[3537] ハリウッドのユーザーインターフェース創造力

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《映画を見ながら何度も「もうダメだぁ〜!」って》

■装飾山イバラ道[125]
 「ワールド・ウォーZ」を見て
 武田瑛夢

■おかだの光画部トーク[105]
 9月7日「CSS Nite in KOBE, Vol.3」開催!
 岡田陽一

■シックスセンスを求めて[新連載:01]
 ハリウッドのユーザーインターフェース創造力
 若林健一 / kwaka1208




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■装飾山イバラ道[125]
「ワールド・ウォーZ」を見て

武田瑛夢
< https://bn.dgcr.com/archives/20130903140300.html
>
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夏休みだから映画を見たい。「『スター・トレック』と『ワールド・ウォーZ』を忘れずに見よう」とだんなさんに伝え、六本木の予約チケットを取ってもらった。

ブラッド・ピット主演の『ワールド・ウォーZ』の公開の方が先だったので、まずはこちらを見ることに。3D対応だったので3Dで見た。
※以下は映画のネタバレがありますので要注意です。※

映画の前に食事をするか、後にするかいつも悩むけれど「つるとんたん」でうどんを食べたかったので、映画の前にすることにした。変な時間に行くと異様に混むので、もっと変な時間に行くという作戦。たぶん6時前くらい。

おなかもいっぱいになり映画も見終わると、「『スターウォーズ』みたいな映画かと思ったら完全にゾンビ映画じゃん!」とだんなさんから軽い抗議を受ける。ソレって二つの映画のタイトルが混ざってるし(笑)。

『ワールド・ウォーZ』については、私もウィルス系パンデミック映画だと思っていたので、見ながらどうもゾンビらしいとは気がついたのでまぁしょうがない。結局、ウィルスでもゾンビでも、どっちでもいいような気がしてきたけれど。

●「個」が世界を救うか

ブラッド・ピット主演なのだから、そんなに変には作られていないだろうし、CMの映像も迫力があったので興味をそそられていた。実際に砂埃やら人間の波にもまれる地味色の画面の中で、ブラピがいてくれて良かった。

歳をとったとはいえ、きれいなので画面のシュールさが薄まる。残酷さを低めているのは、夏休み映画だしこれでいいんではないだろうか。

主要な登場人物は少なめだし、友情や恋愛がらみのシーンもほとんどない。家族愛がメインだった? そうかなーっという程度で基本はゾンビが怖い映画だ。

主演に存在感があるゾンビ映画というと「バイオハザード」などもそうだけれど、今回の映画では途中でさほどブラピのかっこいいアクションシーンがあるということもなく、その「判断力」がかっこいいのだった。

「判断力」がすべてというのは、どのシーンにも感じられる。いくら腕っ節が強くても、一瞬の判断を間違うと、もうゾンビに噛まれているという世界だからだ。「噛まれたら終わり」というゾンビ映画のセオリーはそのまま、緊張感のある場面が続いていく。

今回のゾンビは動きが速い系のゾンビで、噛まれた人間がゾンビ化するまでが10秒ほどという短い時間なのが特徴だ。その短さは、味方から敵に入れ替わっていく速さでもあり、映画全体のスピードアップにつながっている。

次から次へとゾンビ化していくので、お約束と言える人間だったころを懐かしむ系のシーンは少ない。一瞬アノ人だったゾンビかな? と思う程度で、どんどん話が進む。なにが悲しいというと、人間が残らないかもしれないという悲しさで、たまにブラピがドスンと落ち込んでいるのを見ていると、同じように落ち込んでしまう。

パニックな事態において何をすべきかが大切なので、頼りになるのは有り難いけれど、世界中がブラピ一人の判断に委ねちゃってていいのかな? と思ったりした。

しかし案外「個」の重要性が大きなものを救う分かれ道になるというのは、あるのかもしれない。人が力を合わせた結果、ひとつの「アイデア」のひらめきを生む。ひらめきを決断できるかどうかも結局は一人にかかってくる。

●中にいる何かの身勝手さ

今までのゾンビ映画との違いは、予算がケタ違いなのも大きいだろう。昔のゾンビ映画も、ビルの上からゾンビたちを見下ろすシーンはあったけれど、今回はもっと大掛かりな規模で、空からゾンビたちを映している。

