[3488] 景色が歪む眼の病気

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《涙なくしては見ていられない》

■装飾山イバラ道[120]
 「アメリカン・アイドル12」フィナーレを見る
 武田瑛夢

■おかだの光画部トーク[100]
 景色が歪む眼の病気
 岡田陽一

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 ASIAGRAPH 2013 公募作品展示部門 作品募集中

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■装飾山イバラ道[120]
「アメリカン・アイドル12」フィナーレを見る

武田瑛夢
< https://bn.dgcr.com/archives/20130604140300.html
>
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「アメリカン・アイドル12」の最終回放送(フィナーレ)も見終わって、毎週必ず見るテレビ番組がなくなってしまった。※以下にはネタバレがあります。※

いつも「アメリカの紅白」だと思って見ている、このアメリカン・アイドルフィナーレだけれど、今年も多様な大御所が若手とコラボして超豪華なステージを披露していた。

私はアメリカの昔の音楽に詳しくないので、知らないほど昔の人とのコラボよりも、ちょっと前くらいの人たちと候補者のパフォーマンスの方が嬉しかった。ただ、このへんは日本でも紅白で演歌歌手の出演が減っているような現象と近いのかもしれない。

・American Idol
< http://www.youtube.com/user/americanidol
>

パフォーマンスでの話題では、マライア・キャリーの口パク疑惑がニュースにまでなったけれど、あのシーンだけ録画だったらしいので何だか別格な扱いであったのは確かだ。

私が見て感じたのは、カメラ位置がほとんど固定で、一番歌い上げているところで、なぜか遠い天井カメラだったのが違和感。完璧主義すぎるかららしいけれど、私はすごい時とそうでもない時の両方があってもいいのにと思う。

でも、今のマライアさんが今の表現方法を自分で選んでいるのなら、それはそれでいいのだとも思う。

●TOP3の女性たち

TOP5の時点で全員女性が残るという異例な今年。ダントツのお気に入りという人がいなかったけれど、アンジーがピアノの弾き語りを見せた時に「もうアンジーが優勝でいい」と私も思った。それぐらい彼女の声とピアノは繊細にマッチしていて、皆の心を掴んだのだ。

しかし、TOP3のパフォーマンスで、弾き語りにぴったりの曲だったのにあえてピアノを弾かなかったことがアダとなり、彼女は決勝戦に残ることができなかった。決勝戦はキャンディスとクリー。

●クリーの強さ

TOP3はプライベートジェットで里帰りができ、地元でのコンサートで歌って、ふるさとの皆に直に応援してもらえるという機会を得る。長い戦いに勝ち残った者への最大のご褒美だ。

私はカントリー歌手のクリーが決勝戦に残ったのは、この時の「里帰りビデオ映像」が感動的だったことも影響したような気がした。

キャンディスとアンジーの里帰り映像も、もちろん素敵で感動したけれど、クリーのビデオには今までに見た里帰りのシーンとは違う彼女の歴史があった。(youtubeには帰郷のシーンがみつけられませんでした)

クリー(22歳)は、彼女が19歳の時に母親を、12歳の時に父親を亡くしていたのだ。今までもクリーの紹介ビデオで何度か、両親がいないということは聞いていたと思う。しかし、今回映像で見るまでは、若いクリーのがんばりの深さに気づく事はできていなかった。

クリーは番組が用意したリムジンで故郷に着き、出迎えてくれた姉と、幼少期を過ごした家へと向かう。今は誰も住んでいない家には、家族で過ごした頃の家財道具がそのまま置かれ、壁は朽ちかけていた。

クリーが手に持って広げた古びたTシャツは、父が着ていたものだという。確かに写真でお父さんが着ているものと同じだった。懐かしさと特別な想いで、姉と抱き合うクリー。

今までは里帰りは「一番応援してくれる人、一番会いたい人に会える機会」と思っていたけれど、こういう形での里帰りには胸が詰まる。

オープンカーで移動すると、町の至る所で人々がクリーを温かく迎えてくれていた。町の人々は皆クリーを本当に我が娘のように思っているのだ。

「ここには手で掴めそうなほど愛が溢れていている!」と叫ぶクリーに、喜びをしっかり味わって欲しいと、テレビを見た誰もが思ったのではないだろうか。

クリーは番組スタッフとも一番親しくて、会う人会う人とハグをするという。常にご両親の愛情を心で感じながら優しく育った人なのだろう。「歌に自然に心が込められる」という能力が彼女の最大の武器で、それは他の誰も敵わない。

