[3519] 大学で3Dプリンタ集中講義

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《農業用水まわりの構造物って美しいなあ》

■わが逃走[127]
 小諸周辺散歩 の巻
 齋藤 浩

■3Dプリンタ奮闘記[15]
 3Dプリンタの活用・番外編 大学で集中講義(1)
 織田隆治

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■わが逃走[127]
小諸周辺散歩 の巻

齋藤 浩
< https://bn.dgcr.com/archives/20130718140200.html
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2か月ほど前、カメラ片手に信州は小諸周辺をぷらっと散歩したのですが、現像はしたもののそのまま放置しておりまして、そいつをなんとなくスキャンしたり、整理したりしているうちに、文章を書くのもいいかなあ、なんて思った次第。

行動原理がすべて"なんとなく"なので、写真も"なんとなく"なものが多いです。

では、なんとなく始めましょう。

なお、今回はモノクロ、カラー、フィルム、デジタル混在で節操がないですが、そのへんはまあご愛嬌ってことで。

浅間山の麓、なんとなく立ち寄った佐久市のとある集落にて。白壁のアールが美しいなあ。ついでに扇形の風抜き穴(?)が風流。
< https://bn.dgcr.com/archives/2013/07/18/images/001 >

いわゆる観光地ではなく、昔からの普通の暮らしが続いている普通の街並みには、新興住宅地にはない"人のいとなみ"のようなものを感じて安心する。

ちょっと歩くとこんな空間が。この先に清水が湧いていて、ここは共同の洗い場だったりする。ほら、石の上にタワシが乗っかってるでしょ。
< https://bn.dgcr.com/archives/2013/07/18/images/002 >

昔、寺(?)だったところが今は公民館みたいに使われているらしい。階段を登って振り返ったら、田んぼが生き生きとしている。水のながれる音がよく聞こえた。

こういうのがこのへんの日常的風景。春だねえ。
< https://bn.dgcr.com/archives/2013/07/18/images/003 >

いつも思うけど、農業用水まわりの構造物って美しいなあ。キャラ立ちでは以前紹介した円筒分水の方が上かもしれないけど、必然から生まれた構造美はいずれもなかなかのもの。

この写真は単なるスナップだが、じっくり構えて究極の構図で美しさと構造とが同時に伝わる写真が撮れたらって思う。
< https://bn.dgcr.com/archives/2013/07/18/images/004 >

これってわかりにくいかもしれないけど、絶妙なえぐれ具合で道路の下に水路が交差しているのです。妙に感動したんだけど、こういうのも写真で伝えにくいんだよなあ。今後の私の課題ですな。
< https://bn.dgcr.com/archives/2013/07/18/images/005 >

で、この後ついっと車で小諸駅周辺へ。たまたま入った蕎麦屋の蕎麦が絶品だった! 天ぷらはイマイチだったが。

さて腹も満たされたところで近所を歩いてみた。見事な石橋! 両サイドを見てみたが、橋の銘板が外されていて名称不明。

橋の下を道路がくぐり、その下を川が流れる三層構造。地形的にも面白い。
< https://bn.dgcr.com/archives/2013/07/18/images/006 >

小さな街の中を美しい川が勢い良く流れる。いいなあ。
小諸の街は意外に高低差があり、ちょっと歩くだけでもメリハリのある風景を堪能できる。川に沿って歩けば、風情のある橋をいくつも見ることができる。
< https://bn.dgcr.com/archives/2013/07/18/images/007 >

民家の入口の階段とスロープ。こういう、どうってことない構造物に何故かものすごい美しさを感じてしまう。見栄とか欲などとは無縁の「必要だから作った」潔さに惹かれるのだろう。
< https://bn.dgcr.com/archives/2013/07/18/images/008 >

閉店してそのままになっている、いわゆる『角のたばこ屋』を裏から撮影。昭和の佇まいが美しい。営業しているときに見てみたかった。表にまわってみると、美しいタイルの"でっぱり"。
< https://bn.dgcr.com/archives/2013/07/18/images/009 >
< https://bn.dgcr.com/archives/2013/07/18/images/010 >

