エンドユーザー大変記[48]ゲーム業界波高シ
── ジョニー・タカ ──

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日本時間5月23日、MSが「Xbox one」をついに発表した。

◆マイクロソフト、究極のオールインワン ホーム エンターテイメント システム「Xbox One」を発表
< http://www.microsoft.com/ja-jp/news/Press/2013/May13/130522_xbox.aspx
>

殆どのネットメディアの記事でも、MSの幹部は「詳細はE3で!」としか言わず(これは当然)、上記のプレスリリースもアメリカ向けを日本語訳しただけなので、現状日本で発売するのもまだ分からないという状態。

そう思うのは、現在の日本でのXbox360自体が売上含めお寒い状況で、この機種に搭載された新機能も、テレビ関連に関しては殆ど期待できないからだ。

◆(参考)2012年国内家庭用ゲーム市場規模は昨年対比98.9%の4491.9億円 ソフト販売本数トップは『ポケットモンスターブラック2・ホワイト2』(ファミ通.com)
< http://www.famitsu.com/news/201301/07026935.html
>

私もこのカンファレンスを眠くなりながら見ていたわけだが、「日本では売らないよなぁ」と思いつつも、「日本のゲームメーカーにXbox oneは日本で売らないけど、ソフトは出してね」と虫のいい事言うかなぁ、とも思ったのだ。

ただ、既にPS4が発表されているし、平行して開発すれば(クロスプラットフォーム)トータルコストはかからない。あるとすれば、ハード別の挙動やDLCの効果だったりする。

◆(参考)PS3を襲うマルチプラットフォームの波[プレイステーション](All About)
< http://allabout.co.jp/gm/gc/215228/
>
(記事初出が古いがPS3の発売当初なので、十分参考になる)




では任天堂のハードはどうなのか、というとまずハードやコントローラーの仕様からまるっき違ってしまうので移植がしずらい、という欠点がある。

◆世界の檜舞台・E3から降りる任天堂......"ガラパゴス"へ一直線か(ITmedia ニュース)
< http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1305/29/news027.html
>

あと、任天堂自体が「リビング向け」を積極的に強調していることで、いわゆるコアゲーマーを無視している、というイメージがWii時代からあった。それがどうも覆る気配がなく、WiiU向けに出しても売れそうにない/仕様を合わせるのに時間とお金がかかる/そもそも任天堂の内部審査が通るのか...という問題が横たわって、結局ソニーとMSに流れてしまうという悪循環になってしまう。

◆Wii UはWiiの失敗を繰り返すか その2[ゲーム業界ニュース](All About)
< http://allabout.co.jp/gm/gc/414885/
>

いずれにせよ、ライバルはスマホやタブレットである。しかし、それでも据置ハードを出し続けるのは、まだゲームに可能性があるということを示している。

「ゲームが(スマホ&タブレットに)食われてる、食われてる」と言われても逆にスマホやタブレットも取り込んでネットワークハブ化するという貪欲な姿勢ならば、穿って見たら「売れるゲームを出さないからじゃないか?」などと思ってしまう。

消極的な見方かもしれないが、100万本×1より20万本×5ではダメなのか。20万本×5の例えで今それが出来ているメーカーが、バンダイナムコ、コーエーテクモ、カプコンだと思う(コンシューマー、ソーシャル、ネットワークすべて含め)。

◆バンダイナムコHDが2013年3月期 第2四半期決算短信を発表 当期も前年同期比で売上高14.6%増、営業利益76.1%増と好業績に(ファミ通.com)
< http://www.famitsu.com/news/201211/02023798.html
>

◆コーエーテクモHDが2013年3月期連結業績を発表、純利益前年同期比21.9%増に(ファミ通.com)
< http://www.famitsu.com/news/201305/07032963.html
>

◆カプコンが2013年3月期第3四半期決算短信を発表 『MH3(トライ)G HD Ver.』のスマッシュヒットなどで増収増益に(ファミ通.com)
< http://www.famitsu.com/news/201302/04028232.html
>

もちろん、ここまでの規模でなくても名を売れるソフトを出すメーカーもある。そういう競争があって初めて市場が成り立つのだが、裾野を拡げて見てソーシャル、クラウドの領域になると小規模のメーカーや個人単位まで含まれる。

つまり、「ゲームは終わった」「市場が冷え込んでいる」とは言われながら、実は戦国時代なのではないか? E3の前にそんなことを思ったのであった。

【ジョニー・タカ】johnnytaka32(a)gmail.com

1976年、横浜・関内で生まれ、上州と越後の風を受けて育ち、来世でもFUNKを踊り続けるフリーランサー。ヴァーチャル・キャラクターに曲を付けて選曲を展開する"コンピレーション"を1998年から行っている(といっても勝手にやってるだけです。それを続けて15年目)。
< http://music.ap.teacup.com/cafedejohnny/
>

ツイッター < http://www.twitter.com/johnnytaka1962/
>
tumblr始めました。まだ試運転中。
< http://johnnytaka.tumblr.com/
>

○前回、野球について熱く書いてしまいましたが、その後の我がDeNAベイスターズは、鬼門である交流戦で見事ブレーキがかかってしまい、気がつけば定位置である最下位がもうすぐ......という状況。このどうにもならない状況、なんとかならないのか......。

それでもひかりTVだと、セ3球団(DeNA、巨人、阪神)、パは全球団料金分でカヴァー出来る。いい時代になったものだ。

○Surface Proがついに日本でも発売される。
< http://www.microsoft.com/surface/ja-jp/surface-with-windows-8-pro/home
>

◆ほぼ同じ価格でOfficeが付属:日本市場向け「Surface Pro」、海外版よりもオトク価格なのはなぜ?(ITmedia PC USER)
< http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1305/29/news137.html
>

Office搭載で128GB 99,800円というのはOffice非搭載のグローバルモデルより安いが、この価格とOffice付きだけで価格.com検索してみたら60件も。単純にこの層と戦わないといけないわけである。

しかもTouch Cover/Type Coverを購入すると10万を越してしまう。価格面で不利になるのは、上記ITmediaの記事中でMS幹部も認めている。なので、価格ではなく、あくまでもMSブランドを含め売っていくつもりなのだと思う。

○関東も梅雨入り。梅雨に入ると毎年身体の調子が悪くなる。しかし梅雨が明けたら直る。不思議なものである。