《カメコから被写体へ》
■映画と夜と音楽と...[591]
ルーブル美術館を駆け抜けたい
十河 進
■Otaku ワールドへようこそ![176]
スター、のようなもの
GrowHair
■映画と夜と音楽と...[591]
ルーブル美術館を駆け抜けたい
十河 進
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■映画と夜と音楽と...[591]
ルーブル美術館を駆け抜けたい
十河 進
< https://bn.dgcr.com/archives/20130607140200.html
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〈ダ・ヴィンチ・コード/はなればなれに/ドリーマーズ〉
●ルーブル美術館を借り切って撮影された特別番組
少し前のことだが、日本テレビでルーブル美術館の特別番組を見た。ルーブル美術館を借り切っての大がかりな撮影である。司会はビートたけし。レポーターも高田純次などを起用し、バラエティ番組のノリだった。しかし、ルーブル美術館のビジネス面の解説もあり、美術館地下やスタッフしか入れない作業スペースなども紹介されていた。各展示作品も丁寧に紹介されていて、長時間の番組だったが録画してじっくり見た。
BS放送が始まってありがたいのは、NHKだけでなく民放テレビも美術番組をよくやってくれることだ。世界の美術館には、次々に日本のテレビクルーがいっているのではないか。ヨーロッパの片田舎の美術館まで放映してくれるから、時間があると見ている。アムステルダムのゴッホ美術館もいきたいし、ルソーやムンクやフェルメールやセザンヌの実物を見てみたい。そう思っているが、実は一度も海外へ出たことがない。
美術館巡りだけでなく、海外で実際に見たい場所はたくさんある。仏文科出身なので、特にパリはいきたい場所がいっぱいだ。渋谷の文化村ではなく、サンジェルマン・デ・プレのカフェ・ドウ・マゴのテーブルでコニャックを呑んでみたい。北米にいくなら一度はスーパーボウルを実際に見たいし、ニューヨーク近代美術館でルソーの「夢」、ゴッホの「星月夜」、ウォーホル作品なども見たいと思っている。
カミサンは20年ほど前に初めてパリにいって以来、もう何度も海外へいっている。パリにいったときは、日曜の昼に電話をかけてきて「今、シュンゼリゼ」と言った。こちらは、まだ小学生だった娘に昼飯を作っているところだった。その後、カミサンは美術教師をしている妹と10日ほどスペイン美術旅行にいき、プラド美術館やガウディのサグラダ・ファミリアを見てきた。
数年前はイギリスにいき、最近では台湾へいき、今年はベトナムとカンボジアへいってきた。「ベトナムだけだと安いんだけど、アンコールワットも見たいから」と言いながら成田へ向かった。ちなみに、いつも間際になってからしか僕には告げない。「来週、台湾だから...」と言われたのは、昨年のことだった。まあ、それでもいいのだけど、スケジュールも連絡先も、誰といくのかも...聞いていないんだなあ、いつも。
僕が海外にいかないのは、おっくうだからだ。四国高松には飛行機で帰っているが、飛行機があまり好きでないこともある。昔、仕事で沖縄へいくことがあり、帰りは飛行機で2時間半かかった。途中でうんざりし、「降ろしてくれ〜」と言えるなら言いたかった。だから、海外にいかない理由を「飛行機嫌い」としてある。たぶん、乗ってしまえば大丈夫だと思うが、長時間のエコノミークラスはつらい。といって、ビジネスクラスに乗れる財力はない。
子供がふたりとも小学生の頃、カミサンが出版健保のハワイのコンドミニアムを予約したことがある。食事は付かないが、安く泊まれるのだ。「エーッ、俺はいかないよ。三人でいったら」と答えたところ、カミサンは予約をキャンセルしてしまった。以来、彼女は僕を誘う愚を悟り、海外旅行はずっと友だちや妹と出かけているらしい。