さらに行くとなにやらスケキヨ風の物件が!
< https://bn.dgcr.com/archives/2013/07/18/images/011 >

小諸の町並み。古道具屋さんがいっぱい。
< https://bn.dgcr.com/archives/2013/07/18/images/012 >

そして何気なく立ち寄った店でおさかなと目が合う。早速ご主人が解説してくれた。
< https://bn.dgcr.com/archives/2013/07/18/images/013 >

なんでもこの水滴は室町時代のものをもとに、明治時代に作られたレプリカだという。オレにしてみれば近年、小学校の図工の時間に作られたものにしか見えんが。

「2500円のところ、特別に1500円でいいよ」って、いきなり1000円も値引きするってことはやはりそうなんだろう。まあ金銭的価値などどうでもいい、こいつはいいヤツだ。おともだちとして連れて帰りたい。という訳で購入した。

そしてこいつあアサガオですな。
< https://bn.dgcr.com/archives/2013/07/18/images/014 >

そうと知らずに外国人観光客が花器として買っていくのであろうか。まあ新品ならいいけど、中古品は気になるなあ。

毅然とした佇まいの味噌屋さんを発見したので入ってみた。中はひんやりとしており誰もいない。ほんのりとした発酵の香りが心地よい。しばらくすると奥から上品なばあちゃんが出てきて、いろいろと説明してくれた。
< https://bn.dgcr.com/archives/2013/07/18/images/015 >

結局ナントカという味噌を買い、後日おみおつけをいただいた訳だが、恐ろしいほど旨かった。信州の底力。凄い。以前、松本でも老舗の味噌蔵で味噌を買ったのだが、ここの比ではない。そんなわけで小諸の勝ちー!

おとなりの軽井沢が年々涼しいお台場みたいになってきているのに対し、小諸にはそこに暮らす人々の生活が息づいている。

意味のある地形、意味のある様式、そして意味のある味わい。観光とは誰かに遊んでもらうことではなく、そこで暮らす人と自分との文化の違いを楽しむもの、と私は思います。

さあ皆さん、この夏は是非小諸へ。
夏の小諸は暑いけど、気持ちのいい暑さです。


【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
< http://tongpoographics.jp/
>

1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。


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■3Dプリンタ奮闘記[15]
3Dプリンタの活用・番外編 大学で集中講義(1)

織田隆治
< https://bn.dgcr.com/archives/20130718140100.html
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これまで色々と3Dプリンタや造形について書いてきましたが、ちょっと中休み。先日楽しい経験をしてきた事についてお話しようと思います。

筑波大学にて7月6日と7日の2日間にわたり、「立体造形の基礎と3Dプリンタの応用」という内容で集中講義をする事になり、ここ数か月色々と準備をしていました。

そして先日、その講義を無事終えましたので、それに至る道について今回〜次回と2回に渡って、僕の体験談を書いてみようと思います。

始まりは、昨年の秋。大学の時の友人から連絡がありました。
「筑波大学で何かオモロイ事を喋って講義してくれへんか?」
という内容でした。

僕のような末端の製作者の職人のオッサンが、若い学生さん相手に何が語れるのか!! と些か葛藤もありましたが、友人曰く。

「実際に手を動かして製作しているオッサンの話が面白い」

それじゃ末端のオッサンの体験話しでもしてみるか!と、そのお話を受ける事にしました。せっかく照会していただいた訳ですし、楽しそうじゃないですか!

企業戦士さん相手のビジネス的なセミナーみたいなのでしたら、セールスプロモーションでの目的に合った、模型、造形、3DCGを活用した提案等の話はいくらでも出来ます。

しかし、学生さん相手ではそういった事よりも、もっと面白くて、色々な技術に興味を持ってもらえるような事を話さないとダメだなぁ...と。。。

今色々と製作している3Dプリンタについて話をしてみようか......
キャラクター製作について語ってみようかな......
3DCGについてが良いかなぁ......
造形の仕事もしている事から、模型、造形ついてトータルで語ってみる事にしようか......

