[3609] 年末恒例の大仕事

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《とりあえずよくやった>自分》

■ネタを訪ねて三万歩[107]
 年末恒例の大仕事
 海津ヨシノリ

■グラフィック薄氷大魔王[372]
 大型作品集中制作、ひとまず終了
 吉井 宏

■どうしたらできるかな?[step:12]
 妙にノリノリ、ハイテンション
 平山遵子


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■ネタを訪ねて三万歩[107]
年末恒例の大仕事

海津ヨシノリ
< https://bn.dgcr.com/archives/20131218140300.html
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年末年始という、一年でもっとも落ち着かない日々が迫ってくると、本当に困ってしまいます。もちろん正月が好きとか嫌いといった単純な問題ではなく、とにかく落ち着かないのが嫌なのです。

そんなことはお構いなしに季節感を感じ始めるのが、モリサワ・パスポートの更新案内が届くことです。これは本当に面倒な書類手続きが必要で、毎年閉口してしまいます。今の時代にお役所的な書類を作成するなんて意味不明というかほとんど嫌がらせに近いですね。

余談ですが、この面倒な書類に当てこすりし、更新料を「年貢」と揶揄する方が案外多いです。よって届いた案内書は即刻廃棄し、手続きのいらない更新パックを購入して対処するのが、私の年末行事のスタートになります。

それに合わせて、ほとんど使わなかったソフトの更新をどうするかを、ある程度決めてしまうのもこの時期です。かつて、持ち物整理の達人であった友人が放った一言を私は未だに守れないのです。

曰く「半年使わなかったら廃棄」は本当に頭の痛い一言です。それでもダラダラとほとんど使わないソフトウェアなどのアップデートは、思い切らないと無駄以外のなにものでもないですからね。

実は、講義で使うためだけにアップデートを重ねているソフトもかなりあるのですが、それってなんか不経済だと気づき始めたのです。メインで関わっている多摩美術大学造形表現学部も募集停止で、あと3年もすれば消滅してしまいますので、そろそろ思い切りが必要だと考え始めました。もちろん私もお役御免です。

そんなわけで、授業に合わせて色々な実験や検証を行うのもあと数年だと思うと感無量です。色々な意味で楽しかったので、特にそのように感じてしまいます。実は、大学等で講師をするようになってからの私の年末年始は、授業で解説するツール類やメインツールの実験・検証特別月間だったわけです。

年末年始恒例の親戚回りや、飲み会の習慣がない私にとって、この時期はゆっくり時間を使うことのできる貴重な日々だからです。当然ながら大掃除や初詣もしたことがありません。もちろん、さすがにこの点について自分は変わり者だと自覚していますが、悔い改める気にはまだなっていません。

さて、続けて、年末一番の大仕事である年賀状作成があります。3Dで作成するようになって8年目となった年賀状印刷なのですが、これは今年に限りかなり早い段階に対処出来たので大助かり。

干支を一巡するまではスタイルを替えないつもりですが、2年ほど前からスタイルが崩れ始めており、本当にこの先どうなるかは私にも分かりません。また、既に7割近くはメールなどの対応に変更してしまっていますが、少なくとも葉書に印刷する年賀状は細々と継続することは確かです。

メールでの対応か、葉書かの判断の基本は、メールアドレスが分からない、または不明で判断しています。しかし、早めに対応が出来た翌年はギリギリとなることがお決まりです。どうしてお決まりになってしまうのかが不思議なほど、このリズムは続いています。正に「気の緩み」〜「昨年の反省」の繰り返しですね。

ちなみに、私は馬鹿正直に賀状の文面を信じてしまうタイプなので、年賀状にいつもイライラしてしまいます。「ご連絡下さい」「近々に会いましょう」これらは社交辞令と分かっていても、ついつい反応していました。

そんな私も、さすがに数年前から空気は読めるようになったので反応は鈍りましたが、やはり年賀状に限らず引っ越しの挨拶なども含めて、葉書の案内には反応しないが正しい大人の対処方法かもしれませんね。

ところで、年賀状の宛名は手書きにしたいところですが、申し訳ないと思いつつ印刷しているのです。今年はインクジェットプリンタを目詰まりで何台も廃棄しているので、かなりイライラしてしまいました。残りのインクジェットプリンタのうち、まともに使えるのが一台だけだからです。ないと困るインクジェットプリンタも寿命が短いので、激安型落ちでお茶を濁すことが得策かもしれませんね。