数年前、本を読むシェフこと兄貴分のカルロスにパスポートを持っていないことを知られ、「やーい、ノーパスポート野郎」と囃し立てられた。あんまり悔しいので、「パスポートくらい、とってやらあ」と松戸の申請所に出かけた。しかし、前夜、カミサンに「どうせ使わないんだから5年にしといたら。5000円くらい安いわよ」と言われた。確かに5年だと11,000円の費用ですんだ。
5年用パスポートの色は、赤ではなく紺だった。カルロスに「パスポートとったぞ」と得意になっ見せたら、「なんだ紺色じゃないか。初めて見たよ。アハハハハハ...」とまたバカにされ悔し涙暮れた。5000円ケチったばかりに...と後悔したが、仕方がない。結局、そのパスポートは未だ真っ白いままだ。もうすぐ切れてしまう。ICチップ入りなのになあ。
先日、ルーブル美術館の番組を見て、カミサンに「凄いなあ。ルーブル美術館、相当に広いみたいだなあ」と言ったら、「一日じゃ、とても見られないわよ」と、私は実際に見てきたのよオーラを出されてしまった。はいはい、そうですか...、ええ、ええ、どーせ僕は映画でしか見たことないですよ、とひがみ根性丸出しでひねくれた。もっとも、映画ではルーブルで人が死んだりする。
●ルーブル美術館館長の謎の死で始まるベストセラーの映画化
ルーブル美術館が出てくるので有名な映画は、ベストセラー小説を映画化した「ダ・ヴィンチ・コード」(2006年)だ。監督は大作専門のようになったロン・ハワード。若い頃は「アメリカン・グラフィティ」(1973年)や「ラスト・シューティスト」(1976年)に役者で出ていたけれど、すっかりヒット監督になり、同時に頭髪も薄くなった。「ラスト・シューティスト」の少年の面影はどこにもない。
ダン・ブラウンの「ダ・ヴィンチ・コード」は映画を見た後に読んでみたが、ベストセラーになるだけあってスピード感が凄かった(もっとも、僕は映画でストーリーを知っていたので、冒頭の数10頁を読んだだけでやめてしまったけれど)。ダ・ヴィンチの絵に隠されたキリストの謎を追う主人公とヒロイン、彼らをつけねらう謎の集団、敵か味方かわからないフランスの警部が入り乱れ、追う者・追われる者のドラマがめまぐるしく展開する。こりゃ売れるわな、と感心した。
館長の異様な死体が、閉館した夜のルーブル美術館で発見される。その展示室は防犯シャッターが降り、完全な密室状態だ。館長は素っ裸で床に図を描き、レオナルド・ダ・ヴィンチの「ウィトルウィウス的人体図」を模した形で死んでいる。たまたまパリにきていた宗教象徴学の権威であるラングドン教授(トム・ハンクス)が、パリ警察の警部(ジャン・レノ)に呼び出され、捜査協力を求められる。
館長の死体を検分しているとき、パリ警察から派遣された暗号解読の専門家だという若い女性ソフィー(オドレイ・トトゥ)が現れる。ラングドンの携帯電話が鳴り、出るとソフィーが「黙って聞いて」と囁く。「警部は館長と会う約束になっていたあなたを犯人と疑っている。すぐに逃げなさい」と続ける。ソフィーは、殺された館長の孫娘だったのだ。
この人間関係は何だかご都合主義だなあと思ったが、まあ、そういうことはあまり深く突っ込まないタイプなので、そのまま映画の流れに身をまかせると、アレアレと思っているうちに深い謎に充ちた世界に誘われる。その辺は、ジェットコースター的な展開だ。謎の宗教組織が出てきて、司祭服の不気味な男が自らを鞭打ったりして思わせぶりである。
冒頭、僕は夜のルーブル美術館の外観を見て、ちょっと感激した。ガラスのピラミッドも美しく輝いている。ライトアップしているだけに、夜間の方が圧倒的に美しい。実際の館内シーンは、もしかしたらスタジオなのかもしれない。いや、ラングドンとソフィーがルーブルから逃げ出すシーンもあるから、館内撮影も敢行しているのだろうか。商売上手なルーブルは、そういう点では協力的らしい。
●ルーブル美術館はゴダール映画に全面協力したのか?