このゾンビたちの行動の根っこは「食欲」で動くのではなく、「増えたい」という欲の方が圧倒的に強い。

腕を前に出してゆっくりと襲いかかっていた昔のゾンビとは違い、頭というより顔、むしろ歯から相手に飛びかかって行くので、成功すれば噛むことができるけれど、失敗すれば顔や歯が壊れるような突撃の仕方をしている。ピラニアっぽい顔つきのゾンビたちだ。

このぶっ飛んでくるような動きは、ガワとしての人間の身体なんてどうなっても良いという、中にいる何かの身勝手さを表してもいる。ゾンビの中には一体何がいるのか、それがこの映画ではひとつの大事なテーマだ。

まったく防御せずに歯から車に突っ込んでいく動きは、生きた普通の人間には不可能だと思った。役者の演技もあるだろうけれど、かなりCGで処理しないとあんなやみくもな動きはできないだろう。

主人公のブラピがゾンビに立ち向かう前の準備として、腕を雑誌とダクトテープでグルグル巻きにするというインスタントな鎧で守る。この何としても噛まれないようにする地道な努力は、人間らしい必死さとして理解できた。

結局、ゾンビのはびこる世界で生きるか死ぬかの違いは、己の身を守ろうとする切実性があるかないかなのだ。

●蟻のように動き蜂のように捨て身なゾンビ

新鮮な人間をひと噛みできればいいゾンビたちが、そのひと噛みのために集団で向かってくる怖さは、蜂が敵を刺しながら死んで行くようでもある。

引きの構図が多く、広い画面の中でゾンビたちが溢れ出てきては流れ込む液体のような動きに見えるのが圧巻だ。

逃げ惑う人間に大量のゾンビが蟻のようにたかり、蜂のように一撃を加えながら次々と仲間を増やして行く様は、究極の絶望感を感じさせる。ゾンビ映画のシーンとしても見た事がない規模の攻撃力だった。映画を見ながら何度も「もうダメだぁ〜!」っと思わされる。

全体で見せるシーンは多くても、アップのグロ場面はあまりない。こういった映画が苦手な女性でも耐えられるのではないだろうか。

以前はスプラッター場面と言っていた血まみれシーンを、今は「ゴア」シーンと言うらしい。そういうのは少ないし、赤い色自体をあまり見なかった気がする。残酷なシーンや痛々しいシーンは多いので何をもってマイルドと見るかの基準はよくわからないけれど、完全にマイルドなゾンビ映画なんてコントになってしまうだろう。

●ゾンビって何なのか

ちょっと異色作なので、他のゾンビ映画へのオマージュと言えるシーンは少なめだけれど、オープニングシーンではアレだと思えるものがあった。映画が始まると、ベッドルームでくつろぐ主人公のところへ子供たちが駆け寄って来るのだ。ここで「うわっ」と一瞬身構えるけれど、女の子たちはキャピキャピと元気なままだ。

ゾンビ映画の「ドーン・オブ・ザ・デット」を見ている人なら、ベッドルームと子供というだけで怖い。ドーンでは冒頭のベッドルームに入ってくる子供が既にゾンビだったからだ。

昔のゾンビはゾンビでもうどうしようもないと思っていた。根本を考えるよりも、今コイツらから逃げるにはどうしたら良いのかということだけだった。

この映画では、ゾンビの発生の秘密について探求していく。場当たり的に戦うだけのゾンビ映画にはしたくないようだった。

私は映画しか見ていないので十分満足したけれど、原作のファンが多いので、映画化しきれなかった部分についての不満も多いようだ。

ゾンビの中には何がいるのか、答えは曖昧なままだけれど曖昧にしておくということで、ゾンビを尊重している姿勢を見せているのかもしれない。知りたいことほど、知りたいのままがいい。

【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
< http://www.eimu.com/
>

以前記事にした塩の冷感寝具はけっこう便利だった。クーラーをつけずにはすまない暑さだったので、これも併用したけれど、部屋がそこそこ涼しければ十分機能した。

固体がほとんど液体になり、袋の中でそのまま液体だったけれど、以前使っていたのが水を入れるタイプだったので慣れていたし。つまむとわかる程度に塊もできているけれど気にしない。残暑がどこまで続くのかいやになってしまう。


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■おかだの光画部トーク[105]
9月7日「CSS Nite in KOBE, Vol.3」開催!