話を戻すと、次に区の健康診断を受けること。国民健康保険の健康診断です。東京都の学校へ提出する健康診断書類の日付を逆算すると、この時期に受けた方がお得なのです。新規に健康診断書を作成してもらうと、とんでもない金額が掛かりますからね。

そして、最後が書類の整理です。大掃除はしませんが、書類関係の整理はします。これが意外と大変なのです。整理自体よりも処分が。ほとんどがシュレッダー送りだからです。機密とまでは行きませんが、やはり不用意に捨てられるものではありませんからね。

そんなこんなで、シュレッダー処理は年明けしてもダラダラと続いています。なんだか変な感じですが、二日酔いでクラクラする正月よりは健全かも知れないと自問自答してしまいます。

こうして、気が付けば年明けの平常業務となるわけです。色々やることはあるのですが、あまり深刻に考えても手付かずになってしまいますので、なるがままにお気楽対処するようにしています。

しかし、だいたいこの時期にアイデアとして変な事を思いついたり、謎の書類などが出て来て、やることがどんどん増えてしまったりします。余計なことはしないことが一番なのですね。

そうはいっても、ついつい余計な事に手を出してしまうのは、子供の頃からの癖というか個性のようです。実は、今年から不定期に確認していることのひとつにブログの統計があります。どうしたわけか、日本よりもアメリカからのアクセスが異常に多いときがやたらとあり、他はロシア、ウクライナ、ドイツあたりからのアクセスが集中していることを知ってビックリしています。

理由はさっぱり分かりません。コメント類はほとんど付いていないのですが、この妙なアクセス結果は本当に謎です。Facebookでは英語と併記していますがブログはベタな、それも下手な日本語ですから。

もちろんアメリカにも多くの日本人の友人がいますが、ロシアとウクライナ、そしてドイツには居ないはずです。もしFacebookからの流れだとしたら、ロシア、ウクライナ、ドイツではなくて、イタリア、スウェーデン、スペインが上位に入っているはず。本当に謎です。

世の中には知らない方が幸せということが少なくないので、あまり考えないようにしていますが、やはり気になりますね。

そうそう、Facebookでも不思議なコトが。今年の6月から突然怪しい友達申請が激増し、8月だけでも50名を突破する勢いだったのに、何故か11月を境にプッツリと止まってしまいました。もちろん怪しい申請は来ない方が精神衛生上いいに決まっていますが、突然来なくなると、それはそれで妙な寂しさを覚えますね。

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■今月のお気に入り映画とミュージック

[Rockin' Around The Christmas Tree]by She & Him in 2011(U.S.A)

シー&ヒム(She & Him)は、アメリカ人女優のズーイー・デシャネルとノラ・ジョーンズの作品への参加などで知られる、アメリカ人シンガーソングライターのM・ウォードによるインディー・ロックデュオ。

アルバム[A Very She & Him Christmas]は以前にも紹介しましたが、とってもナイスです。この曲は1958年にジョニー・マークスによって作曲され、ブレンダ・リーの歌(当時14歳)でヒットしたあまりにも有名な曲ですが、色々なアーティストがカバーしていてどれもそれぞれ魅力的です。

Rockin' Around The Christmas Tree - She & Him
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[Gone]by Heitor Dhalia in 2012(U.S.A)

邦題「ファインド・アウト」。何者かに誘拐されたが危機一髪で逃げ出し、警察に助けを求めたが、妄想と判断されてカウンセリングと薬を強制されてしまったヒロインの妹が誘拐されて……。

警察が信用してくれないという切り口は本当にコワイですね。日本でも少しずつ、加害者の人権の方が被害者よりも重く取り扱われるような流れになってきていて、本当に不気味です。主役のアマンダ・サイフリッドの演技はとても光っています。ラストは本当にナイスです。

映画『ファインド・アウト』予告編
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【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/
怪しいお菓子研究家

yoshinori@kaizu.com
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< http://kaizu-blog.blogspot.com
>

