優しい、思いやりのこもった手紙を読んだことがない。熱いものがこみあげてくる。泣きながら読んだ。引用される短歌はすばらしいと思う。手紙も短歌も創作か、小説家おそるべしと思ったら、あとがきによれば、父の作という短歌は実父の実作、小松作は短歌仲間の羽場百合子さんが実際に詠んだものを、作者の了解を得て引用したとあった。

筆者は新聞のインタビューで、遺品からアダルトビデオや性具を見つけて父の知られざる一面を知り、それを愛おしく思ったと言う。そして、エッセーに書きたいと考え、親しい編集者に相談すると小説化をすすめられたと打ち明ける。「沈黙のひと」にそれらを見つけて驚く場面が出て来る。しかし、なくてはならないエピソードとは思えない。父は娘がそんなことを公開するのを望んだであろうか。まことに小説家は業が深い。(柴田)

< http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784163758404
>
文藝春秋 沈黙のひと 冒頭の9ページの立ち読みあり
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163758402/dgcrcom-22/
>
沈黙のひと


●阪神百貨店もリニューアル。阪急百貨店とヨドバシが陸橋でつながるのは2015年予定。移転した新歌舞伎座の隣に位置する近鉄上本町店は、杖のラインナップ最大級の百貨店と紹介されていたことがある。梅田で売り切れの限定チョコやケーキが残っていたりする穴場だ。この土日の北海道大物産展には「メロン熊」撮影会まであるぞ!(hammer.mule)

< http://toolbiru.web.fc2.com/topic/top-11.01.22.html
>
梅田、阪神百貨店・新阪急ビルが高層ツインタワー
< http://www.yomiuri.co.jp/homeguide/news/20130301-OYT8T00999.htm
>
新阪神百貨店高さ190メートル...容積率緩和
< http://buzzap.jp/news/20130128-jr-osaka-yodobashi-umeda/
>
大阪駅やヨドバシ梅田などが空中回廊で接続、階段を降りずに移動可能に

< http://www.d-kintetsu.co.jp/store/uehonmachi/
>
近鉄百貨店 上本町店
< http://www.d-kintetsu.co.jp/store/uehonmachi/2013hokkaido01
>
「メロン熊」撮影会
< http://ameblo.jp/melon-kuma/
>
メロン熊公式ブログ。4月はほかに松屋銀座、高島屋立川、熊本県民百貨店

< http://www.shinkabukiza.co.jp/
>
新歌舞伎座
< http://www.kintetsu.co.jp/group/Kips/search/list/leisure.html
>
近鉄でたまるポイントで、新歌舞伎座三階席で観劇できる
< http://gotochi2013.jp/
>
ご当地キャラ総選挙