などなど、色々と頭の中を巡ります。
まあ、まだ時間もあるし、じっくり考えて楽しい内容にしよう!
と心に決めていました。

当時のお話では、今年の11月の集中講義だったのです。一年くらいあった訳です。しかし、今年の始めに筑波大学の教授からご連絡を頂きまして、夏にも集中講義をしてほしいとのことでした。

そこで、今、巷では3Dプリンタについて色々と取り上げられるようになっており、初回の夏の集中講義では、それらの事をテーマとする事にしました。タイムリーですもんね。

しかし、講義全体は2日間にわたって10時間もあります。

「ちょっと、奥さん、お聞きになりました! 10時間ですって!」
「へぇ〜、や〜ねぇ。大変じゃないのぉ...」

って事で、内容的にもかなりの物量になりますので、色々と準備をして行く必要があったわけです。

さすがにたった一人で10時間にわたる講義やセミナー、プレゼンなんて経験した事がないので、どれくらいの物量のテキスト、画像、スライドを用意したら良いのか想像もつきません。

そこで、まずは色々と資料集め。

幸い、僕は仕事の工程写真なんかを撮るのが習慣になっていて、画像自体は沢山ストックがありました。

後は、その造形や模型製作、キャラクターの製作の工程についてや、3Dプリンタの種類や構造なんかを、分かりやすくお話すれば良いかな。

最近は、3DプリンタについてはWEB上で探せば色々と資料が見られる訳ですが、難しい表現で書かれているものが多く、もっと噛み砕いて、「3DCGや造形や模型についての見識のない人が聞いても分かりやすい内容」にまとめる作業に入りました。

もちろん、このメールマガジンに書いた記事も、もっと噛み砕いて使用する事が出来ました。色々とやっておくものですねぇ。うんうん。感謝感謝!

話す方も色々と大変ですが、当然、聞く方も10時間も座って聞く事になりますからもっと大変です。

3Dプリンタの話だけを10時間も延々と真面目に語るには、関西人的、ネタ的に面白味がないので、もっと聞いて見て楽しい講義にしたいと思いました。

いくら講義を受ける事に慣れている学生さんとはいうものの、ちょっとブレイク的なネタも必要ですよね。

いくら興味があっても、1日5時間。2日続けて10時間なんて聞いてられませんし。まあ、僕自身も関西人的立場から、真面目な話だけでは疲れます。

そこで、これまで色々と作ってきたオリジナルのキャラクターの造形や、僕が毎回参加している「ワンダーフェスティバル」という模型イベント等の話も、香辛料的にチョコっと取り入れた講義内容にしました。

ギリギリまで試行錯誤しながら色々と資料などをまとめて行き、なんとか講義の2日前になって、約400枚のスライド、A4で60枚程の原稿を用意する事が出来ました。

「3DCGと3Dプリンタの連携、実際の模型製作にどのように活用出来るか」という内容を、初心者が聞いてもなんとなく理解できるようにまとめられたと思います。

一応、それなりにシミュレーションはしてみたんですが、流石にこんな長丁場の講義を、しかも一人で行った事はなく、かなりチャレンジャー感満載で挑むことになりそうでした。

果たしてこの物量で足りるのだろうか!
アドリブでどれくらい砕けても受け入れてもらえるのか!
などなど色々とモンモンしながら、講義への旅に出かけたのでした。

【織田隆治】
FULL DIMENSIONS STUDIO(フル ディメンションズ スタジオ)
< http://www.f-d-studio.jp
>

大学での講義なんて初体験でしたが、これが結構......
次回へ続きます(笑)


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編集後記(07/18)