今年も年間でおおよそ20000カット(携帯・iPhoneでの撮影は除く)ほどの写真を撮りました。一日平均50カットほどですが、自分では少ないと感じています。もっとも、フィルム時代から考えたらとんでもないカット数ですね。ちなみに、フイルム時代は最高2000カットぐらいだったと記憶しています。

ところで、写真理論と実習を教えるようになって感じたことは、最新のレンズでは説明が難しいということ。絞りリングもないレンズで、絞りの意味を説明するのは大変なこと。もちろん、フイルム時代の絞り付きレンズが潤沢に用意されているので助かっていますが、そうではない環境だと辛いですね。

世の中、すべからくこんな状況に流れてしまっていることに対しては、少しばかりナーバスになっています。体を使って感じたり覚えたりすることがスルーされてしまい、電子機器だけに頼らなくてはならない現在の若者に対しては、同情すら感じてしまいます。

アナログ至上主義ではありませんが、非アナログ的な感覚も同時に見つける訓練を学生のうちに体験しておいた方が絶対にいいと思うのですけれどね。


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■グラフィック薄氷大魔王[372]
大型作品集中制作、ひとまず終了

吉井 宏
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8月後半から先週にかけて、実家で2か月かかって47cm〜90cmの立体作品を7点制作しました。普通の仕事もしながらなので、実質的にはたぶん40日程度。スピード重視だったので不満点は色々あるものの、とりあえずよくやった>自分。というか、バカじゃねーの? が半分くらい。

今回は制作実況をFacebookやTwitterにはほとんど書かなかったし、写真の整理も追いつかないので、完成作品の写真はまた今度載せます。今までにも同じようなこと書いてますけど、思ったこといろいろランダムに書きます。

●作業とクリエイティブの核心

立体制作は本当に時間がかかる。例えば、塗装。一回分のマスキングをする時間で、平均的なTDWキャラの一個や二個作れちゃう。二か月間フルパワーでTDWを作ったら、少なくとも180個の新作ができちゃうんだよ。TDWは単に作業ではなく、僕にとってクリエイティブの核心に近いもの。7個の素人仕事の立体作品 vs.180個のプロCG作品。う〜〜ん、もったいない。かな?

●失敗に慣れたかも

どんなひどい失敗をしても、一段階に戻ればなかったことにできるデジタル作業のありがたみを、ひしひしと感じる毎日でした。アナログ立体制作は失敗できないプレッシャーが常にのしかかる。

ひとつの工程で、最低ひとつくらいは大きな失敗をする。どんな注意しててもやっちゃう。とはいえ、失敗したりしてもちっとも慌てなくなった自分に気がつく。以前はひとつ失敗するたびに「もうダメ。サイテー。帰りたい。」とか落ち込んでいたけど、平気になってきたw

そりゃ、一瞬は動揺もするけど、即、諦観。時間はかかるけど補修や修正は可能なんだよね。何しろゼロから作ってるものなんだから。気持ちを気長におおらかに保つのだ。放っておけば自然に治癒するわけじゃなし、完成させるつもりがあるなら、どっちにしろ補修しなくちゃならんのだ。

最近の失敗といえば、仕上げの最終工程のクリアラッカーをスプレーしてる最中、地面に敷いたブルーシートが風でまくれ上がって塗装面にベッタリくっつき、剥がしたら下地まで取れちゃった。その部分を下地からやり直すハメに。同様に、片面をスプレーし終わって反対側をやってたら、乾燥が足りずに段ボールに敷いていた布にくっついたり。

一番キツかったのは、最後の最後。本体と足が別々のパーツになってる作品(高さ90cm)を、仮組みして写真を撮っておこうと強力両面テープで接着して立たせてたら思いっきりぶっ倒してしまい、足パーツを床に落っことした。ボコッと4cmくらいの凹みと十数cmのヒビが……。補修に丸一日かかったよ〜。

例の「ガラス繊維を入れてしっかりFRPすると重いから落っことしたら壊れる。表面を樹脂で固めるだけなら軽く仕上がる。強度はないけど落っことしたら壊れるのはFRPだって同じ」に則って、表面がガラス繊維なしの樹脂だけのもの。やっぱ壊れるよね、ってこと確認できましたw