40数年前、ジャン=リュック・ゴダール監督は僕の最大のヒーローだった。上京して初めて見た「勝手にしやがれ」(1959年)、名画座で追いかけた「女と男のいる舗道」(1962年)、「アルファビル」(1965年)、そして「気狂いピエロ」(1965年)と「男性・女性」(1966年)...、それらは僕にとって特別の映画だった。
上京した年、新宿紀伊国屋ホールで上映された新作「中国女」(1967年)と「ウィークエンド」(1967年)を僕は見にいった。ゴダール映画のヒロインだったアンナ・カリーナはすでに彼の元を去り、新しい恋人アンヌ・ヴィアゼムスキー(文豪モーリアックの娘で後に作家になった)が登場していた。訳がわからなかった「東風」(1969年)も紀伊国屋ホールで見たはずだ。初公開は1970年7月だった。
「東風」以降のゴダール作品を、僕はほとんど見ていない。僕にとってのゴダール作品は、1959年からの10年間に作られたものだけだ。しかし、その作品群の中でも「はなればなれに」(1964年)は、名作「気狂いピエロ」の前に作られたゴダールの長編七作目だが、あまり語られることのない映画である。
「はなればなれに」に思い入れているのは、クエンティン・タランティーノ監督である。B級アクション映画ばかり偏愛している印象があるタランティーノ監督だが、「はなればなれに」のフランス語の原題「Bande a part」を自分のプロダクション名にするくらいこの映画が好きらしい。「パルプ・フィクショ
ン」(1994年)には、「はなればなれに」のダンスシーンにオマージュを捧げたシーンがある。
「はなればなれに」はクライム・ノヴェルを原作とした(例によって原作を使う意味はほとんどないけれど)、男女3人の物語(スケッチとでもいうべきか)である。ヒロインは、もちろんアンナ・カリーナ。美しさの絶頂期にある。その3人がルーブル美術館を全力疾走するシーンが印象的だ。「はなればなれに」は、物語より断片的なシーンが記憶に残る作品だった。
ジャン・リュック・ゴダールは1930年生まれ。今ではもう80を超えているが、1960年代はちょうど彼の30代に当たる。若い。青年といってもいい年代だ。ソルボンヌ大学を出ているから、知的エリートである。1950年代初期から映画評論誌「カイエ・デュ・シネマ」に映画評を書き始め、フランソワ・トリュフォーやエリック・ロメールたちと知り合う。
ゴダールは、パリで暮らしていた。日常的にルーブル美術館にいっていたとしても不思議ではない。広いルーブル美術館である。どれくらいで駆け抜けられるのか、とゴダールは発想したのだろう。「はなればなれに」の3人は、9分45秒で駆け抜けた。本当だろうか? それくらいで駆け抜けられるのか。ルーブルは、ゴダールに撮影を許可したのか。実際のルーブルを知らない僕は、想像するしかない。
●ルーブルを駆け抜ける記録を塗り替えた「ドリーマーズ」
「はなればなれに」の3人と同じようにルーブル美術館を駆け抜けようとするのは、ベルナルド・ベルトルッチ監督作品「ドリーマーズ」(2003年)の主人公たちだ。時代は1968年。世界中で若者たちの叛乱が起こった年だった。パリでは五月革命が起ころうとしていた。カンヌ映画祭がゴダールやトリュフォーの抗議行動のために中止になった年である。
その年2月、パリのシネマテーク館長アンリ・ラングロワが文化相アンドレ・マルローによって更迭された。その更迭に抗議したのがジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォーなどヌーヴェル・ヴァーグの監督たちであり、ヌーヴェル・ヴァーグを代表する俳優ジャン=ピエール・レオーだった。彼らはシネマテークで古今東西の映画を見て育ち、やがて映画監督になった。ラングロワに対する尊敬の念は強かった。
ジャン=ピエール・レオーは「大人は判ってくれない」(1959年)の主人公アントワーヌ・ドワネル役でデビューし、トリュフォーの分身として何本もの映画でドワネルを演じ続ける一方、ゴダールの「男性・女性」(1965年)でも主人公を演じた。「ドリーマーズ」では実際の抗議行動のフィルムが挿入され、若き日のジャン=ピエール・レオーが写っている。
「ドリーマーズ」は、アメリカからパリにやってきた映画マニアのマシューが、シネマテークで双子の兄妹に出会うところから始まる。折しも、シネマテークではラングロア更迭の抗議集会が開かれている。その混乱の中で、マシューはイザベル(エヴァ・グリーン)というミステリアスな美少女と知り合う。彼女の双子の兄がテオ(ルイ・ガレル)だった。
「ドリーマーズ」とは、そのまま訳せば「夢を見る人たち」あるいは「夢想家たち」ということなのだろうが、「予言者」「透視者」といった意味もあるらしい。すべての会話が映画の引用である双子のイザベルとテオは、「映画の世界に浸りきった夢想家」なのかもしれないが、何かを予言する、あるいは人の心を透視する能力を持っているかのようにも見える。