その後の地元コンサートで、いつも冷静なクリーが「いつかきっと、また会える」という歌詞で感極まるところなんて、涙なくしては見ていられなかった。あの満員の会場でクリーを一番応援したい人たちは、きっとそこに来ていたんだと感じられた。

・Kree Harrison Performs "Up To The Mountain"
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●キャンディスの完璧さ

優勝者のキャンディス・グラバーはゴスペルの女性歌手で、圧倒的な歌唱力で審査員を総立ちにさせる回数が最も多かった人だ。声量はもちろん、繊細な裏表の声を使い分け、転がるように複雑なコブシ回しのどの音も自然で正確だと感じさせる。

例えば、ものすごく上手いダンサーが即興で音楽に合わせて踊る時に、ジャンプもターンもジャストなタイミングで決めて、動きの抑揚も完璧だった時のような感じ。キャンディスの歌を聞いた時も同じような満足感がある。

中途半端なダンサーの場合、無駄なステップが入ったり、謎の余り時間が出来たりしそうなものだ。そして中途半端な歌手の場合、コブシも大げさに聞こえ、元の音からアレンジしているつもりが正しいメロディから外れてるようにしか聞こえないようなことがある。

・Candice Glover Performs I(Who Have Nothing)
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優れた歌手とダンサーの、両方が出来ていることって何だろう。きっと自分の「技術」と「気持ち」と「流れ」のすべてを、最善な方法とタイミングで押し出すことができることかな。

最も自分の表現したいことが際立つように「技術」を使い、「気持ち」を高めながら自然な「流れ」を作り出す。

キャンディスは今回のシーズン12で3度目の挑戦だったので、「技術」と「気持ち」と「流れ」のすべてのコントロールが可能なほど、実力をつけていたのだと思う。本当におめでとう。

●アイドルたちのこれから

そして、フィナーレのパフォーマンスで一番ワクワクしたのは、アンジーとシーズン8の準優勝者アダム・ランバートとのデュエット。アンジーは得意のピアノの弾き語りだし、アダム・ランバートは抑えめだけど存在感ばっちりの歌だった。

・Angie Miller and Adam Lambert Perform "Titanium"
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アンジーのハスキーな女性の声とアダムの甲高い男性の声が、複雑なミックスになっていてかっこいー。結局3位だったアンジーだけれど、インタビューで「優勝しなくても活躍できることをアダムは証明したのよ!」と言っていたから、このデュエットの意味が「希望」でもある感じがまた素晴らしい。

候補者たちはTOP10に入ればたぶんデビューのチャンスがあるし、「成功の大きさ」は売上げなのか、影響力なのか、仕事の質なのか、自身の満足感なのか、人によって考えが違うだろう。

フィナーレでは、前回まで審査員だったジェニファー・ロペスも歌っていて、新人世代と中堅世代、ベテラン世代のそれぞれの歌手たちの立場や実力のバトルもバチバチあったようだ。

ショービジネスに携わる人たちは、まずは他人と比較され、売れた後はピーク時の自分と比較される。ベテラン歌手がまだまだイケるステージを見せれば、テレビ前で焦っているベテラン歌手もいるのだろう。皆そうやって刺激し合って生きて行くのかな。

審査員の場合ももちろんコメントの質を比較される。今回新しく加わったニッキーやマライアも次シーズンで去るらしいし、価値はあるけれど負担の大きい仕事であることも確かだ。

オーディション番組もそう簡単に視聴率を取れなくなってきたというし、質の高い番組を今後も期待している。

【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
< http://www.eimu.com/
>

数ある物産展の中でも「北海道展」はキングの位置づけだと言う。実は私も大好きだけれど、九州とか大阪とか、北海道と関係ない物産展でも、客寄せ効果のためか北海道のものを売る一角が用意されているのがせつない。北海道コーナーがいつもあると、北海道の物へのありがたみが薄れてしちゃう。ハッ、だから他県にとってはそれでいいとか?