●冬という敵

気温35度と5度じゃ世界がまるっきり違う。気温が低いと立体制作に不都合なことがいろいろある。まず、樹脂がなかなか硬化しない。硬化剤をたっぷり入れても「本当にこれ硬化するのか?」って不安になるくらい時間がかかる。一晩おけばいちおうは固まるんだけど。8月なんか1時間でカリッカリに硬化してたから。

塗装も同様。なかなか乾かないので次の工程に進めなくてイライラする。夏は3工程イケたところが冬は1工程くらい。表面は乾いても中は溶剤が残ってるので、マスキングテープを剥がす跡が付いてしまう現象に悩まされた。1〜2日じゃ中まで乾かないねえ。あと、寒いとスプレーの圧力が低い! 「気温10度以下では使用不可」とか書いてあったりする。

溶剤臭のため窓開けっ放しで、冷房入れられない猛暑よりはマシだけどさ。夏は何かするたびに全身全霊で気合いを入れないと体が動かなかったもんなあ。というわけで、たぶんこういう立体制作に適した季節は、5〜6月、10〜11月くらいかな。年に4か月くらいしか快適に作れないかも。

●立体と平面

しばらく立体の作業をやった後、ちょっと紙と鉛筆でラクガキしてみたりして思うのは、「平面に鉛筆で描くのってどんだけラクなんだよ!」。塗装作業中に下敷きに使ってる段ボールに筆で描いてみると、やはり「キャンバスが平らって異常に描きやすい!」。同様に、デジタル仕事でペンタブで3Dの作業してもラクなんだよな〜。なぜって、ペンタブもディスプレイも平面だから。

●パソコン環境

今回は23インチ液晶ディスプレイを実家で購入したので、東京の仕事部屋にいるのと同じくらいはかどったし、快適だった。ドローイングやペイント中心の仕事はたまたま少なく、キャラクターのモーション付けやレンダリングがほとんどだったため、せっかく持って行ったCintiq Companion Hyblidは一度も接続しなかった。

数10個のモーション付けと、1000pixel角程度のレンダリングを数千フレームやりましたけど、MacBook Airでぜんぜん大丈夫だなと思った。そりゃ多少は時間かかるけど、レンダリング時間なんて全作業の1割もないわけで。

その間にアナログ含めて他の作業ができるし。速いマシンだとレンダリング中も気持ちを切り替えられず、手持ち無沙汰になって時間をムダにすることが多いかも。

●大型作品はラクか?

今まで、小さいフィギュアを工作したり塗装するのがめちゃくちゃしんどかった。基本的に不器用なので、大きくすればラクなんじゃね? ってことで、だんだん大きくなってきた経緯があります。今回は最大で90cm。大きけりゃ大きいほどラクってのはちがったみたいw

作業そのものは常に拡大サイズでやってるみたいなもんでラクだけど、向きを変えるのがめんどくさい。よっこらせ! だもんね。ひっくり返して見る頻度が少ないので、あれ? こんなところに塗り残しが! とか。う〜ん、やはり快適に作れるサイズは30〜40cmくらいまでだろうなあ。

作っていたのは、容積で言えば10センチ大のフィギュアの数百倍だもん。小さなフィギュアを10個くらい複製して「また部屋が狭くなる」とか思ってたくせに、今回は合わせて数千倍の容積を作っちゃったのでした。どうするんだこれ?

●オチみたいな話

ところで先週、〈「大型作品集中制作をなぜ始めたか?」の根本的な部分がひっくり返りそうな可能性が。来週には結論出てるかも・・・。〉と書きましたが、その結論が出ました。「なぜ制作を始めたか?」は「海外の展覧会に招待されたから」だったのですが、参加を辞退することになりました。えええ!

まだまだ準備が進行中の展覧会なので、どういう事情で? って話は自粛しますが、先方の見通しが甘かったし、予期できなかったこちらも甘かった。う〜ん。

とりあえず、最初から「以前からやりたかった、まとまった数の大型作品制作をする、いい機会ができたぞ」と考えてましたので、制作はムダでもないし落ち込んでもいません。普通じゃできないようなムリヤリの強行軍をやったおかげで、短期間で新作7点、既存作品と合わせて9点の大型作品が出来たわけです。「来年の○○○に出そう!」とかいろいろ目論見もあります。楽しみ〜。

【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com
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Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
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実家制作から帰ってきた先週金曜に、iPhoneに機種変更しました〜〜〜! iPhone5cのグリーン。しゃべってコンシェルもiコンシェルもiPhoneで使えるようになったので、東京に帰ったらすぐiPhoneにしようって決めてました。実は帰る3日前、今まで使ってたスマホが壊れて起動不可に。機種変更を察したのかな?