兄妹の父親は作家で、母親と共に長い旅行に出ることになる。テオとイザベルは留学生のマシューに一緒に暮らそうと提案し、3人の奇妙で危うい暮らしが始まる。彼らは映画のセリフを口にし、その出典をマシューに当てさせようとする。あるいは、特別の仕草をして、それが何の映画からの引用なのかマシューに問いかける。マシューはすべて当てる。彼らは間違いなくシネフィル(映画狂)である。
イザベルは「私は1959年にシャンゼリゼの舗道で生まれた」と宣言する。「私が最初に発した言葉は『ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン』」と言う。その瞬間、ゴダールの「勝手にしやがれ」(1959年)のワンシーン、ジーン・セバーグが「ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン」と大声をあげてシャンゼリゼ通りで新聞を売り歩く姿がインサートされる。
3人の映画狂のゲームはエスカレートする。イザベルは「はなればなれに」の3人のように、ルール美術館を駆け抜けようと提案する。「あれは映画だ」と怯んでいたマシューも彼らと共に走りける。そのシーンはモノクロームの「はなればなれ」のカットと、カラーで撮影されたテオ、イベル、マシューのカットが動きを合わせて編集される。ふたつの映画が融合する。
テオ、イザベル、マシューの3人は9分28秒でルーブル美術館を走り抜け、イザベルは「17秒の記録更新よ」と大喜びする。あのシーンは「はなればなれに」の各カットを分析し、どのキャメラポジションから、どんなサイズで、どんなアングルで撮影するか、事前に綿密に設計しないとできないはずだ。アンナ・カリーナたち3人とイザベルたち3人は、映画の魔術で解け合ってしまう。
もしかしたら、「愚かな日本人観光客、ルーブルを駆け抜ける」と顰蹙を買うニュースになるかもしれないけれど、僕も「はなればなれに」や「ドリーマーズ」の3人のように、ルーブルを走り抜けてみたい。映画を見ていると、そんな気持ちになる。その前に、どうやってルーブルにたどり着くかが問題なのだけれど......
【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com < http://twitter.com/sogo1951
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ベッドの位置を変えた。読書用ソファを窓寄りにする。原稿を打つのはドア近くのテーブル。いつの間にかモノが増えて部屋が狭くなった。本を整理しようと思いながら、棄てられない。VHSテープも整理しなきゃいけない。見られなくなったLDは、どうしようかなあ。何枚かジャケットを飾ってはいるのだけど。
●長編ミステリ三作が「キンドルストア(キンドル版)」「楽天電子書籍(コボ版)」などで出ています/以下はPC版
< http://forkn.jp/book/3701/
> 黄色い玩具の鳥
< http://forkn.jp/book/3702/
> 愚者の夜・賢者の朝
< http://forkn.jp/book/3707/
> 太陽が溶けてゆく海
●日本冒険小説協会特別賞「最優秀映画コラム賞」受賞のシリーズ4巻発売中
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■Otaku ワールドへようこそ![176]
スター、のようなもの
GrowHair
< https://bn.dgcr.com/archives/20130607140100.html
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土曜の夜、新宿駅で電車を降りて、外に出るまでに1時間かかった。人々にわっと囲まれ、写真撮影と握手を求められる。街を歩けば、「テレビ見ましたよ」とひっきりなしに声がかかる。ウチに帰ってエゴサしてみれば、その日に撮られた写真が60枚ほど見つかった。これ。
< https://picasaweb.google.com/107971446412217280378/Twitter130602
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一躍スターになった気分。テレビの力ってすごい。まあ、スターと言ったって、何か偉大なる発明・発見をして人類の知の発展に著しく貢献したってわけでもなく、スポーツ・芸能方面に並外れた実力をもって大きな記録を打ち立てたってわけでもなく、優れた政治手腕により紛争を解決したってわけでもなく、爆発力を発揮して壮大な芸術作品を生み出したってわけでもなく、ただ、普通のおっさんがセーラー服を着て歩いたってだけのことである。それがちょっと珍奇で面白かったと。
とすれば、この栄光(なのか?)が未来永劫続いて歴史の教科書に載るなんてことは起こりえないないわけで、普通のおっさんの平凡な人生においてはちょっとばかりめずらしく、なんかのきまぐれでスポットライトがあたった今このときを、せいぜい存分に楽しんで冥土の土産としておくのが正解というものであろう。