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■おかだの光画部トーク[100]
景色が歪む眼の病気

岡田陽一
< https://bn.dgcr.com/archives/20130604140200.html
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なんと、今回で100回目となる光画部トーク、毎回ネタに苦労しながらも、我ながらよく続いているなぁと少し感心していますが、ここまで続けてこれたのも読んでくださっている読者のみなさまのおかげだと感謝しています。どこまで続けられるかわかりませんが、今後ともよろしくお願いいたします。

ということで、記念すべき第100回目、自分の身に起こった健康に気をつけましょうというお話です。

昨年の夏から秋にかけての頃、いつものようにMacに向かって仕事をしていて、ふと違和感を感じました。画面の右上の横のライン、例えばブラウザやメニューのラインが、直線ではなく一部ぽこっと膨らんで見えるのです。

その時は、「あれ? モニタの不調か、グラフィック関連の部分が壊れたのかな?」くらいに思っていました。

そんなある日、神戸の風景を撮影しようと一眼レフのファインダーを利き目の右目で覗いた時に、「こりゃやばい。壊れてるのはもしかしたら自分の眼?」と感じました。

まっすぐ建ってるはずのビルやポートタワーが、一部ぐにゃりと曲がっているのです。そう言えば、今考えるとその頃やたらと目がチカチカしたり、眩しく感じることが頻繁にあったような気がします。

昔から病院嫌いで滅多なことでは行かなかったのですが、すぐに近所の眼科に行って検査を受けました。色々検査をしたあげく、「もっと大きな専門医がいる病院に紹介状を書きますからできるだけ早くそちらに行って、もっと詳しい検査を受けてください」と言われ、大きな眼科のある総合病院へ行き、更に何種類もの目の検査。

視力検査はもちろん、眼圧、眼底の写真、暗い穴を覗きこんで小さな光の点が出現したらボタンを押して、どの範囲が見えているかを調べる検査や、瞳孔を開く目薬を点眼して、MRIのように眼底の断面を撮影する検査など何種類もの検査で丸一日かかりました。

眼の検査の合間に、血圧も計るのですが、看護師さんが、首をかしげながら何度もやり直すのです。更には血圧計を変えてまた計って、最終的にはもっとベテランの看護師さんがやってきて再度計ったり。

どうやら、異常に血圧が高かったらしく、上が200を超えていて、下が150くらい。脈拍も100以上あり、機械が壊れてるのかと思ったそうです。

そして、眼の検査の結果、「網膜静脈分岐閉塞症」と説明されました。

網膜の毛細血管の一部が梗塞をおこし、血が流れなくなって血管が破け、眼底に出血、その血のタンパク質が影響して少し網膜が腫れている症状だそうです。

網膜はちょうど画像を投影しているスクリーンのようなものですから、その一部が腫れているために、その部分に投影される画像が歪んで曲がって見えていたようです。

それって、写真を撮ったり、デザインしたりする職業としてはかなりのダメージ。というか致命傷じゃないか......。

治療方法を聞くと、
1)腫れが引くまで放置
2)患部に注射
3)手術

と、大の病院嫌い&痛いことが超嫌いなわたしにとって、ひとつしか選択できない恐るべき3択問題でした。

その病気の専門眼科医の話によると、「70、80歳なら直ぐに手術を勧めますが、まだ40代で若いので、注射も手術もせずに少し様子を見ましょう。何かすることで、逆に網膜を傷つけて、緑内障や白内障をおこす危険の方が怖いので、経過をみて腫れが引くようなら何もせず、逆に腫れが引かないかひどくなるようなら、注射ということにしましょう」とのこと。