●まだまだあったのね、スノーホワイトもの。「白雪姫と鏡の女王」DVDを見た。白雪姫は眉毛、鏡の女王は大口、それが第一印象のコメディ、もといファンタジーだ。女王がおどろおどろしい魔女ではなく、なんとなくキャリアウーマンを思わせる、活発なおばさんだ。笑ったときの口の大きさはともかく、チャーミングな年増ぶりにクラクラする。強欲で冷酷なはずだが、なんとなく憎めない。毒舌のセリフや意地悪、そしてけっこうドジなところもおもしろく、ジュリア・ロバーツが生き生きと演じている。

白雪姫は、とにかく眉毛のリリー・コリンズ(わたしは初見の人)。冗談メイクかと思わせるくらいの眉毛には驚くが、若い仲間由紀恵みたいでとってもかわいい。お城に幽閉されて育ったにしては身体能力があり(←ツッコミ)、7人の小人たちのギャング団で鍛えられる。小人達が巨人に変身するギミックも楽しい。王子は女王との政略結婚に応じるために城に来るが、あっさり白雪姫に乗り換える、軽薄で間抜けなお人好しのマッチョだ。

そして、俳優以外の見どころはなんといっても石岡瑛子のデザインした衣裳の数々だ。おとぎ話の世界をみごとに表現したセットもいい。むずかしいストーリーではない。なにも考えずに流れに乗ってお気楽に見ていればいい映画だから疲れない。ギャグがいくつも仕込まれてて楽しい。最後の歌と踊りのシーンは、これインド映画か? と思わせる意外性がいい。いままで見た白雪姫映画で一番おもしろかった。

たまたま諸星大二郎の漫画単行本「グリムのような物語 スノウホワイト」を読んだ。ここの「白雪姫」は、三度殺されて三度とも生き返ってくるという姫(の死体)、毎夜その死体を確認にくる魔女、姫の死体を修道院から強奪する死体愛好者の王子、姫の一族は実はバンパイア......これはホラー以外の何物でもない。そうだ、ホラーの白雪姫映画を見たい。(柴田)

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白雪姫と鏡の女王

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グリムのような物語 スノウホワイト


●続き。後記を書くためにNikeのアプリを起動してみて、あれ? 安田美沙子は? と気になった。アスリートボイスとして、清原和博や安田美沙子の声で励ましてくれる『Nike+ GPS日本語版』はストアからなくなっていた。ダウンロードしておけばよかった! 膝を痛めてからランニングからは遠ざかっていて、いつか落とそうと思ったままであった。

『Nike+ Basic Run [SPEED]』もなくなっている。Nikeアプリの専用BGM。攻殻機動隊の草薙素子の声でのナビゲーションを聞いてみたかったのに。いつまでも配信されるってわけじゃないんだな......。こっちも買っておけばよかった。昨日、『Nike+ Running』には専用BGMによるランニングシステムがあると書いたけれど、過去の話になってしまった。続く。(hammer.mule)

< http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1012/17/news099.html
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Nike+ GPS日本語版。発売当時の記事。
< https://es-la.facebook.com/note.php?note_id=190525167646459&comments
>
「Nike+ GPS日本語版」体験レポート vol.3「アスリートボイス」機能

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>
Nike+ Basic Run [SPEED]のPRムービー
< http://nike.jp/nikebiz/news/other_110209.html
>
スピード・アップを目指すランナーのための60分間のトレーニング・ミックス。2年しか経っていないのに
< http://enjoytricks.com/2010/06/nike-workout-dj-aki/
>
おっしゃる通りでした。[LSD]も気になっていたの。
< http://en.wikipedia.org/wiki/Category:Nike_Original_Run_series
>
Nike Original RunシリーズもiTunes Storeから消えてるわ。

< http://www.ove-web.com/news/Nblog/Ninfo/entry-496.html
>
ツール・ド・フランスのTシャツプレゼント
< http://m2college.net/fes2/
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まにフェスの登壇者が増えてきてる〜!