●ツイッターでトレンドに
5月24日(金)、24:20からのTBSテレビ『有吉ジャポン』で私の姿が電波に乗った。この回のテーマは「インターネット上で話題になっている人物」。今、特に人気がある人物を密着取材ということで、「ブサイクなアイドル」と「セーラー服おじさん」が取り上げられた。
< https://picasaweb.google.com/107971446412217280378/2013524#5881341974252500482
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前者は、福岡で活躍するアイドルグループ「GLITTER」のゆみーるさん。
< https://picasaweb.google.com/107971446412217280378/2013524#5881341968558676818
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放送中から直後にかけて、ツイッターのトレンドに「セーラー服おじさん」と「ゆみーる」が上がっていた。トレンドとは、その時々において、全ツイートの中で特に高頻度で出現する語のトップ10である。放送前後で、私のフォロワーさんの数は約1,800人から約2,000人に増えたが、ゆみーるさんのほうは桁が違って、約80,000人から約88,000人に増えている。
放送の翌日、5月25日(土)、赤坂GENKI劇場でライブがあった。帰り、アイドルグループ「かおす de じゃぽん (仮)」のメンバーの一人であるサエを高速バスの乗り場まで送っていくのは私の役目だ。ほぼ毎週末、長野から通ってくるのである。
この日は、9:00pm新宿西口発のに乗る予定だが、時間が早かったので、一駅手前の新宿三丁目で丸の内線を降りて、歩くことにした。セーラー服のペアルックで。いくらなんでも1時間半もかかることはないでしょ。
アルタ前に立ってみる。誰かを待っているというわけでもないのだけど。すると、一人が写真撮影をリクエストしてきて、ポーズをとってあげたのをきっかけに、まわりにいた人たちがみんな撮りたがり、あっという間に大きな人だかりが。
ほぼ1分おきぐらいに「テレビ見ましたよ」と声がかかる。深夜とは言えそうとうな人気番組のようで、街中でこれだけ会うということは、全国だと何百万人って人が見たってことになるのかも。電波の力、すごい。普通のおじさんなのに、人々からスターの扱いをしてもらえちゃうなんて。
よく、芸能人が街を歩くとき、サングラスをして、大きなスカーフで顔を隠し、その格好がかえって目立つもんだから余計に人目を引いて、誰だか分かっちゃう、なんてことをよく聞く。しかし、たぶんあれは、バレないように変装してる、ってことじゃないんだと思う。
「私はいかにもかの有名なナンノダレベエであるけれども、今はプライベートモードなんで、なるべくなら話しかけないでね」という記号なんじゃないかと。ファンと交流したくないわけじゃないんだけど、みんなからの話しかけに全部応じてると何時間あっても目的地にたどり着けないので仕方なくって感じなんじゃないかなぁ。
アルタ前で、イベントの企画屋さんのような感じの方が、名刺を差し出してごあいさつしてきた。名刺の肩書きを見てもどういうお仕事をされているのか、よく理解できなかったのだけれども、ロフトプラスワンの店長さんと馴染みなのでご紹介してくださる、というのでついていく。
ロフトプラスワンといえば、'05年4月30日(土)にローゼンメイデン決起集会で行っているし、'06年7月1日(土)には講談社の雑誌「メカビ」の打ち上げで行って、森永卓郎氏や森川嘉一郎氏にお目にかかっているし、いつだったか忘れたけど、岡田斗司夫氏のトークを聞きに行ってもいる。私にとって思い出深い場所だ。
いつかこの場所で、話す側に回れたらいいなぁ、なんて、ほぼ実現の見込みゼロのこととして夢想したりしてたもんだ。アポなしにもかかわらず、店長さんに会っていただけた。「今まですごい面々を見てきた場であり、私にとって、いつかここでトークができたらというのが、ひとつの夢です」と告げると、そんなの簡単じゃん、と言わんばかりの調子で「じゃ、近々お呼びします」と言っていただけた。
社交辞令ではなかった。数日後にさっそくメールが来て、6月11日(火)に出演しませんか、というお誘い。「ロフトプラスワンファン感謝デー、第二弾」なる企画とのこと。うわぁ、私なんぞが出ていいんですか? 特に芸はないけど、しゃべるくらいならできますんで。そしたらすぐに告知ページに「GrowHair(JK爺)」とアップされている。
そのページを読むと、どんな経緯でこの企画に至ったかが愚直なまでに正直に書いてある。「ロフトプラスワンの6/11のスケジュールが、すったもんだの末に空いてしまったのですが」と。あ、穴埋めですか。ま、私にとっては絶好の機会が望外に早く回ってきた格好であり、超ラッキー!