・INTER-CULTUREの3Dプリント作品販売
< http://inter-culture.jp/Buy/products/list.php?category_id=63
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・Cubifyの吉井ストア
< http://cubify.com/community/stores/yoshii_store.aspx
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■どうしたらできるかな?[step:12]
妙にノリノリ、ハイテンション

平山遵子
< https://bn.dgcr.com/archives/20131218140100.html
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計11体のぬいぐるみの制作。意気込んではいたものの、自分の裁縫、手縫いのスピードを考えてみると、果たして決めた日数でぬいぐるみが作れるのかと不安になりました。けれど、引き受けてしまったことだし。「あははっ、できませんでした。ごめんなさい」なんて笑ってごまかせないし……。

どうしたらよいものかと考えながら、オーダーメイドノートをぱらぱら眺めていました。すると、姉妹、兄妹が意外と多いことに気がつきました。そうだ、この前のいねくん、みちちゃんのように「きょうだいで仲良く遊べるペアぬいぐるみ」を作るという方法があったんだ。

まずとりかかったのは、工作の大好きな姉妹と、龍の絵を描いてきた兄妹、二組のキャラクターデザインでした。

工作の大好きな姉妹の描いた絵と工作を眺めていると、自分の思い込みかもしれませんが、あることが見えてきました。この姉妹の好きな色はピンクと青……何か形と形を組み立てたり繋げたりするのが好きなのかな……趣味、好きな遊びはパズル……あっ、これだ!

この姉妹のためのぬいぐるみの形、キャラクターの形が急に頭に浮んできたのです。姉妹の趣味、好きな遊びのパズルをモチーフにしたキャラクターです。鉛筆を走らせながら、こんなアイデアがひらめきました。実際のぬいぐるみもパズルのように凸凹があれば……姉妹がぬいぐるみで遊んでいる時、この凸凹に気付いて、ぬいぐるみを合体させたりして遊んでくれたら面白いかも。

そんなこんなで鉛筆を走らせ、色鉛筆で色を塗り、「パズル君とパズルちゃん」というキャラクターが誕生しました。なんだかこの時は妙にノリノリのハイテンションだったのか、龍の絵を描いてきた兄妹のキャラクター案も浮んできました。

なんだか先程まで、決めた日数でぬいぐるみが作れるのかと不安になっていた自分が嘘のようです。

渋い水墨画のような龍の絵を描いたJ君は、意外と乙男(オトメン)でかわいいぬいぐるみなども好きだとSさんから聞いたな。あっ、そうか。J君にはかわいい顔をしたドラゴンのキャラクターで、好きな色の青をベースに作ってみたら面白いかも。ドラゴンと言えばファンタジーやRPGゲームを連想するな。

ドラゴンにピッタリのキャラクター……妹さんの絵や工作はないけど、かわいいものやプリンセスが好き……。かわいい妖精のキャラクターを作ってあげたらどうだろう。

珍しくこの日は鉛筆がさらさらと動きます。う〜ん、違う、こんな顔じゃない、もっと目は大きくして……ユニークな顔にしたいからブタさんのように鼻は大きく……、女の子の好きな色はやはりピンクかな。髪の毛は毛糸で作って、ワンピースにはスパンコールを付けたらいいかな。

ああでもない、こうでもない、とスケッチを繰り返し、キャラクターデザインが完成しました。「ユニークドラゴンくんとプリンセスフェアリー」です。とにかくまずは型紙を起こし、必死でこの4体のキャラクターのぬいぐるみを縫いました。

そして、姉妹、兄妹に贈るぬいぐるみが完成したのです。

姉妹に贈った「パズル君とパズルちゃん」
参考URL 「思い出を形に」スライド画像参照
< http://www.j-allstars.com/ordermade.html
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兄妹に贈った「ユニークドラゴン君とプリンセスフェアリー」
参考URL トップページスライド画像参照
< http://www.j-allstars.com/index.html
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とにかく、縫うのが遅くてもできることからやろう。そう思い、残り7体のぬいぐるみのデザイン、制作に励むことにしました。

【平山遵子・ひらやまじゅんこ】
J★(Junko allstars)〜思い出を形に未来につなぐハンドメイド〜
< http://www.j-allstars.com/
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夢は「世界一楽しいぬいぐるみ」を作る!