岡田陽一
< https://bn.dgcr.com/archives/20130903140200.html
>
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8月はかぷっと川合さんのところで開催された熱いイベント「まにフェス」がありました。わたしもイベントの撮影で一日中、3階と4階を何度も往復していました。ブースありオープンステージあり、がっつりセミナーやレアな対談あり、ゆるキャラありの学園祭みたいな楽しいイベントでした。

そんな暑かった8月があっという間に終わってしまいました。9月に入ってまだ蒸しますが、朝晩は少し涼しくなってきましたね。

9月と言えば、今度は「CSS Nite in KOBE, Vol.3」です。いよいよ今週末、9月7日(土)神戸市産業振興センター 901で開催します。

この企画は今年入って間もない頃、1月下旬〜2月くらいに出演者に打診したり、会場を探したりしていました。それくらい前から動かないと、会場と、みなさんのスケジュールを上手くブッキングするのがとっても難しいのです。

さて、今回のテーマは「Webサイト制作・運用に必要なWebマーケティング、ソーシャルメディア、
SEOの本当の知識」

何のためのSEOなのか? 何のためのソーシャルメディアなのか? 目的を考えず、ただ周りに言われるがまま、SEOだ! Facebookだ! と世間の風潮に流されたり焦ったりしていませんか?

何故SEOやソーシャルメディアが必要なのか、あなたのWebサイトに本当に必要なことは何かを探ってみましょう。

という主旨で、5人のスペシャリストにお話いただきます。

■セッション1「理由と経路のマーケティング」住 太陽(SEO 検索エンジン最適化)

SEOと言えばこの人。トリックに頼らない正当なSEOの普及を目指す、国内SEOの先駆者として知られる住さんです。

SEOのスペシャリストなのにタイトルがマーケティング? って思われる方もいますよね。今回、SEOとソーシャルメディア、Webマーケティングを一緒にする理由、実はこの3つ、一見関係なさそうに感じるかもしれませんが、どれも「コンテンツ」というキーワードでとても密接に関わっている内容です。どれも別々で考えることではなく、すべてが繋がっています。

■セッション2「今だからこそ取り組むべき、ソーシャルメディア活用のポイント」大月茂樹(ニイハチヨンサン)

岡山でかなりとんがったWeb系のセミナーを主催し、彼が企画したセミナーは全国各地で再演されるという、「黒ベンツ先生」こと大月さんには、ソーシャルメディアのことをお話いただきます。

FacebookやTwitterなどはもう一般的にあたりまえとなった今、多くの人がソーシャルメディアを利用しています。人があつまる場所に、企業は広告を出したり情報を得たりしようとします。

でも、実際にそこで何をすればいいのか。Facebookページを作ってみたものの開店休業状態で終わらせないために、ソーシャルメディア活用のポイントを考えるセッションになります。

■セッション3「集客に使える手法とその向き不向き」古荘貴司(日本情報化農業研究所)

オープンソース汎用CMS「SOY CMS」、ショッピングカートシステム「Soy Shop」、Webサイト改善ツール「BananaAd」などを開発している古荘さんには、多数のサイト/ネットショップ構築・運営で色々な試行錯誤を繰り返してきた中で経験した、集客に使える手法とその向き不向きについて、成功事例、失敗事例を交えてお話いただきます。

■セッション4「Webアレンジャーのススメ 〜3歩進んだコンテンツプランニング」松尾茂起(WEBライダー)

松尾さんも、言わずと知れたSEOに強いコンテンツプランニングを手がけるスペシャリスト。人がリンクしたくなる(紹介したくなる)コンテンツはどんなものか、心理的な要素も多く取り入れ、ソーシャルメディアなどで外部リンクされるコンテンツ作りとコツなどを盛りだくさんでお話いただきます。

■セッション5「結果に結びつくWebマーケティングとは何か?」高畑哲平(KDDIウェブコミュニケーションズ)

高畑さんには、Webマーケティングのお話をしていただきます。

Webサイトの制作に携わっている人や、Webサイトを利用して商売や事業をしている人は、ついついすべてをWeb内で解決しようと考えがちです。いくらスマホが発達した現代でも、普通の人間の行動はオンラインでいることの方が少ないかもしれません。Webマーケティングといえど、Webだけではなく、普通の生活の中から人間の購買行動を探るのが本来必要なことでしょう。

そんなことを実例を交えながら、各登壇者の内容のまとめ的な話になると思います。

これらの内容をそれぞれひとつずつ聞く機会は、もしかしたらあちこちであるかもしれませんが、5つまとめてこのメンバーで聞けるチャンスはなかなかないと思います。

そこまで言うなら参加してみようかと思った方、申し訳ありません。既にお申込みは満席で、会場のキャパいっぱいなので増席ができない状況です。

また、終了後にTwitterのまとめや、参加した方のブログなどを含め、当日の様子をシェアしたいと思います。
< http://cssnite-kobe.jp/
>