ところで、サエのバスにはぎりぎりで間に合った。
●カメコから被写体へ
このところ、プロの写真家である岩切等氏によく撮っていただいている。
< https://picasaweb.google.com/107971446412217280378/PhotosTakenByHitoshiIwakiri
>
木製の巨大なブツにまたがっているのは、今年の4月7日(日)に川崎で撮っていただいたものである。江戸時代からの伝統行事、奇祭「かなまら祭」での一場面。この写真は、ウェブ版「SPA!」の4月14日(日)の記事でも使われた。
< http://nikkan-spa.jp/422361
>
川崎に行った日は、下北沢に戻ってきて、アイドルたちと一緒に撮っていただいてもいる。そのときの写真は、ウェブ上のメディアである「ねとらぼ」の4月23日(火)の記事で使われている。
< http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1304/23/news042.html
>
国会議事堂を背景に道化ているのは、4月13日(土)、「赤坂GENKI劇場」でのアイドルのライブと、赤坂「アンドロイドルカフェ」でのアイドルのトークショウとの合間にタクシーでちょこっと行って撮っていただいたものである。この日は雑誌「Trash-Up!!」からも取材を受けている。
かわいらしく舌をぺろっと出しているメイドさんとの2ショは、去年の12月28日(金)、渋谷にあるBar&Gallery「70 Mantas」で撮っていただいたものである。メイドさんは、写真家である吉永陽一氏。男性である。
彼を被写体として岩切氏が撮影した写真の個展が開催されていて、この日はクロージングパーティだった。私は写真を見ても、本人にお会いしても、言われるまでは男性だと気がつかなかった。実にチャーミングで見事な女装。
吉永氏は「空鉄」(そらてつ)をテーマに、空から見た鉄道風景を撮っている。セスナ機をチャーターして、ほぼ真下へ構えて撮った鉄道風景は、物体というよりは図面のようだ。
岩切氏との出会いは、なんか運命的であった。ご本人にお会いする前から、作品は見ていた。'09年12月26日(土)、銀座の「ヴァニラ画廊」で人形作家である森馨さんの個展が開催されているのを見に行った。そのとき、森さんの作品である人形を被写体として、岩切氏が撮った写真も展示されていたのである。
かっこいい、と思った。一般的な感覚では、あまり美しいとされないような、都会の無機質な風景をわざわざ背景に選んでいる。例えば、幹線道路が鉄道の下をくぐる、コンクリートの壁しかない地下道とか。ところが、夜は車のヘッドライトの光などが複雑に交錯して、ドラマチックなかっこいい光の構成になっている。人形のなまめかしい体躯や生命感あふれる表情と無機質な背景とのコントラストが面白い。
私がセーラー服を着て初めて電車に乗ったり外を歩いたりしたのは、'11年6月11日(土)のことである。鶴見にある通称「ラーメンショップ高梨」のおっちゃんが、「30歳以上でセーラー服を着て来店するとラーメン一杯タダ」という企画をやっていて、それに乗っかった形である。
最初は、自意識がざわついてとても平静ではいられなかったが、都会のスルー力は大したもので、実際には何も起きないと分かると、次第に大胆になっていった。どこへ行ってもだいじょうぶなんじゃないか、と。1か月半ほど経った7月30日(土)、普通の住宅地を歩いていると、何やらプロっぽく写真撮影の仕掛けがしてある。
ブティックの大きなガラス窓の外側に、ちょっと離して垂直に立てられた2本の鉄パイプに張られる格好で、黒い布の壁ができている。その外に三脚が据えられ、黒い布の中央に開けられた穴からカメラのレンズがウィンドウ越しに店の中を覗いている。
こうすることによって、後方のビルがガラスに反射するのを防いでいる。光をうまく操るもんだなぁ、と感心して歩みを緩めて横目で見ながら通り過ぎようとすると、「GrowHairさん」と声がかかった。岩切氏であった。
なぜか私のことをご存じであった。それでも、普通の格好で歩いていたとしたら、まず気づかれずに素通りしたであろうから、目立つというのはいいもんだなぁ。
この日の被写体は、人形作家の清水真理さんだった。人形作家さんたちの写真で個展を開く予定なのだそうで。本人たちを知っている人にとっては、今まで見たこともないような、がらっと違うイメージを演出したいとのことで、清水さんはアリス風のひらひらした格好になっている。私との2ショは先ほどのPicasaウェブアルバムに入っている。岩切さんと偶然出会ったその日に撮影された、記念すべきショットである。
鶴見のラーメン屋でも撮っていただいた。川崎のかなまら祭に行った日、下北沢に戻る前に立ち寄ったのである。店構えが掘立小屋みたいだとか、水のコップがそこらへんで拾ってきたワンカップ酒の空き瓶だとか、細かいことを気にしなければ、ラーメンの味は非常によく、地元の人たちの人気店で、繁盛している。私は4回行っているが、一度もお金を払ったことがない。店のおっちゃんとの2ショが先ほどのアルバムに2枚、入っています。