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編集後記(12/18)

●南伸坊「オレって老人?」を読む(みやび出版、2013)。みやび出版の季刊誌「myb」と毎日新聞社「本の時間」の連載を軸に、いくつかの雑誌で書いたもの(テーマを与えられたものが多いという)のなかから「じじくさい」「じじむさい」ような文章をよせ集めたものだ。懐旧談、日本語談義など老人がよくする内容ばかりだ。何10年も前、CM撮影現場取材で筆者に会ったときは、ずいぶん年上に見えたものだったが、意外なことにわたしの一歳下である。いまはともに「法的に老人」である。「前期高齢者」である。

筆者は自称「イラストライター」である。いままで何冊もこの人の本を読んで来たが、「オレって老人?」ほど微妙なエッセイはない。わざと老人ぶっているかのような(いや、既に老人なんだって)、あまり上出来ではない「作文」ばかりだ。いや、わざとやっているな。わざとでなかったら、ただヘタになったということだ。かつて「昭和軽薄体」の一味として人気を博したとき、無類の読書家・亀和田武から「素人ぶったカマトト的な文体であり、『自分は素人』と逃げている」と糾弾されたことがあったけど、このたびは「自分は老人」と逃げているのか。

これは違うぞ、南伸坊ではない、ただの平凡な老人の作文だ、といささか舐めて読んでいたのだが、それでも時々なるほどねえと思うところもあって。彼は医者から肺ガンの嫌疑をかけられ、なんだ、もう死ぬのかと思い続けた半年間が、後から考えると「人生の最高の瞬間の宝庫」だったらしい(半年後にガンは消えていた)。桜の花や若葉を見ると「なんと、キレイなことだなあ!」と思う気分などは、体験として悪くなかったという。わたしも最近、にわか雨のあと、日の射した庭や生け垣を見ると「なんと、キレイなことだなあ!」と思うんだけど、死に至る病を宣告されるともっとキレイに見えるのかな。

「オレって老人?」って問いかけみたいな言い方、かなり気に入った。ときどきヘマをやらかし妻から非難されたときなど「オレって老人?」と、とぼけてみせる。昨日は二件の用事があって外出したのに、両方とも肝心のブツを忘れていてとりに戻ること二回。「オレって老人」と断言する。レンタルショップで二本の「名画」DVDを旧作棚で発見し、喜んでカウンターにもって行ったら「今日はシニアサービスデーなので、一本は無料ですよ」と、年齢確認もせずに宣言する娘っ子。思わず「かたじけない」と言ってしまったオレって老人。いいセリフを返せたと、後で自分を褒める。(柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434179004/dgcrcom-22/
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南伸坊「オレって老人?」


●先日紹介した『えいぽんたん』のAndroid版が出たよ。/ネット通販で。非純正品(ジャンク品)を売っているお店があった。会社概要を見ると、住所や電話番号、メールアドレスあり。

住所に関してはGoogle Mapsのストリートビューで確認。存在しない住所ではない。民家とその横に倉庫のようなものが見える。次にメールアドレス。ドメイン部分をブラウザにコピペしてエンター。サイトはないが管理は日本のドメイン会社で、取得は2012年とわかる。

ドメインで検索したら、ヤフオクのプロフィール欄がヒット。住所類も掲載。2011年に6つの「非常に悪い」評価。靴の販売のもので、出品者都合でのキャンセルや粗悪品販売とのこと。2009年から出品、良い評価は32。

そして責任者名で検索。Facebookがヒット。検索結果に並んだ5人の名前は、全部中国人。変わった名前ではあるが、日本人っぽい名前なのに、どうして中国人の名前が列記されているのだろう。この人と繋がっているのが中国人ってこと? でも本人の名前は結果に上がって来なかったんだけど。まぁ大丈夫そうだなぁと判断し注文したよ。詐欺られたら後記ネタにしようっと♪(hammer.mule)

< https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.drecom.shiratama.app.release
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えいぽんたんの紹介動画があったわ