眼に注射なんて想像しただけでもゾッとします。しばらく様子見をすすめられてほっとしましたが、仕事に関わることなので内心はけっこう不安でした。

同時に循環器科も受診し、血圧が異常に高いので内科的な血液と尿検査も行いました。

10数年のフリーランス生活でかなりの不摂生を続けた後だったので、絶対にあちこちの数値が悪くて、いっぱい注意されると予想していたのですが、血液検査も尿検査も特に悪い数値はどこもなく、拍子抜けでしたが、逆になぜ血圧がこんなに高いのかが不思議だそうです。

血圧を下げる薬を3種類処方されて、それ以降毎朝薬を飲み、自分でも腕に巻く血圧計を購入し、朝晩血圧を計ってiPhoneアプリに記録しています。

最新の検査状況ですが、血圧は薬の効果もあって、普通の人並の、上が125くらいで下が80くらい。脈拍も70〜80程度で安定。そして肝心の眼の方ですが、眼底の腫れも引いて歪んで見える状態もなくなり普通に戻りました。

お医者さんの話によると、「まだ、眼でよかったですね。異常がわかって対処できましたから。これと同じ症状で場所が脳や心臓なのが、脳梗塞や心筋梗塞です」

ということで、40半ばすぎるとあちこち体に変調をきたす時期です。みなさん、くれぐれも体調の変化や健康に気をつけてくださいね。暴飲暴食や酒・タバコはあまりよくないですよ。


【岡田陽一/株式会社ふわっと 代表取締役 ディレクター+フォトグラファー】
< mailto:okada@fuwhat.com > < Twitter:http://twitter.com/okada41
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前回詳しく解説した、6月30日(日)開催のCSS Nite in KOBE, Vol.2〜デザイン再考(サイコー!)申込みも110人を超え、残席が30席ほどとなってきました。参加を検討している方はお早めに!
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■イベント・公募案内
ASIAGRAPH 2013 公募作品展示部門 作品募集中

< http://www.asiagraph.jp/index.html
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< https://bn.dgcr.com/archives/20130604140100.html
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ASIAGRAPH(アジアグラフ)は、アジア独自の多様な文化と、科学と芸術の融合が生み出すアジア独自の優れたデジタルコンテンツを更に発展させるために、世界の第一線で活躍するアジアの研究者とクリエイターが集い、先端技術の発表や作品の展示を行う、学術・芸術・展示が一体となった総合イベントである。

< http://www.asiagraph.jp/index.html
>

公募作品展示部門

ASIAGRAPHでは、優秀なCG作家と作品が国を越えて交流し、新たな創造と産業がアジアから生れ出ることを目指し作品展示の場として「CGアートギャラリー」を開催してきた。今年度も、以下5部門の公募展示を行なう。

第一部門 CGアート作品公募部門「CGアートギャラリー」
アジア地域で出生、居住もしくは国籍を保有する者・団体。プロ、アマ、学生不問。CGが主要な表現手法となっているオリジナルのアート作品。(静止画のみ)

第二部門 動画(アニメーション)作品公募部門「CGアニメーションシアター」
アジア地域で出生、居住もしくは国籍を保有する者・団体。プロ、アマ、学生不問。オリジナルのCGアニメーション作品。(ただし、実写編集中心の映像作品は対象外)

第三部門 学生(25歳以下)アニメーション作品公募部門
日本に在住、もしくは日本国籍を保有する学生及び卒業生で、応募時の年齢が25歳以下の者。(大学院、大学、専門学校生が主な対象。高校生以下も応募可)オリジナルのCGアニメーション作品。(ただし、実写編集中心の映像作品は対象外)

第四部門 こどもCGコンテスト部門 7月21日より作品募集開始予定

特別公募部門 REALLUSION AWARD 2013
REALLUSION社の iClone を使って制作した、オリジナルアニメーション作品を募集。各国の予選を勝ち抜いたチームを台湾に招き、ライブコンテストでグランプリを決定。

ASIAGRAPHの作品公募部門は、従来のコンペティションとは異なり「アジア独自のCG表現」を積極的に評価する。ただしこれはモチーフやテーマが「アジア的」なものを指しているのではなく、既存のアートや映像産業の評価対象にはならないような表現でも「独創的」で「視覚的な美しさ」を備えているならば積極的に評価する。ということを意味する。