さて、来る6月9日(日)、岩切氏がイベントに出演して、映像投射します。「ジャンベ奏者、ダンスアーティスト、画家、写真家が協力し、また戦いながら繰り広げる一夜限りのアートパフォーマンス」とのことで、題して『port INTERACTIVE SESSION』。
日時:6月9日(日)4:30pm 開場/5:00pm開演
場所:port 港区六本木7-18-13 kaneko bidg 3F TEL.03-6447-0016
料金:3000円(1ドリンク付)
出演:藤川清(ジャンベ)牧瀬茜(踊り)ninko ouzou (ライブペイント)
岩切等(映像投射)
告知動画:
< >
フェイスブックの告知ページ:
< https://www.facebook.com/events/530787516979187/
>
そう言えば私は、前々から写真集を出すぞ出すぞと宣言しているが、いまだに実現していない。自費でちょこっとした小冊子を作ってデザフェスなどで販売してお茶を濁すのでもいいのだが、できれば商業出版って形にならないだろうか、なんてなんて。どこか、版元になってくださるところ、ないでしょうか。今なら割と知名度が上がっているので、もしかすると売れるかもしれませんよー、なんて。
【GrowHair】GrowHair@yahoo.co.jp
セーラー服仙人カメコ。アイデンティティ拡散。
< http://www.growhair-jk.com/
>
タレント並みに忙しい。まだ放送されるかどうか決まってませんが、土曜は日テレのテレビカメラに収録されてきました。あ、放送されるとしたら、6月15日(土)の早朝になる可能性が濃厚、とのことです。また、海外のメディアからも、いくつかコンタクトが来ています。えっと、忙しすぎて忘れかけてたけど、オレの仕事ってなんだっけ?
告知がふたつ。
本文でも述べたように、ロフトプラスワンでしゃべります。満を持しての堂々たる穴埋め企画で、その仮題は、「すったもんだがありまして、6/11に『ロフトプラスワンファン感謝デー』第二弾を開催させて頂きます(仮)」。
日時:6月11日(火) OPEN 18:30 / START 19:30
場所:新宿「ロフトプラスワン」
出演:吉田豪、久田将義、徳光正行、杉作J太郎、鳥人間コンテストとあなるちゃん、ザ・ショッキング(女性過激パフォーマー)、GrowHair(JK爺)、タジマジック(超能力マジシャン)、坂上弘(世界最高齢ラッパー)
料金:特別価格 予約1000円/当日1500円(飲食代別/感謝状付)
< http://www.loft-prj.co.jp/schedule/plusone/16327
>
私がプロデューサ陣の一員であり、写真撮り役であり、メンバーでもある女子中学生アイドルグループ「かおす de じゃぽん (仮)」のライブが6月9日(日)に渋谷であります。赤坂のときと同じ『ウタ娘』というイベントです。第1部と第2部、両方出ます。あれ? メンバーってことは、オレも恋愛禁止なのか?! してないからいいけど。
日時:6月9日(日)
第1部 OPEN 11:00 / START 11:30
第2部 OPEN 17:00 / START 17:30
場所:渋谷クラブ27destiny
料金:前売3,000円/当日3,500円(別途ドリンク500円)女性・学生割あり
< http://www.uta-musume.com/Entry/46/
>
雑誌「Trash-Up!! vol.15」に「かおす de じゃぽん (仮)」のインタビュー記事が掲載されました。4月13日(土)、ライブの合間に赤坂で取材を受けたもの。1ページに写真が大きくどかんと。続く2ページにわたって、インタビューの記録。
細かい文字でびーーーっしりと。いろいろしゃべっておけば、編集で面白いところだけピックアップして、全体のつながりがよくなるように順番を入れ替えたり、つなぎの言葉を足したりして体裁よくしてくれるのだろうと思っていたので、割と適当になんでもかんでも思いつくままにしゃべった。そしたら、ほとんど手が入らず、ほぼ生のままで掲載されてる。ちょっとあせった。各メンバーやスタッフの人となりが割とにじみ出ちゃってます。
< http://www.trash-up.com/store/trash-up_vol15_1.html
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前回、TBSテレビ『有吉ジャポン』の取材を受けたことを書いた中で、人形撮影しているところを収録したいという希望を別のメディアからも受けていて、2日連続で清水真理さんから別々の作品をお借りして、山と河川敷へ行ったことを書きました。
別のメディアとは、「VICEメディアジャパン」でした。カナダを拠点として、世界30か国に支部があるという国際的メディア。扱うテーマはマスターベーションチャンピオンのドキュメンタリーとか脱法ハーブについての調査報告とか、どっかアブナげな領域だったりします。
私は4/27(土)に新宿、神保町、渋谷で、4/29(月・祝)に入間川の河川敷で取材を受けています。6月5日(水)に予告編が出ました。話題沸騰! セーラー服で街に出没する『セーラー服おじさん』こと小林秀章。いったい何故? どんな人? きっかけは? 職業は? おっと、生着替えも..?! 近日公開!