【岡田陽一/株式会社ふわっと 代表取締役 ディレクター+フォトグラファー】
< mailto:okada@fuwhat.com > < Twitter:http://twitter.com/okada41
>

今回のイベントの告知で実験も兼ねて、Facebookページの記事を料金を支払って広告にしてみましたが、面白いくらいに効果を体感できて、とても成果がありました。Facebookの広告は場合によってはかなりオススメです。


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■シックスセンスを求めて[新連載:01]
ハリウッドのユーザーインターフェース創造力

若林健一 / kwaka1208
< https://bn.dgcr.com/archives/20130903140100.html
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初めましてm(_"_)m

このたび、ご縁あってデジクリに寄稿させていただくことになりました若林と申します。自分は"一介のソフトウェアエンジニア"で"クリエイター"みたいなカッコいい者ではありませんが、せっかくのご縁ですので一日でも長く続けられるように頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。m(_"_)m

●映画のなかの印象的なユーザーインターフェース

さて、今回のテーマ「ハリウッドのユーザーインターフェース創造力」ですが、先日公開された「スタートレック イントゥダークネス」の中で印象的なユーザーインターフェースに出会いました。

映画を観た方でないとわかりにくいのですが、ある人物が逮捕・留されるシーンで「未来の牢屋」が登場します。「未来の牢屋」は格子ではなく透明の壁に円形の機械が一つあるだけで、出入り口はありません。

そこへドクターがやってきて中の人の採血を行うのですが、円形の機械を壁の上を滑らせるように動かし、それを拡げて出来た穴から腕を出させ、採血が済むと円形の機械を閉じ、壁の上を滑らせるように弾いて壁の隅へ追いやる。わずか10秒程度のシーンでした。

(映画の公式サイトにそのシーンの写真がありますが、この写真にはこの「装置」は写っていません)
< http://www.startrek-movie.jp/images/gallery/gallery6 >

●ユーザーインターフェースが産み出すリアリティ

自分にはこのシーンがとても印象的でした。

「あの壁は天井から床に向かってバリアが張られてるんだな」
「あの機械はそのバリアを吸収する機能があるんだ」
「だからあの機械を広げるとそこだけ空洞になるんだ」
「あの機械は外からしか操作できないんだ。だから壁に付きっぱなしでも大丈夫なんだ」

そんなことが一瞬の間に頭の中を駆け巡って行き、そのメカニズムがすっきり納得できて、リアリティを感じることが出来たのです。

その一方で「なぜあんなものをわざわざ考えたのだろう?」とも考えました。

もっと簡単に「手をかざすとそこに空間が出来る」でもよかったのかもしれません。しかし、そうだとすれば「透明の壁に空間が出来るメカニズム」をイメージすることが出来ず、この時感じたようなリアリティは感じられなかったことでしょう。

日本のロボットアニメで、ライフルや刀のような武器を手に持ったロボットを、二つのレバーだけで操作して戦うものがあります。

レバーの操作だけで複雑な動きをしているのを見ると「それってどないなっとんねん?」と思いますが、ハリウッド映画のそういった一つ一つの小さなリアリティが、映画の世界全体を支え作品の質を高めているのではないでしょうか。

●ジェスチャー操作で機器を操作可能にするデバイス

とはいえ、新しいアイデアを出すのは簡単なことではありません。「マイノリティ・リポート」のように、主人公の動きが映画の特徴の一つになっているのならともかく、もしかすると見過ごされてしまうかもしれないような短いシーンにも手を抜かない、ハリウッドのこだわりと創造力を感じた瞬間でした。

もちろん作品全体も素晴らしいものですので、まだご覧になっていない方はぜひ映画館にお出かけください。

そうそう、それで思い出しましたが「マイノリティ・リポート」のようなジェスチャー操作で機器を操作可能にするデバイスが、普通に買えるようになりました。Leap Motionです。もしかすると、透明の壁もいつかは普通の家でに出現するのかもしれませんね。;-)

Leap Motion
< https://www.leapmotion.com
>

手のジェスチャーでPC操作「Leap Motion Controller」レビュー[CNET Japan]
< http://japan.cnet.com/news/commentary/35035350/
>

【若林健一 / kwaka1208】 kwaka1208@pote2.net
< http://kwaka1208.net/
>
< http://pote2.net/kenichi/
>