募集期間:2013年5月20日(月)〜7月20日(土)
※特別公募部門は各募集期間を確認のこと。

課題:自由
応募料:無料
入選作品はASIAGRAPH CGアートギャラリーにて、作品が展示・上映される。
応募方法:それぞれの応募部門ページから、Web上で応募手続きを行なう。


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編集後記(06/04)

●小野不由美の500枚書き下ろしドキュメントホラー「残穢」を読む(新潮社、2012)。字面からいっていやな感じがする。怖い話である。語り手の作家とは作者自身であろう。首都近郊にある賃貸マンションに越したばかりの女性から、その部屋になにかいるような気がする、という話を聞く。これが発端で、怪奇現象の原因を調べるため、7年間にわたる土地の過去を遡る彼女らの旅が始まる。正直、半分くらいまでは地道な聞き取り調査の話ばかりでかなり退屈であった。投げ出そうかとも思ったが、我慢してストーリーを追って行くと、次第に恐るべき過去の因縁話になってきて、そこでやめたら後味が悪すぎるので完読した。

「死はある種の穢れを生むのかもしれない。特に強い無念を残し、怨みを伴う死は『穢れ』となる。だが、それは本来、無制限に残るものではないし、無制限に感染するものでもない。穢れに触れる我々も、呪術的な防衛は行なう。死者を供養し、土地を浄める。だが、あまりに強いためそれでも残る何かがあるとしたら」

穢れが浄め切れなかったそこには、残余の穢れ「残穢」が残るのではないだろうか。その穢れに触れると伝染する。住民の移動によって次々に汚染が広がって行く。これは事実でも理論でもない。だがそう考えると平仄があう、と作者は書く。いわば作家の妄想のようなものだが、それは真実かもしれないと思う。後半には、平山夢明、福澤徹三というこの分野では有名な作家も登場する。話は巨大になり広範囲に拡大する。有名な怪異のルーツとも関係があるようだ。

怪異は土地に憑く。恐ろしい仮説だが本当ではないだろうか。わたしは結婚してから三度、家を変えた。すべて新築である。戸建ては二度とも妻の設計だ。その土地は両方とも昔は田んぼだった。その前は知らない。いまのマンションの土地は流通会社の倉庫だった。それより昔は知らない。このマンションから転出する人は少ない。怖い噂もない。どうやら怪異に会わなくてもすんだ一生であった、といえるだろう。それにしても、最近わけあり事故物件が人気だとかいうけど、やめといたほうがいいんじゃないだろうか。(柴田)

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>
残穢


●岡田さん、回復されて良かった! 初耳だったので読み進めるのが怖かった。FacebookやTwitterに全然アクセスしていないのだが、きっとそちらでは書かれていたんだろうな。

続き。記念展に展示されていたポスターによると、初演の頃は、一番安い席が300円だった。いまでも宝塚って安いなぁと思う。宝塚大劇場では、休憩30分を挟んだトータル3時間を、2,000円で見ることができる。一番高い席は1万円を越えるが、入手難なので、8,000円が上限と考えてもいいぐらい。震災による建て替え前なら、千円以下で見ることができた。生オーケストラつきで、舞台上には約80人いるというのに。

座席は、少々後ろになってもセンターブロック、またはサブセンターブロックをおススメ。初めて見る人には、ショー付きの二本立てを勧めたい。お芝居が良くない作品でも、ショーは楽しめるだろうから。一本ものでも、いま宝塚大劇場で公演の始まった星組『ロミオとジュリエット』はぜひ。フィナーレで羽根も背負ってます。といっても、今回のはまだ見ておらず、初演の梅田芸術劇場のものを見ただけ。初演よりバージョンアップしているはずなので、楽しみ!

友人と出かけ、帰りに買い物(買い出しと私は言っている)をして帰る。仕事にまったく関係のない話をしながら過ごす時間が、ストレス解消方法なのだ。(hammer.mule)

< http://kageki.hankyu.co.jp/revue/330/index.shtml
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ロミオとジュリエット。宝塚で7/8まで、東京は7/26〜8/25