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まだ2日しか経っていないのに、閲覧数が9,500を超え、「高く評価」が331件、「低く評価」が12件、コメントが312件。コメントはほとんどが英語。あはは、笑えるのがいろいろ、ありがとー。割と評判いいようです。
最近立ち上げた個人サイトにメディア露出歴を載せています。今後もどんどん追加されていきそうな見通し、楽しみです〜。
< http://www.growhair-jk.com/
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編集後記(06/07)
●最近の新聞や週刊誌があまりおもしろくない。かつては新聞の1面から順にしっかり読み込んだものだったが、このごろの1〜4面はあっさり流している。週刊誌も以前は各誌が毎号興味深い記事を掲載し、見出しだけでも楽しめたものだが、最近はあまりピンとくる記事がない。とくに楽しみだったのが木曜日の「週刊新潮」「週刊文春」の新聞広告だったが、ぜひ読みたいと思う見出しがない。理由ははっきりしている。政権交代したからだ。一応まともな世の中になったからだ。
あの悪夢のような民主党政権の時代は、信じられないくらい愚かな内政と外交で、怒り心頭に発する毎日だったから、マスコミやネットの記事を読んで溜飲を下げたり、逆にもっと怒りが燃えさかったりしたものだ。あのころの「週刊新潮」「週刊文春」は本当におもしろかった。そして、日本は亡国寸前まで行ったが、なんとか踏みとどまることができた。そのわけは「民主党が無能だったから」という説がある。
「彼らがとことん無能でよかった。彼らの無能ゆえの無為無策によって、日本は何とか持ちこたえた。あんな人たちがなまじ有能だったら、日本はどんな方向へ向かっていたか分からず、その弊害とダメージは計り知れなかったはずだ」と産経の政治部記者・阿比留瑠比は「正論」5月号に書いていた。「『決められない政治』を続け、国民不在の党内抗争に明け暮れて無駄なエネルギーを使い続けてくれた結果、日本は何とか助かったと言うのが実態だろう」。思わず笑っちゃったが、これは真実だな。
ところで、最近の「週刊現代」「週刊ポスト」は異常である。高齢者のセックス特集をずっと続けている。「死ぬほどSEX 60歳からが「男盛り」女は貴方を待っている」とか、「あなたに必要なのは勇気です〈死ぬまでセックス〉実践編」とか、「大研究週現スペシャルぶちぬき15ページ〈生涯現役のすすめ〉80歳でもセックス」とか、コピペするのも憚られる最低の特集見出しだ。需要があるから特集する? 本当かよ。毅然たる日本精神をかろうじて支えているのは、もはや高齢者だけである。その年齢層に向けて、こんな破廉恥な特集を送り出す連中の本当の狙いは何か。更なる日本弱体化を狙うどこかの国の陰謀ではないのか。嗚呼、やだ、やだ。おぞましい。(柴田)
●スマートペンの続き。このペンで書かれたものはEvernoteでWiFi同期するのを前提としている。今はEvernoteだけで、将来的にはGoogle DriveやDropboxなどとも連携する予定のようだ。専用ノートが必要で、このノートには細かなドットが印刷されている(ドットペーパーと呼ぶ)。ペン先にカメラが仕込まれていて、書かれた位置を把握している。ページも記憶しているので、ページを戻っての追記も可能。
電源を入れ、ノートにそのまま書けば、書かれた文字を記憶し、Evernoteにアップしていく。ノート下部に印刷されてある「record」ボタンをペン先でタップしてから(つついてから)書き始めると、音声も録音する。メモの任意の箇所をタップすると、そのメモをした時点の会話が再生される。再生はペン本体から。再生スピードは10段階。続く。(hammer.mule)
< http://www.livescribe.com/ja/
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公式
< http://www.sourcenext.com/product/pc/oth/pc_oth_000897/
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日本での販売代理店、ソースネクストのページ。