四半世紀、職業人としてソフトウェア開発に関わって来た"一介のエンジニア"でございます。常日頃「安心して使えるもの」「ワクワクするもの」を産み出したいと考えていることから、このデジクリでも五感以外で感じる安心感とかワクワク感を感じられるものを追求したいという想いを込めて「シックスセンスを求めて」というタイトルにしました。

そういう方向で何かをお伝えしたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。


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編集後記(09/03)

●室谷克実「悪韓論」を読む(新潮新書、2013)。筆者は1980年から85年まで時事通信社の特派員としてソウルで暮らしたこともある、韓国通のジャーナリストだ。この本はタイトル通り「悪しき韓国について論じた書」である。この本を読むと、韓国とはやはり、日本にとって(おそらく大多数の国々にとっても)「悪なる国」だと結論せざるを得ない。

30年以上年前に、韓国の広告業界の取材(自費!)でソウルに1週間滞在して、けっこうこの国好きかもと思っていたわたしだったが、その後どんどん悪辣なことばかり日本に仕掛けてくるこの国が嫌いになり、もはや敵国といっていいくらいだ。2000年にデジタル部活で北京に行ったとき、けっこうこの国好きかもと思っていたわたしだったが......以下同文。

日本ではいまだに「韓国を見習うべきだ」「サムスンに学べ」なんて浅はかな声も聞こえるが、「とんでもない。日本は、そんな国になってはいけない」という思いから真の韓国事情を伝えることが、この本の一貫したテーマだ。筆者は「事実は事実だ。事実を書くのに遠慮してはいけない」というスタンスを貫いている。また偏見や独断ではないことを示すために、韓国の公式統計やマスコミ報道を主たる典拠にしている。

格差王国の身分制度、就職浪人大国の悲惨、短期退職者が溢れる国に匠はいない、長時間労働大国の怠慢、嘘吐き大国は《外華内貧》で老人自殺大国、詐欺大国の上に訴訟大国、高級マンションはヤミ金大国の象徴、お笑い欺術大国だから原発が恐ろしい、恩赦大国に腐臭なき人はいるのか、韓国型生活様式が内包する売買春天国.........こんな章立てになっちゃうくらい悪い話ばかりである。現実の韓国とは、文明の終りを思わすような悪辣な思考と行動、風習、風俗が闊歩する社会だという。

韓国政府が喧伝する「稼働率世界最高、安全な韓国原発」は大ウソで、国産化率が高くなるほど事故が発生している。原発に品質保証書を偽造した不正部品を納入して、運用会社も業者も大もうけして喜ぶような国だ。韓国では原発の核心部品を製造できない。日本で展開されている「原発ゼロ」運動は、朝鮮半島グループが介在している。運動そのものが、実は日本の原発専門家、技術者を半島に招き入れるという目的があるのではないかという推察。ありそうな話である。

どんな侮蔑行動をしても「遺憾の意」の表明だけで終わる。韓国人にとって「見下して当然」「強く出なければ損」の存在でしかない日本。「とりあえず話し合いを」という良識はもう引っ込めよう。隣国と仲が良くないのは世界標準だ。話も気持ちも通じない。しかし、通じなくていいではないか。「本書の内容に異義があるという御方には、わたしの典拠より高い水準のソーズを基にして『良韓論』あるいは『善韓論』を執筆されるよう、お勧めする。」と筆者。はい、そういう本があるなら読んでみますぞ。(柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106105160/dgcrcom-22/
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室谷克実「悪韓論」


●若林さん、ありがとうございます! 「五感以外で感じる安心感とかワクワク感」期待しています!

続き。自分に余裕がなくなると、「なぜ請けた?」「なぜ断らなかった?」「なぜ他の人に頼まなかった?」という自分への怒りと、「なぜ私に、重なって仕事が来るのよ」「言いましたよね? このデータで、原稿でいいのかと聞きましたよね? 戻り何度目ですか?」という腹立ちが出てくる。相手だって努力してくれているのに。

約束を破りたくない。友人との約束は考えて考えて決めたことだ。破りたくないから、人とはあまり約束をしないという本末転倒な積極性のない自分までいるというのに、なんでこうなるの? ああ、やっぱり私には約束は無理なんだと思い始める。約束を先に作っておけば、それに向かってどうにか調整するのに。いい方向に回るのに。

でも調整できない時もあって、友人との約束を優先すると、先延ばしになる仕事が出てくる。または友人との約束を断ることになる。何度か直前に断って迷惑をかけた。ごめんという時は本当に苦しい。キャパを越えた状況を作り出した原因は何だ? 続く。(hammer.mule)